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農業・漁業の派遣形態での特定技能|直接雇用との違いと注意点
派遣先には繁忙期だけでも、本人には1年分の仕事が要る。派遣元が季節ごとの働く場所を組み立てる仕組みを知る
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
収穫期だけ人手が足りない、漁期に合わせて人を増やしたい。そんな農業・漁業の現場で選択肢になるのが、特定技能の派遣での受け入れです。特定技能は直接雇用が原則で、派遣が認められているのは19分野のうち農業と漁業だけです。派遣元になれるのはJAや漁協など農業・漁業の関係者や自治体が関わる者に限られ、派遣先にも守るべき基準があります。この記事では、派遣元・派遣先の要件、直接雇用との違い、季節ごとに派遣先を変えるときの届出と働き方の設計を、2026年10月時点の公的資料にもとづいて整理します。
- 派遣できるのは農業と漁業だけ:外食業や飲食料品製造業などは、派遣することも派遣された人を受け入れることもできず、違反すると以後5年間は特定技能外国人を受け入れられません。
- 派遣元は限られる:農業・漁業やその関連業務を行う者(JA・漁協など)、自治体や関係者が出資・役員で関わる者などで、法務大臣が所管大臣と協議して適当と認めた者だけです。
- 派遣先にも基準がある:法令の遵守や1年以内の非自発的離職がないことなどが求められます。農業の派遣先は、雇用経験か講習の受講で派遣先責任者を立てます。
- 季節ごとの派遣先の変更は届出が必要:雇用契約に派遣先と派遣期間を定め、派遣先を追加・変更したら14日以内に届け出ます。派遣先がない期間を作らない年間計画が前提です。
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この記事の目次
結論:特定技能の派遣は「派遣元が雇い続け、季節ごとに働く場所を組む」仕組み
特定技能の派遣は、農業と漁業だけに認められた受け入れ方です。派遣元(JAや漁協などが関わる者)が外国人を雇い、派遣先の農家や漁業者が現場で仕事の指示を出します。
派遣先から見れば繁忙期だけ来てもらう形ですが、本人にとっては派遣元との雇用が続くことが前提です。特定技能の人はフルタイムで働く必要があり、仕事のない期間が長引くと在留にも響きます。派遣元が作期や漁期の違う派遣先を組み合わせ、1年を通じて働ける計画をつくることで、仕組みが成り立ちます。
図1特定技能の派遣で、だれが何を担うか
- 派遣元(受入れ機関):雇う・支える・届け出る雇用契約と給与の支払い、支援計画と義務的支援、出入国在留管理庁への届出、住まいの支援を担います。農業では協議会の構成員になります。
- 派遣先(農家・漁業者):現場で指示し、指導する仕事の指揮命令と現場での指導を行い、基準を守ります。農業では派遣先責任者を立て、協議会の調査などに協力します。
- 本人:派遣元に雇われ、派遣先で働く雇用契約に書かれた派遣先と派遣期間の範囲で働きます。派遣先が変わるたびに、派遣元が届け出ます。
分野ごとの基本は別の記事で
この記事は、派遣という受け入れ方に絞って解説します。業務区分・試験・協議会など分野の基本は、農業の特定技能と漁業の特定技能で確認できます。
特定技能で派遣できる分野は農業と漁業だけ
特定技能は直接雇用が原則で、派遣で受け入れられるのは農業と漁業の2分野だけです。ほかの分野で派遣を使うと、受け入れそのものができなくなるおそれがあります。
図219分野の雇用形態(派遣ができるか)
| 分野 | 派遣 | 注意点 |
|---|---|---|
| 農業 | できる | 派遣元は農業の関係者・自治体が関わる者・国家戦略特区の特定機関など |
| 漁業 | できる | 派遣元は漁業の関係者・自治体が関わる者など。船員派遣も含む |
| 飲食料品製造業・外食業・林業・木材産業・リネンサプライ・物流倉庫 | できない | 派遣することも受け入れることも不可。違反すると以後5年間は受け入れ不可 |
| 資源循環 | できない | 直接雇用に限られる |
| 介護・ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船・舶用工業・自動車整備・航空・宿泊・自動車運送業・鉄道 | できない | 直接雇用のみ |
派遣と、紹介を受けての直接雇用は別物
人材紹介会社から人を紹介してもらい、自社で雇うのは直接雇用です。派遣は、派遣元が雇用主のまま、派遣先で働いてもらう形です。外食業のように派遣が使えない分野の考え方は、外食業の特定技能でも触れています。雇用形態のルール全般は特定技能の雇用形態で整理しています。
農業と漁業で派遣が使える理由を、計画に生かす
