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特定技能1号と2号の違い|在留期間・家族帯同・支援義務を比較
2号になると支援義務は外れ、指導・管理の役割が求められる。会社側の変化を先に知っておく
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
特定技能1号と2号の違いは、在留期間の上限、家族帯同、会社の支援義務の3点にまず表れます。1号は通算5年までで家族は呼べず、会社に10項目の支援義務があります。2号は更新の上限がなく、配偶者と子を呼べ、支援の対象から外れます。ただし2号には、指導や管理の仕事を任せることが求められます。この記事では、2号の対象分野と移行要件を表にし、2号になったときに会社の手続き・支援契約・職場の役割がどう変わるかを、2026年10月時点の公表資料で整理します。
- 違いは在留期間・家族帯同・支援義務:1号は通算5年まで・家族帯同は原則不可・支援義務あり。2号は更新の上限なし・配偶者と子を呼べる・支援の対象外です。
- 2号は19分野のうち11分野だけ:介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業・リネンサプライ・物流倉庫・資源循環にはありません。工業製品製造業は3区分だけです。
- 2号は自動では移れない:分野の試験と実務経験(指導・管理の立場で2〜3年が多い)が必要です。移行は在留資格の変更許可で、標準処理期間は1〜2か月です。
- 会社は支援が外れる代わりに、仕事の中身が問われる:2号の人は1号や技能実習生と同じ仕事ではいけません。定期届出は2号になっても続きます。
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この記事の目次
特定技能1号と2号の違い:結論と比較表
1号と2号の違いは、在留期間の上限、家族帯同、会社の支援義務の3つで大きく分かれます。会社から見ると、2号になれば支援の義務は外れる一方で、指導や管理の仕事を任せることが求められます。
図1特定技能1号と2号の違い(会社に関わる8項目)
| 項目 | 1号 | 2号 |
|---|---|---|
| 求められる技能 | 相当程度の知識または経験を必要とする技能 | 熟練した技能(1号より高い技能) |
| 1回の在留期間 | 3年を超えない範囲で個別に指定 | 3年・2年・1年・6月 |
| 通算の上限 | 原則5年(特例で6年) | なし(更新を続けられる) |
| 日本語の試験 | JFT-BasicまたはN4以上 | 漁業・外食業はN3以上。2027年4月以降の認定証明書の申請からB1相当 |
| 家族の帯同 | 原則できない | 要件を満たせば配偶者・子(家族滞在) |
| 会社の支援義務 | 10項目の義務的支援。登録支援機関に委託できる | 支援の対象外 |
| 仕事の中身 | 分野の業務区分の業務 | 1号や技能実習生と同じ業務は不可。指導・管理などを行う |
| 対象分野 | 19分野 | 11分野(工業製品製造業は3区分のみ) |
違いが会社に効いてくる3つの場面
1つ目は「5年の壁」です。1号の人は通算5年で在留を続けられなくなるため、育てた人に長く働いてもらうには2号が前提になります。2つ目は家族です。母国に配偶者や子がいる人にとって、2号は家族と暮らせるかどうかの分かれ目になります。3つ目はお金と手間です。2号になればその人の義務的支援は不要になり、登録支援機関への委託費も見直せます。
特定技能の基本から確かめたい方は、特定技能とは?企業が知っておきたい仕組みと受け入れの条件を先にお読みください。
特定技能2号とは:熟練した技能を持つ人の在留資格
特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格で、1号より高い技能が必要です。1号の期間が終われば自動で移れるものではなく、試験などで技能を確かめたうえで、在留資格の変更許可を受けます。
出入国在留管理庁のQ&Aは、試験などで必要な技能が確認されれば、1号を経なくても2号を取れるとしています。ただ、多くの分野では日本の現場での指導・管理の実務経験が求められるため、実際には1号で数年働いてから移る人が中心です。
2号の仕事は「1号と同じ」ではいけない
運用要領(2026年8月20日改正)は、2号の人が通常行う業務が、技能実習生や1号の人の業務と同じであってはならないとしています。指導業務、管理業務、または自らの判断で行う専門的・技術的業務を担い、分野ごとに決められた人数以上を指導していることが必要です。
指導の対象には、別の事業所に出勤している人、フルタイムでない人、ほかの2号の人から指導を受けている人は含まれません。確認書類は「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」(参考様式第1-32号)です。ただし出入国在留管理庁は、指導対象者の考え方を含めて、様式の内容を見直し中としています(2026年10月時点)。人数の数え方は、申請前に最新の様式で確かめてください。
