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特定技能と日本人採用のコスト比較|求人広告・紹介料・定着まで
採用時の費用を在籍年数で割ると、日本人の早期離職と特定技能の支援費のどちらが重いかが見えてくる
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
求人を出しても日本人の応募が来ない。特定技能の外国人を採用すると、日本人採用よりコストは高くなるのか。紹介料と月々の支援費の見積もりを並べると割高に見えますが、本当に比べるべきなのは、採用にかけた費用を何年分の働きで割れるかです。この記事では、特定技能と日本人採用のコストを、採用単価だけでなく在籍年数で割った「1年あたりのコスト」で比較します。求人広告・紹介料・支援費の架空の試算と、厚生労働省の雇用動向調査、出入国在留管理庁の転職状況の資料をもとに、どちらが安くなるかの分かれ目と、自社の数字で比べる手順をまとめました。
- 給与では差がつかない。差は採用と定着の費用:特定技能の報酬は、同じ仕事をする日本人と同等以上が必要です。比べるのは、採用時の費用と、在籍中に上乗せされる支援費などです。
- 同じ年数働くなら、日本人のほうが安い:試算では、特定技能(国内在住者・支援を委託)の1年あたりは3年在籍で約55万円。日本人を紹介で採用して3年在籍なら約23万円です。
- 日本人が早く辞める職場では逆転する:紹介料70万円(架空)の日本人が約1年3か月より早く辞めると、3年働く特定技能より1年あたりで高くなります。宿泊業,飲食サービス業の一般労働者の離職率は21.5%で、産業の中で最も高い水準です(令和7年雇用動向調査)。
- 決め手は在籍年数:特定技能も1年で転職されると、1年あたり約98万円と最も高くなります。定着の手立てを、費用の一部として計画に入れます。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
この記事の目次
結論:特定技能と日本人のコスト比較は「1年あたり」で決まる
特定技能と日本人採用のコストは、採用時の費用を在籍年数で割った「1年あたりのコスト」で比べます。同じ年数働くなら、毎月の支援費がかからない日本人のほうが安くなります。一方、日本人が1年余りで辞めて採用をくり返す職場では、3年働く特定技能のほうが1年あたりで安くなる逆転が起きます。
給与で差がつかないのは、特定技能の報酬が、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上と決まっているためです(出入国在留管理庁)。社会保険料も国籍を問わず同じようにかかります。差が出るのは、採用時の費用と、在籍中に上乗せされる費用の2つです。
図1日本人と特定技能の「定着」を考える4つの数字
- 21.5%宿泊業,飲食サービス業の離職率一般労働者・令和7年。産業の中で最も高い
- 11.4%全産業の離職率一般労働者・令和7年
- 17.9%宿泊分野の1号で転職を経験した人2021〜2024年に資格を得た789人のうち(2025年8月末・暫定値)
- 0円ハローワークの求人と紹介ハローワークのサービスはすべて無料
採用単価だけで比べると、判断を誤る
採用単価とは、1人を採用するまでにかかった費用のことです。紹介料に支援の初期費用が重なる特定技能は、採用単価だけを見ると高く見えます。ところが、日本人を紹介で採っても1年で辞めれば、翌年また紹介料を払います。費用の重さは、何年働いてもらえたかで決まります。
この記事の試算の決まりごと
金額はすべて架空の前提による試算です。給与・社会保険料は両方に共通するため除き、欠員中の売上の損失も会社ごとの差が大きいため入れていません。特定技能の前提は、特定技能の費用の3年総額シミュレーションと同じ値にそろえています。
中小企業の日本人採用の費用:求人広告・紹介料・ハローワーク
中小企業が日本人を採用する費用は、ハローワークなら0円、有料の求人広告なら掲載のたび、人材紹介なら採用1人ごとにかかります。応募が来ないまま広告を出し直すと、採用単価は掲載の回数分だけ上がっていきます。
図2日本人を採用する3つの方法と費用のかかり方
| 方法 | 費用のかかり方 | 公的データ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ハローワーク | 求人の申込み・紹介とも無料 | 「サービスはすべて無料」(厚生労働省) | 応募が来るかは地域と職種しだい |
| 有料の求人広告 | 掲載の期間・枠ごと。採用できなくてもかかる | 公的な平均は見当たらない | 無料掲載のあとに高額な請求を受けるトラブルへの注意喚起がある |
| 人材紹介 | 採用1人ごとの成功報酬 | 介護職の平均59.7万円(全国・令和6年度実績) | 宿泊の職種別の公表はない。返金規定は会社ごとに違う |
