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https://tokutei-noriai.blog/kikoku-hiyou/ 印刷日:2026年10月16日

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  • 費用・助成金
  • 2026年10月版

特定技能の帰国費用は誰が負担する?一時帰国と雇用終了時のルール

契約終了後の帰国旅費は「本人が払えないときは会社」。一時帰国は休暇が義務で、航空券は会社の判断

特定技能の外国人が国に帰るとき、その費用は誰が負担するのでしょうか。答えは、契約が終わって帰国する場合と、休暇で一時帰国する場合とで違います。雇用契約が終わった後の帰国旅費は、本人が負担できないときに会社が負担し、円滑に出国できるようにすることが省令で決まっています。一方、一時帰国で会社に求められているのは必要な有給休暇を取らせることで、航空券代の負担は定められていません。この記事では、特定技能の帰国費用の負担のルールを場面ごとに整理し、本人が払えないときの対応、雇用終了から出国までの手続き、雇用条件書や就業規則での定め方を、2026年10月時点の公的資料で説明します。

この記事の結論
  • 契約終了後の帰国旅費は「本人が払えないときは会社」:基準省令は、本人が帰国旅費を負担できないとき、受入れ機関が負担し、出国が円滑になるよう必要な措置をとることを求めています。雇用条件書の参考様式にも、同じ趣旨の欄があります。
  • 一時帰国で義務なのは有給休暇:本人が一時帰国を希望したら、必要な有給休暇を取らせます。航空券代を会社が払う決まりはなく、補助するなら金額と回数を規程に書きます。
  • 出国時の送迎の費用は会社側が持つ:1号の支援として、空港の保安検査場の前まで同行し、入場を確かめます。送迎の実費は受入れ機関などの負担で、本人には求めません。

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この記事の目次

特定技能の帰国費用の負担は、帰国の場面で答えが変わる

特定技能の外国人の帰国費用を誰が負担するかは、帰国の場面ごとに決まっています。雇用契約が終わって国に帰るときの旅費は、本人が払えなければ会社が負担します。休暇で一時帰国するときは、有給休暇を取らせることが会社の義務で、航空券代の負担は定められていません。

思い込みで「全部会社持ち」「全部本人持ち」と決めると、どちらに転んでも困ります。前者は予算を過大に見積もり、後者は省令の基準を満たさないおそれがあります。まず、4つの場面に分けて考えましょう。

図1帰国の4つの場面と、費用の負担

  • 1契約が終わって国へ帰る

    帰国旅費は本人が払うのが基本です。本人が負担できないときは会社が負担し、円滑に出国できるようにします。

  • 2休暇で一時帰国する

    本人が希望したら、必要な有給休暇を取らせます。航空券代を会社が払う決まりはありません。

  • 3出国の日に空港へ行く

    1号の支援として保安検査場の前まで同行します。送迎の実費は会社(または登録支援機関)の負担です。

  • 4転職して日本に残る

    国へ帰らないので、帰国旅費の問題は起きません。会社の都合で契約を解除するなら、転職の支援が要ります。

場面1・2は基準省令の雇用契約の基準、場面3・4は1号の支援の内容です。出典:e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月14日確認)、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正版)

帰国に関わる期限と数字

図2帰国と一時帰国に関わる主な期限・数字

  • 14日以内雇用契約の終了の届出入管に届いている必要がある
  • 10日6か月勤務で付く年次有給休暇全労働日の8割以上出勤した場合
  • 2年以内脱退一時金の請求期限日本に住所がなくなった日から
  • 25万円一時帰国休暇も整えた場合の助成金2026年10月1日以降に計画を出す場合
助成金は人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)で、離職率などの要件があります。出典:出入国在留管理庁 随時届出のQ&A(令和7年6月)、e-Gov法令検索「労働基準法」(39条)、日本年金機構「脱退一時金の制度」(2026年4月1日更新)、厚生労働省 助成金リーフレット(令和8年10月1日版)

ルールの根拠:省令・Q&A・雇用条件書の3つ

帰国費用のルールは、基準省令(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令)に書かれています。出入国在留管理庁のQ&Aと、雇用条件書の参考様式も、同じ考え方で作られています。

