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特定技能で使える補助金・助成金|国の制度と自治体制度の探し方【2026年10月】

国の助成金は「環境づくり」に定額。紹介料などを補うのは一部の自治体。探す順番と締切を押さえる

特定技能の採用には紹介料や支援の委託費がかかる。補助金や助成金で少しでも負担を減らしたいが、どの制度が自社に使えるのか分からない。この記事では、特定技能で使える補助金・助成金を、国の助成金(人材確保等支援助成金の外国人向けコース)と、都道府県などの自治体の補助制度に分けて整理します。国の助成金が紹介料を補う仕組みではない理由、自治体の制度の5つのタイプ、自社が使えるか確かめる6つの手順、2026年度の締切と「交付決定の前に払った費用は対象外」などの申請時期の注意まで、2026年10月14日時点の公表資料で確かめました。

この記事の結論
  • 国の助成金は「就労環境の整備」に定額で出る:2026年10月1日以降の計画は、雇用労務責任者の選任と就業規則などの多言語化で20万円、一時帰国の休暇制度も整えると25万円。紹介料や委託費を補う仕組みではありません。
  • 採用時の費用を補助するのは一部の自治体:鳥取県(介護・障害福祉、初期経費の2分の1・1人15万円まで)、青森県(介護、1人60万円まで)など、介護分野が中心です。福岡県の補助金のように特定技能が対象外の制度もあります。
  • 締切は年度の後半に集中する:2026年度は10月30日(大分・宮崎・青森)、11月30日(島根)、12月25日(鳥取)などが締切です。予算に達すると早く終わり、交付決定の前に始めた事業は対象外になる制度もあります。
  • 確かめる順番は「費用→所在地→対象→経費→時期→併用」:自社の費用を項目に分け、本社と事業所の県・市町村の制度を、対象の在留資格と申請の時期まで確かめます。

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この記事の目次

結論:特定技能の補助金は「国の助成金」と「自治体の補助金」の2段で探す

特定技能で使える公的な補助は、全国共通の国の助成金と、県や市町村が独自に設ける補助金の2段に分かれます。国の助成金は職場の環境づくりに定額で出るもので、紹介料などの採用の費用を補うのは、一部の自治体の補助金です。

図1国の助成金と自治体の補助金の違い

国の助成金(厚生労働省)

  1. 全国どこでも同じ要件
  2. 雇用労務責任者・多言語化・一時帰国休暇の措置に対して定額(20万円・25万円)
  3. 計画の提出から支給申請まで最短でも約10か月
  4. 外国人の離職率15%以下が条件

特定技能に限らず、雇用保険に入る外国人を雇う会社が対象です。

自治体の補助金(県・市町村)

  1. 所在地・分野・在留資格で対象が変わる
  2. 対象経費×補助率(上限あり)
  3. 年度ごとの募集。予算に達すると終了
  4. 交付決定の前に始めた事業を対象外とする制度がある

紹介料や渡航費などの初期費用を補う制度は、確認できた範囲では介護分野に多く見られます。

国は「定額・全国共通」、自治体は「補助率・地域限定」です。出典:厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)、鳥取県「特定技能外国人材受入支援事業補助金」(令和8年度)

採用の費用は、多くの会社で増えている

日本政策金融公庫の調査(2025年2月21日公表)は、5年以上前から外国人を雇う企業に、2019年と比べた採用コストを聞いています。外国人正社員(管理職を除く)では、43.7%が「増加した」と答えました。補助を探す動機は十分にあります。ただし、補助で減らせるのは費用の一部です。1人を採用したときの3年総額は特定技能の費用はいくら?1人採用の3年総額シミュレーションで先に確かめておくと、補助の大きさを正しく見積もれます。

特定技能で使える国の助成金:外国人労働者就労環境整備助成コース

国の助成金の中心は、厚生労働省の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)です。外国人特有の事情に配慮した就労環境を整え、定着に取り組む会社を支援します。

要件と金額の要点

2026年10月1日以降に計画を出す場合、①雇用労務責任者の選任と、②就業規則・社内マニュアルなどの多言語化を行うと20万円です。③一時帰国のための休暇制度も整えると25万円になります。計画期間の終了から6か月間の外国人の離職率が15%以下であることも条件です。計画は、計画期間の初日の6か月前から1か月前までに、本社の所在地を管轄する都道府県労働局に出します。

