特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/tokutei-ginou-seizo/ 印刷日:2026年10月15日

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工業製品製造業の特定技能|対象の工程・試験・受け入れ要件

電子部品や金属加工の工場で、任せられる工程を見きわめ、試験とJAIM入会から入社日を逆算する

製造業で求人を出しても応募が来ない。特定技能を考えたいが、自社の工場が対象なのか、どの工程なら任せられるのかが分からない。そんな声をよく聞きます。工業製品製造業の特定技能は、事業所の産業分類、工程の業務区分、本人の試験、工場ごとのJAIM入会の4つがそろって初めて受け入れられます。この記事では、電子部品工場を例に自社の工程が対象かを確かめる手順を示し、17の業務区分、評価試験の中身、受け入れの流れと期間、会社選びで聞く質問を、2026年10月時点の公的資料で整理しました。

この記事の結論
  • 対象かどうかは4つの条件で決まる:事業所の産業分類(直近1年の製造品出荷額等)、工程の業務区分、本人の試験、工場ごとのJAIM入会。1つでも欠けると受け入れられません。
  • 工程は「製品→産業分類→業務区分」の順に確かめる:判断は工場(事業所)単位です。対象外の製品のラインや、検品だけの配置はできません。
  • 試験はCBTで国内と海外5か国:1号評価試験は学科・実技とも日本語(ルビ付き)。2026年度は11月と2027年2月頃の実施が案内されています。技能実習2号の修了者は条件つきで免除です。
  • 海外から呼ぶなら半年前から動く:JAIMの審査は通常2〜3か月、在留資格認定証明書は標準1〜3か月。入会と申請の順番を守れる委託先を選びます。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

この記事の目次

結論:製造業の特定技能は「事業所・工程・人・入会」の4条件で決まる

工業製品製造業の特定技能で外国人を受け入れられるかは、4つの条件で決まります。事業所の産業分類、任せる工程の業務区分、本人の試験の合格、そして工場ごとの工業製品製造技能人材機構(JAIM)への入会です。

4つのうち3つは、紹介会社に相談する前に自社で確かめられます。

図1工業製品製造業の特定技能で受け入れるための4つの条件

  • ① 事業所の産業分類工場で作る製品が、告示に挙がった日本標準産業分類に当たり、直近1年間に製造品出荷額等があること。判断は工場(事業所)ごとです。
  • ② 工程の業務区分任せる仕事が17の業務区分のどれかに当たること。検品だけ、対象外の製品のラインだけ、という配置はできません。
  • ③ 本人の試験業務区分ごとの評価試験(または技能検定3級など)と日本語試験の合格。関連する技能実習2号を良好に修了した人は免除されます。
  • ④ JAIMへの入会在留の申請の前に、外国人を受け入れる工場ごとにJAIMの賛助会員になること。審査は通常2〜3か月かかります。
②と③は、同じ業務区分でそろっている必要があります。出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野の運用要領」(2026年6月25日一部改正)、工業製品製造技能人材機構「JAIMに関するFAQ」(2026年9月18日時点)

受け入れの枠には、まだ余裕がある

工業製品製造業は、受入れ見込数(上限)の消化に余裕がある分野です。2026年7月末の消化率は31.6%で、1年間の増加は10,768人でした。

飲食料品製造業は76.3%、外食業は98.6%まで進み、外食業では2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止されました。上限で採用計画が止まる心配が小さいのは、工業製品製造業の強みです。

図2数字で見る工業製品製造業の特定技能(2026年)

  • 63,032人1号の在留者2026年7月末・速報値
  • 31.6%受入れ見込数199,500人の消化率2029年3月末までの見込数に対して
  • 2,386人2号の在留者2026年6月末。2025年12月末は840人
  • 17区分1号の業務区分2号があるのは3区分
2号の在留者は半年で約2.8倍(計算)に増えました。出典:出入国在留管理庁「受入れ見込数と在留者数」(2026年7月末・速報値)、同「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末)、同「工業製品製造業分野」(2026年6月25日現在)