図3帰国費用に関わるルールと根拠

場面ごとの決まり(2026年10月時点)
場面決まり根拠
契約終了後の帰国本人が旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担し、出国が円滑になるよう必要な措置をとる基準省令1条2項1号
一時帰国本人が希望したら、必要な有給休暇を取得させる基準省令1条1項5号
出国時の送迎保安検査場の前まで同行し、入場を確かめる。送迎の実費は受入れ機関などが負担1号支援の運用要領
往路の航空運賃省令が定めるのは帰国費用の負担。送出国の法令に渡航費の定めがある場合もあるQ&A(Q82)
支援の費用直接・間接を問わず、本人に負担させない基準省令2条1項
雇用契約の基準を満たさないと、在留資格の許可や受け入れの継続に影響します。出典:基準省令(2026年10月14日確認)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)、1号特定技能外国人支援に関する運用要領

雇用条件書の参考様式にも同じ文言がある

出入国在留管理庁の雇用条件書(参考様式第1-6号)の記載例は、「Ⅸ.その他」の欄に帰国旅費を置いています。文言は「本契約終了後に乙が帰国するに当たり、乙が帰国旅費を負担することができないときは、甲が当該旅費を負担するとともに、帰国が円滑になされるよう必要な措置を講じることとする」です。「Ⅵ.休暇」の欄には、一時帰国を希望した場合は年次有給休暇などの範囲内で必要な休暇を取得させる、という一文があります。

送出国の法令に定めがある場合

Q&Aは「往復の航空運賃は受入れ機関が負担しなければなりませんか」という問いに、本人が帰国費用を負担できない場合は受入れ機関が負担すると省令で定めている、と答えています。あわせて、送出国の法令に渡航費など受入れ機関が負担すべき費用の定めがある場合もあるとして、駐日大使館で確かめるよう案内しています。国ごとの決まりは、採用の前に確かめておきます。

特定技能の帰国旅費を会社が負担するのは、本人が払えないとき

帰国旅費は、本人が払うのが基本です。会社が負担するのは、本人が「負担することができないとき」です。省令にはその判断の基準が書かれていないため、会社は本人と話して状況を確かめ、払えないと分かったら会社が負担して出国の段取りを整えます。

確かめ方:退職の面談で3つを聞く

  • 帰国する予定の日と、航空券をもう手配したか
  • 航空券代を自分で払えるか。払えない場合、いくら足りないか
  • 帰国までの住まい、最後の給与の受け取り方、税と年金の手続きの希望

聞くときは、本人が理解できる言語で、責める口調にならないようにします。払えないと言いにくい人もいます。「払えないときは会社が負担する決まりがある」と先に伝えると、本当の状況を話してもらいやすくなります。

契約が終わる理由で分けていない

省令の文言は「特定技能雇用契約の終了後の帰国」で、自己都合の退職か、会社都合か、期間満了かで分けていません。自己都合で辞めた人でも、帰国旅費を負担できなければ会社が負担すると考えて準備します。なお、2027年4月1日から適用される改正後の外国人雇用管理指針は、育成就労について、帰国の理由が自己都合でも監理支援機関などが帰国旅費を負担するよう求めています。特定技能とは別の制度の決まりです。

やってはいけない対応

  • 帰国費用の積立てを、給与から本人の意思に関係なく天引きする(労働基準法18条は、労働契約に付随して貯蓄の契約をさせることを禁じている)
  • 「途中で辞めたら帰国費用は必ず自己負担」と定め、払えない人にも負担させる
  • 会社が負担すると決めた航空券代を、後から最後の給与で差し引く(控除には法令の定めか労使協定が必要で、差し引けば結局は本人の負担になる)
  • 帰国まで旅券や在留カードを会社で預かる
  • 空港までの送迎の交通費を、本人に払わせる

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特定技能の雇用終了から帰国までの手続き(8つの手順)