対象になる外国人と会社

対象の外国人は、外国人雇用状況の届出の対象で、会社に直接雇われ、雇用保険の被保険者になっている人です。在留資格は問わないため、特定技能も技能実習も含まれます。会社の側は、雇用保険の適用事業主であることと、外国人雇用状況の届出を適正に出していることが前提です。計画期間の初日の前日から6か月前の日以降に、雇用保険の被保険者を会社都合で解雇などしていないことも求められます。

紹介料や委託費は補えない

改定後の支給要領には、経費の支出を条件とする定めがありません。決められた措置を実施して要件を満たせば、定額が支給される仕組みです。紹介料や登録支援機関の委託費を払った分が戻るものではない点に注意します。要件・計画の作り方・申請の流れは人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)の要件と使い方で詳しく説明しています。

外国人雇用の補助金は2026年に何が変わったか

国の助成金は2026年10月1日に改定されました。改定前(2026年4月1日版)は「1つの措置の導入ごとに20万円、上限80万円」で、改定後は最大25万円です。どちらの版が使われるかは計画の提出日で決まり、2026年9月30日までに出した計画は改定前の版が適用されます。改定後の申請は、電子申請ではなく、様式を労働局へ持参か郵送で出します(電子申請の再開は厚生労働省のページで告知)。自治体の補助金も、2026年度(令和8年度)の募集が年度の後半に締切を迎えています。

自治体の外国人材受入れ補助金:対象経費の5つのタイプ

自治体の補助金は、何の費用を補うかで5つのタイプに分けると探しやすくなります。2026年10月14日時点で各県のページで確かめた、令和8年度の例を並べました。

図2自治体の補助金の5つのタイプと令和8年度の例

各県の公表ページにもとづく(2026年10月14日確認)。予算に達し次第終了する制度が多い
タイプ例(県)補助率・上限受付
1 採用の初期費用鳥取県(介護・障害福祉。紹介料・義務的支援経費・住居費など)2分の1、1人15万円(1法人年4人まで)2026年12月25日まで
1 採用の初期費用青森県(介護。海外から新たに受け入れる人の紹介手数料・渡航費など)2分の1、1人60万円2026年9月14日〜10月30日(郵送のみ)
1 採用の初期費用山口県(職業紹介手数料、送出し機関の現地調査など)2分の1以内(上限の区分は要綱で確認)2027年1月29日まで
2 申請業務の外部委託宮崎県(登録支援機関への委託、行政書士の報酬。法定手数料を除く)2分の1以内、1社25万円2026年10月30日必着
3 職場・生活・住まいの環境大分県(寮の家電、多言語の表示、翻訳機など)2分の1以内・50万円(賃上げコースは3分の2以内・100万円)2026年10月30日まで
3 職場・生活・住まいの環境島根県(多言語の表示、翻訳機、施設の改修など。介護分野は対象外)3分の1、50万円2026年11月30日まで
4 日本語・技能の研修奈良県(日本語研修。20時間以上・受講者の負担なし)2分の1以内、20万円予算に達するまで
4 日本語・技能の研修長崎県(日本語教育、フォークリフトなどの技能講習)3分の2、10万円随時
5 介護分野の施設向け大阪府(コミュニケーション・資格取得・生活の支援)基準額30万円×3分の2(1施設20万円まで)事業開始の1か月前までに申請
5 介護分野の施設向け高知県(海外での人材獲得活動。紹介手数料は対象外)10分の10以内、1法人50万円2026年12月15日必着
同じ「補助金」でも、補う費用・対象の分野・受付の方法がまったく違います。宮崎県と山口県は、対象の在留資格を要領・要綱で確認してください。出典:各県の公表ページ(記事末尾の出典一覧を参照、2026年10月14日確認)、鳥取県「特定技能外国人材受入支援事業補助金」(令和8年度)