採用単価は「かけた費用÷採用できた人数」で出す
求人広告に30万円かけて1人採れたなら、採用単価は30万円です。応募がなく3回出してようやく1人なら、90万円になります(いずれも架空)。過去3年の広告費と紹介料を足し、採用できた人数で割ると、自社の実際の採用単価が出ます。
紹介の手数料は、公表されている職種が限られる
厚生労働省の職業紹介の集計で職種別の平均手数料が載っているのは、医師・看護・保育・介護の4職種だけです。介護は全国平均59.7万円で、北陸ブロックでは87.8万円でした(令和6年度実績)。宿泊や製造の職種別の平均は公表されていないため、見積もりで確かめます。
紹介で採っても、半年以内に辞める人はいる
職業紹介で就職した人の6か月以内の離職率は、介護19.9%、看護12.9%、保育14.5%でした(令和5年度実績、特定技能に限らない)。紹介料は、早く辞めたときの返金規定とセットで比べます。
特定技能の採用単価:入社までの費用と、毎月の支援費
特定技能の採用単価は、試算で国内在住者が約68万円、海外から呼ぶ場合が約88万円に送出し国の費用が加わります。日本人採用と違うのは、入社後も登録支援機関への委託費が毎月かかることです。1号の外国人には、受入れ企業が支援を行う義務があるためです。
図3特定技能1人の採用時の費用と毎月の費用(試算)
| 項目 | 国内在住者 | 海外から | 手がかり |
|---|---|---|---|
| 紹介料 | 40.0 | 40.0 | 特定技能に限った公的な平均はない |
| 支援の初期費用 | 5.0 | 5.0 | 見積もりで確認 |
| 申請書類の作成 | 10.0 | 10.0 | 作成を頼む先と報酬を確認 |
| 在留手続の手数料 | 3.3 | 0 | 変更は1年の許可で窓口33,000円。認定証明書の申請は無料 |
| 渡航費 | — | 8.0 | 送出し国の定めも確認 |
| 住居の準備 | 10.0 | 25.0 | 海外からは家具・家電もそろえる |
| 採用時の合計(採用単価) | 68.3 | 88.0+α | αは送出し国の手続きの費用 |
| 毎月の委託費 | 2.5 | 2.5 | 「2万円以上3万円未満」が31.5%で最多 |
宿泊分野は、協議会の加入を申請の前に済ませる
宿泊分野で受け入れるには、旅館業法の「旅館・ホテル営業」の許可が必要です。在留の申請の前に、観光庁の宿泊分野特定技能協議会の構成員になっておきます。加入はe-Govの電子申請だけで、受入れ企業と登録支援機関の両方が申請します。入会金と年会費はかからず、入会通知書は申請から1か月程度で届くとされています(観光庁)。
在籍中は、更新のたびに手数料がかかる
在留期間の更新の手数料は、2026年10月1日から許可される期間に応じた額になりました。1年の許可なら窓口33,000円、オンラインなら27,000円と決済手数料330円です。1号の在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まるため、試算では高くつく「1年ずつの許可」で置いています。国内採用と海外採用の費用の違いは、国内在住の特定技能人材を採用する費用と海外から特定技能人材を呼ぶ費用で詳しく扱っています。
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定着期間を公的データで見る:日本人の離職率と特定技能の転職
1年あたりのコストを左右する在籍年数は、公的データで目安をつかめます。宿泊業,飲食サービス業の一般労働者の離職率は21.5%で、全産業の11.4%の2倍近くです(令和7年)。特定技能の宿泊分野では、2021年に資格を得た人の31.0%が、2025年8月末までに転職を経験していました。
図4宿泊分野の1号:資格を得た年ごとの転職経験の割合
- 2021年に取得(71人)31.0%
- 2022年に取得(147人)27.2%
- 2023年に取得(238人)20.2%
- 2024年に取得(333人)9.3%
特定技能の転職は、資格を得てから2年以内に集中する
2021年から2024年に1号の資格を得た341,253人のうち、転職を経験した人は76,338人(22.4%)でした。初めての転職は、1年未満が33,963人、1〜2年が32,123人で、合わせて約87%が2年以内です(計算)。延べ転職の66.0%は都道府県をまたぎ、大都市圏はいずれも転入超過でした。宿泊分野でも、大都市圏以外から大都市圏への移動が66件、その逆は8件です。地方の旅館ほど、最初の2年の定着が費用を左右します。
1号は通算5年まで。宿泊には2号がある
