特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/2026/10/15/henkin-kitei/ 印刷日:2026年10月15日

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  • 費用・助成金
  • 2026年10月版

早期退職時の返金規定|紹介料が戻る条件と交渉のポイント

返金は法律の義務ではなく契約しだい。起算日・期間・対象外の事由を契約前に詰めておく

特定技能外国人が早く辞めたとき、紹介料が戻るかどうかは、人材紹介会社との契約の返金規定で決まります。返戻金制度は法律上の義務ではなく、厚生労働省の指針も「設けることが望ましい」としているだけです。一方で、特定技能1号で転職を経験した人の44.5%は、資格を得てから1年未満に最初の転職をしています(出入国在留管理庁、暫定値)。この記事では、紹介料の返金規定の典型的な型を表で整理し、在留資格の不許可や入国前の辞退も含めて、契約前に確認・交渉すべき条件を示します。

この記事の結論
  • 返金は契約しだい。ただし明示と公開は義務:返戻金制度を設けるかは紹介会社の判断です。返戻金制度に関する事項は、求人の申込みを受けた後に明示し、手数料表とともに公開する必要があります。
  • 期間は「1年未満の転職」も意識して決める:特定技能1号の転職経験者の44.5%は、資格取得から1年未満に初回の転職をしています。6か月で終わる規定では、6か月から1年の間の転職は対象になりません。
  • 特定技能ならではの場面を書面に:在留資格が許可されないとき、入国前に辞退したとき、本人が帰国したとき。返金の起算日とあわせて契約前に決めます。辞めた本人に紹介料を請求することはできません。

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この記事の目次

紹介料の返金規定は法律の義務ではなく、契約で決まる

特定技能外国人が早く辞めたときに紹介料が戻るかどうかは、紹介会社との契約の返金規定で決まります。法律は返金を義務づけていません。その代わり、紹介会社には、返戻金制度に関する事項を事前に示し、公開する義務があります。

返戻金制度とは何か

職業安定法施行規則(24条の5)は、返戻金制度を次のように定めています。「その紹介により就職した者が早期に離職したことその他これに準ずる事由があつた場合に、当該者を紹介した雇用主から徴収すべき手数料の全部又は一部を返戻する制度その他これに準ずる制度」。一般に「返金規定」と呼ばれているものです。

「望ましい」制度だが、明示と公開は必要

厚生労働省の指針は、有料職業紹介事業者は返戻金制度を「設けることが望ましい」としています。義務ではありません。ただし、返戻金制度に関する事項は、求人の申込みを受けた後、速やかに書面などで求人者に明示する事項です。手数料表や業務運営規程とともに、事業所での掲示やインターネットで情報を提供することも求められています。

苦情の窓口も、明示される事項の1つ

職業安定法32条の13は、取扱職種の範囲、手数料に関する事項、苦情の処理に関する事項などを、求人者と求職者に明示するよう定めています。返金をめぐって意見が分かれたときに誰に申し出るかも、契約の前に分かる仕組みです。明示された書面は、契約書と一緒に保管しておきます。

図1返金の額を決める4つの要素

  1. 起算日いつから数えるか。雇用契約の日、入国の日、就労を始めた日で、実際に守られる期間が変わります。
  2. 対象期間何か月以内の離職を返金の対象にするか。
  3. 返金の割合と方法経過した月数に応じた割合か、一律か。返金の代わりに別の人を紹介する方法もあります。
  4. 対象外の事由会社都合の解雇などを返金の対象から外す定め。範囲を具体的に確かめます。
4つのどれか1つでも曖昧だと、いざというときに返金されないことがあります。出典:e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」(2026年10月)、厚生労働省「職業紹介事業者等の責務等に関する指針」(令和6年改正まで)

特定技能の早期退職と返金:日本人の採用と違う3つの場面

特定技能の採用では、入社後の退職のほかに、在留資格の許可が出ない、入国前に辞退する、という場面があります。入社した後も、同じ分野の中なら本人の意思で転職できます。返金規定がこれらの場面をどう扱うかを、契約前に確かめます。

特定技能で返金規定が関わる3つの場面(2026年10月時点の制度にもとづく)
場面起きること規定で決めておくこと
在留資格が許可されない・入国できない在留資格認定証明書は交付から3か月以内に入国しないと効力を失います。外食業のように交付が止まっている分野もあります支払い前なら請求しない、支払い後なら全額返金、など
入国前・就労開始前の辞退内定後に本人が辞退する就労前の辞退を返金の対象にするか
就労開始後の転職・帰国同じ分野なら本人の意思で転職できます(在留資格の変更許可が必要)。家族の事情などでの帰国もあります期間・割合・起算日、帰国を対象に含めるか

