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木材産業の特定技能|製材・合板などの対象と受け入れ要件
製材・合板・プレカットの工場で、対象の確認から作業安全の確認証、機械の安全教育までを段取りよく進める
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
製材所で人が足りない。特定技能の木材産業で外国人を受け入れたいが、自社の工場が対象なのか、試験や協議会はどうなっているのか、丸のこ盤や帯のこ盤の作業を任せて大丈夫なのか分からない。木材産業は2024年に加わった新しい分野で、在留者はまだ99人(2026年7月末)です。この記事では、対象になる事業所と業務、試験の中身、協議会と作業安全の確認という要件、そして機械作業の安全教育の進め方を、2026年10月時点の公的資料で整理しました。
- 対象は製材・合板・集成材・プレカットなどの事業所:日本標準産業分類で決まり、賃加工も含まれます。選別や包装だけの事業所は対象外です。2号はなく、1号の通算5年までです。
- 協議会は「事業所ごと」に入り、作業安全の確認証が要る:全国木材組合連合会の確認を受けた確認証や機械設備一覧表を出します。確認に時間がかかるため、在留の申請までに余裕を持たせます。
- 試験は60分・35問、合計65%以上で合格:日本語(ふりがな付き)で国内外で行われます。木材加工職種・機械製材作業の技能実習2号を良好に修了した人は免除です。
- 機械作業は法令の教育と母国語の説明をセットで:雇入れ時の安全衛生教育に加え、フォークリフトやクレーンには特別教育などが必要です。丸のこ盤などが5台以上の工場には作業主任者の選任義務もあります。
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この記事の目次
結論:特定技能の木材産業は、事業所ごとの協議会入会と安全の準備が決め手
木材産業の特定技能では、製材・合板・集成材・プレカットなどの工場で、木材の加工を担う外国人を受け入れられます。準備のかなめは2つです。外国人を受け入れる事業所ごとの協議会への入会と、その前提になる作業安全の確認です。
木材産業は2024年3月に対象に加わった新しい分野で、2026年7月末の1号の在留者は99人でした。受入れ見込数4,500人に対して2.2%で、枠には十分な余裕があります。そのぶん、受け入れの実績を持つ紹介会社や登録支援機関はまだ多くありません。
図1数字で見る木材産業の特定技能
- 99人1号の在留者2026年7月末・速報値(1年で97人増)
- 4,500人1号の受入れ見込数2028年度末まで。消化率2.2%
- 2,200人育成就労の見込数2027年4月の開始から2028年度末まで
- なし特定技能2号1号の通算5年までの受け入れ
所管は林野庁。公式の手引きがそろってきた
木材産業分野の所管は農林水産省(林野庁)で、問合せ先は林野庁木材産業課の生産加工班です。林野庁は2026年1月に事業者向けのリーフレット、2月に受入れマニュアル、9月に受け入れの優良事例を出しています。新しい分野なので、最初にこの3つに目を通しておくと、紹介会社の説明が正しいかを自分で確かめられます。
山の仕事、ほかの製造との境目
伐採や植林など山の仕事は、木材産業ではなく林業の特定技能の分野です。家具や造作材の工場は、工業製品製造業の対象業種に入ります。自社の工場で外国人に任せたい仕事がどの分野に当たるかを、最初に確かめます。
製材工場は特定技能の対象か:対象になる事業所と業務
製材工場は、木材産業の特定技能の対象です。対象は日本標準産業分類で決まり、製材業・木製品製造業(小分類121)のほか、合板、集成材、プレカット、銘木、床板の事業所が含まれます。
図2木材産業の特定技能の対象になる事業所
| 産業分類 | 事業所の例 |
|---|---|
| 121 製材業、木製品製造業 | 一般製材、単板(ベニヤ)、木材チップ、その他の特殊製材 |
| 1222 合板製造業 | 合板工場 |
