特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/daikigyou-fukusuu-kyoten/ 印刷日:2026年10月15日

特定技能の人材紹介会社・登録支援機関を比べて相談できる窓口 全国オンライン対応

大企業・複数拠点の特定技能|拠点ごとの管理と会社選び

義務は会社に1つ、実務は拠点ごとに。届出・支援・面談を拠点別の管理表で見える化する

大企業や、工場・店舗・施設を複数持つ会社が特定技能を受け入れると、「どこまで本社で統一し、どこから拠点に任せるか」で迷います。特定技能の受入れ機関は会社(法人)そのものなので、協議会への加入や出入国在留管理庁への届出は会社単位です。一方で、市区町村への協力確認書、本人や監督者との定期面談、生活の相談は、人が働き暮らす拠点ごとに発生します。この記事では、拠点別の届出・支援・面談の管理表と、本社で統一する範囲を示します。拠点間の異動の手続き、支援委託契約の結び方、2027年4月からの支援体制の基準、委託先に聞く質問まで、2026年10月時点の公的資料で整理しました。

この記事の結論
  • 会社単位と拠点単位を分ける:協議会・届出・支援委託契約は会社として1つ。協力確認書・定期面談・相談は、働く拠点と住む場所ごとに発生します。
  • 本社は「台帳と期限」、拠点は「面談と生活」:随時届出は事由から14日以内に本店を管轄する入管へ到達が必要です。異動や掛け持ちの情報が本社に届く連絡ルールを先に作ります。
  • 拠点間の異動も届出の対象:雇用条件書にない事業所への異動や掛け持ちは届出が要り、新しい市区町村が関わると協力確認書も出し直します。
  • 委託先は「全拠点に届く体制」で選ぶ:2027年4月から、登録支援機関の支援担当者1人あたり受入れ機関10未満・1号50人未満が基準です。拠点までの距離と担当者数を確かめます。

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この記事の目次

結論:大企業・複数拠点の特定技能は「会社で1つ」と「拠点ごと」に分けて管理する

大企業や複数の拠点を持つ会社が特定技能を受け入れるときは、義務を「会社単位で1つになるもの」と「拠点ごとに発生するもの」に分けて管理します。受入れ機関(特定技能所属機関)は、外国人を雇う会社(法人)そのものだからです。

協議会への加入、出入国在留管理庁への届出、登録支援機関との支援委託契約は、会社として1本です。一方、市区町村への協力確認書、3か月に1回以上の定期面談、生活の相談は、本人が働き、暮らす場所で発生します。拠点が増えるほど、後者の件数は掛け算で増えていきます。

図1会社で1つにまとまる義務と、拠点ごとに発生する実務

会社(本社)で1つにまとまるもの

  1. 分野ごとの協議会への加入
  2. 随時届出・定期届出(本店を管轄する入管へ)
  3. 登録支援機関との支援委託契約
  4. オンライン申請・電子届出の利用者登録
  5. 書類の省略を使えるかの判断

届出は、本店の住所を管轄する地方出入国在留管理官署に出します。拠点が別の県にあっても同じです。

拠点ごとに発生するもの

  1. 協力確認書(働く場所と住む場所の市区町村へ)
  2. 定期面談(本人と、監督する立場の人)
  3. 相談・苦情への対応
  4. 住まいの確保と生活オリエンテーション
  5. 定期届出の別紙1(事業所ごと)

国内の人の変更・更新の申請は、本人の住居地を管轄する官署が窓口です。拠点が3県にまたがれば、窓口も3つになり得ます。

左は本社が期限ごと管理し、右は拠点で起きた情報を本社に集める仕組みが要ります。出典:出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年5月20日更新分まで)、出入国在留管理庁「定期届出作成要領」(2026年1月26日掲載)、出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2026年3月23日様式改訂)