食品工場なら飲食料品製造業の特定技能になるなど、製品によって分野が分かれる点も先に確かめます。

自社の工程が対象か確かめる5つの手順(電子部品工場の例)

確認は「製品」から始めて「工程」へ下ろしていくと迷いません。製品が対象の産業分類に入らなければ、工程をいくら細かく見ても受け入れられないからです。

例として、基板の組立てライン、金属ケースのプレスライン、医療機器向けユニットの組立てラインがある電子部品工場を考えます。

図3自社の工程が工業製品製造業の対象か確かめる手順

  1. 工場ごとに製品と出荷額を書き出す

    直近1年間に製造品出荷額等(製造品出荷額と加工賃収入額の合計)が出ている製品を、工場ごとに一覧にします。判断は会社全体ではなく事業所単位です。

  2. 製品を産業分類一覧で引く

    JAIMの「対象となる産業分類一覧」で製品を検索し、日本標準産業分類の番号を書き込みます。電子部品なら中分類28(電子部品・デバイス・電子回路製造業)が候補です。

  3. 対象外の製品にしるしを付ける

    業務用機械器具製造業(中分類27)のうち、医療用機械器具・医療用品製造業(小分類274)は対象から外れています。同じ工場でも、対象外の製品の製造にかかわる業務には就けません。

  4. 工程に業務区分を当てはめる

    電子機器の製造・組立ての工程なら「電気電子機器組立て」、金属のプレスや切削なら「機械金属加工」、めっきなら「金属表面処理」が候補です。

  5. 判定メモを作り、迷う点を相談する

    製品・分類番号・工程・業務区分・根拠資料を1枚にまとめます。迷う点は、このメモを添えてJAIMの相談窓口に確かめます。

主たる事業が対象外でも、対象の製品の出荷額があれば受け入れられる場合があります。ただし、従事できるのはその製品の製造工程だけです。出典:工業製品製造技能人材機構「特定技能外国人受入れに関するFAQ」(2026年9月18日時点)、出入国在留管理庁「工業製品製造業分野の運用要領」(2026年6月25日一部改正)

電子部品工場でつまずきやすい3つの場面

1つ目は、検査工程だけへの配置です。JAIMのFAQは、専ら検品作業だけに従事させる受け入れを認めていません。検査は、組立て工程の一部として担当してもらいます。

2つ目は、対象外の製品と同じラインです。医療機器向けユニットのラインには入れないため、人員配置表の段階でラインごとに「対象/対象外」を分けておきます。

3つ目は、構内の請負です。請負で製造する事業所は、JAIMの入会手続きで請負チェックシートを出します。派遣での受け入れは認められていません。

産業分類の全体像や判定の流れ図は、工業製品製造業の業務区分と事業所要件で詳しく整理しています。

17の業務区分と、任せられる工程・任せられない作業

1号の業務区分は17あり、それぞれ「どの製品の製造工程か」で分かれます。2号に進めるのは、機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分だけです。

図4工業製品製造業の業務区分と主な工程(1号17区分)

業務区分ごとの主な工程と2号の有無(2026年6月25日現在)
業務区分主な工程(入管庁の説明)2号
機械金属加工素形材製品や産業機械などの製造工程あり
電気電子機器組立て電気電子機器などの製造・組立工程あり
金属表面処理めっきなどの表面処理の作業あり
紙器・段ボール箱製造紙器・段ボール箱の製造工程なし
コンクリート製品製造コンクリート製品の製造工程なし
RPF製造破砕・成形などの作業なし
陶磁器製品製造陶磁器製品の製造工程なし
印刷・製本オフセット印刷、グラビア印刷、製本の工程なし
紡織製品製造紡織製品の製造工程なし
縫製縫製の工程なし
電線・ケーブル製造電線・ケーブルの製造工程なし
プレハブ住宅製品製造プレハブ住宅製品の製造工程なし
家具製造家具製品の製造工程なし
定形・不定形耐火物製造耐火物製品の製造工程なし
生コンクリート製造生コンクリートの製造工程なし
ゴム製品製造ゴム製品の製造工程なし
かばん製造かばんの製造工程なし
新しく加わった区分は、入管庁の職務記述書が「準備中」とされています。出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」(2026年6月25日現在)