起算日は「就労を始めた日」で考える

国内にいる人を雇う場合、働き始めるのは在留資格の変更許可を受けた後です。変更許可の標準処理期間は1〜2か月です。返金の期間を雇用契約の日から数える規定だと、許可を待つ間に期間の一部が過ぎてしまいます。海外から呼ぶ場合も、在留資格認定証明書の標準処理期間は1〜3か月です。起算日は「就労を始めた日」にしておくと、実際に働いた期間で守られます。

分野の受け入れ状況も、支払い条件に響く

外食業は受入れ見込数(5万人)に近づき、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されています。2026年9月10日掲載の情報では、交付の対象は受付日が2026年1月31日までの申請に限られます。海外から呼ぶ計画で紹介料を先に払う契約は、こうした停止のときにどう扱うかまで決めておかないと、費用だけが残るおそれがあります。

退職の理由の内訳

日本政策金融公庫の調査は、最近5年間に外国人従業員の退職があった企業484社に、退職理由を聞いています(複数回答)。最多は「日本で転職するため」の51.0%でした。帰国につながる理由も少なくありません。

図2外国人従業員の退職理由(複数回答・484社)

  • 日本で転職するため51.0%
  • 母国で働くため30.2%
  • 家族の事情のため26.0%
転職だけでなく、帰国による退職を返金の対象に含めるかも確かめます。調査は公庫の融資先が対象で、中小企業全体を代表しない可能性があります。出典:日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)

返金規定は何か月で考えるか:公的データで見る「辞める時期」

返金の対象期間の相場を示す公的な統計は、確認できた範囲では見当たりません(2026年10月時点)。手がかりは2つあります。紹介会社が公開を義務づけられている「6か月以内の離職者数」と、特定技能の転職の時期のデータです。

公開が義務の物差しは「6か月」

有料職業紹介事業者には、インターネットで公開する義務がある数字があります。紹介で無期雇用として就職した人のうち、就職から6か月以内に離職した人の数(解雇を除く)です(職業安定法施行規則24条の8)。厚生労働省の集計では、職業紹介で就職した人の6か月以内の離職率は、介護19.9%、看護12.9%、保育14.5%でした。令和5年度実績で、特定技能に限らない数字です。

特定技能の転職は「1年未満」と「1〜2年」に集中

出入国在留管理庁によると、2021〜2024年に特定技能1号の資格を得た人は341,253人。このうち2025年8月末までに転職したのは76,338人(22.4%)でした。初回の転職までの期間は、1年未満と1〜2年がほぼ同じ多さです。

図3特定技能1号の初回の転職までの期間(転職経験者76,338人)

  • 1年未満33,963人(44.5%)
  • 1〜2年32,123人(42.1%)
  • 2〜3年9,010人(11.8%)
  • 3〜4年1,201人(1.6%)
割合は転職経験者に占める比率(計算)。4〜5年は41人です。転職は在留資格の変更許可で数えており、帰国は含みません。2024年の資格取得者は観察期間が短い点に注意が必要です。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末までの転職・暫定値)

6か月の規定でカバーできる範囲

公表データは「1年未満」までしか分けていないため、3か月や6か月以内に辞める人の割合は分かりません。確かなのは、6か月で終わる規定では、6か月から1年の間の転職は対象にならないことです。1〜2年目の転職も多いため、返金だけで守れる範囲には限りがあります。

図4自動車整備分野の転職の状況(2021〜2024年の資格取得者)

  • 15.0%転職を経験した人の割合3,669人中552人(全分野は22.4%)
  • 184人初回の転職が1年未満転職経験者の33.3%(計算)
  • 261人初回の転職が1〜2年転職経験者の47.3%(計算)
  • 107人初回の転職が2年以上2〜3年83人、3〜4年24人
分野によって転職の時期の山は違います。自分の分野の数字で、返金の期間と定着策を考えます。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末までの転職・暫定値)

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人材紹介の返戻金の相場と、返金規定の5つの型

返戻金の割合や期間の相場を示す公的な統計は、確認できた範囲では見当たりません。比べるときは、紹介料の額と、返金規定の「型」を分けて見ます。

紹介料の額は公的データがある

厚生労働省の集計では、職業紹介を通じた介護職の平均手数料は全国で59.7万円、北陸ブロックでは87.8万円でした(令和6年度実績、特定技能に限らない)。この資料に載っているのは医師・看護・保育・介護の4職種だけで、製造や建設などの職種別の平均はありません。額の決まり方と地域差は特定技能の人材紹介料の相場で解説しています。