拠点が増えると、何がどれだけ増えるか

たとえば3拠点に1号を4人ずつ、計12人受け入れると、本人との定期面談だけで年48回です(12人×年4回の試算)。これに、監督する立場の人との面談が加わります。面談の日程、記録、届出の期限が拠点ごとにばらばらだと、本社は全体の状況をつかめません。届出が1件漏れるだけで、会社全体の受け入れに影響が出ることもあります。

この記事が想定する会社

従業員数にかかわらず、工場・店舗・施設・営業所など、特定技能の人が働く場所が2か所以上ある会社です。採用する人数ごとの体制は特定技能を5人・10人以上採用する方法、拠点が1つで専任の担当者がいない会社は中小企業が特定技能を受け入れる進め方で扱っています。

本社で統一する範囲:協議会・届出・申請の窓口・書類の省略

本社で統一するのは、会社として1つしか持てないものと、期限を落とすと会社全体の受け入れが止まるものです。協議会、出入国在留管理庁への届出、在留申請の窓口の整理、書類の省略の4つを、本社の担当部署に集めます。

協議会は、原則として「分野ごと・会社として」

受入れ機関は、在留の申請の前に、分野ごとの協議会の構成員になる必要があります。介護施設と工場を持つ会社なら、介護と工業製品製造業の2つの協議会が関わります。多くの分野では会社として加入しますが、木材産業の協議会は事業所ごとの入会とされています。分野ごとの加入単位と所要期間を、最初に一覧にしておきます。

届出は本店を管轄する入管へ、14日以内に「到達」

随時届出の届出先は、本店の住所を管轄する地方出入国在留管理官署です(空港支局を除く)。期限は事由が生じた日から14日以内で、消印ではなく到達で判断されます。電子届出システムを使うには、事前に利用者情報の登録が必要です。

定期届出は年1回、毎年4月1日〜5月31日に、前年度(4月1日〜3月31日)分を出します。届出書の別紙1は事業所ごとに作るため、拠点別の受入れ人数、労働時間、給与の月平均を本社が集めます。2026年4月1日以降の定期届出では、オンライン申請と電子届出を行うことが、添付書類を省略するための必須要件です。

在留の申請は、窓口が人によって変わる

海外から呼ぶ在留資格認定証明書の申請は、受入れ機関の所在地などを管轄する官署に出します。本店と働く拠点が別の地域にある場合は、どちらの官署に出すかを事前に確かめておくと安全です。国内の人の変更申請と更新申請は、本人の住居地を管轄する官署が窓口です。オンライン申請を使えば、窓口が分かれても移動の手間を抑えられます。2026年1月5日からの新システムでは、会社の利用者IDの有効期間が3年になりました。

大企業は書類を省略できる場合がある

上場企業や、前年分の源泉徴収税額が1,000万円以上の団体などは、会社に関する書類(提出書類一覧表の第2表)を省略できる場合があります。条件は、過去3年間に指導勧告書の交付や改善命令処分を受けていないこと、申請をオンラインで、届出を電子で行うことです。同じ年度にすでに特定技能外国人を受け入れている会社も、第2表は要りません。省略しても、求められれば提出が必要です。利用者登録は、提出期限の3か月前には申請するよう求められています。

複数拠点で特定技能を管理する表:届出・支援・面談を拠点別に

拠点別の管理は、1枚の表に「何を・誰が・いつまでに」を書き出すことから始めます。下の表は、複数拠点の会社で発生する主な義務を、本社と拠点の役割に分けたものです。

図2複数拠点の特定技能 管理表(本社と拠点の役割分担)