| 1223 集成材製造業 | 集成材工場 |
| 1224 建築用木製組立材料製造業 | プレカット工場 |
| 1227 銘木製造業 | 銘木の加工場 |
| 1228 床板製造業 | フローリングの工場 |
たとえば、仕入れた製品の仕分けや梱包だけを行う倉庫は対象外です。判断は会社全体ではなく、外国人が働く事業所ごとに行います。
任せられる仕事は「木材の加工等」が中心
主に従事するのは、製材業や合板製造業、集成材製造業などに係る木材の加工等です。試験が想定する範囲は、製材、集成材、単板、合板、LVL、木材チップ、プレカットの作業です。
次の関連業務には、日本人と同じように付随して従事できます。ただし、関連業務だけを専ら行わせることはできません。
- 原木や資材など原材料の調達・受入れ
- 製品の検査
- 製品の出荷(運搬・梱包・積込みなど)
- 作業場所の整理整頓・清掃
プレカットと造作材は「隣の分野」との境目に注意
建築用木製組立材料製造業(1224)は、工業製品製造業の対象業種にも挙がっています。造作材製造業(1221)は木材産業の一覧になく、工業製品製造業の対象業種です。どちらの分野で受け入れるかは、任せる業務と所管の窓口で確かめます。
木材産業の特定技能の試験:測定試験の中身と技能実習からの免除
1号の技能は「木材産業特定技能1号測定試験」で確かめます。2026年1月23日の運用方針では「評価試験」の名称になっていますが、入管庁と林野庁のページは「測定試験」と表記しています。実施は一般社団法人全国木材組合連合会です。
図3木材産業特定技能1号測定試験のしくみ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題 | 学科32問(木材産業の一般知識と安全衛生)、実技3問(判断と作業計画) |
| 時間 | 60分(35問) |
| 方式 | ペーパーテストまたはCBT |
| 言語 | 日本語(ふりがな付き) |
| 合格基準 | 学科と実技の合計得点の65%以上 |
| 水準 | 国内で2年程度(1〜3年)の経験がある人の7割程度が合格する水準 |
| 実施場所 | 国内と国外(回数・時期・場所は林野庁と実施機関が協議して決定) |
| 受験の条件 | 国内で受ける場合は17歳以上で在留資格があること |
林野庁の受入れマニュアルによると、合格の証明書は発行日から10年間有効です。日本語は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)でA2.2相当以上か、日本語能力試験N4以上です。林野庁は2025年5月に学習用テキスト(第1版)を出し、ベトナム語・インドネシア語・英語・タイ語の版も公開しています。
技能実習2号の修了者は試験が免除される
木材加工職種・機械製材作業の技能実習2号を良好に修了した人は、技能の試験が免除されます。この職種・作業は、2023年10月31日に技能実習2号の移行対象に加わりました。ほかの職種でも、技能実習2号を良好に修了した人は日本語の試験が免除されます。
図4木材産業の1号になるための2つのルート
試験に合格する
- 木材産業特定技能1号測定試験に合格
- JFT-BasicかN4以上に合格
- 雇用契約・在留の申請
国内でも国外でも受験できます。試験の日程は、林野庁と実施機関のサイトで案内されます。
技能実習2号を修了する
- 木材加工(機械製材作業)の技能実習2号を良好に修了
- 技能・日本語の試験が免除
- 在留資格の変更を申請
実習が終わると許可まで働けないため、就労開始の2か月以上前に申請します。
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木材産業の特定技能の要件:協議会・作業安全・直接雇用
受入れ企業の要件の中心は、木材産業特定技能・育成就労協議会への入会です。入会は会社単位ではなく事業所ごとで、作業安全の取組を確かめた「確認証」が入会の書類に含まれます。
図5協議会に入会するまでの流れ(事業所ごと)