返金規定の5つの型(型の名前は編集部の整理。例の数字はすべて架空)
型仕組み(架空の例)会社にとっての利点確かめること
段階返金型1か月以内80%、3か月以内50%、6か月以内20%のように、経過に応じて割合が下がる早い離職ほど多く戻る起算日と各段階の区切り
一律返金型6か月以内なら一律50%など計算が分かりやすい期間の終わり際でも同じ割合か
代替紹介型返金の代わりに、別の候補者を追加の紹介料なしで紹介する採用を急ぐ会社には早い紹介の期限、見つからないときの返金
分割・後払い型就労開始時と一定期間後に分けて払う早く辞めれば残りを払わずに済む2回目の支払いの条件
返金なし返戻金制度を設けていない読み合わせの手間がない設けない理由の説明

辞める時期で、実際に払う額はこう変わる

型の違いは、辞めた時期ごとに「最終的に払う紹介料」を並べると見えてきます。同じ紹介料でも、6か月を過ぎた後の扱いで差が出ます。

図5退職の時期別に、会社が最終的に払う紹介料(試算・金額はすべて架空)

型(紹介料60万円の場合)就労2か月で退職5か月で退職8か月で退職
段階返金型(1か月以内80%・3か月以内50%・6か月以内20%返金)30万円48万円60万円
一律返金型(6か月以内50%返金)30万円30万円60万円
分割・後払い型(就労開始時40%・6か月後30%・12か月後30%)24万円24万円42万円
返金なし60万円60万円60万円
起算日は就労を始めた日と仮定した試算です。紹介料の水準は、介護職の全国平均(59.7万円)に近い額で設定しました。出典:編集部の試算(紹介料の水準は厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)を参考)

「返金なし」は違法ではない。理由を聞く

返戻金制度を設けないこと自体は違法ではありません。厚生労働省の「職業紹介サービスを利用する際のチェックポイント」は、次の2点を確かめるよう勧めています。自己都合で早期離職した場合の手数料の減額・返還がルール化されているか。ない場合は、その理由の説明があるか。理由と紹介料の額を合わせて判断します。

契約前に確認・交渉する10の条件

返金規定は、契約書に書かれた言葉がすべてです。口頭の説明を書面に移すつもりで、次の10の条件を確かめます。

  • 返金の起算日は「就労を始めた日」か
  • 対象期間は何か月か。6か月で区切るなら、その理由
  • 返金の割合と、段階の区切り
  • 対象外になる事由(会社都合の解雇、労働条件の相違など)の具体的な範囲
  • 在留資格が許可されなかったときの扱い
  • 入国前・就労開始前に辞退したときの扱い
  • 家族の事情などで本人が帰国したときの扱い
  • 返金の請求期限、請求の方法、支払いの期日
  • 代わりの人の紹介を選べるか。その期限と条件
  • 紹介料を払う時期(内定時・就労開始時・在留資格の許可後)

「会社都合」の範囲を具体的にする

返金規定には、会社側に原因がある退職を返金の対象から外す定めが置かれることがあります。そこに「労働条件の相違」が含まれるなら、求人票・雇用条件書・面接での説明がそろっているかが問われます。給料の示し方は特定技能の給料の決め方、面接での確かめ方は面接でミスマッチを防ぐ10項目が参考になります。

支払いの時期と返金規定はセットで見る

紹介料を内定時に払う契約では、不許可や辞退のときに返金規定だけが頼りになります。在留資格の許可後や就労開始時に払う契約なら、そもそも支払いが生じません。同じ返金規定でも、支払いの時期しだいで会社が負うリスクは大きく変わります。

交渉の材料は公的データ

「期間をもう少し長くできませんか」と頼むときは、根拠を添えると話が進みます。公開義務の物差しが6か月であること、特定技能1号の転職経験者の44.5%が1年未満に最初の転職をしていること。紹介会社の許可番号や6か月以内の離職者数の見方は、特定技能の人材紹介会社の選び方で手順を紹介しています。

特定技能のりあい窓口では、条件に合う紹介会社などを最大3社まで、同じ形式で比べられるように無料でご紹介しています。会社に順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

返金より先に「辞めない条件」をつくる

返金は、失った費用の一部を埋めるだけです。採用し直す時間や、職場の負担は戻りません。返金規定の交渉と同じ熱量で、辞めない条件を整えます。

辞めた本人に紹介料を請求することはできない

早く辞めた本人に、紹介料の一部を払わせることはできません。労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定したりする契約を禁じています。紹介会社も、原則として求職者から手数料を取れません。特定技能では、違約金の契約がないことが在留の基準でもあります。返金の手当ては、紹介会社との契約の中で行います。

