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特定技能の随時届出(14日以内)|必要になるケース一覧
給与を下げる、異動させる、辞める、委託先を替える。出来事ごとに様式と期限を確かめる
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
特定技能の外国人を雇う会社は、雇用契約や支援の体制が変わるたびに、出入国在留管理庁へ届け出ます。これが特定技能の随時届出で、期限は出来事が起きた日から14日以内です。郵送なら14日以内に届いている必要があり、消印では間に合いません。しかも、昇給は不要なのに手当の廃止は必要、社名の変更は不要なのに異動は必要と、線引きが細かく分かれています。この記事では、随時届出が必要になる出来事と不要な出来事を一覧にし、様式番号と添付書類、提出方法を整理しました。
- 期限は出来事から14日以内、郵送は「到達」で判断:消印では足りません。遅れたと気づいたら、理由を書いた文書を添えてすぐに出します。
- 届出は6種類:雇用契約(第3-1-1号・第3-1-2号)、支援計画(第3-2号)、支援委託契約(第3-3-1号・第3-3-2号)、受入れ困難(第3-4号)、基準不適合(第3-5号)、支援の実施困難(第3-7号)です。
- 本人に不利な変更は届出、有利な変更は不要:基本給の増額や手当の追加は不要です。減額、手当の廃止、予定していた昇給の取りやめ、別の事業所への異動は届け出ます。
- 退職は理由で手順が分かれる:自己都合なら雇用契約の終了の届出だけ。解雇など会社都合は、見込みの時点で受入れ困難の届出を先に出します。
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この記事の目次
特定技能の随時届出は6種類:出来事が起きた日から14日以内に出す
特定技能の随時届出は、雇用契約・支援計画・支援委託契約に変化があったときや、受入れを続けにくくなったときに出す届出です。期限は、出来事が起きた日から14日以内。届出先は出入国在留管理庁(会社の本店所在地を管轄する地方出入国在留管理官署)です。まずは6種類の全体を押さえます。
図1特定技能所属機関が出す随時届出の6種類
- 1雇用契約(第3-1-1号・第3-1-2号)
契約内容の変更、契約の終了、同じ在留期間内の新たな締結。
- 2支援計画の変更(第3-2号)
支援責任者・担当者の交代、委託先の変更、自社支援への切替えなど。
- 3支援委託契約(第3-3-1号・第3-3-2号)
登録支援機関との全部委託の契約の変更・終了・締結。
- 4受入れ困難(第3-4号)
経営上の都合、本人の病気・行方不明など。1か月以上働けないときも。
- 5基準不適合(第3-5号)
税・社会保険料の未納など、受入れ機関の基準に合わなくなったとき。
- 6支援計画の実施困難(第3-7号)
自社支援で、計画どおりに支援できなくなったとき。全部委託なら不要。
定期届出との違い:出来事ごとの報告と、年1回のまとめ
年1回の定期届出は、前年度1年分の人数や労働条件をまとめて出すものです。随時届出はその都度の報告なので、定期届出で代わりにはなりません。両方とも、出さなければ受入れの継続に響きます。
出すのは会社。登録支援機関は代わりに出せない
随時届出は、特定技能所属機関である会社が自ら出します。支援を全部委託していても、登録支援機関が代わりに届け出ることはできません。行政書士か弁護士に作成を任せることはでき、その場合は委任状を付けます。
本人にも、別に14日以内の届出がある
契約の終了や新たな契約の締結、会社の名称・所在地の変更があると、外国人本人にも14日以内の届出義務があります(入管法19条の16)。本人の届出は電子届出なら24時間できます。会社の届出とセットで、本人にも声をかけると漏れません。
随時届出の期限は14日以内:数え方と「到達」のルール
14日の起算点は、届出の理由が実際に生じた日です。郵送の場合は、14日以内に地方出入国在留管理局へ届いている必要があります。
図2随時届出の期限の考え方
- 出来事が起きた日(起算点)雇用契約の変更なら、会社と本人の合意で新しい内容の効力が生じた日。前もって、未来の日付で出すことはできません。