住まいの費用を補う制度もある

表のほかに、住まいに使える例もあります。福井県の環境整備の補助は、住環境の整備を含むと上限が1事業者100万円になります(それ以外は30万円)。沖縄県の介護の補助は、採用から1年以内の人のアパートの家賃(本人負担分を除く)を1人月3万円まで対象にしています。ただし、家賃は住まい以外の取り組みに年5万円以上使う場合に限られます。

特定技能が対象外の制度もある

名前に「外国人材」とあっても、特定技能が対象とは限りません。福岡県の「外国人材受入企業支援補助金」は技能実習生を受け入れる企業が対象で、特定技能・特定活動の外国人は対象外です。島根県の定着支援補助金は介護分野を対象外としています。

県独自の補助金が見当たらない地域もある

北海道は、道の外国人材の担当ページで、受入れに使える道独自の補助金を確認できませんでした(2026年10月時点。介護分野の補助は別に確認が必要)。神奈川県も、県の担当ページでは確認できませんでした。こうした地域では、採用・定着のセミナーや相談窓口が主な支援になります。地域ごとの状況は北海道の特定技能ガイドや関東の特定技能ガイド、県ごとの一覧は都道府県の外国人材受入れ支援制度一覧で確かめられます。

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自社が使えるか確かめる6つの手順

補助金を探すときは、制度の名前から入るより、自社の費用から逆にたどるほうが早く確実です。次の6つの手順で、使える制度と使えない制度を仕分けます。

図3特定技能の補助金・助成金を確かめる手順

  1. 費用を項目に分ける

    紹介料、申請の委託、住まい、翻訳・多言語化、日本語研修、設備に分けます。項目が決まると、探す制度のタイプが決まります。

  2. 本社と事業所の所在地で探す

    県の制度に加え、市町村の制度も見ます。長崎県の受入・定着促進補助金のように、特定の市を通じた補助もあります。

  3. 対象の在留資格・分野・会社の条件を見る

    特定技能が入っているか、介護などの分野に限るか、県内に本社が要るか、協議会の会員やパートナーシップ構築宣言が条件かを見ます。

  4. 対象経費・補助率・上限を見る

    紹介手数料が対象か、法定の手数料が除かれるか、1人あたりか1社あたりかを確かめます。

  5. 申請の時期と順番を見る

    事前相談の要否、交付決定より前の発注・支払いの扱い、事業の開始の何か月前までに出すかを確認します。

  6. 併用と報告の条件を見る

    国の助成金や他の補助との併用の制限、実績報告の期限、書類の保存期間を調べます。

手順3を飛ばすと、対象外の制度に向けて申請の準備を進めてしまうことがあります。出典:長崎県「産業支援制度説明資料 令和8年度」(令和8年8月)、厚生労働省「外国人労働者就労環境整備助成コース ガイドブック」(令和8年10月1日版)

会社の条件で外れる例

条件は制度ごとに細かく違います。山口県は、県の外国人材確保定着強化協議会の会員であることが条件です(入会は無料で、補助金と同時に申し込める)。福井県は、パートナーシップ構築宣言の登録などのいずれかを求めています。青森県の介護の補助は、令和7年度の最大雇用人数を超えて受け入れる分が対象です。

申請時期の注意:2026年度の締切と「交付決定の前」の落とし穴

自治体の補助金は年度単位で、締切は秋から冬に集中します。もう1つの注意は順番で、交付決定より前に発注や支払いをした費用は対象外になる制度があります。

図42026年度(令和8年度)の主な締切

  1. 大分県・宮崎県・青森県の受付が終わる締切

    大分県は予算の終了まで、宮崎県は先着順の必着、青森県は郵送のみの受付です。

  2. 島根県の受付が終わる締切

    事業の期間は交付決定日から2027年1月29日までです。

  3. 高知県の締切(必着)締切

    事業に着手する1か月前までに出します。予算額を超えた時点で締め切られます。

  4. 鳥取県(介護・障害福祉)の申請期限締切

    1法人年4人までの上限があります。

  5. 山口県の受付が終わる予定

    予算に達すると、これより早く終わります。

  6. 青森県・福井県などで事業と支払いの期限予定

    青森県は支払いを含めてこの日まで、福井県は交付決定日からこの日までの経費が対象です。

締切の前でも、予算に達した時点で受付を終える制度があります。出典:大分県「外国人労働者等就業環境等整備促進補助金のご案内」(令和8年度)、高知県「高知県外国人介護人材確保支援事業費補助金」(2026年6月9日公開)、福井県「外国人労働者受入環境整備事業補助金交付要領」(2026年4月1日施行)