農業と漁業は、作物や漁期によって作業の量が季節で大きく変わる産業です。派遣の仕組みは、この繁閑の差を、地域の複数の経営で分け合うときに力を発揮します。1つの経営の山だけを見て計画すると、派遣元が本人の仕事を1年分そろえられません。
農業の特定技能の派遣会社(派遣元)に求められる要件
農業で派遣元になれるのは、4つのタイプのどれかに当たり、法務大臣が農林水産大臣と協議して適当と認めた者だけです。一般の人材派遣会社が、そのまま特定技能の派遣元になれるわけではありません。
図3農業分野の派遣元になれる4つのタイプ
- 1農業や関連業務を行う者
JA、JAの連合会、農業者が組織する事業協同組合などが想定されています。農業を行っていることは、耕作証明書、営農証明書、出荷伝票の写しなどで確かめます。
- 2過半数の出資を受ける者
自治体や1の者が資本金の過半数を出資している者です。両者の出資を合わせて過半数でもかまいません。
- 3業務執行に実質的に関わる者
自治体の職員や1の者の役職員が役員になっているなど、業務の執行に実質的に関わっている者です。関わりは続いている必要があります。
- 4国家戦略特区の特定機関
国家戦略特別区域法16条の5第1項の特定機関で、外国人農業支援人材を適正に派遣した実績があることなどが求められます。
派遣元に求められるその他の条件
派遣元は、労働者派遣事業の許可を受け、許可証の写しを出します。農業特定技能協議会の構成員になり、協議会の活動に協力します。派遣できるのは、派遣先責任者の要件を満たし、協議会に協力する派遣先だけです。
JAが自ら派遣元になる場合
農林水産省のQ&A(2022年10月20日時点)は、農協法上、JA本体が労働者派遣事業の許可を取ることに特段の制約はないとしています。ただし「純資産額が負債総額の7分の1以上」という許可の要件があり、取得できない場合もあると説明しています。派遣事業者による「特定技能派遣事業者コンソーシアム」は2024年4月に発足し、同年10月31日に人権方針を公表しました。
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派遣先(農家・漁業者)に求められる基準と派遣先責任者
派遣先にも、受入れ機関と同じ基本の基準があります。労働・社会保険・租税の法令を守り、1年以内に同じ仕事の労働者を会社都合で離職させていないことなどです。そのうえで、農業では派遣先責任者を立てます。
図4派遣先の確認表(農業・漁業)
| 確認すること | 農業 | 漁業 |
|---|---|---|
| 基本の基準 | 法令の遵守、1年以内の非自発的離職がない、責めに帰すべき行方不明者がない、欠格事由に当たらない | |
| 派遣先責任者の資格 | 過去5年以内に同じ労働者を6か月以上続けて雇った経験、または派遣先責任者講習などを受けて選任 | 分野の要領別冊に、農業のような資格の定めはない |
| 派遣先の誓約書 | 派遣先事業者誓約書(分野参考様式第11-2号) | 派遣先向けの様式はない(農業のみの書類) |
| 協議会 | 構成員になる必要はないが、協議会の調査などに協力する | 協議会とその構成員に必要な協力を行う |
| 地域 | 派遣元責任者が日帰りで苦情を処理できる範囲 | |
雇用経験がなくても、講習で派遣先になれる
直接雇用で受け入れるには、過去5年以内の雇用経験などが必要です。一方、農業の派遣先責任者は、雇用経験がなくても、派遣先責任者講習などを受けて選任すれば要件を満たせます。人を雇ったことのない家族経営の農家が、まず派遣で受け入れを経験する道があります。
指示を出すのは派遣先
派遣先は、外国人に対して仕事の指揮命令を行います。作業の手順、休憩の取り方、危険な機械の扱いなど、現場のルールを伝えるのは派遣先の役目です。何かあったときに派遣元へ連絡する人と手順も、受け入れの前に決めておきます。
漁業の特定技能を派遣で受け入れるときの違い
漁業でも派遣元のタイプは限られ、地域の条件も農業と同じです。違いは、国家戦略特区の特定機関が派遣元の対象にないことと、労働者派遣に船員派遣の形も含まれることです。
漁業の派遣元は3つのタイプ
漁業の派遣元は、次の3つのいずれかに当たる必要があります。①漁業や関連業務を行う者(漁協、漁業協同組合連合会など)。②自治体や①の者が資本金の過半数を出資する者。③自治体や①の者の役職員が役員になっているなど、業務の執行に実質的に関わる者です。地方公共団体や漁協・漁業生産組合・漁連など、漁業の関係者が関わるものに限られます。
書類と協議会の扱い
受入れ機関の誓約書は分野参考様式第12-1号、登録支援機関は第12-2号です。派遣先を変えるときの「派遣先の概要書」は、漁業では参考様式第1-15号を使います(農業は第1-14号)。派遣先は、漁業特定技能協議会とその構成員に必要な協力を行う者でなければなりません。