関連業務は「ついで」なら可、「専ら」は不可

日本人の従業員がふだん行う関連業務には、付随的に従事できます。例として挙がっているのは、原材料・部品の調達や搬送、前後の工程の作業、クレーンやフォークリフトの運転、清掃や保守管理です。ただし、関連業務だけを専ら行わせることは認められません。

フォークリフトを任せるなら、最大荷重1トン未満でも特別教育が必要です(労働安全衛生規則36条5号)。1トン以上は就業制限の業務で、技能講習を修了した人など資格のある人しか運転できません(労働安全衛生法施行令20条11号)。また、区分に含まれない技能が要る業務をさせるには、その技能を含む区分の評価試験に合格する必要があります。

同じ「製造」でも対象外になる例

自動車の組立てを行う事業所は、自動車・同附属品製造業(小分類311)に当たります。それでも、組立ての業務が業務区分の業務に当たらないため、組立てラインでは受け入れられません(JAIMのFAQ)。建設現場での溶接も、工事の代金が建設業の収入に当たるため対象外です。

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製造業の特定技能の試験:評価試験・日本語・技能実習からの免除

1号に必要なのは、業務区分ごとの技能の試験と日本語の試験の2つです。技能は「製造分野特定技能1号評価試験」のほか、技能検定3級や育成就労評価試験(専門級)の合格でも確認できます。

日本語は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)でA2.2相当以上か、日本語能力試験N4以上です。関連する職種の技能実習2号を良好に修了した人は技能の試験が、職種を問わず技能実習2号を良好に修了した人は日本語の試験が免除されます。

図5製造分野特定技能評価試験のしくみ(1号と2号)

製造分野特定技能評価試験の実施方法(2026年度)
項目1号評価試験2号評価試験
区分17区分3区分(機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理)
方式・問題CBT。学科40分・30問(真偽法)、実技40分・10問(多肢選択)CBT。実技80分・30問(多肢選択)
合格基準学科65点以上・実技60点以上(各100点満点)60点以上(100点満点)
言語日本語(漢字にルビ。専門用語は他の言語を併記できる)
実施場所国内と、インド・インドネシア・フィリピン・ベトナム・ミャンマー国内のみ
受験の条件17歳以上(国内で受ける人は在留資格が必要)国内に拠点のある企業の製造現場で3年以上の実務経験
2026年度の日程2026年11月9日〜15日、2027年2月頃(予定)2026年11月25日〜28日、2027年2月頃(予定)
結果は受験後2週間以内に通知されます。出典:経済産業省「製造分野特定技能評価試験実施要領」(2026年7月2日適用)、工業製品製造技能人材機構「試験情報」(2026年10月確認)

技能実習2号からの免除は「2年10か月以上の修了」が条件

JAIMのFAQによると、免除には技能実習を2年10か月以上修了していることが必須です。そのうえで、技能検定3級などの合格か、評価調書による良好な修了の確認が要ります。2年10か月に満たない人は、日本語と1号評価試験の両方に合格する必要があります。

対象になり得る職種は、鋳造、鍛造、機械加工、金属プレス加工、溶接、塗装、めっき、電子機器組立てなどです。職種と業務区分の対応は、入管庁が公開している一覧で確かめます。要領別冊は、2027年4月1日以降も当分の間は免除が続くとしています。

2号を考えるなら、3年の実務経験から逆算する

長く働いてもらいたいなら、2号の条件を採用の段階で伝えます。2号には、評価試験とビジネス・キャリア検定3級の両方の合格(または技能検定1級の合格)が要ります。さらに、製造現場での3年以上の実務経験も必要です。2027年4月1日以降は、日本語で「日本語教育の参照枠」B1相当以上も求められる予定です。