紹介会社による転職の勧めは2年間禁止(無期雇用の場合)

厚生労働省の指針は、職業紹介事業者が紹介した人に転職を勧めることを禁じています。対象は期間の定めのない労働契約を結んだ人で、「当該就職した日から二年間、転職の勧奨を行ってはならない」としています。有期の雇用契約で雇った人は、この定めの対象に含まれていない点も知っておきます。

定着の手を打つ

延べ転職者の66.0%は都道府県をまたいで住居地を移し、東京・大阪などの大都市圏はいずれも転入が多い状態です(出入国在留管理庁、暫定値)。給料、住まい、面談の質が、近隣や都市部の会社と比べられています。辞める理由の公的データは特定技能外国人が辞める理由で整理しています。定着の取り組みには助成金もあります。人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、2026年10月1日以降に計画を出す場合、雇用労務責任者の選任と就業規則などの多言語化で20万円です。一時帰国の休暇制度も整えると25万円で、離職率15%以下などが要件です(助成金の要件と使い方)。

退職が起きたときの手続きと返金請求の流れ

退職が決まったら、届出と返金の請求を並行して進めます。届出には期限があり、返金の請求にも期限が定められていることがあります。

図6本人の都合で退職したときの流れ

  1. 退職日が決まったら返金規定の起算日と対象期間に当たるか、対象外の事由に当たらないかを確かめます。
  2. 退職日から14日以内地方出入国在留管理局へ、雇用契約の終了の届出。自己都合の退職なら、受入れ困難の届出は不要です。
  3. 離職日の翌日から10日以内ハローワークへ雇用保険の資格喪失届。外国人雇用状況の届出を兼ねます。
  4. 支援委託契約の整理他に受け入れている人がいなければ終了。雇用契約の終了の届出に記載すれば、委託契約の終了の届出は別に出さなくて済みます。
  5. 規定の期限内に書面で請求退職日と退職の理由が分かる書面を添えて、紹介会社に返金を求めます。
届出は、事由が生じた日から14日以内に入管へ届いている必要があります。出典:出入国在留管理庁「随時届出Q&A」(令和7年6月)、厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月確認)

意見が分かれたときの相談先

返金の額や対象になるかどうかで紹介会社と意見が分かれたら、まず明示された書面と契約書の文言で確かめ、紹介会社の苦情の窓口に書面で申し出ます。返戻金制度の明示がなかったなど、法令違反が疑われる場合は、都道府県労働局に相談できます。厚生労働省のチェックポイントも、法令違反などの相談先として都道府県労働局を挙げています。

次の採用の費用を見直す

返金を受けたら、次の採用の進め方も見直す機会です。国内にいる人を雇う場合の費用は国内在住の特定技能人材を採用する費用で解説しています。日本人の採用と1年あたりのコストで比べる方法は、特定技能と日本人採用のコスト比較をご覧ください。

2027年からの育成就労も視野に

2027年4月1日に始まる育成就労では、本人の意向による転籍に制限期間が設けられます。基本方針は、その期間を分野ごとに「1年から2年までの範囲内」で設定するとしています。転籍の条件と受け入れ企業の初期費用の扱いは育成就労の転籍ルールで整理しています。

想定ケース:自動車整備工場(従業員52人)の店舗運営部長が、返金規定の「起算日」を見直した理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

自動車整備工場(3店舗・従業員52人)の店舗運営部長(60代)を想定したインタビューです。特定技能の整備士の早期退職をきっかけに、紹介会社との返金規定を見直した場面を描いています。

  • 2人目からの契約で、返金の起算日を「雇用契約の日」から「就労を始めた日」に、対象期間を6か月から12か月に変えた
  • 紹介料を就労開始後に払う形にし、不許可や入国前の辞退では支払いが生じないようにした
  • 面接と入社後3か月の面談を見直し、その後に受け入れた3人は1年後も全員在籍している

――返金規定を見直して、何が変わりましたか。

費用の心配より先に、定着の話ができるようになりました。今の契約では、就労を始めた日から12か月の間に辞めれば、経過に応じて紹介料の一部が戻ります。働き始める前は1円も払いません。その分、入社後の1年に集中できます。

――見直すきっかけは何でしたか。

最初に採用した1人が、働き始めて5か月で他県の整備工場に移ったんです。返金規定は「6か月以内なら半額」でした。ところが起算日が雇用契約の日で、在留資格の変更許可を待つ間に2か月近くたっていた。契約から数えると7か月で、対象外でした。正直、悔しかったですね。