雇用が終わってから出国するまでには、費用のほかに届出と説明が続きます。順番を決めておけば、退職の申出から出国まで3週間ほどしかない場合でも、漏れを防げます。

  1. 終了の時期と理由を確かめる

    自己都合の退職、解雇、期間満了のどれかで、出す届出が変わります。最後の勤務日と、契約の終了日を決めます。

  2. 会社都合なら、受入れ困難の届出と転職の支援

    解雇などで終了が見込まれる時点で、受入れ困難の届出(第3-4号)を出します。次の受入れ先探しの支援や、求職活動のための有給休暇も必要です。

  3. 帰国の予定と旅費を本人と確かめる

    帰国日、航空券の手配、手持ちの資金を聞きます。本人が負担できないときは、会社が航空券を手配します。

  4. 税と年金を説明する

    住民税は1月1日に日本に住所があり一定以上の給与があれば課税され、出国までに払えないなら納税管理人を届け出ます。脱退一時金は、日本に住所がなくなった日から2年以内に本人が請求します。

  5. 最後の給与と住まいの退去を段取りする

    給与は全額を払うのが原則です。退職証明書を求められたら、遅滞なく交付します。

  6. 出国の日に空港へ送る

    保安検査場の前まで同行し、入場したことを確かめます。本人と同行者の交通費などの実費は、会社側の負担です。

  7. 入管に雇用契約の終了を届け出る

    終了の日から14日以内に、第3-1-2号で届け出ます。消印ではなく、入管に届いている必要があります。

  8. ハローワークに離職を届け出る

    雇用保険の被保険者なら、資格喪失届(離職日の翌日から10日以内)で外国人雇用状況の届出を兼ねます。

自己都合の退職なら「終了の届出」だけ

本人の自己都合で辞める場合、受入れ困難の届出は要らず、雇用契約の終了の届出を14日以内に出せば足ります。その人の退職で支援委託契約も終わるなら、同じ様式に支援委託契約の終了を書けば、支援委託契約の届出を別に出さなくてよいとされています。ほかの人の支援で委託契約が続くなら、その届出は要りません。届出を怠ると、罰金や過料の対象になり得るうえ、その後の受け入れにも響きます。

住民税は、退職の月で扱いが変わる

総務省の説明では、退職するときは本人の申出で、未納の住民税を最後の給与などからまとめて差し引けます。1月から5月に退職する場合は、申出がなくても一括で徴収されます。航空券代と違い、住民税は法令にもとづく控除です。最後の給与の明細で、本人に内訳を見せましょう。詳しくは特定技能外国人の税金で確かめられます。

特定技能の帰国の航空券:手配のしかたと出国日の決め方

会社が帰国旅費を負担する場合は、会社が航空券を直接手配すると、使い道と額がはっきりします。現金を渡すより、記録も残しやすくなります。本人が自分で払う場合も、出国日と便は会社が把握しておきます。空港への送迎と、入管への届出の日付に関わるからです。

図4帰国の日までに決めることと、費用の負担

帰国の準備と費用の分け方(2026年10月時点の決まりによる)
決めること費用の負担注意
帰国の航空券本人。負担できないときは会社会社が出すなら、会社が直接手配する
空港までの送迎会社(または登録支援機関)保安検査場の前まで同行する
住民税の未納分本人最後の給与から一括で差し引ける。払えないなら納税管理人
脱退一時金本人が受け取る出国後に本人が請求。帰国前に会社が説明する
支援の費用会社帰国時の支援も含め、本人に負担させない
外国人雇用管理指針は、帰国前に脱退一時金を請求できることと、受け取ると将来の年金に影響することを説明するよう求めています。出典:厚生労働省「外国人雇用管理指針」(令和8年5月29日改正を反映)、総務省「外国人の方の個人住民税について」(2026年10月確認)、1号特定技能外国人支援に関する運用要領

出国日は、最後の給与日と送迎から逆算する

出国日は、最後の給与の支払日、住まいの退去日、送迎の担当者の都合に合わせて決めます。給与の振込を確かめてから出国できる日にすると、本人の不安が減ります。航空券は出国日が固まってから取り、変更の条件も見ておきます。