特定技能1号の在留は通算5年までです。宿泊分野には2号があり、2号の試験に合格し、複数の従業員を指導しながら働いた実務経験(要領では2年以上)があれば移行できます。2号は在留期間の更新に上限がありません。5年より先も働いてもらえる道があるかは、1年あたりのコストに直結します。
測り方の違う数字を、試算にどう使うか
雇用動向調査は、年初の人数に対して1年間に何%が離職したかを示します。転職状況の資料は、資格を得た人のうち集計時点までに転職を経験した人の割合です。両者は比べられないため、試算では在籍1年・3年・5年の3通りを置いて、幅で読みます。
外国人採用と日本人採用のコスト比較:1年あたりの試算
在籍年数をそろえると、日本人採用のほうが1年あたりは安くなります。特定技能(国内在住者)は3年在籍で約55万円、5年在籍で約46万円でした。日本人を紹介で採用した場合は、3年在籍で約23万円です。
図51年あたりのコストの計算式
1年あたりのコスト=(採用時の費用広告費・紹介料・申請・住居の準備など+在籍中の上乗せ費用)委託費・更新の手数料など÷在籍年数辞めるまで、または区切りの年まで
図6採用の方法と在籍年数ごとの1年あたりのコスト(試算)
| 採用の方法 | 採用時の費用 | 在籍中の上乗せ | 1年在籍 | 3年在籍 | 5年在籍 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本人・求人広告(1回で採用) | 30.0 | なし | 30.0 | 10.0 | 6.0 |
| 日本人・求人広告(3回目で採用) | 90.0 | なし | 90.0 | 30.0 | 18.0 |
| 日本人・人材紹介 | 70.0 | なし | 70.0 | 23.3 | 14.0 |
| 特定技能・国内在住者(委託) | 68.3 | 年30.0+更新3.3 | 98.3 | 55.0 | 46.3 |
| 特定技能・海外から(委託) | 88.0+α | 年30.0+更新3.3 | 118.0 | 61.5 | 50.2 |
計算の中身
特定技能(国内在住者)の3年在籍は、採用時68.3万円+委託費2.5万円×36か月の90万円+更新2回の6.6万円=164.9万円です。3で割ると約55.0万円になります。日本人を紹介料70万円で採り3年在籍なら、70÷3で約23.3万円です。
試算から分かる3つのこと
- 同じ年数なら、委託費の年30万円の分だけ特定技能が高い。日本人の応募が来て定着するなら、日本人採用が安い
- 在籍が1年から3年に延びると、特定技能の1年あたりは約98万円から約55万円へ、4割以上下がる
- 海外から呼ぶ場合の差は、在籍が長いほど小さくなる(5年在籍で国内在住者との差は約4万円。送出し国の費用αを除く)
逆転する条件:日本人が何年で辞めると特定技能より高くなるか
紹介料70万円(架空)で採った日本人が約1年3か月より早く辞めると、3年働く特定技能(国内在住者)より1年あたりのコストが高くなります。特定技能が5年働く前提なら、分かれ目は約1年6か月です。
図7在籍年数で並べた1年あたりのコスト(試算・万円)
- 特定技能(国内)が1年で転職98.3
- 日本人(広告3回)が1年で退職90.0
- 日本人(紹介)が1年で退職70.0
- 特定技能(国内)が3年在籍55.0
- 特定技能(国内)が5年在籍46.3
- 日本人(紹介)が3年在籍23.3
分かれ目の出し方
日本人の紹介料70万円を、特定技能の3年在籍の1年あたり約55.0万円で割ると、約1.27年です。在籍がこれより短いと、日本人のほうが1年あたりで高くなります。広告を3回出して90万円かかった場合は、約1.64年(約1年8か月)が分かれ目です。自社の過去の在籍月数と比べてみてください。
欠員の損失は、試算の外にある
欠員が続くと、旅館なら客室や宴会の受付を絞ることになります。この損失は試算に入れていませんが、採用までの期間が読めない日本人採用ほど大きくなりがちです。止めた客室の数と日数を記録しておくと、社内で説明しやすくなります。
応募が来るなら、日本人採用から考える
日本人の応募があり、続いてくれる持ち場なら、費用の面では日本人採用が有利です。特定技能は「日本人が採れない、続かない」持ち場で選ぶ手段です。判断の基準は日本人が採用できない会社の人手不足対策にまとめています。
1年あたりのコストを下げるのは「定着」:宿泊の現場でできること
1年あたりのコストを最も大きく動かすのは在籍年数です。試算では、特定技能の在籍が3年から5年に延びると、1年あたりは約55万円から約46万円に下がります。定着の手立ては、費用の一部として最初から計画に入れます。
仕事の範囲と「接待をさせない」ことを、入社前に説明する
宿泊分野の主な業務は、フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなどの宿泊サービスです。関連する業務に付随して就くことはできますが、関連業務だけに就かせることは認められません。風営法上の「接待」をさせることも禁じられ、2026年5月22日からは「接待を行わせないための必要な措置」を講じることが受入れ企業の基準に加わりました。宴会の配膳と接待の線引きは、入社前に本人と現場の両方に示します。