- 作業安全の取組を整える林野庁の「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:木材産業)」(2021年2月26日)に沿って、事業所の取組を点検します。
- 全国木材組合連合会の確認を受けるチェックシートと根拠資料を出し、取組が適切と確認されると確認証が交付されます。
- 協議会の事務局に入会を申請する入会申請書(別記様式第1号)、定款の写しなど、外国人が働く事業所の機械設備一覧表、確認証をメールで出します。
- 構成員資格証明書を受け取る別記様式第2号の証明書で、在留の申請に使います。
- 入会後もおおむね2年ごとに確認作業安全の取組状況の確認を受け直し、確認の書面を事務局に出します。
協議会のほかに満たす4つの条件
1つ目は、直接雇用です。派遣することも派遣された人を受け入れることもできず、違反すると以後5年間は特定技能の受け入れができません。2つ目は、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上の報酬です。3つ目は、協議会と農林水産省の調査や指導への協力で、在留の申請では分野参考様式第18-1号の誓約書を出します。4つ目は、労働・社会保険・税の法令の順守など、分野共通の受入れ機関の基準です。
登録支援機関は入会の対象外、でも協力は必要
登録支援機関と監理支援機関は、協議会の入会の対象になりません。ただし、支援を全部委託する登録支援機関も、協議会と農林水産省に協力する必要があります。委託先を選ぶときは、協力の体制があるかを確かめます。
協議会は、受け入れを円滑かつ適正に進めるための行動規範や、労働安全の確保の措置を決めています。第1回の木材産業特定技能・育成就労協議会は2026年6月24日に開かれました。入会した後も、協議会の決定に沿った措置を続けることが求められます。
機械作業の安全教育:法令で決まっていること
製材工場の機械作業では、外国人にも日本人と同じ法令の教育と資格が必要です。雇入れ時の安全衛生教育は全員に、フォークリフトやクレーンなどは業務ごとに特別教育や技能講習が求められます。
図6製材工場で外国人に任せる作業と、必要な教育・資格
| 場面・作業 | 必要なこと | 根拠 |
|---|---|---|
| 雇い入れたとき・作業内容を変えたとき | 従事する業務の安全衛生教育 | 労働安全衛生法59条1項・2項 |
| フォークリフト(最大荷重1トン未満) | 特別教育 | 労働安全衛生規則36条5号 |
| フォークリフト(1トン以上) | 技能講習の修了など資格のある人のみ(就業制限) | 労働安全衛生法施行令20条11号 |
| クレーン(つり上げ荷重5トン未満) | 特別教育 | 労働安全衛生規則36条15号 |
| 玉掛け(1トン未満のクレーンなど) | 特別教育(1トン以上は就業制限) | 同36条19号、施行令20条16号 |
| 研削といしの取替え・試運転 | 特別教育(のこ刃の目立てで研削といしを使う場合など) | 労働安全衛生規則36条1号 |
| 丸のこ盤・帯のこ盤などが5台以上ある事業場 | 木材加工用機械作業主任者の選任(自動送材車式帯のこ盤があれば3台以上) | 労働安全衛生法施行令6条6号 |
関連業務の運搬にも、資格の確認が要る
製品の積込みは関連業務として任せられますが、フォークリフトを使うなら上の表の教育や資格が前提です。林野庁の受入れマニュアルの自主点検表も、免許や技能講習が必要な業務に無資格で就かせていないかを確認項目にしています。
「理解できる方法で」教えることが求められている
外国人雇用管理指針は、安全衛生教育を母国語や視聴覚教材など、外国人が内容を理解できる方法で行うよう求めています。労働災害を防ぐのに必要な日本語や、基本的な合図・標識の教育も挙げられています。教えたつもりでも伝わっていなければ、教育の目的は果たせません。
機械作業の安全教育の進め方:伝わる順番と道具
安全教育は「止め方」から教え、合図をそろえ、母国語と写真で確かめる順番が効果的です。林野庁の受入れマニュアルが挙げる取組例も、母国語の表記、ピクトグラム、動画教材の活用です。