日本に残って転職を考える人もいる

雇用契約が終わっても、在留期間の範囲内なら在留を続けられ、新しい会社と契約すれば転職もできます。ただし、正当な理由なく3か月以上特定技能の活動をしないと、在留資格が取り消されることがあります。帰国か転職かは本人が決めることです。会社は選択肢を伝え、決めた後の段取りを支えます。転職のルールは特定技能外国人の転職ルールにまとめています。

一時帰国の費用:休暇は義務、航空券は会社の判断

一時帰国で会社に求められているのは、本人が希望したときに必要な有給休暇を取らせることです。航空券代の負担は、省令にも雇用条件書の参考様式にも書かれていません。補助するかどうかは会社が決め、補助するなら金額と回数を規程に書きます。

図5一時帰国で押さえる5つの点

  • ① 有給休暇は義務本人が一時帰国を希望したら、必要な有給休暇を取らせます。年次有給休暇は、6か月勤務し8割以上出勤すると10日、1年6か月で11日です。
  • ② 時季は話し合いで休暇は本人が請求する時季に与えるのが原則で、事業の正常な運営を妨げる場合に限り、別の時季にできます。
  • ③ 航空券は任意会社が払う決まりはありません。補助するなら、年1回・上限額などを就業規則に書きます。
  • ④ 通算5年に含まれる再入国許可(みなし再入国許可を含む)で出国している期間も、1号の通算在留期間に数えます。
  • ⑤ 本国の手続きが要る国もフィリピンでは一時帰国のたびにOEC、ネパールでは海外労働許可を本人が取る必要があるとされています。
一時帰国の休暇を制度にすると、助成金の対象になる場合があります。出典:基準省令、労働基準法(39条)、出入国在留管理庁「通算在留期間」、フィリピンの手続の解説、ネパールの手続の解説(いずれも2026年10月確認)

休暇の制度を整えると、助成金の対象になり得る

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、2026年10月1日以降に計画を出す場合、雇用労務責任者の選任と就業規則などの多言語化で20万円です。これに、1年に1回以上・連続5日以上の有給休暇を取れる一時帰国休暇の制度を加えると、25万円になります。計画期間の後6か月の外国人労働者の離職率が15%以下であることなどが要件です。運用のコツは特定技能外国人の一時帰国と有給休暇で解説しています。

雇用条件書と社内規程での定め方(記載例)

帰国費用で迷わないためには、決まりを書面にしておくことが近道です。省令の基準は雇用条件書に、会社独自の上乗せは就業規則に、実際の段取りは社内の手順書に書き分けると、担当者が替わっても同じ対応ができます。

図6どこに何を書くか(記載例)

参考様式の文言と、架空の記載例
書く場所書くこと記載例
雇用条件書「Ⅸ.その他」帰国旅費参考様式の文言をそのまま使う(本人が負担できないときは会社が負担し、帰国が円滑になされるよう必要な措置を講じる)
雇用条件書「Ⅵ.休暇」一時帰国休暇参考様式の文言(一時帰国を希望した場合は、有給休暇などの範囲内で必要な休暇を取得させる)
就業規則一時帰国休暇と航空券の補助(会社独自)(架空)「一時帰国を希望する者には、年1回、連続5日以上の有給休暇を与える。往復航空券は年1回、5万円を上限に補助する」
社内の手順書帰国時の確認と手配(架空)「退職の申出から3日以内に面談し、帰国日・航空券・手持ちの資金を確かめる。負担できないときは総務が航空券を手配する」
支援計画・委託契約出国時の送迎保安検査場の前まで同行する担当と、交通費の負担者
「架空」と書いた例は編集部の作例です。金額や回数は自社で決めてください。出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-6号 雇用条件書 記載例」(2026年10月確認)、厚生労働省 助成金リーフレット(令和8年10月1日版)

本人が読める言語で示す

外国人雇用管理指針は、主な労働条件を書面で示し、母国語など本人が理解できる言語や、やさしい日本語を使うよう努めることを求めています。雇用条件書の参考様式には、英語など10言語版があります。帰国旅費の欄は、契約のときに口頭でも説明し、本人が理解したかを確かめておきます。