図2分野別の特定技能2号の在留者数(2026年6月末・速報値)
- 建設5,329人
- 飲食料品製造業4,703人
- 農業2,387人
- 工業製品製造業2,386人
- 外食業2,046人
- 自動車整備670人
- 造船・舶用工業644人
- 宿泊57人
- 漁業43人
- ビルクリーニング24人
- 航空6人
2号の人数は半年で2〜3倍に
2号はまだ少数ですが、増え方は急です。2025年12月末から2026年6月末までの半年で、次のように増えました(倍率は計算)。
- 建設:1,799人→5,329人(約3.0倍)
- 工業製品製造業:840人→2,386人(約2.8倍)
- 自動車整備:320人→670人(約2.1倍)
- 造船・舶用工業:336人→644人(約1.9倍)
1号で入った人が、試験と実務経験の要件をそろえ始めている段階です。自社の1号の人が2号を目指すかどうかは、入社1〜2年目のうちに本人と話しておくと、準備の時間を確保できます。
在留期間の違い:1号は通算5年まで、2号は更新の上限なし
1号の在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まり、通算5年までです。2号は3年・2年・1年・6月のいずれかで許可され、更新を続ける限り上限はありません。
図3在留期間を数字で比べる
- 3年以内1号の1回の在留期間個別に指定され、期限ごとに更新
- 5年1号の通算の上限2号試験で8割以上などの要件で6年
- 3・2・1年/6月2号の1回の在留期間どれになるかは審査で決まる
- 上限なし2号の更新の回数要件を満たし続ける限り
1号の「通算5年」に入る期間・入らない期間
通算に入るのは、1号で在留していて働いていない期間、再入国許可で出国していた期間、1号への移行準備の「特定活動」の期間などです。除けるのは、産前産後休業・育児休業や、連続して1か月を超える病気・けがの休業(原則1年以内、労災は3年まで)などです。除くには、休業の原因が生じたときに会社が遅滞なく受入れ困難の届出をしたうえで、通算5年が満了する3か月前から満了までに、休業期間に関する申立書と休業を確認できる資料を出して申し出ます。
2号の試験に届かなくても、通算6年まで在留できる特例があります(2025年9月30日施行)。必要な全試験で合格基準点の8割以上を取り、再受験を誓約し、会社が雇用を続ける意思と支援体制を示すことなどが要件です。申請は5年に達する日の3か月前からです。
更新の手数料も在留期間で変わる
2026年10月1日から、更新の手数料は許可される在留期間で変わりました。窓口では1年なら33,000円、1年超3年未満は48,000円、3年なら64,000円です。オンラインはそれぞれ27,000円・42,000円・56,000円で、別に決済手数料がかかります。出入国在留管理庁は、長い期間の許可ほど1年あたりの負担が軽くなるようにしたと説明しています。更新の段取りは特定技能の在留期間更新で解説しています。
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特定技能2号の家族帯同:配偶者と子を呼べる
2号では家族の帯同が認められ、家族は在留資格「家族滞在」で暮らせます。1号では、家族の帯同は原則として認められていません。
家族滞在の対象は、扶養を受ける配偶者または子です。在留期間は5年を超えない範囲で個別に指定されます。親やきょうだいは家族滞在の対象ではありません。帯同が認められるかは個別の審査で決まるため、会社が「必ず呼べる」と約束することは避けましょう。
会社が考えておきたいこと
2号の人の家族への支援は、法令上の義務ではありません。それでも、家族が来ると生活は大きく変わります。住まいの広さ、子どもの学校、通院先、地域の日本語教室。こうした情報を早めに渡せる会社ほど、本人は落ち着いて働けます。
2026年5月29日に告示された外国人雇用管理指針の改正では、外国人労働者とその家族への日本語学習の機会の提供が盛り込まれました(2026年6月14日適用)。多くは努力義務ですが、家族を含めた生活の見通しを一緒に考える姿勢は、定着に直結します。
- 家族向けに使える住まいの候補(社宅の間取りの変更、近隣の物件)を確認した
- 市区町村の外国人相談窓口や日本語教室の情報をまとめた
- 家族の呼び寄せの時期を本人と話し、休暇の取り方を相談した
家族帯同の手続きと生活面の準備は、特定技能2号の家族帯同と生活支援で詳しく扱っています。
支援義務の違い:1号は10項目の義務、2号は支援の対象外
1号の人には、会社が10項目の義務的支援を行います。2号の人は、会社や登録支援機関による支援の対象外です。2号に移ると、その人の支援計画・定期面談・支援の委託は不要になります。
図41号の間にすること・2号になっても続くこと
1号の間に会社がすること
- 支援計画を作り、在留資格の申請時に出す
- 事前ガイダンス・生活オリエンテーション
- 3か月に1回以上の定期面談
- 相談・苦情への対応、日本語学習の機会など
- 登録支援機関に委託する場合は委託契約
支援の費用を本人に負担させることはできません。
2号になっても続くこと