主な義務の単位・期限と、本社・拠点の役割(2026年10月時点の制度にもとづく)
項目単位期限・頻度本社の役割拠点の役割
協力確認書働く場所と住む場所の市区町村雇用契約の後、在留申請の前提出先と提出日の一覧を管理住まい・事業所が変わる話を事前に連絡
随時届出会社(本店を管轄する入管)事由から14日以内に到達書類の作成と提出異動・退職・契約変更の話を即日報告
定期届出会社(別紙1は事業所ごと)毎年4月1日〜5月31日とりまとめと提出労働時間・給与の月平均を提出
定期面談本人と、監督する立場の人3か月に1回以上日程と記録を一元管理面談の場所と同席者を手配
相談・苦情への対応本人ごと勤務日に週3日以上、休日に1日以上窓口と対応言語をそろえる最初の受付と本社への連絡
外国人雇用状況の届出雇用保険の手続きと同じ事業所被保険者の雇入れは翌月10日まで拠点別の一覧で突き合わせ雇入れ・離職の手続きを連絡
在留期間の満了本人ごと更新は満了の3か月前から申請可満了日の一覧を管理本人への声かけと書類集め
届出の責任は会社にありますが、届出のもとになる情報は拠点で生まれます。出典:出入国在留管理庁「随時届出Q&A」(令和7年6月)、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)、厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月確認)

拠点ごとの台帳に入れる12項目

  • 氏名、在留カードの番号、在留期間の満了日
  • 在留資格・分野・業務区分(指定書の内容)
  • 働く拠点と部署(雇用条件書の記載と同じか)
  • 住居の住所と、協力確認書を出した市区町村・提出日
  • 監督する立場の人の氏名と部署
  • 支援責任者・支援担当者(委託先の担当者名)
  • 前回・次回の定期面談の日付と方法(対面かオンラインか)
  • オンライン面談の同意書と、録画の保存場所
  • 相談の記録(相談記録書)の保管先
  • 随時届出の履歴(届出日と種類)
  • 雇用保険の資格取得日と、外国人雇用状況の届出日
  • 次の昇給・契約更新・在留期間更新の予定

本社と拠点の連絡ルールを1つに決める

届出の期限は14日です。拠点で異動や退職が決まってから本社に伝わるまで1週間かかると、残りは7日しかありません。「契約・勤務先・住まいが変わる話は、決まる前に本社へ」という連絡ルールを、拠点長の業務として文書にします。

外国人雇用状況の届出は、ハローワークに「事業所別外国人雇用状況届出一覧(写)交付請求書」を出すと、届出済みで在職中と登録されている外国人の一覧を受け取れます。年1回、本社の台帳と突き合わせると、拠点での届出漏れに気づけます。

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拠点間の異動・応援で必要な手続き:14日以内の届出と協力確認書

特定技能の人を別の拠点へ異動させたり、応援で掛け持ちさせたりするときは、在留資格の変更が要らない場合でも届出が必要です。雇用条件書に書いた部署の変更、別の事業所への異動、書いていない事業所での掛け持ち勤務は、いずれも雇用契約の変更の届出の対象です。予定どおりの昇給で基本給が上がるだけなら、届出は要りません。

指定書には、所属機関(会社)と特定産業分野が書かれています。同じ会社・同じ分野で、同じ業務区分の仕事のまま拠点を移るなら、変更許可は不要です。別の分野の仕事に移すには、在留資格の変更許可が必要になります。

  1. 異動先の仕事と人数を確かめる(本社)

    同じ分野・業務区分の仕事かを確認します。介護は事業所ごとに人数の上限があるため、異動先の施設で上限を超えないかも見ます。

  2. 本人に説明し、納得してもらう(拠点・本社)

    勤務地、通勤、住まいがどう変わるかを、本人が理解できる言語で説明します。

  3. 雇用条件書を書き換える(本社)

    就業の場所と部署を新しい内容にし、写しを本人に渡します。

  4. 協力確認書の要否を確かめる(本社)

    異動先の事業所や新しい住居が別の市区町村なら、改めて提出します。同じ事業所で別の外国人を受け入れるだけなら、再提出は要りません。

  5. 14日以内に届け出る(本社)

    雇用契約の変更の届出(第3-1-1号)を出します。支援担当者が替わるなら、支援計画の変更の届出(第3-2号)も出します。

  6. 異動先で面談を引き継ぐ(拠点・委託先)