図7製材工場で外国人に機械作業の安全を教える手順
- 入社前に教材を渡す
林野庁の学習用テキスト(ベトナム語・インドネシア語・英語・タイ語の版あり)や、厚生労働省の11言語の漫画教材を用意します。入国前の事前ガイダンスのころに渡しておきます。
- 雇入れ時教育は「止め方」から
機械ごとに、非常停止の位置、止める順番、刃に手を近づけない範囲を、実物の前で示します。説明は本人の言語の資料と写真で確かめます。
- 合図と呼びかけを決めて統一する
「止めて」「離れて」など、現場で使う短い言葉と手の合図を5つ程度に絞り、日本人の社員も同じものを使います。
- 特別教育・技能講習の受講を計画する
フォークリフトやクレーンを任せる時期を決め、受講を先に済ませます。外国語の補助教材がある講習かも確かめます。
- 作業手順書を写真と母国語で作る
送材、挽き材、仕分けなどの手順を写真で並べ、危険な点に印を付けます。本人の言語の一言を添えます。
- 確認を定期に繰り返す
3か月に1回以上の定期面談とあわせて、手順が守れているかを確かめます。協議会の作業安全の確認(おおむね2年ごと)の準備にもなります。
自主点検で確かめたい5つのこと
- 雇入れ時と作業内容を変えたときに、安全衛生教育をしたか
- 作業手順を、母国語など本人が分かる言語で説明したか
- 指示を理解するための日本語や、基本的な合図を身につけたか
- 標識や掲示を、図解などで分かるようにしたか
- 免許や技能講習が必要な業務に、資格のないまま就かせていないか
受け入れの流れと期間:協議会から入社、その後の届出まで
流れは、協議会への入会を最初に始め、並行して人を探す形で組みます。作業安全の確認と協議会の確認に時間がかかるため、ここが入社日を決める工程になります。確認にかかる日数は公表されていないので、在留の申請を出したい月の半年ほど前には、作業安全の点検を始めておくと安心です。
- 作業安全の点検と、全国木材組合連合会の確認
- 協議会への入会申請と構成員資格証明書の受け取り
- 候補者探し(試験の合格者、または技能実習2号の修了者)と面接
- 雇用契約、支援計画の作成(登録支援機関に委託可)、事前ガイダンス、健康診断
- 市区町村への協力確認書の提出
- 在留の申請(海外から:在留資格認定証明書、標準1〜3か月。国内から:在留資格変更許可、標準1〜2か月)
- 入社、生活オリエンテーション、ハローワークへの届出
手数料と在留期間(2026年10月から)
在留資格の変更と更新の手数料は、2026年10月1日から、許可される在留期間に応じた額になりました。窓口では1年で33,000円、1年を超え3年未満で48,000円などです。海外から呼ぶときの在留資格認定証明書の申請は無料です。1号の在留期間は、3年を超えない範囲で個別に決まります。
入社後の届出は「年1回」と「14日以内」
入社後は、毎年4月1日〜5月31日に前年度(4月〜3月)分の定期届出を出します。雇用契約や支援計画を変えたときなどは、14日以内に随時届出が必要です。2026年2月の林野庁の受入れマニュアルには「四半期ごとの定期届出」とありますが、2025年4月からは年1回になっています。
2号がない分野の、5年後の考え方
木材産業には2号がなく、1号の通算5年が上限です。5年後を見すえるなら、採用の段階で本人と将来の話をしておくことが、定着の助けになります。2027年4月からは育成就労でもこの分野の受け入れが始まる予定です。
会社選び:実績の少ない分野で、委託先に確かめること
木材産業の在留者はまだ99人です。紹介会社や登録支援機関の多くは、この分野での受け入れ経験が少ないと考えて、具体的な質問で確かめます。実績が少ない分、ほかの製造業で機械作業の安全教育をどう支援してきたか、本人の言語で相談に乗れる人が何人いるかも、比べる材料になります。人材紹介会社と登録支援機関の役割の違いは人材紹介会社と登録支援機関の違い、支援の中身は登録支援機関とはで整理しています。