- 日本人と同等以上の報酬など、雇用契約の基準
- 毎年の定期届出(2号の人数として報告)
- 雇用契約の変更などの随時届出(14日以内)
- 在留期間の更新の管理
- 指導・管理などの業務を任せ続けること
義務ではなくても、相談の窓口は残しておく会社が多い領域です。
届出はどう変わるか
定期届出は、毎年4月1日〜5月31日に前年度分を出します。報告する受入れ人数は1号と2号に分かれ、1号から2号に移った人は2号として数えます。在籍する全員が2号に移っても、定期届出は必要です。
2号への切り替えで、その人のための支援委託契約を終える場合、どの随時届出が要るかは委託先と確かめましょう。随時届出の期限は、事由が生じた日から14日以内で、地方出入国在留管理局に届いている必要があります。
2号でも続けたい支援(任意)
外国人雇用管理指針は、在留資格にかかわらず、外国人を雇う事業主に次のことを求めています(多くは努力義務)。日本語学習の機会の提供、生活習慣や地域の行政サービスを理解する支援、苦情・相談の体制づくりです。2号に移った人にも、母語で話せる相談先と、次の更新の時期を一緒に確かめる場は残しておくと安心です。
委託費はどう変わるか
委託費が1人あたり月額で決まっている契約なら、2号に移った人の分は見直せます。ほかに1号の人がいれば、委託契約そのものは続きます。登録支援機関の役割は登録支援機関とは?、紹介会社との役割分担は人材紹介会社と登録支援機関の違いにまとめています。
特定技能2号の対象分野:19分野のうち11分野
2号があるのは、19分野のうち11分野です。介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業・リネンサプライ・物流倉庫・資源循環には2号がありません。工業製品製造業は17区分のうち3区分だけが対象です。
| 分野 | 2号 | 2号の在留者(2026年6月末) | 移行要件の要点 |
|---|---|---|---|
| ビルクリーニング | あり | 24人 | 2号評価試験または技能検定1級+現場管理の実務2年以上 |
| 工業製品製造業 | 3区分のみ | 2,386人 | 2号評価試験+ビジネス・キャリア検定3級、または技能検定1級+実務3年以上 |
| 建設 | あり | 5,329人 | 2号評価試験または技能検定1級など+班長としての経験 |
| 造船・舶用工業 | あり | 644人 | 2号試験または技能検定1級+監督者として2年以上 |
| 自動車整備 | あり | 670人 | 2号評価試験(認証工場で実務3年以上が受験の条件)または整備士2級 |
| 航空 | あり | 6人 | 2号評価試験(整備は技能証明でも可)+指導や専門作業の実務経験 |
| 宿泊 | あり | 57人 | 2号評価試験+従業員を指導しながらの実務2年以上 |
| 農業 | あり | 2,387人 | 2号試験+指導・工程管理の実務2年以上(または現場3年以上) |
| 漁業 | あり | 43人 | 2号試験+日本語能力試験N3以上+補佐する立場などで2年以上 |
| 飲食料品製造業 | あり | 4,703人 | 2号評価試験+ライン長・班長などで2年以上 |
| 外食業 | あり | 2,046人 | 2号評価試験+N3以上+副店長などで2年 |
| 介護 | なし | — | 介護福祉士を取り、在留資格「介護」へ移る道がある |
| 自動車運送業・鉄道・林業・木材産業・リネンサプライ・物流倉庫・資源循環 | なし | — | 1号の通算5年まで |
2号の日本語は、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請から「日本語教育の参照枠」B1相当以上の確認が始まります。在留資格の変更・更新でいつから確認するかは検討中とされています(2026年9月30日掲載)。
工業製品製造業で2号があるのは、機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分です。分野ごとの所管省庁や試験は特定技能の対象19分野一覧で比べられます。育成就労が始まる2027年4月以降の道筋は育成就労制度とは?で確かめられます。
1号から2号への切り替え:手続きと会社の準備
切り替えは、要件をそろえてから在留資格の変更許可を申請する流れです。標準処理期間は1か月〜2か月で、手数料は許可される2号の在留期間で決まります。
図51号から2号へ切り替える流れ
- 本人の希望と、分野・区分に2号があるかを確かめる家族を呼びたいか、何年働きたいかを本人と話します。区分に2号がなければ、ここで道筋を考え直します。
- 分野が求める実務経験を積む多くの分野では、班長・ライン長・副店長など指導・管理の立場での経験が必要です。立場と期間を辞令などで記録します。
- 実務経験の証明を整える農業・漁業・飲食料品製造業などでは、本人から求められたら会社が実務経験の証明書を出す義務があります。
- 2号の試験と日本語に合格する漁業・外食業は日本語能力試験N3以上も必要です。
- 在留資格の変更許可を申請する2号の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)も確認書類になります。