1号のうちから、どの工程で経験を積むかを本人と話しておくと、目標がはっきりします。

工業製品製造業の特定技能の要件:会社が満たす6つの条件

会社の側の要件は、分野共通の基準に、工業製品製造業だけの上乗せが加わる形です。上乗せの中心は、JAIMへの入会と、生産性向上・国内人材確保の取組です。

図6受入れ企業が満たす6つの条件(工業製品製造業)

  • 1工場ごとにJAIMへ入会

    在留の申請の前に、外国人を受け入れる工場ごとに賛助会員になります。入会費はなく、年会費は60,000〜83,000円(中小企業割引あり)。審査は通常2〜3か月です。

  • 2対象の産業で出荷実績がある

    告示に挙がった日本標準産業分類に当たり、直近1年間に製造品出荷額等が発生していることが必要です。

  • 3生産性向上・国内人材確保に取り組む

    賃上げなどの取組を行うことが求められ、受入れ事業所は毎年1〜2月頃にJAIMへ報告します。

  • 4直接雇用で、日本人と同等以上の報酬

    労働者派遣での受け入れは認められません。報酬は、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上にします。

  • 5協議会で決まった措置を守る

    繊維工業の事業所は月給制や勤怠管理の電子化など、印刷・こん包の事業所は業界団体への所属が求められます。

  • 6分野共通の受入れ機関の基準

    労働・社会保険・税の法令を守り、1年以内に同じ仕事の社員を会社都合で離職させていないことなどが必要です。

6は全分野に共通する基準です。出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野の運用要領」(2026年6月25日一部改正)、工業製品製造技能人材機構「入会案内」(2026年10月確認)、同「JAIMに関するFAQ」(2026年9月18日時点)

JAIMは経済産業大臣の登録を受けた法人

JAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)は、2025年6月25日に経済産業大臣の登録を受けた特定技能外国人受入事業実施法人です。在留の申請では、JAIMのホームページの会員名簿を印刷し、自社の名前が載っているものを構成員である証明として出します。

以前は、経済産業省の協議会に企業が直接入る仕組みでした。協議会の構成員だった事業所も、2025年12月25日までにJAIMへの移行手続きをしていなければ、新規の入会が必要です。

繊維・印刷・こん包の事業所は条件が上乗せされる

繊維工業を行う事業所には、4つの措置が求められます。国際的な人権基準に適合した事業運営、勤怠管理の電子化、パートナーシップ構築宣言の実施、特定技能外国人の給与の月給制です。印刷・同関連業は全日本印刷工業組合連合会など4団体のいずれかに、こん包業は日本梱包工業組合連合会に所属している必要があります。ほかの措置が及ぶかは、要領別冊の原文で確かめてください。

分野共通の基準の全体は、特定技能の受入れ機関の基準で確認できます。支援を自社で行わない場合は、登録支援機関に全部を委託できます。

製造業で特定技能を受け入れる流れと期間:入会から配属まで

流れのかなめは順番です。JAIMへの入会を終えてから在留の申請に進むため、入会の審査期間がそのまま入社日を左右します。

図7工業製品製造業で特定技能の人を受け入れる流れ

  1. 対象の確認と社内の決定事業所・工程・業務区分を確かめ、人数と配属先、教える人を決めます。
  2. JAIMへの入会申請(審査は通常2〜3か月)オンラインの手続きで、誓約書などの様式と証明書類をPDFで出します。並行して委託先を選び、求人を始めます。
  3. 面接・内定・雇用契約報酬は日本人と同等以上。雇用条件書には10言語の参考様式があります。
  4. 支援計画・事前ガイダンス・健康診断事前ガイダンスは本人が分かる言語で、対面かテレビ電話で行います。3時間程度が目安とされています。
  5. 市区町村へ協力確認書を出す働く事業所と住む場所の市区町村へ、在留の申請の前に提出します。
  6. 在留の申請海外から:在留資格認定証明書(標準1〜3か月、手数料なし)→査証→入国。国内から:在留資格変更許可(標準1〜2か月)。
  7. 入社・生活オリエンテーション・届出生活オリエンテーションは8時間以上が目安です。ハローワークへの外国人雇用状況の届出も行います。
2と3は並行して進められますが、6の申請はJAIMの入会が終わってからです。出典:工業製品製造技能人材機構「JAIMに関するFAQ」(2026年9月18日時点)、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)、同「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月)