    監督する立場の人が替わるため、次の定期面談の日程を決めます。支援担当者が替わった後の初回の面談は、対面が望ましいとされています。

人数の上限は、分野によって数える単位が違う

介護は事業所単位で、1号の数が日本人等の常勤介護職員の総数を超えてはいけません。施設Aから施設Bへ移すなら、施設Bの上限に収まるかを確かめます。建設は、受入れ機関の常勤の職員(1号と技能実習生を除く)の総数との関係で数えます。上限のない分野でも、住まいと指導役の数が実際の上限になります。詳しい数え方は特定技能の受け入れ人数の上限にまとめています。

多店舗で特定技能を受け入れるときの注意:店舗・施設ごとに違うこと

店舗や施設を多く持つ会社では、拠点ごとに仕事の中身、指導役、客との接し方が違います。本社の規程を1つにしても、拠点ごとの差を管理表に残さないと、面談で出た課題を拾えません。

図3拠点ごとに管理表へ残す4つの「差」

  • ① 仕事の中身同じ職種でも、店舗や施設で作業の順番や機械が違います。分野・業務区分から外れる作業が混ざっていないかを拠点ごとに見ます。
  • ② 指導役と監督者誰が教え、誰が指揮命令するか。面談の相手になる「監督する立場の人」を拠点ごとに特定します。
  • ③ 客との接し方客と接する拠点では、客からの言動で困ったときの相談先と言語を決めておきます。
  • ④ 通勤と住まい駅からの距離、夜の帰り道、買い物の手段。拠点の立地で生活の困りごとが変わります。
4つの差を記録しておくと、異動のときの説明と引き継ぎが短く済みます。

介護施設を複数運営する場合

受け入れられるのは、介護福祉士国家試験の受験資格で実務経験として認められる業務に就かせられる事業所です。訪問系サービスに就かせるには、初任者研修の修了と原則1年以上の実務経験に加え、事業所側の研修や同行訪問などの体制が求められます。介護分野の協議会への加入は在留申請の前に済ませ、費用はかかりません。分野の要件は介護の特定技能で詳しく扱っています。

飲食店を多店舗で運営する場合

外食業は受入れ見込数(5万人)に近づき、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されています。2026年9月10日掲載の情報では、外食業分野の中での転職は通常どおり許可されています。新店の人員を海外からの受け入れで埋める計画は、いまは立てられません。

客と接する拠点では、ハラスメント対策も

2026年10月1日から、カスタマーハラスメントの防止措置が事業主の義務になりました。客と接する拠点で働く特定技能の人が困ったとき、誰に何語で相談できるかを決めておきます。相談への対応は、勤務日に週3日以上、休日に1日以上、本人が理解できる言語で行える体制が求められます。

支援委託契約は本社で一括か、拠点ごとか:委託先の選び方

支援委託契約の当事者は、受入れ機関である会社です。本社が窓口になり、全拠点の人の分をまとめて契約できます。大事なのは、契約の中身が全拠点に届いているかです。契約には、少なくとも受託する支援業務の内容と、費用の額・内訳を入れます。

図4支援の任せ方3つの形と、向いている会社

複数拠点の会社が選べる支援の任せ方(編集部の整理)
形向いている会社気をつけること
1社に全拠点をまとめて委託拠点が同じ地域に集まっている。窓口を1つにしたい遠い拠点への訪問の頻度と交通費、担当者の人数
拠点の地域ごとに別の機関へ委託拠点が離れた県にある報告の書式と届出の分担がばらばらにならないよう、本社が様式をそろえる。扱いは事前に確認が必要
自社で支援し、一部の拠点だけ委託を併用支援の経験がある拠点がある2027年4月から、支援を行う事業所ごとに常勤の支援責任者等が必要
どの形でも、届出と台帳は本社に集めます。出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)、出入国在留管理庁「支援体制等の主な改正点」(2027年4月1日施行)

2027年4月の基準で、委託先の受け持ちを計算する

2027年4月1日から、登録支援機関は支援業務を行う事務所ごとに、常勤の役員・職員から支援責任者と支援担当者を選びます。支援担当者1人あたりの受け持ちは、受入れ機関10機関未満、1号50人未満です。大企業は受入れ機関としては「1機関」でも、1号の人数が多いため、人数の枠を大きく使います。