よくある思い込みと、委託先に確かめること

帰国費用は、契約が終わるときに初めて出てくる費用です。受け入れから数年がたち、その間に担当者が替わって、決まりが伝わっていないこともあります。よくある思い込みを、公的な決まりと並べて正しておきます。

  • 帰国費用は、どんな場合も会社が払う省令が求めるのは、本人が帰国旅費を負担できないときの負担です。本人が払えるなら、本人の負担で構いません。
  • 自己都合で辞めた人の旅費は、会社と関係ない省令の文言は、契約が終わった理由で分けていません。負担できないなら、会社が負担して出国の段取りを整えます。
  • 一時帰国の航空券は、会社が出す決まりだ決まりは有給休暇を取らせることです。航空券の補助は会社の判断で、出すなら規程に書きます。
  • 帰国費用は、給与から積み立てておけば安心労働契約に付随して貯蓄の契約をさせることは、労働基準法18条で禁じられています。本人の委託で貯蓄金を管理する場合も、労使協定と届出が必要です。

登録支援機関に確かめる4つのこと

  • 出国時の送迎で、保安検査場の前まで誰が同行し、交通費をどう精算するか
  • 退職の申出があったとき、税・年金の説明を本人の言語で行えるか
  • 雇用契約の終了の届出(14日以内)の書類を、どこまで準備してくれるか
  • 帰国旅費の確認の面談に、通訳として同席できるか

特定技能のりあい窓口では、条件に合う会社を最大3社まで無料でご紹介しています。順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。帰国費用を含む年間の費用は特定技能外国人の人件費の総額、3年の総額は特定技能の費用はいくら?、住まいの費用は特定技能外国人の住居費用で整理しています。

想定ケース:プラスチック成形工場(従業員52人)の工場長が、帰国時の手順を1枚にまとめた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 退職の申出から出国まで19日で、届出・送迎・税の説明を漏れなく終えた
  • 帰国時に確かめる12項目を1枚の手順書にし、2回目の退職では準備が半日で済んだ
  • 一時帰国の休暇を就業規則に入れ、年末に2人が連続7日の休暇を取った

――特定技能の方の帰国を初めて経験したそうですね。どうでしたか。

特定技能で4人が働いていて、そのうち1人が家族の病気で国に帰ることになりました。申出から出国まで19日でしたが、入管への届出、空港への送迎、住民税と年金の説明まで、抜けなく終えられました。その手順を1枚にまとめたので、半年後にもう1人が契約満了で帰国したときは、準備が半日で済みました。

――最初は、何に迷いましたか。

面談で本人が、仕送りをしていて航空券を買うお金が手元にない、と言ったんです。自己都合で辞める人の旅費まで会社が出すのか、正直、最初は戸惑いました。工場の予算にもない費用でしたから。

――どうやって判断したのですか。

委託している登録支援機関に相談すると、省令の条文と、雇用条件書の記載例を見せてくれました。本人が負担できないときは会社が負担する、理由で分けていない、と。うちの雇用条件書にも、同じ文言の欄がありました。契約のときに説明したはずなのに、私自身が忘れていたんです。決まりを曖昧にせず、条文で示してくれたので、迷いなく決められました。

――実際の手配で、工夫したことは。

航空券は総務が直接取り、現金は渡しませんでした。出国日は最後の給与の振込日の3日後にして、本人が入金を確かめてから出られるようにしました。2月の退職だったので、住民税の残りは最後の給与からまとめて差し引き、明細を本人の言語で説明しました。脱退一時金は、日本年金機構の請求書を一緒に確認しました。当日は登録支援機関の担当者が、保安検査場の前まで送ってくれました。

――そのあと、社内で変えたことはありますか。

帰国のときに確かめる12項目を手順書にしました。帰国日、航空券、手持ちの資金、給与、住まい、税、年金、送迎、入管とハローワークの届出などです。あわせて、一時帰国の休暇を就業規則に書き、年1回・連続5日以上の有給で取れるようにしました。年末には2人が7日ずつ休みを取って帰省しました。

――これから受け入れる会社に伝えたいことは。

帰国の費用は、何年か先に急に来ます。決まりは雇用条件書に書いてあるのに、現場が覚えていないことがある。契約のときに一度、帰るときの段取りまで本人と話しておくと、いざというときに双方が落ち着いていられます。

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よくある質問

外国人が帰国費用を払えないときはどうする?