海外から呼ぶなら、入社の半年前に動き出す

海外から呼ぶ場合、JAIMの審査(通常2〜3か月)と在留資格認定証明書の審査(標準1〜3か月)を足すと、長ければ半年ほどになります。証明書は交付から3か月以内に入国しないと効力を失うため、送出し国の手続きも並行させます。

国ごとの手続きは、フィリピンから受け入れる手続きやインドネシアから受け入れる手続きで確かめてください。フィリピン・ベトナム・ネパールは入国前結核スクリーニングの対象国で、インドネシアも2027年1月4日から予定されています。ただし、2026年9月25日改正のガイドラインは特定技能外国人を当面の間対象外としているため、いまの扱いでは特定技能で呼ぶ人に結核非発病証明書は要りません。「当面の間」の扱いなので、申請の前に最新版を確かめます。

在留の申請に出す健康診断個人票は、申請日から遡って3か月以内のものが必要です。JAIMの審査を待つあいだに受けると、申請の時点で期限が切れていることがあります。受診は、JAIMの入会の見通しが立ってから、申請日に合わせて入れます。

2026年10月から変わった手数料と在留期間

変更と更新の手数料は、2026年10月1日から許可される在留期間に応じた額になりました。窓口では1年33,000円、1年超3年未満48,000円、3年64,000円です(オンラインは窓口より低い額)。1号の在留期間は、3年を超えない範囲で個別に決まります。

費用の目安と、紹介会社・登録支援機関に聞く7つの質問

費用は「入会」「採用」「支援」「手続き」の4つに分けて見積もります。工業製品製造業に固有なのは、工場ごとにかかるJAIMの年会費です。

図8工業製品製造業で受け入れる初年度の費用の考え方

初年度の費用=JAIMの年会費工場ごと60,000〜83,000円+採用の費用紹介料・渡航費など+支援の費用月額の委託費×月数+手続きの費用変更・更新の手数料など

給与と社会保険料は別にかかります。年会費は年度の途中に入会すると月割りです。出典:工業製品製造技能人材機構「入会案内」(2026年10月確認)、出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月)

紹介料には、製造業の職種別の公的な平均データがありません。厚生労働省の地域ブロック別の資料に載っている職種は、医師・看護・保育・介護の4つだけです(令和6年度実績)。見積もりは2〜3社から同じ形式で取り、3年分の合計で比べます。費用を抑える考え方は、特定技能の費用を抑える方法にまとめています。

厚生労働省の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)も使えます。2026年10月1日以降の計画で20万円、一時帰国の休暇制度も整えると25万円です。

同じ質問を2〜3社に聞く

  • 工業製品製造業で、どの業務区分の人を何人紹介・支援してきましたか。
  • 当社の製品と工程について、産業分類と業務区分の判断をどこまで手伝ってもらえますか。
  • JAIMの入会手続きの準備は、誰がどこまで手伝いますか。入会完了を待つ前提の入社日になっていますか。
  • 候補者は、どの区分の評価試験に、いつ合格した人ですか。技能実習からの免除なら、修了期間と評価調書を確かめましたか。
  • 安全教育や作業標準書を、本人の言語で用意する手伝いはできますか。
  • 2号に進むための3年の実務経験を、どう積ませるのがよいと考えますか。
  • 紹介料・月額の支援費・追加料金を、3年の合計で出せますか。

受けないほうがよい提案

  • 派遣の形で特定技能の人を送り込む提案(工業製品製造業では認められていません)
  • 検品や梱包だけを担当させる前提の提案
  • 「業務区分はどれでも大丈夫」と、区分の判断を確かめない説明
  • 在留の申請書類を、行政書士でない人が報酬を得て作る前提の提案