- 14日以内に届ける電子届出・窓口・郵送のどれでも可。郵送は消印ではなく、局・支局に到達した日で判断されます。
- 遅れたら、すぐに出す期限を過ぎても速やかに提出し、遅れた理由を説明する文書を添えます。
- 誤りに気づいたら補正する新しく出し直さず、提出先の局に問い合わせて、出した届出を補正します。
「出来事の日」はいつか
雇用契約の変更は、会社と本人の合意で新しい内容の効力が生じた日です。退職は契約の終了日、行方不明は判明したときが目安になります。解雇などで契約の終了が見込まれる場合は、見込みが立った時点で受入れ困難の届出を出し、終了の届出は終了日から14日以内に出します。
郵送なら10日目までに発送する
到達で判断されるため、郵送は余裕をみます。社内ルールとして「10日目までに発送」と決めておくと、土日や配達日数をはさんでも間に合います(編集部の目安)。急ぐときは、24時間使える電子届出が確実です。
特定技能をやめた後でも、在留中の出来事なら届け出る
特定技能で在留していた間に起きた出来事なら、本人がその後ほかの在留資格に変わったり、出国したりしていても届出が要ります。退職の手続きが一段落したあとで、届出だけ漏れていたと気づく例があるので注意します。
出さない・偽ると、受入れができなくなることも
届出をしない、または虚偽の届出をした場合、一定期間、特定技能の雇用契約を結べなくなることがあります。罰金や過料の対象となる可能性もあると、出入国在留管理庁のQ&Aは示しています。
雇用契約の変更で届出が必要なケース・不要なケース
雇用契約の変更の届出(第3-1-1号)が必要かどうかは、変わる中身で決まります。給与は「本人に不利かどうか」、働く場所や時間は「雇用条件書の記載が変わるかどうか」が分かれ目です。
| 出来事 | 届出 | 補足 |
|---|---|---|
| 基本給を上げる、手当を追加する、賞与を新たに出す | 不要 | 賃金が上がることに伴う法定控除額の変更も不要 |
| 雇用条件書どおりに昇給する | 不要 | 予定していた昇給をやめるときは必要 |
| 基本給を下げる、手当を廃止する、昇給を「有」から「無」へ | 必要 | 本人に不利な変更 |
| 日給制から月給制へ | 必要 | 支給額が増えても、形態が変わるため |
| 賃金から新たに控除する項目を設ける | 必要 | 控除を減らし、本人の負担が増えないなら不要 |
| 別の事業所へ異動、記載のない事業所との掛け持ち | 必要 | 転勤も含む |
| 雇用条件書に部署まで書いていて、部署が変わる | 必要 | 部署の記載がなければ不要 |
| 同じ分野の中で業務区分を変える | 必要 | 技能水準を証明する資料も付ける |
| 始業・終業の時刻だけ変わる | 不要 | 所定労働時間が同じ場合。固定勤務から交代制へは必要 |
| 変形労働時間制の年間カレンダーが変わる | 原則不要 | 年間の労働日が増える、休日が減るなら必要 |
| 雇用期間を短くする | 必要 | 1日でも短くなれば必要 |
| 会社の名称・住所が変わる | 雇用契約の届出は不要 | 指定書の補正を局に申し出る。本人には所属機関の届出を促す |
| 合併・分割、個人事業の法人化 | 届出ではなく申請 | 在留資格変更許可申請が必要になることがある。分かりしだい局に相談 |
判断の軸は「本人に不利かどうか」
出入国在留管理庁は、賃金について本人の利益になる変更は届出を不要としています。例として、時給1,045円を1,070円に上げる場合を挙げています。反対に、時給を下げる変更や手当の廃止は従来どおり届出が要ります。届け出ない場合でも、変更後の書類は外国人が働く事業所で保管します。
添付は雇用条件書の変更箇所でよい
雇用条件書の写しは、変更した箇所と本人の署名があれば、全ページでなくて構いません。翻訳して説明し、本人が署名した労働条件通知書など、同じ内容が分かる書類でも代えられます。記載例は特定技能雇用契約書・雇用条件書の作り方で紹介しています。
更新申請に新しい条件を出しても、届出の代わりにならない
在留期間の更新申請で新しい雇用条件書を出しても、変更の届出をしたことにはなりません。変更した日から14日以内に、別に届け出ます。
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退職・解雇・休業・行方不明のときの随時届出