- 木材産業(製材・合板・プレカットなど)で、何人を紹介・支援しましたか。
- 作業安全の確認と協議会への入会の段取りを、どう手伝ってもらえますか。
- 協議会と農林水産省への協力の体制はありますか。
- 機械作業の安全教育の資料を、本人の言語で用意できますか。
- 測定試験の日程や会場の情報を、どう集めていますか。
- 2号がない分野であることを、候補者にどう説明していますか。
- 紹介料・月額の支援費・追加料金を、3年の合計で出せますか。
受けないほうがよい提案
- 派遣で人を送り込む提案(木材産業では認められていません)
- 選別や梱包だけを担当させる前提の提案
- 協議会の入会を待たずに在留の申請を進める段取り
担当者が兼務の会社の進め方は中小企業が特定技能を受け入れる進め方が参考になります。
想定ケース:製材所(従業員24人)の専務取締役が、安全教育から逆算して1人目を迎えた理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
製材所で専務取締役を務める40代の女性に、特定技能で1人目を受け入れるまでと、その後の半年を聞きました。
- 作業安全の確認から入社まで7か月で、1人目を迎えられた
- 入社から半年間、休業を伴うけがは0件だった
- 出荷前の積込みの残業が、月15時間ほど減った
――1人目を迎えて半年、何が変わりましたか。
出荷の積込みが、夕方の早い時間に終わるようになりました。残業は月15時間ほど減っています。彼はいま、先輩と組んで送材と挽き材の補助をしています。半年、休業するようなけがはゼロです。
――検討を始めたきっかけは。
機械を扱える社員のうち2人が、2年以内に定年を迎えます。地元の高校にも求人を出しましたが、来てくれたのは1人でした。木材産業でも特定技能が使えると聞いたのは、組合の会合です。
――いちばん不安だったのは、どんな点ですか。
機械の安全です。帯のこ盤は、慣れた社員でもひやりとすることがある。言葉が十分に通じない人に任せていいのか、正直こわかった。そこで、人を探す前に安全教育の中身を決めることにしました。協議会に入るには作業安全の確認証が要ると知り、それが社内の点検のよいきっかけにもなりました。
――作業安全の確認と協議会の入会は、どのくらいかかりましたか。
チェックシートを埋めるのに社内で2週間、確認証が届いて入会が終わるまでに、合わせて3か月ほどでした。機械設備一覧表を作る途中で、古い丸のこ盤の安全カバーの傷みが見つかり、先に直しています。人を迎える前に工場の安全を見直せたのは、思わぬ収穫でした。
――委託先は、何を決め手に選びましたか。
木材産業の実績を聞くと、多くの会社は「製造業の経験はあります」という答えでした。1社だけ、「木材産業ではまだ2社の支援ですが」と前置きしたうえで、機械の止め方を本人の言語で説明する資料を見せてくれた。実績の数より、うちの心配に正面から答えてくれたことが決め手です。
――費用の面では、迷いませんでしたか。
迷いました。月額の支援費は、比べた3社の中で真ん中です。もっと安い会社もありましたが、機械の安全の資料づくりは別料金だと言われました。3年の合計で並べると差は小さく、最後は説明に納得できたかどうかで決めています。
――実際に受け入れて、工夫したことは。
合図を5つに絞り、日本人の社員も同じ言葉と手の形で統一しました。作業手順書は写真で作り直し、彼の言葉を一言ずつ添えています。もうひとつの効果は、日本人の新人にも分かりやすくなったことです。フォークリフトは、特別教育を受けてから任せる予定です。
――暮らしの面では、何を準備しましたか。
工場から歩いて10分の借家を会社で借り、登録支援機関と一緒に生活用品をそろえました。スーパーまで車で15分かかるので、最初の3か月は週に1回、社員が買い物に付き添いました。いまは自転車で通っています。2人目を迎えるかどうかは、来年の春に本人の様子を見て決めるつもりです。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
製材工場で外国人を受け入れるには?