図5委託先に必要な支援担当者の数(計算例)

  • 1号60人を1社にまとめて委託受入れ機関1÷10=0.1、60÷50=1.2 → 自社の分だけで担当者2人以上
  • 委託先がほかに9機関・40人を支援中で、自社の15人を追加10÷10=1、55÷50=1.1 → どちらも上回るには担当者2人以上
  • 3拠点・1号45人を委託45÷50=0.9 → 自社の分は担当者1人で収まるが、ほかの支援先と合わせた人数を聞く
担当者の数は「受入れ機関の数÷10」と「1号の数÷50」をどちらも上回る必要があります。出典:出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2027年4月1日施行)

委託先に聞く7つの質問

  • 各拠点まで、担当者は車や電車で何分かかりますか。定期面談はどこで行いますか。
  • 当社の分を受けたあと、支援担当者1人あたりの受入れ機関数と1号の人数はいくつになりますか。
  • 拠点ごとの面談記録と相談記録を、同じ書式で本社に送れますか。
  • 異動や退職の連絡を受けてから、届出に必要な書類がそろうまで何日かかりますか。
  • 各拠点の人が使う言語で、夜間・休日の相談に応じられますか。
  • 遠い拠点への訪問の交通費は、月額に含まれますか、別に請求されますか。
  • 拠点がある市区町村の共生施策(日本語教室など)を調べ、支援計画に反映できますか。

登録支援機関は11,660件が登録されています(2026年10月8日)。2023年4月末の時点では、登録していても支援委託契約を持つのは約半数でした。登録の有無だけでなく、全拠点を回せる体制を数字で答えられるかを比べます。比べ方の全体像は登録支援機関の選び方、役割の基本は登録支援機関とはで解説しています。

自社で支援する大企業の体制:2027年4月から「事業所ごと」の基準

人数が多い大企業では、委託せず自社で支援する選択肢もあります。ただし、拠点が多いほど置く人が増えます。決める前に、支援を「どの事業所で」行うかを設計します。

現在の基準でも、自社支援には事業所ごとに支援責任者と1人以上の支援担当者を選ぶことと、過去2年間に中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績などが必要です。2027年4月1日からは、支援を行う事業所ごとに、常勤の役員・職員から支援責任者と支援担当者を1人ずつ以上選びます。支援責任者が支援担当者を兼ねることはできます。支援担当者1人あたりの1号は50人未満で、支援責任者には養成講習の受講が求められます(当分の間は修了していなくても差し支えないとされています)。支援業務に従事できるのも、支援責任者等に限られます。

「支援を行う事業所」を本社に置くか、拠点に置くか

本社で支援をまとめて行うのか、拠点ごとに支援を行うのかで、選ぶべき人数が変わります。たとえば3拠点それぞれで支援するなら、常勤の責任者等が少なくとも3人要ります。自社の形がどちらに当たるかは、制度の運用を管轄の官署や専門家に確認が必要です。2027年の基準の全体像は、委託先の準備状況とあわせて確かめておきます。

10人を超えたら雇用労務責任者も選ぶ

外国人雇用管理指針は、外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、人事課長などを雇用労務責任者に選ぶよう求めています。特定技能に限らない人数です。人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)では、2026年10月1日以降に計画を出す場合、雇用労務責任者を事業所ごとに選び、外国人労働者と3か月ごとに1回以上面談することが要件の1つです。就業規則などの多言語化とあわせて行うと、支給額は20万円です。