特定技能の場合は、会社が帰国旅費を負担し、円滑に出国できるよう必要な措置をとります。基準省令が、雇用契約の終了後に本人が帰国旅費を負担できないときの受入れ機関の負担を定めています。会社が航空券を直接手配し、出国の日は空港の保安検査場の前まで同行します。入管への終了の届出(14日以内)も忘れずに出します。

自己都合で退職した人の帰国旅費も、会社が負担しますか?

本人が負担できないときは、会社が負担すると考えて準備します。省令の文言は「特定技能雇用契約の終了後の帰国」で、自己都合か会社都合かで分けていません。本人が自分で払える場合は、本人の負担で構いません。

一時帰国の航空券代は、会社が払わなければいけませんか?

払う決まりはありません。省令が求めているのは、本人が一時帰国を希望したときに必要な有給休暇を取らせることです。航空券を補助する場合は、回数と上限額を就業規則などに書いておきます。

立て替えた航空券代を、最後の給与から差し引いてもよいですか?

本人が負担できないために会社が負担した旅費なら、差し引くことは避けます。差し引けば、実質的に本人の負担になるからです。本人が払えるのに会社が一時的に立て替えただけの場合でも、給与から差し引くには法令の定めか労使協定が必要です(労働基準法24条)。返してもらう方法は、書面で決めておきます。

転職して日本に残る人にも、帰国旅費の負担はありますか?

国へ帰らないので、帰国旅費の問題は起きません。ただし会社の都合で契約を解除する場合は、次の受入れ先探しの支援や、求職活動のための有給休暇など、転職の支援が必要です。

入国するときの航空券代は、会社が払う決まりですか?

Q&Aは、省令で定めているのは本人が帰国費用を負担できない場合の受入れ機関の負担だと答えています。あわせて、送出国の法令に渡航費などの定めがある場合もあるとして、駐日大使館で確かめるよう案内しています。

帰国の前に、会社が説明しておくことは何ですか?

住民税と年金です。住民税は1月1日に日本に住所があり一定以上の給与があれば課税され、出国までに払えないなら納税管理人を届け出ます。脱退一時金は日本に住所がなくなった日から2年以内に本人が請求でき、受け取ると将来の年金に影響することも説明します。

育成就労では、帰国旅費のルールは変わりますか?

2027年4月1日から適用される改正後の外国人雇用管理指針は、育成就労について、帰国の理由が自己都合でも監理支援機関などが帰国旅費を負担するよう求めています。特定技能の帰国旅費は、引き続き基準省令の決まり(本人が負担できないときは受入れ機関)で考えます。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月14日確認)
  2. 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
  3. 出入国在留管理庁「参考様式第1-6号 雇用条件書 記載例」(2026年10月確認)
  4. 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年8月20日更新)
  5. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正版)
  6. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年5月20日更新分まで)
  7. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)
  8. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出」(2026年10月確認)
  9. 出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年10月確認)
  10. 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月確認)
  11. e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月14日確認)
  12. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(令和8年5月29日告示第227号による改正を反映)
  13. 労働政策研究・研修機構「外国人雇用管理指針の一部を改正する告示(厚生労働省告示第227号)」(2026年5月29日)
  14. 日本年金機構「脱退一時金の制度」(2026年4月1日更新)
  15. 総務省「外国人の方の個人住民税について」(2026年10月確認)
  16. 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
  17. 厚生労働省「外国人労働者就労環境整備助成コース リーフレット(令和8年10月1日版)」(2026年10月1日以降に計画を提出する場合)
  18. 出入国在留管理庁「フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)
  19. 出入国在留管理庁「ネパール国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」(2026年10月14日閲覧)

最終更新:(2026年10月版)

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