2号への道筋と、実務経験の証明
宿泊分野の受入れ企業は、本人から求められたら宿泊業での実務経験を証明する書面を出す必要があります。2号を目指せる配置(後輩を指導する立場)を用意できるかは、5年より先の定着を左右します。
面談と助成金を、定着の仕組みにする
1号の外国人とは、3か月に1回以上の定期面談が必要です。国の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、2026年10月1日以降の計画で、雇用労務責任者の選任と就業規則などの多言語化により20万円、一時帰国の休暇制度も整えると25万円です。計画期間後6か月の外国人の離職率が15%以下であることなどが要件です。
- 仕事の範囲、勤務シフト、寮の家賃を、本人が分かる言語で入社前に説明した
- 最初の3か月は、現場の指導役と本人が話す時間を週1回とった
- 2号の試験と、指導する立場の経験を積む道筋を示した
- 面談の記録から、辞めたい気持ちの兆しを月1回確かめている
自社の数字で比べる手順と、相談先に聞くこと
自社の比較は、過去の日本人採用の実績を数字にするところから始めます。6つの手順で、日本人と特定技能の1年あたりのコストを同じ式で並べられます。
- 比べる持ち場を1つに絞る
接客、調理補助など、欠員が続いている持ち場を1つ選びます。持ち場で応募の集まり方も定着も違うためです。
- 日本人採用の費用を3年分集める
その持ち場の求人広告費と紹介料を3年分足し、採用できた人数で割って、実際の採用単価を出します。
- 辞めた人の在籍月数を書き出す
採用した人ごとに何か月働いたかを並べ、平均の在籍年数を出します。在籍中の人は、今日までの月数で数えます。
- 特定技能の見積もりを3つに分けてもらう
採用時の費用、毎月の費用、更新などの節目の費用に分けてもらいます。宿泊の協議会の申請を誰が手伝うかも聞きます。
- 在籍1年・3年・5年で計算する
この記事の式で3通りを計算し、日本人の実績の1年あたりと並べます。分かれ目の在籍年数も出しておきます。
- 定着の手立ての費用を足して比べ直す
寮の整備や日本語学習の支援など、定着のための費用を足します。助成金で戻る額があれば差し引きます。
見積もりを頼む会社に聞くこと
- 入社から1年以内に辞めた場合、紹介料の返金はどうなりますか。
- 月額の委託費に含まれる支援と、別料金になる支援はどれですか。
- 宿泊分野で、入社1年後に何人中何人が在籍しているか教えてください。
- 2号を目指す人の支援を、これまでにしたことはありますか。
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想定ケース:温泉旅館(従業員38人)の管理部長が、採用費を「1年あたり」で比べ直した理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
温泉旅館(従業員38人)の管理部長(60代)が、接客の欠員を特定技能の2人で埋めるまでを想定したインタビューです。
- 接客係の欠員2人を国内在住の特定技能2人で埋め、1年後も2人とも在籍
- 人手不足で止めていた客室が、月6日から月1日に減った
- 過去3年の日本人採用は約310万円で採用5人。1年あたり約58万円と計算し、特定技能の3年見込み約55万円と並べて社長に示した
――受け入れて、何が変わりましたか。
夕食の時間帯の接客が回るようになりました。以前は人が足りない日に、客室を止めていたんです。月6日ほどあったのが、いまは月1日です。2人とも1年たって在籍していて、1人はフロントも任せ始めました。
――検討を始めたきっかけは何ですか。
求人広告を出しても、接客係の応募がほとんど来なくなったことです。紹介会社で採れた人も、1年もたずに辞めてしまう。過去3年で5人を採用し、4人が1年以内に辞めていました。
――導入前は、何に困っていましたか。
社長の「外国人は高い」という一言です。見積もりを見ると、紹介料に加えて毎月の委託費がかかる。採用単価だけ並べたら、勝ち目はありませんでした。私自身も、正直そう思っていました。
――何が判断の決め手になりましたか。
過去3年の広告費と紹介料を全部足したら約310万円でした。5人の在籍を合わせると約5.3年分で、1年あたり約58万円です。特定技能は3年いてくれれば約55万円という試算でした。ほぼ同じなら、欠員が埋まる確実さで選ぼうと。相談した会社が「宿泊でも2年以内に転職する人はいます」と、転職の資料を見せながら話してくれたのも大きかった。都合のいい話だけではなかったので、かえって信用できました。