- 許可後に、支援と届出を切り替えるその人の支援計画は終わり、委託契約と届出を見直します。
早めに動くほど選択肢が残る
1号の通算5年の残りが少ないと、試験に1回落ちただけで間に合わなくなります。指導の立場での経験が2年以上要る分野なら、入社3年目には役割を任せ始める計算です。在留期間の満了日までに変更を申請すれば、結果が出るまで(最長で満了日から2か月まで)は元の在留資格で働き続けられます。
2号の人がいる職場で、会社が誤解しやすいこと
2号は「手がかからなくなる在留資格」ではありません。支援の義務は外れますが、仕事の中身、届出、待遇の考え方は続きます。よくある誤解を、公表資料で確かめておきます。
- 1号で5年働けば、自動的に2号になる自動では移れません。試験などで技能を確かめ、在留資格の変更許可を受ける必要があります。
- 2号になったら、1号のときと同じ仕事でよい運用要領は、2号の人の通常の業務が1号や技能実習生と同じであってはならないとしています。指導・管理などの役割を任せます。
- 2号になれば、会社の届出はいらない定期届出は続き、2号の人数として報告します。雇用契約の変更などの随時届出も14日以内です。
- 2号なら家族を何人でも呼べる家族滞在の対象は、扶養を受ける配偶者または子です。帯同できるかは個別の審査で決まります。
- 2号になると、転職の自由が1号より大きい転職のルールの考え方は1号と同じです。同じ分野の中で新しい会社と契約し、本人が在留資格の変更許可を受けてから移ります。
待遇と評価:定期届出では昇給率も報告する
定期届出では、労働条件の月平均(所定労働時間、きまって支給する現金給与額など)を報告し、2年以上続けて受け入れている人については昇給率も書きます。2号に移る人は勤続が長いので、役割に見合った昇給の記録を残しておくと、届出でも本人への説明でも困りません。
分野の要領が昇給の仕組みを求める例もあります。建設は、技能の習熟に応じて昇給することを雇用契約に明記するよう求めています。飲食料品製造業は、典型的なキャリアパスや賃金の推移を示したキャリアアップの計画を、雇用契約の前に書面などで示すよう求めています。
転職の手続きは特定技能外国人の転職ルール、技能実習との違いは特定技能と技能実習の違いにまとめています。
想定ケース:養殖業の会社(従業員52人)の代表取締役が、2号への切り替えで支援契約を見直した理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
- 1号5人のうち1人が2号に移り、支援の委託は4人分になった
- 2号の社員が若手3人の作業班を受け持ち、給餌の段取りを任せられるようになった
- 実務経験証明書の発行手順を決め、ほかの1号2人にも発行した
――2号への切り替えで、何が変わりましたか。
一番は、現場に「任せられる人」ができたことです。2号に移った彼は、若手3人の作業班を受け持っています。私が毎朝出していた給餌の指示を、いまは彼が組んでくれます。会社の手間も変わりました。彼の分の義務的支援がなくなり、登録支援機関への委託は5人分から4人分になりました。
――2号を考えたきっかけは何でしたか。
彼が入社して3年目の面談で、「奥さんと子どもを呼びたい」と言われたことです。1号のままでは家族を呼べず、通算5年で帰国になる。正直に言うと、漁業に2号があることも、そのとき初めて知りました。
――準備を始める前は、何に困っていましたか。
何が要件なのかが分からないことです。調べると、漁業の2号は試験のほかに、日本語能力試験N3以上と、2年以上の実務経験が要ると分かりました。しかも試験の申込みの前に、実務経験の確認が必要です。うちは辞令を出す習慣がなく、彼がいつから班をまとめていたかを示す書類がありませんでした。
――どこで迷い、何で決めましたか。
2号にしたら、転職されてしまうのではという不安です。でも調べてみると、転職のルールは1号と変わりませんでした。結局は、うちで働き続けたいと思える役割と待遇があるかどうかです。後押しになったのは、委託先の登録支援機関の言葉でした。「2号に移れば、この方の支援契約は要らなくなります」と、自分たちの売上が減る話を先にしてくれた。それで、この会社の言うことは信じられると思いました。
――切り替えの実務で、つまずいたことは。
2号の人が指導する相手の数え方です。パートさんや、隣の湾にある別の作業場の人は数えられないと知り、班の組み方を変えました。誓約書の様式は見直し中と聞いたので、申請前に入管の窓口で確かめています。実務経験の証明は、水産庁の様式をもとに社内で発行の手順を決め、ほかの1号2人にも先に出しました。
――2号に移った社員とは、何を約束しましたか。
支援の義務はなくなりますが、月1回の面談は続けています。家族が来る前には、社宅を2部屋の間取りに替え、町の日本語教室の案内を渡しました。義務ではないからこそ、何を続けるかを会社が自分で決める必要がある。そう感じています。
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よくある質問
特定技能2号になると会社は何が変わる?