漁船に乗る派遣は、船員法の確認から
漁船に乗る仕事では、船の大きさなどによって船員法の対象になり、労働時間や保険の扱いが変わります。乗船の論点は、漁業の特定技能の記事で詳しく整理しています。
繁閑に合わせた働き方の設計:1年の派遣計画をつくる
派遣の計画は、派遣先の繁忙期を並べ、本人の1年に空白ができないよう組み合わせることから始めます。正当な理由なく3か月以上、特定技能の活動をしていないと、在留資格が取り消されることがあるからです。
図5作期の違う派遣先を組み合わせた1年の計画(架空の例)
| 期間 | 派遣先(架空) | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 12月〜5月 | 施設園芸のいちご農家A | 収穫、選別、出荷の準備 |
| 6月〜8月 | 露地野菜の農家B | 定植、栽培管理、収穫 |
| 9月〜11月 | 果樹農家C | 収穫、選果、出荷 |
遠くの産地を組み合わせるとき
農林水産省のQ&A(2022年10月20日時点)は、農業団体の全国組織が派遣元になれば、全国各地で働けるとしています。その場合も、派遣先ごとに、派遣元責任者が日帰りで苦情を処理できる体制かを確かめます。住まいが変わるたびに、住居地の届出と協力確認書の手続きも発生します。
派遣先がない期間を作らない
派遣先がない期間も、派遣元との雇用は続きます。その間の賃金の扱いは、雇用契約で決めておく必要があります。1か月以上働けない事由が生じた場合、派遣元は受入れ困難の届出を出します。1年を通して派遣先が埋まる計画かどうかは、派遣元を選ぶ最初の質問です。
関連業務は「派遣先が生産したもの」が基準
農業の関連業務は、受入れ機関(派遣の場合は派遣先)が生産した農畜産物を使う加工や、運搬・陳列・販売などです。派遣先の直売所で、その農家の農産物の陳列や販売を付随的に手伝うことはできますが、販売だけを任せることはできません。
図6派遣先を追加・変更するときの手順
- 次の派遣先の基準を確かめる
法令の遵守などの基準と、農業なら派遣先責任者の要件と派遣先事業者誓約書(第11-2号)を確かめます。
- 労働者派遣契約を結ぶ
派遣元と派遣先で、派遣の期間、就業の場所、仕事の内容を決めます。
- 届出の添付書類をそろえる
派遣計画書(参考様式第1-12号)、就労条件明示書(第1-13号)、派遣先の概要書(農業は第1-14号、漁業は第1-15号)を用意します。労働者派遣契約書と、派遣先の法令遵守を示す資料も添えます。
- 本人に条件を説明する
新しい派遣先の場所、仕事、勤務の時間を、本人が分かる言葉で説明します。
- 住まいと市区町村の手続きを整える
移動が必要なら住まいを手配し、新しい市区町村が関係する場合は協力確認書を出します。
- 14日以内に届け出る
派遣元が、雇用契約の変更の届出を、事由が生じた日から14日以内に出します。郵送なら14日以内に届いている必要があります。
直接雇用との違い:責任・費用・人の育ち方
派遣先から見た一番の違いは、雇用と支援の責任を派遣元が持つことです。その代わり、同じ人に毎年来てもらえるとは限らず、人を育てる計画は立てにくくなります。
図7直接雇用と派遣の比較(受け入れる農家・漁業者から見て)
| 項目 | 直接雇用 | 派遣(派遣先として) |
|---|---|---|
| 雇用主 | 自社 | 派遣元 |
| 給与・社会保険 | 自社が払う | 派遣元が払い、自社は派遣料を払う |
| 支援・定期面談・届出 | 自社(登録支援機関に委託可) | 派遣元 |
| 自社に求められる要件 | 過去5年以内の雇用経験など。協議会への加入 | 派遣先の基準。農業は派遣先責任者 |
| 働いてもらえる期間 | 雇用契約の範囲で通年 | 派遣期間ごと |
| 向いている経営 | 通年の作業があり、人を育てたい | 作期・漁期が短く、繁閑の差が大きい |
派遣の外国人の待遇の説明(2026年10月から)
外国人雇用管理指針は、2026年5月29日に改正が告示されました。6月14日からは、パート・有期・派遣の外国人に「不合理な待遇の禁止等に関する指針」が適用されることへの注意が加わりました。10月1日からは、パートタイム・派遣の外国人労働者が待遇差の説明を求めることができると、文書の交付などで明示することも求めています。派遣元に、どう明示しているかを確かめます。
派遣から直接雇用に切り替えるとき
派遣で働いた人を自社で雇いたい場合は、所属する機関が変わるため、在留資格の変更許可が必要です。自社が直接雇用の要件(雇用経験や協議会への加入)を満たしているかも確かめます。雇用契約の書き方は特定技能雇用契約書・雇用条件書の作り方、保険の手続きは特定技能の社会保険・労働保険の手続きで確認できます。