「先に買ってから申請」は通らないことがある

福井県の交付要領は、交付決定日から2027年3月31日までの経費を対象とし、交付決定より前に始めた事業は対象外としています。宮崎県も、経費の対象期間を交付決定日から2027年2月26日までとしています。翻訳機や家電を急いで買う前に、申請と交付決定を済ませます。

国の助成金は、申請まで1年近くかかる前提で計画する

国の助成金は、計画期間(3か月〜1年)の後に6か月の離職率の算定期間があり、その後2か月以内に申請します。計画は初日の1か月前までに出すので、計画の提出から申請まで最短でも約10か月です(当方計算)。厚生労働省のガイドブックの例では、2026年10月1日に計画を出し、12月1日から1年の計画期間を置くと、申請期間は2028年6月1日〜7月31日です。措置は、認定された計画にもとづいて計画期間の中で導入・実施します。

補助でいくら軽くなるか:補助額の計算と試算

自治体の補助額は「対象経費×補助率」と「上限額」の小さいほうです。上限があるため、費用が大きいほど、補助の割合は下がります。

図5自治体の補助額の決まり方

補助額=対象経費 × 補助率例:2分の1と上限額1人あたり・1社あたりの小さいほう予算の範囲内

国の助成金は経費に関係なく定額(20万円・25万円)で、この式は使いません。

試算:鳥取県の介護事業所が1人を受け入れる場合

紹介料などの初期経費が1人40万円かかったと仮定します(数字は試算のための架空の値)。補助率2分の1で20万円ですが、上限が1人15万円なので、補助は15万円です。経費が30万円以下なら、補助は経費のちょうど半分になります。初期経費が大きい採用ほど、上限で頭打ちになります。

試算:国の助成金は拠点の数に関係なく定額

国の助成金の支給額は、計画ごとの定額です。計画は同時に複数出せないため、拠点が3つある会社でも、受け取るのは20万円か25万円です。一方で雇用労務責任者は外国人が働く事業所ごとに選び、1人が同時に2つの事業所を兼ねることはできません。拠点が多い会社ほど、1拠点あたりの助成は小さくなり、社内の手間は増えます。

補助を「会社選びの決め手」にしない

補助で減るのは、初期費用や環境整備の一部です。毎月の委託費や、定着しなかったときの採用のやり直しの費用は、補助では埋まりません。削ってよい費用と削ってはいけない費用の見分け方は特定技能の費用を抑える方法で整理しています。

補助金・助成金でよくある5つの誤解

補助の話は、営業の場面で大きく語られがちです。公表資料と照らして、よくある誤解を正しておきます。

  • 国の助成金で紹介料が戻ってくる2026年10月以降の計画では、経費の支出は条件ではなく、措置を実施したことに対する定額(20万円・25万円)です。紹介料を補う制度は、一部の自治体の補助金です。
  • 「外国人材」の補助金なら特定技能も対象福岡県の外国人材受入企業支援補助金は技能実習生向けで、特定技能は対象外です。介護分野だけ、または介護分野を除く制度もあります。
  • 費用を払った後で申請すればよい交付決定より前に始めた事業を対象外とする制度や、事業開始の1か月前までの申請を求める制度があります。
  • 補助が出るなら、支援の費用を本人と分け合ってよい1号の支援にかかる費用は、補助の有無にかかわらず、直接・間接を問わず本人に負担させてはいけません。
  • 国の助成金は毎年もらえる過去にこのコースを受けた会社は、最後の支給決定日の翌日から3年が過ぎないと対象になりません。

自治体の補助は、介護分野向けの制度が目立ちます。介護で受け入れる場合の要件や費用の全体は介護の特定技能で確かめられます。

相談先と会社選び:補助を理由にした提案の見極め方

補助金は、会社選びの場面で「使えば実質無料」のように語られることがあります。提案を受けたら、次の質問で中身を確かめます。

  • その補助金の正式な名前と、出している県・市町村はどこですか。
  • 特定技能が対象であることは、要綱のどこに書いてありますか。
  • 補助の対象になる費用はどれで、紹介料や毎月の委託費は入りますか。
  • 交付決定の前に発注や支払いが必要になる費用はありますか。
  • 予算に達して受付が終わった場合、費用の見積もりはどう変わりますか。