――受け入れてから、つまずいたことはありますか。
協議会の加入は、うちと登録支援機関の両方が申請してそろうまで審査が始まらないと知らず、2週間ほど待ちました。もう一つは宴会です。お酌などの接待にあたる行為はさせられないので、配膳までと決めて現場に紙で貼りました。2人には、2号を目指すなら後輩に教える経験が要ると伝えています。辞めない理由を、こちらから用意するつもりです。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
外国人を雇うのは日本人より高い?
同じ年数働くなら、特定技能のほうが高くなります。給与と社会保険料は同等以上で変わらず、毎月の支援の委託費(試算で年30万円)が上乗せされるためです。ただし、日本人が1年余りで辞めて採用をくり返す職場では、1年あたりで逆転します。試算では、紹介料70万円の日本人の在籍が約1年3か月より短いと、3年働く特定技能より高くなりました。
特定技能の採用単価はいくらですか。
架空の前提による試算で、国内在住者が約68万円、海外から呼ぶ場合が約88万円に送出し国の費用が加わります。内訳は紹介料、支援の初期費用、申請書類の作成、手続の手数料、住居の準備などです。紹介料は特定技能に限った公的な平均がないため、見積もりで確かめてください。
日本人を人材紹介で採用する手数料に、相場はありますか。
厚生労働省の集計で職種別に公表されているのは、医師・看護・保育・介護の4職種だけです。介護職の平均手数料は全国59.7万円でした(令和6年度実績)。宿泊や製造の職種別の平均は公表されていません。
特定技能の人は、どのくらいで転職しますか。
2021〜2024年に1号の資格を得た人の22.4%が、2025年8月末までに転職を経験していました。初めての転職の約87%は、資格を得てから2年以内です。宿泊分野は17.9%で、2021年に資格を得た人に限ると31.0%でした(いずれも暫定値)。
1年あたりのコストに、給与を入れないのはなぜですか。
特定技能の報酬は、同じ仕事をする日本人と同等以上にする必要があり、社会保険料も同じようにかかるためです。比べる式に入れても差が出ないので外しています。人件費の総額は、特定技能外国人の人件費の総額で積み上げています。
支援を自社で行えば、日本人採用と同じくらいの費用になりますか。
委託費はかかりませんが、面談や相談などの社内の時間と、本人が分かる言語での対応が必要です。自社で支援するには、過去2年間に中長期在留者を適正に受け入れた実績などの基準もあります。社内の時間を金額にすると、委託との差は小さくなることがあります。
宿泊業で特定技能を受け入れるときの条件は何ですか。
旅館業法の「旅館・ホテル営業」の許可があること、在留の申請の前に宿泊分野特定技能協議会の構成員になっていることが必要です。仕事は宿泊サービス(フロント、接客など)が中心で、接待をさせることはできません。協議会の入会金・年会費はかかりません。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2026年8月31日公表)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(有識者会議資料)(2025年8月末時点・暫定値)
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別離職率について」(令和5年度実績)
- 厚生労働省「みなさまの人材確保を全力でサポートします」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」(2026年10月確認)
- 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について」(2026年10月1日以降の申請分)
- 観光庁「宿泊分野における外国人材受入れ(特定技能)」(2026年10月確認)
- 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(宿泊分野の基準について)」(2024年2月15日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度の宿泊分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について」(2026年5月22日施行)
- 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
- 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
最終更新:(2026年10月版)
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