特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/tokutei-ginou-ringyo/ 印刷日:2026年10月15日

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  • 2026年10月版

林業の特定技能|対象業務・試験・安全対策と受け入れ要件

在留者はまだ19人の新しい分野。協議会の資格とチェーンソーの安全教育から逆算して、受け入れを組み立てる

山の仕事の担い手が足りない。特定技能の林業で外国人を受け入れたいが、どんな会社なら受け入れられるのか、試験はどうなっているのか、伐木の危険をどう教えればよいのか分からない。林業は2024年に加わった新しい分野で、在留者はまだ19人(2026年7月末)です。この記事では、任せられる業務、林業技能測定試験の中身、協議会の構成員資格を含む受入れ企業の要件、危険な作業の安全教育の進め方、受け入れの流れを、2026年10月時点の公的資料で整理しました。

この記事の結論
  • 協議会に入れる会社には条件がある:素材生産・育林の事業者は、林業労働力確保法の認定事業主か、森林経営管理法で都道府県が公表した民間事業者であることが構成員の資格です。
  • 試験の実技はチェーンソー作業:林業技能測定試験は18歳以上が対象で、チェーンソーの特別教育の要件を満たす講習の受講が受験資格です。学科65%以上・実技60%以上で合格です。
  • 安全教育は法令と協議会の決定の二重:雇入れ時の教育、チェーンソーや林業機械の特別教育に加え、協議会はガイドラインに沿った伐木方法と緊急時の連絡体制の教育を求めています。
  • 2号はなく、フルタイムが前提:1号の通算5年までの受け入れで、雨や雪の多い時期も含めて年間217日以上などの働き方を組みます。

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この記事の目次

結論:特定技能の林業は「協議会の資格」と「チェーンソーの安全教育」がかなめ

林業の特定技能では、育林や素材生産の現場で外国人を受け入れられます。ただし、受け入れの前に越えるべき山が2つあります。協議会の構成員になれる会社かどうかと、伐木などの危険な作業の安全教育です。

林業は2024年3月に対象に加わった新しい分野です。2026年7月末の1号の在留者は19人で、2028年度末までの受入れ見込数900人の2.1%でした。前例が少ないぶん、制度の公式な資料に当たりながら進めることが、遠回りに見えて近道になります。

図1数字で見る林業の特定技能と労働災害

  • 19人1号の在留者2026年7月末・速報値
  • 900人1号の受入れ見込数2028年度末まで。育成就労は別に500人
  • 25人林業の労働災害による死亡者2025年(前年は31人)
  • 1,063人林業の休業4日以上の死傷者2025年(前年は1,167人)
休業4日以上の死傷者に対する死亡者の割合は、林業が約2.4%、全産業(死亡700人・死傷135,333人)が約0.5%です(計算)。一度の事故が重くなりやすい仕事であることを、受け入れの前提に置きます。出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について」(2026年7月末・速報値)、同「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)、厚生労働省「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」(2026年5月27日公表)

所管は農林水産省(林野庁)で、問合せ先は林野庁経営課の林業労働・経営対策室です。林野庁は2026年8月に受入れの手引きとQ&Aを出しています。制度全体のしくみは特定技能とは、19分野の中での位置づけは特定技能の対象19分野一覧で確かめられます。

林業の特定技能で任せられる業務:育林・素材生産と関連業務

主に任せられるのは、育林と素材生産です。林野庁の手引きは、試験で確かめる業務として、育林、素材生産、林業用の種苗の育成、原木の生産を含む製炭の作業を挙げています。

図2林業の特定技能で任せられる業務と、任せ方の注意

主たる業務と関連業務(林野庁の手引き・運用要領)
業務位置づけ任せ方の注意
育林(下刈りなど)主たる業務刈払機を使うなら、刈払機の安全衛生教育を行う
素材生産(伐木・造材・集材など)主たる業務チェーンソーや林業機械の特別教育が必要
林業用の種苗の育成主たる業務これだけに従事させる場合は協議会の資格の扱いが別
製炭(原木の生産を含む)主たる業務同上
冬期の除雪、資材の管理・運搬、機器や工具の保守、清掃関連業務日本人と同じく付随して行うのは可。専らは不可
自社の林産物を使った林内での製造・加工関連業務付随的な範囲に限る
関連業務だけを専ら行わせることは認められません。主たる業務を中心に、年間の作業計画を組みます。出典:林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)、出入国在留管理庁・農林水産省「林業分野の運用要領」(2024年9月30日公表)