――どこで迷いましたか。

紹介会社を替えるかどうかです。3社に同じ10の質問を送りました。今の会社は、12か月を超える返金はできない理由を、自分たちの面談の体制と一緒に説明してくれた。「返金で守るより、最初の3か月で辞める理由を消しましょう」と言われて、その考え方に納得しました。

――最初の1人は、なぜ辞めたのでしょう。

あとで聞くと、寮から店舗まで自転車で30分かかっていたことと、昇給の時期を知らなかったことでした。面接では聞かれなかったし、こちらも説明していなかった。今は、通勤の手段、寮費、昇給の時期と基準を、面接の段階で本人の言語の資料で示しています。

――入社後に変えたことはありますか。

最初の3か月は、登録支援機関の定期面談とは別に、店長が月1回、15分だけ話を聞く時間をとっています。返金規定は保険のようなもので、使わずに済むのがいちばんです。

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よくある質問

特定技能外国人が辞めたら紹介料は戻る?

紹介会社との契約に返金規定(返戻金制度)があり、その条件に当てはまれば戻ります。返戻金制度は法律上の義務ではありません。返戻金制度に関する事項は、求人の申込みを受けた後に書面などで明示されるので、起算日・期間・割合・対象外の事由を契約前に確かめてください。

返金規定がない紹介会社と契約しても大丈夫ですか。

返戻金制度を設けないこと自体は違法ではありません。厚生労働省のチェックポイントは、制度がない場合に理由の説明があるかを確かめるよう勧めています。理由と紹介料の額、紹介後の支援の体制を合わせて判断します。

返金規定は何か月が一般的ですか。

期間の相場を示す公的な統計は、確認できた範囲では見当たりません。物差しは2つあります。1つは、紹介会社が公開を義務づけられている「6か月以内の離職者数」。もう1つは、特定技能1号の転職経験者の44.5%が、資格取得から1年未満に最初の転職をしているというデータです。

在留資格が許可されなかったら、紹介料はどうなりますか。

契約の定めによります。返金規定が就労後の離職だけを対象にしていると、不許可の場合の扱いが書かれていないことがあります。「許可後に支払う」「不許可なら全額返金」などを契約前に書面で決めておきます。

早く辞めた本人に、紹介料の一部を負担してもらえますか。

できません。労働基準法16条は違約金や損害賠償額の予定を定める契約を禁じており、紹介会社も原則として求職者から手数料を取れません。早期退職への備えは、紹介会社との返金規定で行います。

紹介会社が、紹介した人に転職を勧めることはありますか。

厚生労働省の指針は、紹介で就職した人(期間の定めのない労働契約を結んだ人に限る)に、就職した日から2年間は転職を勧めてはならないとしています。有期の雇用契約は対象に含まれていないため、気になる場合は契約時に紹介会社の方針を聞いておきます。

返金と代わりの人の紹介は、どちらを選べばよいですか。

採用を急ぐなら代わりの紹介、別の採用方法を考えるなら返金が向いています。特定技能は在留資格の手続きに1〜3か月かかるため、代わりの人がいつ働き始められるかと、見つからない場合に返金へ切り替えられるかを確かめてください。

会社の都合で辞めてもらった場合も、紹介料は返金されますか。

会社都合の解雇を対象外とする返金規定があるため、契約の文言で確かめます。加えて特定技能では、雇用契約の前1年以内やその後に、同じ種類の業務の労働者を会社都合で離職させると、受入れ機関の基準を満たさなくなります。会社都合で契約を解除するときは、転職支援も義務的支援として必要です。

返金規定は、どこで確かめられますか。

求人の申込みをした後、紹介会社から書面などで明示されます。紹介会社は、手数料表や返戻金制度に関する事項を事業所に掲示し、インターネットなどで公開することも求められています。許可を受けた事業所かどうかは、厚生労働省の人材サービス総合サイトで確かめられます。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. e-Gov法令検索「職業安定法施行規則」(2026年10月)
  2. e-Gov法令検索「職業安定法」(2026年10月)
  3. 厚生労働省「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者…等がその責務等に関して適切に対処するための指針」(平成11年労働省告示第141号)(令和6年厚生労働省告示第318号による改正まで)
  4. 厚生労働省「職業紹介サービスを利用する際のチェックポイント」(2026年10月確認)
  5. 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
  6. 厚生労働省「地域ブロック別の職種別離職率について」(令和5年度実績)
  7. 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(随時)
  8. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末までの転職・暫定値)
  9. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  10. 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月確認)
  11. 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
  12. 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の審査状況」(2026年9月10日掲載)
  13. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)
  14. 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月確認)
  15. e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月)
  16. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月)
  17. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)
  18. 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
  19. 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)

最終更新:(2026年10月版)

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