雇用契約が終わるときの届出は、辞める理由で手順が変わります。自己都合なら1回、会社都合なら2回が基本です。
図3退職の理由で変わる届出の手順
本人の自己都合で退職
- 退職日(契約の終了日)を確定
- 終了日から14日以内に、雇用契約の終了の届出(第3-1-2号)
- 支援委託契約も終わるなら、同じ届出書に記載すれば別の届出は不要
受入れ困難の届出は要りません。
解雇・雇止めなど会社都合
- 終了が見込まれた時点で、受入れ困難の届出(第3-4号)
- 転職先探しの支援、求職活動のための有給休暇など
- 終了日から14日以内に、雇用契約の終了の届出(第3-1-2号)
受入れ困難の届出は、契約の終了前に出すのが原則です。
「予告した時点」と「申出を受けた時点」の違い
経営上の都合で解雇を予告したら、実際の解雇の時期にかかわらず、予告した時点で受入れ困難の届出を出します。一方、本人から自己都合で辞めたいと申出を受けただけなら、届出は要りません。実際に退職した時点で、終了の届出を出します。
会社都合の離職は、次の受入れにも響く
受入れ機関の基準には、雇用契約を結ぶ前1年以内とその後に、同じ種類の業務の労働者を会社都合で離職させていないことが含まれます。会社の責めで行方不明者を出していないことも同じです。会社都合で契約を解除するなら、次の受入れ先探しの支援も義務になります。手順の全体は退職するときの手続きで時系列にまとめています。
1か月以上働けない、就労開始が1か月以上遅れる
病気・けが、妊娠・出産・育児による休業、生産ラインの縮小などで1か月以上働けない事情が生じたら、受入れ困難の届出を出します。入国や変更許可から1か月たっても働き始めていない場合も同じです。添付は第5-14号の状況説明書です。産前産後休業・育児休業や、連続して1か月を超える病気の休業(原則1年まで、労災は3年まで)は、通算5年の在留期間から除くことができます。それには、休業の際に遅滞なく届け出ておいたうえで、通算5年が満了する3か月前から満了までに、申立書と資料を出して申し出る必要があります。
行方不明になったとき
連絡が取れず所在が分からなくなったら、速やかに受入れ困難の届出を出し、第5-15号「行方不明が判明した際の状況説明書」を付けます。契約の終了の届出も受け付けられますが、受入れ困難の届出は別に必要です。
支援計画・支援委託契約の届出:担当者交代と登録支援機関の変更
支援の体制が変わったときは、支援計画の変更(第3-2号)と、支援委託契約の届出(第3-3-1号・第3-3-2号)を組み合わせて出します。どれとどれが要るかは、変わり方で決まります。
図4支援の体制が変わるときの届出の組み合わせ
- 支援責任者・支援担当者が替わる支援計画の変更(第3-2号)。担当者を替えたら履歴書を付けます。担当者の人数が増減するだけなら届出は不要です。
- 登録支援機関を替える支援委託契約の終了と締結(第3-3-2号)に加え、支援計画の変更(第3-2号)も出します。
- 全部委託をやめて自社支援にする支援委託契約の終了(第3-3-2号)と、支援計画の変更(第3-2号)。計画書の委託先の欄を消し、会社の欄を書きます。
- 自社支援から全部委託にする支援委託契約の締結(第3-3-2号)と、支援計画の変更(第3-2号)。新しい委託先の欄と関係書類を付けます。
支援委託契約の届出は「全部委託」の契約だけ
第3-3-1号・第3-3-2号の対象は、支援の全部を登録支援機関に委託する契約です。一部だけの委託は、支援計画の内容の変更として第3-2号で届け出ます。定期面談は一部だけを委託することはできません。全部委託の契約で期間が変わるときは、長短を問わず第3-3-1号が要ります。
外国人の退職で委託契約が終わるとき
ほかの外国人の委託が続くなら、支援委託契約の届出は要りません。1人だけの委託が終わるときは、雇用契約の終了の届出書に委託の終了を書けば、第3-3-2号を別に出さなくて済みます。2026年8月の運用要領の改正で、この場合の支援計画の変更の届出(第3-2号)も不要になりました。
委託先を見直すときは、届出の段取りも比べる