製材工場の仕事は「木材産業」の分野

同じ木を扱う仕事でも、製材所や合板工場での加工は木材産業の特定技能の分野です。林業の特定技能で受け入れた人に、土場の隣の製材ラインを主に任せることはできません。山の仕事と工場の仕事の両方がある会社は、どちらの分野で何人受け入れるかを先に決めます。

林業が本業でない会社も対象になる

林野庁のQ&Aは、林業の業務を行わせる事業者であれば、林業を主とする事業者に限らず、他の業種と兼ねる事業者も含まれるとしています。現時点では、技能実習のような事業者ごとの人数枠もありません。

林業の特定技能の要件:協議会の構成員資格と受入れ企業の条件

受入れ企業の要件で最初に確かめるのは、林業特定技能・育成就労協議会の構成員になれるかどうかです。素材生産や育林の事業者には、構成員になるための資格が定められています。

図3林業の受入れ企業が満たす6つの条件

  • 1構成員の資格を持つ

    林業労働力の確保の促進に関する法律5条1項の認定を受けた事業主か、森林経営管理法36条2項・44条2項で公表された民間事業者であること。

  • 2在留の申請の前に協議会へ加入

    林野庁のWEB申請で加入します。入会費・年会費はなく、申請から概ね10営業日ほどで加入通知書が届きます。

  • 3協議会の決定と調査に協力

    協議会で協議が調った措置を講じ、協議会と農林水産省の調査や指導に協力します。在留の申請では誓約書と加入証明書を出します。

  • 4直接雇用だけ

    派遣することも派遣された人を受け入れることもできず、違反すると以後5年間は特定技能の受け入れができません。

  • 5フルタイムで、日本人と同等以上の報酬

    週5日以上かつ年間217日以上、週30時間以上の労働が求められます。報酬は同じ仕事をする日本人と同等以上で、2026年度の地域別最低賃金(全国加重平均1,177円)も下回れません。

  • 6協力する登録支援機関に委託

    登録支援機関は協議会の加入の対象外です。支援を委託するなら、協議会と農林水産省に協力する機関を選びます。

種苗の育成や製炭の作業だけに従事させる場合は、扱いが別です。「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範」のチェックシートで、取組状況を出せば足ります。出典:林業特定技能・育成就労協議会決定第2号(2026年6月26日)、林野庁「林業特定技能・育成就労協議会」(2026年10月確認)、林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)、厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申」(2026年9月3日公表)

「チェックシートだけでは足りない」に注意

林野庁のQ&Aは、素材生産・育林の事業者について、チェックシートの提出だけでは加入要件を満たさないと明記しています。認定事業主か、都道府県が公表した民間事業者(意欲と能力のある林業経営体・適合事業体)であることを示す証拠書類を、メールで出す必要があります。認定や公表を受けていない会社は、まず都道府県の担当窓口に相談するところから始めます。

認定事業主とは、改善措置の計画を作り、都道府県知事の認定を受けた事業主のことです。計画は雇用管理の改善と事業の合理化を一体で進めるもので、根拠は林業労働力の確保の促進に関する法律5条1項です。日本人も含めた雇用管理を整えている会社かどうかを、受け入れの入口で確かめるしくみです。

2号はない。5年の先を採用時に話す

運用要領は、林業分野では2号での受け入れはできないと定めています。1号の通算5年が上限です。在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まり、更新しながら働きます。林業は2027年4月に始まる育成就労の対象分野でもあります。

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林業の特定技能の試験:林業技能測定試験の中身と受験の条件

1号の技能は、林業技能測定試験(林業特定技能評価試験)で確かめます。実施するのは一般社団法人林業技能向上センターで、学科に加えてチェーンソーを使う実技があるのが特徴です。技能検定(林業職種)3級の合格でも、技能を確かめられます。