複数拠点でよくある失敗と、防ぐための3つの仕組み

複数拠点の失敗は、情報が拠点にあり、届出の責任が本社にあることから起きます。よくある例を先に知っておくと、管理表に入れる項目が決まります。

  • 拠点の判断で応援勤務をさせ、雇用条件書にない事業所での掛け持ちを届け出ていない
  • 社宅を別の町に移したのに、住居地の市区町村へ協力確認書を出し直していない
  • 監督する立場の人が異動したのに、面談の相手が前任者のまま記録されている
  • 定期届出の別紙1の人数や労働時間が、拠点の勤怠の数字と合わない
  • 在留期間の満了日を拠点任せにして、更新の準備が満了の直前になる
  • 雇用保険の手続きを拠点で行い、外国人雇用状況の届出が本社の台帳に反映されていない

防ぐための3つの仕組み

1つ目は、拠点長に「契約・勤務先・住まいが変わる話は、決まる前に本社へ」という連絡ルールを持たせることです。2つ目は、月1回、拠点の勤怠と本社の台帳を突き合わせることです。3つ目は、在留期間の満了日の4か月前に、本社から拠点へ知らせが届く仕組みを作ることです。更新は、6か月以上の在留期間がある人なら満了の3か月前から申請できます。

届出をしない、または虚偽の届出をすると、一定期間特定技能の雇用契約を結べなくなることがあり、罰金や過料の対象にもなり得ます。1つの拠点の漏れが、全拠点の受け入れに響きます。受け入れ全体の流れは特定技能の受け入れ総合ガイドで確認できます。

想定ケース:養殖業の会社(従業員52人)の事務長が、3拠点の届出を本社の管理表に集めた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

湾内2か所の養殖場と、別の町の種苗施設で特定技能の6人が働く会社の事務長(40代)に、拠点別の管理表を作ってからの1年を聞きました。

  • 1年間の随時届出11件を、すべて事由から14日以内に出せた
  • 6人分・年24回の本人との定期面談を、1つの表で予定どおり実施した
  • 拠点から本社への連絡を3種類に絞り、連絡漏れによる届出の遅れが0件になった

――この1年で、何が変わりましたか。

届出の遅れがなくなりました。以前は、繁忙期に班長が人を別の養殖場へ応援に出しても、私のところに話が来ませんでした。応援の掛け持ちも届出の対象だと知ったのは、委託先との打ち合わせの席です。管理表を作ってからの1年で届出は11件。全部、14日以内に出せています。

――拠点が3つあると、何が大変でしたか。

市区町村が3つあることです。種苗施設は隣町で、社宅はさらに別の町にあります。協力確認書は、働く場所と住む場所の市区町村に出します。1人の異動で出し直しが要ることもある。最初はそれが分からず、委託先に「この人の住む町には出していますか」と聞かれて、慌てて確かめました。

――委託先はどう選びましたか。

3社に同じ質問をしました。ある会社は「全国対応です」と言うだけでした。選んだ会社は、各拠点まで車で何分か、面談はどの部屋で誰が同席するかまで、地図を見ながら話してくれました。漁業分野では、協議会に協力する登録支援機関を選ぶ必要があることも、そこが最初に説明してくれました。「種苗施設には月1回しか行けません」と正直に言われたのも、かえって信頼できました。

――本社と拠点の役割はどう分けましたか。

本社は台帳と期限、拠点は面談の場所と日々の相談、と決めました。拠点長に頼んだ連絡は3つだけです。勤務先が変わる、辞める話が出た、住まいが変わる。この3つは「決まる前に」私へ。それ以外は月1回、勤怠と台帳を突き合わせます。

――つまずいたことはありますか。

労働時間です。養殖業は労働基準法の労働時間や休日の規定が適用されませんが、長時間労働にならないよう管理する必要があります。拠点で作業の山が違い、収穫期の養殖場に応援が集中しました。面談で疲れを訴えた人がいて、応援は1人月4日までと社内で上限を決めました。応援のたびに届出の要否を確かめるので、無理な応援自体が減りました。

――これから受け入れる会社に伝えたいことは。

人数が少なくても、拠点が複数あれば大企業と同じ管理が要ります。うちは6人ですが、関わる市区町村は3つ、監督する立場の人は4人です。表にしてみて初めて、本社が知らないことがこんなに多いと分かりました。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

大企業向けの特定技能採用会社は?