その人は会社・登録支援機関による支援の対象外になり、支援計画・定期面談・支援の委託が不要になります。一方で、1号や技能実習生と同じ仕事ではなく、指導・管理などの業務を任せる必要があります。日本人と同等以上の報酬、定期届出、在留期間の更新の管理は2号でも続きます。
1号から2号へは、自動的に切り替わりますか?
切り替わりません。2号の試験などで熟練した技能を確かめ、分野が求める実務経験をそろえて、在留資格の変更許可を受ける必要があります。標準処理期間は1か月〜2か月です。
2号に移った人の分の、登録支援機関との契約はどうなりますか?
2号の人は支援の対象外なので、その人の分の委託は不要になります。ほかに1号の人がいれば委託契約は続くため、対象人数や月額を見直します。契約を変える場合の届出の要否は、委託先と確かめましょう。
1号のままで家族を呼ぶことはできますか?
原則としてできません。家族の帯同(在留資格「家族滞在」)が認められるのは2号です。家族と暮らしたい人にとっては、2号への移行が現実的な道になります。
2号がない分野の人は、5年の後どうなりますか?
1号の通算5年が上限です。介護は、介護福祉士を取って在留資格「介護」に移る道があります。2号の試験がない分野では、2号試験の8割以上の得点で通算6年になる特例も使えません。
2号の在留期間は、何年で許可されますか?
3年・2年・1年・6月のいずれかが、審査で個別に決まります。更新の回数に上限はありません。手数料は許可される期間で決まり、窓口では3年なら64,000円、1年なら33,000円です(2026年10月1日以降の受付分)。
2号の人も転職できますか?
できます。同じ分野の中で新しい会社と雇用契約を結び、本人が在留資格の変更許可を受けてから働き始めます。会社や分野を変えるときに変更許可が要る点は、1号と同じです。詳しくは特定技能外国人の転職ルールをご覧ください。
2号の日本語の要件は、これから変わりますか?
変わります。2027年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請から、2号には「日本語教育の参照枠」B1相当以上の確認が始まります。国内で1号から2号に変更する申請でいつから確認するかは、検討中とされています(2026年9月30日掲載)。いまは漁業と外食業でN3以上が求められています。
2号の人がいても、定期届出は必要ですか?
必要です。定期届出では1号と2号に分けて人数を報告し、1号から2号に移った人は2号として数えます。在籍する全員が2号に移った場合も、届出は続きます。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」」(2026年10月9日改訂)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(令和8年8月20日一部改正)(2026年8月20日)
- 出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」(令和7年5月現在)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末・速報値)」(2026年6月末)
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「在留資格「家族滞在」」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」(2026年9月30日掲載)
- 出入国在留管理庁「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領」(2026年1月26日掲載)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等に関するQ&A」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(建設分野)」(2025年1月31日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(飲食料品製造業分野)」(令和8年8月28日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(漁業分野)」(令和6年2月15日一部改正)
- 水産庁「特定技能(漁業分野)」(2026年10月確認)
- 一般社団法人大日本水産会「特定技能評価試験(漁業分野)」(2026年10月確認)
- 労働政策研究・研修機構「外国人雇用管理指針」改正告示(2026年5月29日)
最終更新:(2026年10月版)
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