乗り換えの手順と契約解除の注意は登録支援機関の変更(乗り換え)手順にまとめています。候補を比べたいときは、特定技能のりあい窓口でも、条件に合う登録支援機関を最大3社まで無料で紹介しています。会社に順位は付けず、選ぶのは企業です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。
基準不適合と支援の実施困難:2025年4月から変わった届出
2025年4月1日の改正で、それまでの「出入国または労働関係の法令に関する不正行為などを知ったときの届出」はなくなり、基準不適合の届出(第3-5号)に変わりました。会社が受入れの基準に合わなくなったら、自ら届け出る仕組みです。
基準不適合(第3-5号)になる主な場面
- 税や社会保険料の未納が生じた
- 同じ種類の業務の労働者を、会社都合で離職させた
- 会社の責めによって、外国人の行方不明者を出した
- 分野の協議会への協力を怠るなど、分野ごとの基準に合わなくなった
どれも、会社の側の事情です。気づいた時点で専門家や地方出入国在留管理局に相談し、是正の見通しとあわせて届け出ます。受入れ機関の基準の全体は受入れ機関の基準と確認方法で整理しています。
会社都合の離職は「その後1年」に響く
基準は、特定技能の雇用契約を結ぶ日の前1年以内と、その日以後に、同じ種類の業務の労働者を会社都合で離職させていないことです。定年や本人の重大な責任による解雇、本人の意思による退職などは除かれます。つまり、会社都合の離職を出すと、そこから1年以内に結ぶ新しい契約は基準を満たしません。人員の整理を考えるときは、届出の前に受入れの計画への影響を確かめます。
支援計画の実施困難(第3-7号)
自社支援の会社が、支援計画どおりに支援できなくなったときの届出です。期限は、そのことを知った日から14日以内。支援計画の全部を登録支援機関に委託している場合は不要です。支援の担当者が急に辞めた、通訳の手配がつかないなどは、早めに体制を立て直す必要があります。計画の書き方は1号特定技能外国人支援計画の作り方を参照してください。
基準不適合や実施困難は、届け出れば済むものではありません。未納の解消や支援体制の立て直しが遅れると、次の更新申請や新しい受入れの審査で問題になります。届出書には、いつまでに何をするかを書き添えておくと、その後の説明がしやすくなります。
随時届出の様式一覧と提出方法:電子届出・窓口・郵送
様式は出入国在留管理庁の「特定技能関係の申請・届出様式一覧」で入手できます。参考様式に使用の義務はありませんが、できるだけ使うよう求められています。
| 届出 | 様式 | 主な添付書類・注意 |
|---|---|---|
| 雇用契約の変更 | 第3-1-1号 | 雇用条件書(第1-6号)の変更部分に本人の署名を受けたもの。変形労働時間制を変えたら協定書の写し |
| 雇用契約の終了・新たな締結 | 第3-1-2号 | 終了は終了日と事由を記載。締結は雇用契約書(第1-5号)か雇用条件書の写し |
| 支援計画の変更 | 第3-2号 | 支援計画書(第1-17号)の変更箇所と末尾の頁。担当者を替えたら履歴書 |
| 支援委託契約の変更 | 第3-3-1号 | 全部委託の契約の委託料や期間などが変わったとき |
| 支援委託契約の終了・締結 | 第3-3-2号 | 委託先の変更は終了と締結の両方。支援委託契約に関する説明書(第1-25号) |
| 受入れ困難 | 第3-4号 | 第5-11号(経緯)、第5-14号(1か月以上の活動未実施)、第5-15号(行方不明) |
| 基準不適合 | 第3-5号 | 基準不適合に係る説明書(第5-18号)。知ってから14日以内 |
| 支援計画の実施困難 | 第3-7号 | 知ってから14日以内。全部委託なら不要 |
提出先は本店所在地を管轄する局
届け出る先は、会社の本店の住所を管轄する地方出入国在留管理官署です。空港の支局には出せません。工場や店舗が別の県にあっても、本店の管轄で出します。
3つの出し方
電子届出は、2021年4月1日から特定技能のすべての届出に使えます。事前の利用者登録が必要です。窓口なら平日の9〜12時と13〜16時で、作成者の身分証を見せます。郵送は身分証の写しを同封し、封筒に赤字で「特定技能届出書在中」と書きます。作成者以外が出すときは、関係が分かる資料や委任状が要ります。
「新たな締結」の届出を出す場面は限られる