派遣元の選び方と、派遣で受け入れるときの注意点
派遣元を選ぶときは、要件を満たしているかに加えて、1年の派遣計画を具体的に示せるかで比べます。派遣先がない期間が長いと、本人の生活と在留の両方が不安定になるからです。
派遣元に聞きたい質問
- 派遣元の4つ(漁業は3つ)のタイプのどれに当たりますか。派遣事業の許可番号は何ですか。
- 農業特定技能協議会の構成員ですか。漁業なら、協議会への協力をどう行っていますか。
- 本人の1年の派遣先を、どう組み合わせる計画ですか。派遣先がない期間の賃金はどうしますか。
- 派遣元責任者は、うちの農場・港まで日帰りで来られる拠点にいますか。
- 派遣先が変わるときの住まいの手配と、本人の負担額はどう決めていますか。
- 派遣先責任者講習の受け方を案内してもらえますか。
派遣料は内訳で見る
特定技能の派遣料の公的な相場は公表されていません。派遣料に、給与・社会保険料・支援の費用・住まいの手配のどこまでが含まれるかを、内訳で出してもらいます。直接雇用の場合の「給与+保険料+支援の委託費」と並べると、比べやすくなります。
避けたい提案
- 農業・漁業以外の分野で、特定技能の人の派遣を勧める
- 派遣元のタイプに当たらない会社が、特定技能の派遣を受けると言う
- 派遣計画書にない農家や港で、届出なしに働かせる
- 支援の費用や実費を超える家賃を、本人に負担させる
自治体の補助の例
鹿児島県は2026年度、派遣で特定技能の外国人を初めて受け入れる県内の認定農業者・農業法人・農協などを補助しています。対象は、前の就業地からの移動旅費と、住居の家賃・修繕の経費です(補助率2分の1以内、上限20万円。派遣会社との契約期間2か月以上が条件)。ほかの地域でも、農業の担当部署に補助の有無を確かめます。
想定ケース:施設園芸の農業法人(従業員85人)の店舗運営部長が、収穫期の人手を派遣で組み立てた理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
いちごとトマトの施設園芸を営み、直売所2店舗を持つ農業法人(従業員85人)の店舗運営部長(30代女性)に、特定技能の派遣を使い始めた経緯を聞きました。
- 12月〜5月のいちごの収穫期に、派遣で3人を受け入れ、収穫の遅れによる廃棄が前のシーズンの半分になった
- 直売所でのいちごの品切れが、月10回から月3回に減った
- 部長自身が派遣先責任者講習を受け、受け入れの窓口を1人にまとめた
――派遣を使って、何が変わりましたか。
収穫が追いつくようになりました。いちごは取り遅れると売り物になりません。前のシーズンに比べて、廃棄はおよそ半分です。直売所の品切れも月10回から3回に減り、店舗を預かる立場としては一番うれしい変化でした。
――なぜ、店舗運営部長が派遣の担当になったのですか。
収穫量が店の売上に直結するからです。トマトのハウスには直接雇用の特定技能の人が2人いて、通年で働いてもらっています。足りないのは、いちごの半年だけでした。半年だけ人を雇う方法を探すうちに、私が窓口になっていました。
――直接雇用と派遣で、迷いましたか。
最初は、半年だけ直接雇用できないかと考えました。でも、フルタイムで働いてもらう必要があり、雇い主が変わるたびに在留資格の変更許可が要ると知って、現実的ではないと分かりました。派遣元は、夏から秋は高原の野菜農家と果樹農家に派遣する計画を見せてくれました。本人の1年が空かないと分かって、安心してお願いできました。
――派遣元を選んだ決め手は何でしたか。
1年の派遣先の組み合わせを、表にして見せてくれたことです。派遣元責任者が車で40分の事務所にいて、何かあれば当日来られるという点も大きかったです。正直に「派遣先がない月が出たら、その間の賃金は派遣元が持つ」と説明してくれたのも、信頼できました。
――実際に受け入れて、つまずいた点は。
2つあります。1つは、収穫の合間に直売所でいちごの陳列を手伝ってもらいたかったことです。うちが育てたいちごの陳列なら付随的にはできますが、販売だけの担当にはできないと確認しました。もう1つは、2つ目のハウス団地で働いてもらう日ができたときです。派遣計画書にない就業場所なので、14日以内の届出が要ると派遣元に言われ、急いで書類を出してもらいました。
――これからの計画はありますか。
派遣で来た人の1人が、うちで通年で働きたいと言ってくれています。直接雇用に切り替えるには在留資格の変更許可が必要なので、派遣元とも相談しながら、来年のいちごが終わる時期に合わせて準備するつもりです。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
特定技能外国人を季節ごとに別の農家で働かせられる?