図4林業技能測定試験のしくみ

試験の実施方法(2024年10月の実施要領・2026年8月の手引き)
項目内容
受験資格18歳以上。チェーンソーによる伐木等の特別教育の要件を満たす講習を受講していること
学科CBTまたはペーパー。30分・30問、原則として真偽式。林業全般と安全衛生、業務に要る日本語
実技チェーンソーを使った作業(組立て、暖機運転、丸太の合わせ切りなど)
言語日本語(ひらがな・カタカナ、ふりがな付きの漢字)
合格基準学科は得点率65%以上、実技は60%以上の両方
実施場所国内と国外(回数・時期・場所は林野庁と実施機関が協議して決定)
申込みの方法や日程は、試験実施機関の案内で確かめます。合格しても在留資格が保証されるわけではありません。出典:林野庁「林業技能測定試験実施要領」(2024年10月)、林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)、出入国在留管理庁「試験関係」(2026年10月確認)

日本語と、技能実習からの免除

日本語は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)でA2.2相当以上か、日本語能力試験N4以上です。林業職種の技能実習2号を良好に修了した人は、技能の試験が免除されます。職種を問わず技能実習2号を良好に修了した人は、日本語の試験も免除されます。

2027年4月に始まる育成就労で使う技能検定(随時級)も、林業技能向上センターが実施します。育成就労から特定技能へ進む道も、同じ実施機関の試験でつながる形です。

受験資格の講習があっても、会社の教育は別に要る

受験の段階でチェーンソーの講習を受けていることは、安全の出発点として心強い材料です。ただし、雇い入れたときの安全衛生教育は会社の義務です。林野庁の手引きも、特別教育などは日本人と同じように特定技能の人にも措置する必要があるとしています。受講の記録を確かめ、足りない教育を入社時に補います。

危険な作業の安全教育:法令と協議会の決定で決まっていること

林業の安全教育は、法令の教育と協議会の決定の2段構えです。法令では、雇入れ時の教育と、チェーンソーや林業機械の特別教育が求められます。協議会の決定は、ガイドラインに沿った伐木方法と緊急時の連絡体制の教育を求めています。

図5林業の作業と、必要な教育・措置

作業ごとの教育と根拠(2026年10月時点)
場面・作業必要な教育・措置根拠
雇い入れたとき・作業内容を変えたとき従事する業務の安全衛生教育労働安全衛生法59条1項・2項
チェーンソーで行う立木の伐木、かかり木の処理、造材特別教育労働安全衛生規則36条8号
伐木等機械の運転特別教育同36条6号の2
走行集材機械の運転特別教育同36条6号の3
機械集材装置の運転特別教育同36条7号
簡易架線集材装置・架線集材機械の運転特別教育同36条7号の2
下刈りなどでの刈払機の使用刈払機を扱う作業者の安全衛生教育林野庁の手引き
チェーンソーによる伐木「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」に基づく安全な伐木方法の指導・教育協議会決定第3号
山の現場全般緊急時の連絡体制の指導・教育協議会決定第3号
協議会決定第3号は2026年6月26日に決まり、労働災害の防止に必要なその他の事項の教育も求めています。出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」・「労働安全衛生規則」(2026年10月時点)、林業特定技能・育成就労協議会決定第3号(2026年6月26日)、林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)

「伝わる方法で」教えることも求められている

外国人雇用管理指針は、安全衛生教育を母国語や視聴覚教材など、外国人が内容を理解できる方法で行うよう求めています。労働災害を防ぐのに必要な日本語や、基本的な合図の教育も挙げられています。山の現場では、合図が届かないことがそのまま事故につながります。

育成就労では、上乗せの講習の目安まで示された

林野庁の手引きは、2027年4月に始まる育成就労について、上乗せの安全衛生講習の標準を示しています。1年たつまでに46時間以上、修了までにさらに97時間以上です。特定技能の人に同じ時間が義務づけられているわけではありませんが、新人に必要な教育の量を考える物差しになります。