「大企業向け」という決まった区分はなく、全拠点に支援が届く体制があるかで選びます。拠点までの距離、支援担当者1人あたりの受け持ち、拠点別の報告の書式、各拠点の人の言語への対応を比べてください。特定技能のりあい窓口では、条件に合う会社を最大3社まで無料で紹介し、順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

本社で一括して支援委託契約を結べる?

結べます。支援委託契約の当事者は受入れ機関である会社なので、本社が窓口になり、全拠点の人の分をまとめて契約できます。契約には受託する支援業務の内容と、費用の額・内訳を入れます。拠点ごとの訪問の頻度、交通費の扱い、面談の場所も契約前に決めておきます。

拠点を移る異動に、在留資格の変更許可は要りますか?

同じ会社・同じ分野で、同じ業務区分の仕事のまま拠点を移るだけなら、変更許可は要りません。ただし、雇用条件書の就業場所や部署が変わるため、14日以内に雇用契約の変更の届出が必要です。新しい市区町村が関わるなら、協力確認書も出し直します。

届出は、拠点がある県の入管に出すのですか?

随時届出と定期届出は、本店の住所を管轄する地方出入国在留管理官署に出します。国内の人の在留資格の変更や更新の申請は、本人の住居地を管轄する官署が窓口です。電子届出とオンライン申請を使えば、窓口が分かれても移動の負担を減らせます。

遠い拠点の定期面談は、オンラインでもよいですか?

本人の同意があり、録画を雇用契約の終了から1年以上保管するなどの条件を満たせば、オンラインで行えます。本人が対面を希望したら対面です。受け入れ後の初回と担当者が替わった後の初回は対面が望ましく、オンラインでも1年に1回以上は対面が望ましいとされています。

複数の分野で受け入れる場合、協議会はどうなりますか?

分野ごとに、その分野の協議会の構成員になる必要があります。介護施設と工場があるなら2つの協議会です。多くの分野は会社として加入しますが、木材産業の協議会は事業所ごとの入会とされているため、分野ごとに加入の単位を確かめてください。

外国人を何人雇うと、会社の義務が増えますか?

外国人雇用管理指針は、外国人労働者を常時10人以上雇用するとき、人事課長などを雇用労務責任者に選ぶよう求めています。自社で支援する場合、2027年4月からは支援担当者1人あたりの1号が50人未満という基準もあります。届出と面談は1人ごとなので、人数分だけ件数が増えます。

多店舗の飲食店でも、いま特定技能の人を採れますか?

外食業は2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止され、海外から新たに呼ぶ計画は立てにくい状況です。2026年9月10日掲載の情報では、外食業分野の中での転職は通常どおり許可されています。国内で外食業の特定技能を持つ人の採用が中心になります。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  2. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年5月20日更新分まで)
  3. 出入国在留管理庁「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領」(2026年1月26日掲載)
  4. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)
  5. 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(様式改訂2026年3月23日)
  6. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)
  7. 出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(令和8年8月20日一部改正)
  8. 出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」(提出書類一覧表)(2026年10月9日改訂)
  9. 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月確認)
  10. 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
  11. 出入国在留管理庁「新しい在留申請オンラインシステムについて」(2026年1月5日)
  12. 出入国在留管理庁「支援体制等の主な改正点」(2027年4月1日施行)
  13. 出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2027年4月1日施行)
  14. 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」(2026年10月8日)
  15. 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の審査状況」(2026年9月10日掲載)
  16. 法務省・厚生労働省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(介護分野の基準について)」(2025年4月21日一部改正)
  17. 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(建設分野の基準について)」(2025年1月31日一部改正)
  18. 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(漁業分野)」(令和6年2月15日一部改正)
  19. 林野庁「木材産業特定技能・育成就労協議会」(2026年10月確認)
  20. 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月確認)
  21. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(令和8年5月29日告示による改正を反映)
  22. 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
  23. 厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」(2026年9月時点)

最終更新:(2026年10月版)

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