派遣で受け入れれば、季節ごとに別の農家で働くことができます。派遣元が雇用を続け、雇用契約に派遣先と派遣期間を定めます。派遣先を追加・変更したら、派遣元が14日以内に届け出ます。直接雇用の人を別の農家で働かせることはできず、雇い主を変えるには新しい雇用契約と在留資格の変更許可が必要です。
農業と漁業以外の分野でも、派遣で受け入れられますか?
受け入れられません。特定技能で派遣が認められているのは農業と漁業だけです。外食業や飲食料品製造業などは、派遣することも派遣された人を受け入れることもできず、違反すると以後5年間は特定技能外国人を受け入れられなくなります。
人材派遣会社なら、どこでも特定技能の派遣元になれますか?
なれません。派遣元は、農業・漁業やその関連業務を行う者、自治体や関係者が出資・役員で関わる者などに限られます(農業は国家戦略特区の特定機関も)。そのうえで、法務大臣が所管大臣と協議して適当と認めた者だけです。農業の派遣元は、労働者派遣事業の許可も必要です。
人を雇ったことのない農家でも、派遣先になれますか?
なれます。農業の派遣先責任者は、過去5年以内に6か月以上の雇用経験があるか、派遣先責任者講習などを受けて選任すれば要件を満たせます。法令の遵守などの基準も満たす必要があります。
派遣先がない期間、本人の給与や在留はどうなりますか?
派遣先がない期間も、派遣元との雇用は続きます。その間の賃金の扱いは雇用契約で決めておく必要があります。1か月以上働けない事由が生じたら、派遣元は受入れ困難の届出を出します。正当な理由なく3か月以上活動しないと在留資格が取り消されることもあるため、空白を作らない計画が前提です。
派遣で受け入れた人を、あとで直接雇用に切り替えられますか?
切り替えられます。ただし所属する機関が変わるため、在留資格の変更許可が必要です。自社が、過去5年以内の雇用経験や協議会への加入など、直接雇用の要件を満たしているかも確かめてください。
派遣で受け入れる場合、登録支援機関との契約は必要ですか?
支援の義務を負うのは受入れ機関である派遣元なので、派遣先が登録支援機関と契約する必要はありません。派遣元は、自ら支援するか、登録支援機関に委託します。農業では、委託先は協議会に協力する登録支援機関(誓約書は分野参考様式第11-4号)であることが必要です。
漁業の派遣で、漁船に乗ってもらうことはできますか?
漁業では、労働者派遣に船員派遣の形も含まれます。漁船に乗る仕事では、船の大きさなどで船員法の対象になるかが変わり、労働時間や保険の扱いも変わるため、派遣元と船ごとに確認してください。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月14日確認)
- 農林水産省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(農業分野)」(2025年6月6日一部改正)
- 農林水産省「在留資格『特定技能』について(農業分野)」(2026年10月14日確認)
- 農林水産省「【農業分野】新たな外国人材の受入れ制度に関するQ&A」(2022年10月20日時点)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(漁業分野)」(2024年2月15日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(外食業分野)」(2025年5月30日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(飲食料品製造業分野)」(2026年8月28日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(2025年6月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2026年3月23日様式改訂)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)
- 労働政策研究・研修機構「外国人雇用管理指針の一部を改正する告示(厚生労働省告示第227号)」(2026年5月29日)
- 鹿児島県「令和8年度農業分野特定技能活用促進事業」(2026年4月9日更新)
最終更新:(2026年10月版)
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