国の助成金も、表の県の補助金も、申請するのは補助を受ける事業者です。迷ったときは、県の相談窓口が使えます。たとえば福岡県では、県の委託で福岡県行政書士会が外国人材受入企業相談窓口を運営しています。制度や雇用条件の相談を無料で受けると案内しています(2025年8月27日更新のページ)。茨城県の外国人材支援センターは、専門家による無料の相談会を開いています(令和8年度の事業として公告)。

想定ケース:プラスチック成形工場(3拠点・従業員180人)の工場長が、補助を拠点ごとに洗い出した理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

3つの県に拠点を持つプラスチック成形の会社で、特定技能の受け入れを担当する工場長(30代)に、補助金と助成金の探し方を聞きました。

  • 3拠点の県と市の制度を1枚の表にまとめ、使える制度を2つに絞るまで2週間で済んだ
  • 前年度、1つの拠点で翻訳機と多言語の安全表示を整え、費用の半分が県の補助で戻った
  • 国の助成金の計画を、措置を始める2か月前に労働局へ出せた(雇用労務責任者は拠点ごとに3人)

――補助を洗い出して、何が変わりましたか。

「使える制度」と「使えない制度」が、根拠つきで分かれたことです。前年度は1つの拠点で、県の補助を使って翻訳機と多言語の安全表示を入れました。費用の半分が戻り、作業手順の説明にかかる時間も減りました。今年度は国の助成金の計画を出し、3つの拠点に雇用労務責任者を1人ずつ置いています。

――探し始めたきっかけは何でしたか。

3拠点で特定技能の人が増え、紹介料と委託費が本社の予算会議で話題になりました。「補助金で何とかならないのか」と聞かれ、担当の私が調べることになったんです。外国人は3拠点で合わせて14人います。外国人雇用管理指針でも、常時10人以上を雇うなら雇用労務責任者を選ぶことになっているので、助成金がなくても要る体制だと分かり、腹が決まりました。

――最初は、どこで迷いましたか。

ある会社から「助成金を使えば紹介料は実質かからない」と言われ、正直、期待しました。ところが厚生労働省のページを読むと、改定後の助成金は措置に対する定額で、紹介料が戻る仕組みではありませんでした。県の補助も、拠点のある県によって対象が違い、1つは特定技能が対象外でした。名前だけで判断していたら、準備が無駄になっていたと思います。

――何を決め手に、進め方を決めたのですか。

委託先の担当者が、補助で減らせない費用まで最初に言ってくれたことです。「委託費は毎月かかり、補助では埋まりません。補助は環境づくりに使うものです」と。都合のいい話だけでなかったので、その会社と組んで計画を立てる気になりました。

――実際に進めて、つまずいた点はありますか。

締切と順番です。1つの県は、気づいたときには受付が終わっていました。別の県では、交付決定の前に買った物は対象外と知り、翻訳機の発注を1か月待ちました。国の助成金は、雇用労務責任者が事業所ごとに要り、同時に2つの事業所を兼ねられません。拠点ごとに人を決め、講習の受講日も先に押さえました。洗い出しの表は、制度名、対象の在留資格、対象経費、補助率と上限、締切、事前申請の要否の6列にしました。来年度は4月の募集開始の時点で、この表を更新するつもりです。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

特定技能の費用に補助は出る?

一部は出ます。国の助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、雇用労務責任者の選任などの措置に対して定額20万円・25万円で、紹介料を補う仕組みではありません。紹介料や渡航費などの初期費用を補助するのは、鳥取県や青森県のような一部の自治体の制度で、介護分野が中心です。自社の所在地と分野で、対象になるかを確認してください。

登録支援機関への委託費は、補助の対象になりますか?