担当者を置けない会社の進め方は、中小企業が特定技能を受け入れる進め方も参考になります。

よくある思い込みと、配属前に決めておくこと

つまずく原因の多くは、制度より思い込みです。とくに「試験の免除」「在留の年数」「安全教育」の3つは、確かめずに進めると計画が崩れます。

  • 技能実習2号を終えた人なら、誰でも試験が免除される技能の試験の免除は関連する職種に限られ、2年10か月以上の修了などの条件があります。日本語の試験は職種を問わず免除されます。
  • 特定技能なら、ずっと働いてもらえる1号は通算5年までです。2号に進めるのは3区分だけで、3年以上の実務経験と試験の合格が要ります。
  • 安全教育は、日本人と同じ説明で足りる外国人雇用管理指針は、母国語や視聴覚教材など本人が理解できる方法での安全衛生教育を求めています。2025年に労働災害で4日以上休業した外国人労働者7,124人のうち、製造業は3,136人(44.0%)でした。

配属前に決めておく3つのこと

1つ目は、教える人です。ライン長とは別に、最初の3か月の相談相手を決めます。2つ目は、担当工程の範囲書です。業務区分の範囲と、手伝ってよい関連業務を1枚に書き、ライン長と共有します。

3つ目は、安全教育の言語です。厚生労働省は、金属製品製造業など向けの労働災害防止の表示や、11言語の漫画教材を公開しています。

想定ケース:電子部品工場(従業員85人)の総務部長が、工程の線引きから始めて3人を受け入れた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

電子部品工場で総務部長を務める50代の男性に、特定技能で3人を受け入れるまでと、その後の1年を聞きました。

  • 実装ラインの欠員3人を、JAIMへの入会申請から8か月で埋められた
  • 3人の担当を「組立て・はんだ付け」の工程に絞り、検査だけの配置をなくした
  • 1年後も3人全員が在籍し、ライン長の残業が月12時間ほど減った

――受け入れから1年で、何が変わりましたか。

基板の実装ラインが、やっと定員で回るようになりました。欠員を埋めるためにライン長が自分で手を動かしていたのが、いまは段取りと教育に戻れています。残業は月12時間ほど減りました。3人とも辞めずに残っているのが、何よりありがたいですね。

――検討を始めたきっかけは。

ハローワークに1年間求人を出して、応募は2人でした。実装ラインの3割が60歳を超えていて、5年後の顔ぶれが描けない。技能実習も受け入れたことがなく、社内に経験者はゼロです。社長と相談して、まず特定技能を調べることにしました。

――社内の反応はどうでしたか。

ライン長からは、教える時間が取れるのかと心配されました。そこで最初の1か月は、1日30分を教える時間として生産計画に組み込みました。いまでは3人のうち1人が、新しく入った日本人のパートさんに手順を教えています。

――最初に困ったのは、どんな点でしたか。

うちの工場がそもそも対象なのか、社内の誰も答えられなかったことです。最初に話を聞いた会社は「電子部品なら大丈夫です」の一言でした。ところが製品を並べてみると、医療機器向けのユニットを組み立てるラインがある。調べると、医療用機械器具の製造は対象の産業分類から外れていました。検査工程に1人回すつもりだったのも、検品だけの配置は認められないと後で知りました。

――最終的に、何が決め手になりましたか。

2社目の担当者が、製品ごとに産業分類の番号と業務区分を書き込んだ表を持ってきたことです。月額の支援費は1社目のほうが少し安く、そこは迷いました。ただ、2社目は「このラインは受け入れられません」と、できないことから先に言う。営業としては言いにくいはずなのに、と驚きました。JAIMの審査に2〜3か月かかるので入社日は8か月後で組みましょう、という提案にも無理がなかった。

――実際に受け入れて、つまずいたことと工夫は。

入会の書類で工場名の書き方を直すよう言われ、2週間ほど遅れました。それでも審査は2か月半で終わっています。現場では、静電気対策とはんだごての扱いを、写真入りの手順書と動画で本人の言葉に直しました。ライン長とは別に、品質保証の社員を相談役にしたのもよかった。3か月ごとの面談の報告を読むと、困りごとが早めに見えます。

――これから検討する会社に、伝えたいことはありますか。

人を探す前に、製品の一覧を作ることです。うちは製品ごとの売上の表から、対象のラインを決めるまで3日でした。そこが決まれば、会社にする質問も具体的になります。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

製造業の特定技能受け入れでおすすめの会社は?