安全教育の進め方:入国前から現場に出るまでの手順

安全教育は、現場に出る前に「止まる・逃げる・知らせる」を身につけてもらうことから始めます。伐倒の技術より先に、危険から離れる行動と連絡の方法をそろえます。

図6林業で外国人に安全教育を行う手順

  1. 受講の記録を確かめる

    試験の受験資格になったチェーンソーの講習や、技能実習での教育の記録を確かめ、足りない特別教育を洗い出します。

  2. 雇入れ時の教育を本人の言語で行う

    保護具の着け方、作業の順番、危険な範囲を、写真や動画と本人の言語の資料で説明します。厚生労働省は11言語の漫画教材を公開しています。

  3. 合図と退避の言葉を決める

    「たおれるぞ」「にげろ」「とまれ」など、伐倒や退避の合図を短い言葉と手の動きで決め、日本人の社員も同じものを使います。

  4. 緊急時の連絡体制を現地で確かめる

    現場ごとに、電話が通じる地点、連絡の順番、集合場所を、地図と実地で確かめます。協議会の決定が教育を求めている項目です。

  5. ガイドラインに沿った伐木方法を指導する

    チェーンソーで伐木をさせる前に、ガイドラインに沿った方法を、ベテランと組んだ現場で段階を追って教えます。

  6. 定期に振り返る

    3か月に1回以上の定期面談の場で、ひやりとした場面や分からない言葉を聞き取り、教材と合図に反映します。

林野庁の手引きのチェックリストには、次のような項目があります。チェーンソーを使うときに防護ブーツを着けているか、電話が通じる地点や連絡の手順を知っているか、などです。出典:林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)、厚生労働省「外国人労働者の安全衛生対策について」(2026年10月確認)

入社前に決めておく現場のルール

  • 最初の数か月は、必ず経験のある社員と同じ班で作業する
  • 伐倒の前に、退避の方向と合図を毎回声に出して確かめる
  • 体調や天候で作業を止める判断を、本人も言い出せるようにする
  • 分からない指示は「もう一度」と聞き返してよいと、最初に伝える

林業で外国人を受け入れる流れ:協議会から現場に出るまで

受け入れは、協議会への加入を最初に済ませ、そのあと人を探して雇用契約を結ぶ順番で進めます。林野庁の手引きも、協議会への加入を在留の申請までに必要な最初の手順に置いています。

図7林業で特定技能の人を受け入れる流れ

  1. 協議会の構成員資格を確かめ、加入する林野庁のWEBフォームで申請し、認定事業主などの証拠書類はメールで出します。概ね10営業日で加入通知書が届きます。
  2. 人材を探す国内の採用、海外からの採用、技能実習からの移行のいずれかです。国内で直接探す方法は紹介会社を使わず採用する方法も参考になります。
  3. 要件を確かめる林業技能測定試験と日本語試験の合格か、林業職種の技能実習2号の良好な修了かを確かめます。
  4. 雇用契約と支援計画フルタイムと同等以上の報酬を満たす契約を結び、義務的支援10項目を含む支援計画を作ります。
  5. 在留の申請国内の人は在留資格変更許可(標準1〜2か月)、海外の人は在留資格認定証明書(標準1〜3か月、手数料なし)を申請します。
  6. 入社・安全教育・現場へ生活オリエンテーションと雇入れ時の安全衛生教育を終えてから、段階を追って現場に出ます。
変更・更新の手数料は、2026年10月1日から在留期間に応じた額になりました(窓口で1年33,000円など)。出典:林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)、出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」・「在留資格変更許可申請」(2026年10月)

住まいと通勤は、山間地ならではの準備を

現場が山の中にある林業では、住まいと現場の間の移動手段を先に決めます。義務的支援には住居の確保や生活に必要な契約の支援が含まれ、登録支援機関に任せられます。買い物や通院の足をどうするかまで含めた準備は、地方・郊外の企業の特定技能で整理しています。

施業地が遠くても、同じ雇用主なら働ける

林野庁のQ&Aは、全国に施業地を持つ林業経営体なら、雇用主を変えなければ全国の施業地で働けるとしています。別の林業経営体に移ることも、通算5年を超えない範囲でできます。その場合は、新しい雇用契約を結び、在留資格の変更許可を受けます。