第3-1-2号の「新たな締結」は、同じ在留期間の中で、同じ会社・同じ分野の契約をいったん終えて結び直すときに使います。一時帰国のあとに同じ条件で再び契約する場合が例です。上陸許可や在留資格の変更許可を受けた時点の契約は、締結の届出が要りません。ほかの会社との契約や分野の変更は、届出ではなく在留資格の変更許可申請になります。
14日を守る社内の仕組み:届出のきっかけを総務に集める
随時届出の漏れの多くは、書き方より「気づくのが遅れる」ことで起きます。異動は工場長、給与は経理、退職は現場の上司と、出来事を知る人がばらばらだからです。届出のきっかけになる書類を決め、総務に集まる流れを作ります。
図514日以内に届けるための社内ルールの例
- 出来事が決まる(0日目)辞令、給与改定の稟議、退職届、休業の診断書、委託先からの担当者交代の連絡など。
- 2営業日以内に総務へ回す特定技能の人に関わる書類には、回付先に総務を入れておきます。
- 7日目までに書類を作る要否に迷うものは、この段階で専門家か局に確認します。
- 10日目までに提出・発送電子届出ならその日のうちに。郵送は到達に余裕をみます。
届出のきっかけになる社内の書類
- 給与・手当・控除・賞与の規程を変える稟議
- 異動、応援勤務、勤務シフトの形の変更
- 退職届、解雇や雇止めの検討メモ
- 1か月以上の休業につながる診断書や休業の申出
- 登録支援機関からの担当者交代・契約変更の連絡
- 税や社会保険料の納付が遅れたという経理の報告
ハローワークへの届出も同時に
退職のときは、入管への届出とは別に、ハローワークへの外国人雇用状況の届出も必要です。雇用保険の被保険者なら、離職日の翌日から10日以内の資格喪失届で兼ねられます。出し方は外国人雇用状況の届出で解説しています。
控えは1つのフォルダにまとめる
出した届出の控えは、日付順に1つのフォルダへ入れます。年1回の定期届出で支援の形や人数を書くとき、更新申請で経緯を説明するときに、そのまま使えるからです。電子届出なら、受付の画面を保存しておきます。
想定ケース:パン工場(従業員15人)の社長が、随時届出の「きっかけ表」を作った理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
- 直近1年の随時届出4件を、すべて出来事から10日以内に出せた
- 異動や給与改定が決まってから総務に伝わるまでを、最長3週間から2営業日以内にした
- 1件あたりの書類作りが約3時間から約1時間に減った
――きっかけ表を作ってから、何が変わりましたか。
届出が「後で気づくもの」から「先に分かるもの」になりました。この1年で、担当者の交代、異動、退職、委託先の契約期間の変更と4件ありましたが、全部10日以内に出せています。書類作りも、様式と添付書類の組み合わせを表にしたので、1件1時間ほどで済みます。
――どんな会社で、特定技能の方は何人いますか。
食パンと菓子パンを作る15人の工場です。飲食料品製造業の1号で3人を受け入れています。支援は登録支援機関に全部委託しています。私は社長ですが、総務の責任者も兼ねています。
――きっかけ表を作る前は、どんな状態でしたか。
昨年の秋、2つめの工場を立ち上げたときに、工場長の判断で1人を応援に回しました。雇用条件書にない事業所です。届出が要るとは知らず、3週間後に登録支援機関の定期面談で分かりました。遅れた理由の文書を付けてすぐに出しましたが、正直、冷や汗をかきました。
――ほかにも、思い込みはありましたか。
ありました。委託先の担当者が替わったとき、届け出るのは委託先だと思っていたんです。支援計画はうちの計画なので、変更の届出もうちが出す。そう説明されて、ようやく分かりました。逆に、春の昇給は届出が要らないと知って驚きました。毎年、出さなければいけないと思い込んでいたので。要る・要らないの線引きを知らないと、出し忘れと出し過ぎの両方が起きます。
――仕組みを作るとき、何に迷いましたか。
毎回、行政書士さんに丸ごと頼むか、社内で回すかです。登録支援機関の担当者に相談したら、「書類を作るのは頼めても、出来事に最初に気づけるのは社内だけです」と言われました。耳の痛い話でしたが、その通りだと思いました。社内で拾う仕組みを作り、判断が難しいものだけ相談する。この分け方に決めました。
――実際の運用で、工夫していることは。