国の助成金では対象になりません。自治体では、宮崎県が在留資格の申請業務の外部委託(登録支援機関への委託、行政書士の報酬。対象の在留資格は要領で確認)を、鳥取県が義務的支援経費を含む初期経費を補助の対象にしています(いずれも令和8年度)。毎月の委託費が対象か、初期の経費だけかは、制度ごとに要綱で見てください。

国の助成金と自治体の補助金は併用できますか?

制度ごとに条件が違います。厚生労働省のガイドブックは、他の助成金との併用が制限される場合があるとしています。自治体の側にも、青森県の介護の補助のように、県の別の補助(定着支援事業)を受ける経費を対象外とする例があります。同じ経費に二重に申請しないよう、両方の窓口に問い合わせてください。

介護以外の分野でも使える補助金はありますか?

あります。令和8年度の例では、大分県の就業環境の整備の補助、島根県の定着支援補助金(介護分野は対象外)が介護以外の業種で使えます。奈良県・長崎県の日本語や技能の研修の補助もあります。対象の在留資格と会社の条件は、それぞれの要綱で確認してください。

外国人を1人しか雇っていなくても、国の助成金を使えますか?

使えますが、その1人が算定期間中に辞めると要件を満たせません。離職率は計画期間の終了から6か月間で見ます。外国人が2〜6人なら離職者1人以下で要件を満たす特例がありますが、1人の場合は当てはまりません。算定期間の末日まで1人以上を雇い続けていることも必要です。

県ではなく、市町村の補助金もありますか?

あります。長崎県の外国人材受入・定着促進補助金は、長崎市・佐世保市・雲仙市の企業が対象で、市を通じて補助する仕組みです(令和8年度。2026年8月の資料では受付開始は決まりしだい掲載)。県のページだけで探し終えず、事業所のある市町村の産業・労働の担当課にも問い合わせてください。

補助金の情報は、どこで探せばよいですか?

本社と事業所がある県の、外国人材や労働の担当課のページから探します。介護の補助は、青森県の高齢福祉保険課や香川県の長寿社会対策課のように、福祉の担当課が出している例があり、労働の担当課とは窓口が分かれます。県が設ける外国人材の相談窓口に聞くのも近道です。県ごとの一覧は都道府県の外国人材受入れ支援制度一覧にまとめています。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
  2. 厚生労働省「外国人労働者就労環境整備助成コース ガイドブック(令和8年10月1日版)」(2026年10月1日以降に計画を提出する場合)
  3. 厚生労働省「外国人労働者就労環境整備助成コース 支給要領(R8.10.1改正)」(2026年10月1日施行)
  4. 鳥取県「特定技能外国人材受入支援事業補助金」(令和8年度)
  5. 青森県「青森県外国人介護人材受入支援事業費補助金」(2026年8月31日更新)
  6. 山口県「令和8年度「山口県外国人材確保定着支援補助金」の募集について」(2026年4月28日更新)
  7. 宮崎県「令和8年度宮崎県外国人材定着促進支援事業費補助金の募集について」(2026年10月2日更新)
  8. 大分県「外国人労働者等就業環境等整備促進補助金のご案内」(令和8年度)
  9. 島根県「外国人材定着支援補助金」(2026年10月14日閲覧)
  10. 奈良県「外国人材定着支援事業補助金のご案内」(2026年4月15日更新)
  11. 長崎県「産業支援制度説明資料 令和8年度」(令和8年8月)
  12. 大阪府「外国人介護人材受入施設等環境整備事業」(2026年5月1日更新)
  13. 高知県「令和8年度「高知県外国人介護人材確保支援事業費補助金」の申請受付開始について」(2026年6月9日公開)
  14. 福井県「外国人労働者受入環境整備事業補助金交付要領」(2026年4月1日施行)
  15. 福岡県「外国人材受入企業支援補助金のご案内」(2026年5月15日更新)
  16. 沖縄県「令和8年度外国人介護人材受入施設等環境整備補助金」(2026年10月13日更新)
  17. 福岡県「「福岡県外国人材受入企業相談窓口」のご案内」(2025年8月27日更新)
  18. 茨城県「公募型プロポーザルに関する公告(令和8年度茨城県外国人材活躍促進事業)」(2026年3月6日)
  19. 北海道「外国人材に関する取組」(2026年10月2日)
  20. 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
  21. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月時点)

最終更新:(2026年10月版)

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