よくある思い込みと、委託先に確かめること

林業の受け入れでの失敗は、他の分野の常識を持ち込むことから起きやすくなります。次の思い込みは、相談の場でよく聞かれるものです。

  • 林業の会社なら、どこでも協議会に入れる素材生産・育林の事業者は、認定事業主か、都道府県が公表した民間事業者であることが構成員の資格です。チェックシートの提出だけでは足りません。
  • 雨や雪で山に入れない日が多くても構わない特定技能はフルタイムが前提で、週5日以上かつ年間217日以上などが求められます。冬期の除雪や資材の管理など関連業務も組み合わせ、年間の計画を立てます。
  • 派遣で、繁忙期だけ来てもらえる林業では派遣での受け入れはできません。派遣が認められるのは農業と漁業だけで、その使い方は漁業の特定技能などで解説しています。
  • 協議会への加入は、在留の申請と同時でよい加入は在留の申請の前に必要で、申請では加入証明書を出します。加入通知書は外国人を受け入れるときに必要になるため、大切に保管するよう案内されています。
  • 試験に受かった人なら、チェーンソーは教えなくてよい雇入れ時の教育は会社の義務で、協議会もガイドラインに沿った伐木方法の教育を求めています。受験資格の講習は出発点にすぎません。

紹介会社・登録支援機関に聞く質問

  • 林業で、何人を紹介・支援しましたか。山の現場での相談対応の経験はありますか。
  • 協議会と農林水産省に協力する体制はありますか。
  • 安全教育の資料を、本人の言語で用意できますか。
  • 試験の日程や、受験資格の講習の受け方を候補者にどう案内していますか。
  • 2号がない分野であることを、候補者にどう説明していますか。

少人数の会社での工夫は、小規模事業者の特定技能も参考になります。

想定ケース:素材生産の林業会社(従業員52人)の工場長が、安全の段取りを先に決めて2人を迎えた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

素材生産を行う林業会社で工場長を務める40代の男性に、特定技能で2人を受け入れるまでと、その後の1年を聞きました。土場と木材の選別場の責任者で、伐採班の人員計画も担当しています。

  • 2人とも1年間、休業を伴うけがはなかった
  • 欠員のあった伐採班が4人体制に戻り、作業を止める日が月2日ほど減った
  • 朝の安全ミーティングを10分にそろえ、合図を5つに絞った

――受け入れて1年、何が変わりましたか。

伐採班が4人体制に戻りました。人が足りず、作業を止める日が月に2日ほどあったのが、なくなりました。何よりほっとしているのは、2人とも1年間、休むようなけががなかったことです。

――検討を始めた理由は。

伐採班の平均年齢が50代の後半になり、若い人の応募は年に1人あるかどうかでした。林業でも特定技能が使えると聞き、県の担当者に相談したのが始まりです。うちは以前から林業労働力確保法の認定事業主だったので、協議会の資格は満たしていました。加入は申請から2週間ほどで終わりました。

――もし認定を受けていなかったら、どうしていましたか。

同じ組合の知り合いの会社は認定を受けておらず、県の窓口に相談するところから始めています。うちも認定は何年も前のことで、改善計画の中身を読み直すよい機会になりました。日本人の雇い方を整えていることが入口になる、というのは筋が通っていると思います。

――いちばん迷ったのは、どの点ですか。

安全です。伐倒は一瞬の判断で命にかかわる。言葉が十分でない人を山に入れていいのか、社長とも何度も話しました。結論は、人を探す前に安全の段取りを全部決めることでした。最初の3か月は必ずベテランと同じ班、合図は5つ、電話が通じる地点は現場ごとに地図に書く。そこまで決めてから、委託先を探しました。

――委託先は、何を決め手に選びましたか。

林業の実績がある会社は、ほとんどありませんでした。決め手は、うちが作った安全の段取りを見て、本人の言語の資料に直す作業を引き受けてくれたことです。「林業は初めてです」とはっきり言ったうえで、何ができるかを具体的に話してくれた。そこに誠実さを感じました。

――実際に受け入れて、工夫したことは。

朝のミーティングを10分にそろえ、その日の退避の方向を全員で声に出すようにしました。2人とも試験のときにチェーンソーの講習は受けていましたが、入社後に社内で教育をやり直しています。もう1つ、うちには選別場もありますが、2人の仕事は山が中心です。工場の仕事は木材産業の分野だと知り、そこははっきり分けました。

――手続きや暮らしの面で、つまずいたことは。

海外から来た1人は、在留資格認定証明書の審査に2か月半かかり、入社が雪の季節にずれ込みました。最初の冬は、除雪と機械の整備を先輩と一緒にやりながら、山の言葉を覚えてもらう時期にしました。住まいは事務所の近くの借家で、現場までは会社の車に同乗します。冬道の運転は、まだ任せていません。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

林業で外国人を雇うときの注意は?