A4の表1枚に、要る出来事と要らない出来事を並べました。昇給は要らない、手当をなくすのは要る、といった具合です。様式の番号と、付ける書類もその横に書いてあります。給与改定の稟議書には「特定技能の3人への影響」という欄を足しました。郵送は10日目までに出すと決めていましたが、今年から電子届出に切り替えています。夜でも出せるので、締切を気にする場面が減りました。
――同じ規模の会社に伝えたいことはありますか。
現場の判断は止めなくていいんです。ただ、決まったら2日以内に総務に回す。それだけで14日は十分に間に合います。うちは工場長たちにも表を配り、朝礼で一度だけ読み合わせました。届出のためというより、3人の働き方が変わるときに、本人への説明を忘れないためでもあります。
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よくある質問
特定技能外国人が退職したときの届出は?
自己都合の退職なら、契約の終了日から14日以内に、雇用契約の終了の届出(第3-1-2号)を出します。受入れ困難の届出は要りません。解雇など会社都合の場合は、終了が見込まれた時点で受入れ困難の届出(第3-4号)を出し、終了後14日以内に終了の届出を出します。ハローワークへの外国人雇用状況の届出も別に必要です。
昇給したときも、随時届出は必要ですか?
不要です。基本給の増額や手当の追加など、本人の利益になる賃金の変更は届出が要りません。ただし、雇用条件書で予定していた昇給をやめるときや、昇給を「有」から「無」に変えるときは届け出ます。
14日を過ぎてしまったら、どうすればよいですか?
過ぎたと気づいた時点で、すぐに提出します。遅れた理由を説明する文書を添えてください。出さないままにすると、一定期間、特定技能の雇用契約を結べなくなるおそれがあります。
登録支援機関に、随時届出を代わりに出してもらえますか?
出してもらえません。随時届出は特定技能所属機関が自ら行うもので、登録支援機関は代わりに届け出られません。書類の作成を行政書士か弁護士に任せることはでき、その場合は委任状を付けます。
会社の名称や住所が変わったときは、何を出しますか?
雇用契約の変更の届出は不要です。指定書の記載を直してもらうよう、地方出入国在留管理局に申し出ます。外国人本人にも、所属機関の名称・所在地の変更を14日以内に届け出る義務があるので、手続きを促します。
変更が決まった段階で、前もって届け出られますか?
できません。未来の日を出来事の日とする届出は受け付けられません。変更の効力が生じた日(会社と本人が合意した内容が始まる日)から14日以内に出します。
産休や育休で1か月以上休むときも、届出は必要ですか?
必要です。妊娠・出産・育児による休業など、1か月以上働けない事情が生じたら、受入れ困難の届出(第3-4号)に第5-14号の状況説明書を付けて出します。遅滞なく届け出たうえで、通算5年が満了する3か月前から満了までに申立書と資料を出して申し出れば、産前産後休業・育児休業の期間を1号の通算5年から除けます。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年5月20日更新分まで・2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(2025年6月)
- 出入国在留管理庁「特定技能雇用契約の変更届出が不要となる場合の取扱い」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年8月20日更新)
- 出入国在留管理庁「【改正のポイント】(令和7年4月1日施行)」(2025年3月)
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領 新旧対照表」(2026年8月20日)
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)
- 出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月確認)
最終更新:(2026年10月版)
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