特定技能の木材産業分野で受け入れます。まず、工場が対象の産業分類(製材業・木製品製造業など)に当たるかを確かめます。次に作業安全の確認証を取り、事業所ごとに木材産業特定技能・育成就労協議会に入会します。そのうえで、測定試験の合格者か木材加工の技能実習2号の修了者と雇用契約を結び、在留の申請をします。
プレカット工場も対象になりますか?
対象になります。プレカットは建築用木製組立材料製造業(1224)に当たり、木材産業の対象です。この分類は工業製品製造業の対象業種にも挙がっているため、任せる業務に合わせてどちらの分野で受け入れるかを確かめます。
木材産業の特定技能に2号はありますか?
ありません。運用要領は、木材産業分野では2号での受け入れはできないと定めています。1号の通算5年までの受け入れになるため、採用の段階で本人と将来の話をしておきます。
工場が2か所あります。協議会には1回入ればよいですか?
足りません。入会は受入れ企業ごとではなく、外国人を受け入れる事業所ごとに必要です。それぞれの事業所で作業安全の確認証と機械設備一覧表を用意します。
支援を任せる登録支援機関も、協議会に入りますか?
登録支援機関は入会の対象外です。ただし、支援を全部委託する場合、その登録支援機関も協議会と農林水産省に協力する必要があります。
外国人にフォークリフトの運転を任せてもよいですか?
製品の積込みなどの関連業務として、付随的に任せることはできます。最大荷重1トン未満は特別教育、1トン以上は技能講習の修了など資格が必要です。運転だけを専ら任せることはできません。
給与は日本人の社員と同じにしなければいけませんか?
同じ仕事をする日本人と同等以上にする必要があります。2026年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,177円で、都道府県ごとに10月1日から12月2日にかけて順次発効します。経験年数が近い日本人の社員の賃金を基準に決めると、説明もしやすくなります。
試験の勉強に使える教材はありますか?
林野庁が2025年5月に学習用テキスト(第1版)を出しており、ベトナム語・インドネシア語・英語・タイ語の版もあります。試験の学科では安全衛生の知識も問われるため、試験の準備が入社後の安全教育の下地づくりにもなります。
海外から呼ぶ場合、国ごとの手続きはありますか?
あります。日本と送出し国の取決め(協力覚書)にもとづく手続きが国ごとに定められています。たとえばインドの場合はインドから特定技能で受け入れる手続きで流れを確かめられます。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁「木材産業分野」(2024年9月30日現在)
- 出入国在留管理庁・農林水産省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(木材産業分野)」(2024年9月30日公表)
- 出入国在留管理庁「木材産業分野の運用方針(特定技能・育成就労)」(別紙18)(2026年1月23日閣議決定)
- 林野庁「木材産業における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)
- 林野庁「木材産業特定技能・育成就労協議会」(2026年10月確認)
- 木材産業特定技能・育成就労協議会決定「特定技能外国人及び育成就労外国人の労働安全の確保のために講ずる措置について」(2026年6月24日適用)
- 林野庁「木材産業分野 特定技能外国人 受入れマニュアル」(2026年2月)
- 林野庁「木材産業特定技能1号測定試験実施要領」(出入国在留管理庁掲載)(2024年10月)
- 出入国在留管理庁「試験関係」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
- 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
- 出入国在留管理庁・経済産業省「工業製品製造業分野の基準について(運用要領)」(2026年6月25日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(2026年10月時点)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」(2026年10月時点)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(2026年10月時点)
- 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(2026年5月29日改正を反映)
- 厚生労働省「外国人労働者の安全衛生対策について」(2026年10月確認)
最終更新:(2026年10月版)
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