注意は3つです。1つ目は、協議会の構成員の資格(認定事業主など)を満たしてから加入すること。2つ目は、雇入れ時の教育やチェーンソーの特別教育に加え、ガイドラインに沿った伐木方法と緊急時の連絡体制を、本人が分かる方法で教えること。3つ目は、フルタイムと同等以上の報酬を守れる年間の作業計画を組むことです。

林業の特定技能に2号はありますか?

ありません。運用要領は、林業分野では2号での受け入れはできないと定めています。1号の通算5年までの受け入れになるため、採用の段階で本人と5年の先の話をしておきます。

冬に山の仕事が少ない時期は、どうすればよいですか?

冬期の除雪、資材の管理・運搬、機器や工具の保守などは関連業務として付随的に任せられます。ただし、関連業務だけを専ら行わせることはできないので、育林や素材生産を中心にした年間の計画を立てます。

1つの会社で受け入れられる人数に上限はありますか?

林野庁のQ&Aによると、技能実習のような事業者ごとの人数枠は、現時点ではありません。分野全体では、2028年度末までの1号の受入れ見込数が900人と定められています。教える人と安全の段取りを何人分用意できるかで、人数を決めます。

試験はどこで受けられますか?

林業技能測定試験は国内と国外で行われ、回数・時期・場所は林野庁と試験実施機関(一般社団法人林業技能向上センター)が協議して決めます。申込みの方法と日程は、実施機関の案内で確かめてください。

支援を任せる登録支援機関も、協議会に入りますか?

登録支援機関と監理支援機関は加入の対象外です。ただし、支援を委託する場合は、協議会と農林水産省に協力する登録支援機関に委託する必要があります。

技能実習生が特定技能に移るとき、一度帰国する必要はありますか?

林野庁のQ&Aは、法令上の要件ではないとしています。ただし、雇用契約では、本人が一時帰国を希望したときに必要な有給休暇を取らせることが求められます。実習計画が終わると許可まで働けないため、変更の申請は早めに行います。

林業と同じ時期に特定技能に加わった分野は、ほかにありますか?

2024年3月に林業と同時に加わったのは、木材産業、鉄道、自動車運送業です。いずれも在留者がまだ少ない分野です。現場の安全の準備が重い点では、鉄道分野の特定技能も参考になります。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「林業分野」(2024年9月30日現在)
  2. 出入国在留管理庁・農林水産省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(林業分野)」(2024年9月30日公表)
  3. 出入国在留管理庁「林業分野の運用方針(特定技能・育成就労)」(別紙17)(2026年1月23日閣議決定)
  4. 林野庁「林業分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)
  5. 林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)
  6. 林野庁「林業分野の特定技能・育成就労に関するQ&A」(2026年8月)
  7. 林野庁「林業特定技能・育成就労協議会」(2026年10月確認)
  8. 林業特定技能・育成就労協議会決定第2号「構成員資格取扱要領(特定技能所属機関)」(2026年6月26日)
  9. 林業特定技能・育成就労協議会決定第3号「特定技能外国人の労働安全の確保」(2026年6月26日)
  10. 林野庁「林業技能測定試験(林業特定技能評価試験)実施要領」(出入国在留管理庁掲載)(2024年10月)
  11. 出入国在留管理庁「試験関係」(2026年10月確認)
  12. 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
  13. 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
  14. 厚生労働省「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」(2026年5月27日公表)
  15. e-Gov法令検索「林業労働力の確保の促進に関する法律」(2026年10月時点)
  16. e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(2026年10月時点)
  17. e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(2026年10月時点)
  18. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(2026年5月29日改正を反映)
  19. 厚生労働省「外国人労働者の安全衛生対策について」(2026年10月確認)
  20. 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月)
  21. 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月)
  22. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  23. 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申」(2026年9月3日公表)

最終更新:(2026年10月版)

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