どの製造業にも合う1社はなく、業務区分・人数・国内在住者か海外からか・任せたい範囲で、向く会社が変わります。比べるときは、自社と同じ業務区分での実績、産業分類と区分の判断を手伝えるか、JAIM入会の期間を見込んだ入社日を示すかを確かめます。特定技能のりあい窓口は、条件に合う会社を最大3社まで無料で紹介する相談窓口で、順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

工場が複数あります。JAIMには1回入会すれば足りますか?

足りません。入会は事業所(工場)単位で、外国人を受け入れる工場ごとに必要です。工場ごとに会員の区分を変えることもできます。隣り合う工場は、実態を示す資料があれば1つの事業所として申請できる場合があります。

1つの工場で何人まで受け入れられますか?

工業製品製造業には、受入れ機関ごとの人数の上限はありません。ただし、1人ひとりに義務的支援を行い、3か月に1回以上の定期面談などを続けられることが前提です。

自社の技能実習生を特定技能に切り替えられますか?

関連する職種の技能実習2号を良好に修了していれば、試験が免除されて切り替えられます。免除には2年10か月以上の修了などの条件があります。実習計画が終わると変更の許可が出るまで働けないため、働き始める予定日の2か月以上前に申請します。

派遣会社から特定技能の人に来てもらえますか?

工業製品製造業では、労働者派遣での受け入れは認められていません。直接雇用が必要です。派遣で受け入れられるのは農業と漁業の2分野だけで、その使い分けは農業の特定技能で解説しています。

特定技能1号の人には、何年働いてもらえますか?

1号は通算5年までです。在留期間は3年を超えない範囲で個別に決まり、更新しながら働きます。機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分なら、試験の合格と3年以上の実務経験で2号に進めます。2号には更新の上限がありません。

評価試験は日本でも受けられますか?

受けられます。1号評価試験は国内と、インド・インドネシア・フィリピン・ベトナム・ミャンマーで行われ、2号評価試験は国内だけです。2026年度は1号が11月9日〜15日、2号が11月25日〜28日に予定され、2027年2月頃にも実施予定です。日程と申込みは試験実施機関の案内で確かめてください。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」(2026年6月25日現在)
  2. 出入国在留管理庁・経済産業省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(工業製品製造業分野の基準について)」(2026年6月25日一部改正)
  3. 経済産業省「製造分野特定技能評価試験実施要領」(出入国在留管理庁掲載)(2026年7月2日適用)
  4. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「試験情報」(2026年10月確認)
  5. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「工業製品製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ」(2026年9月18日時点)
  6. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「JAIMに関するFAQ」(2026年9月18日時点)
  7. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「入会案内」(2026年10月確認)
  8. 一般社団法人工業製品製造技能人材機構「入会手続に関するよくある御質問」(2026年8月)
  9. 経済産業省「工業製品製造業分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)
  10. 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
  11. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末・速報値)
  12. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  13. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)
  14. 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2026年3月23日様式改訂)
  15. 出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年10月)
  16. 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月)
  17. 出入国在留管理庁「技能実習生が『特定技能』に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)
  18. 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(2026年10月)
  19. 出入国在留管理庁・外務省・厚生労働省「入国前結核スクリーニングの実施に関するガイドライン」(2026年9月25日改正)
  20. 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
  21. 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
  22. 厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況について」(参考資料)(2025年)
  23. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(2026年5月29日改正を反映)
  24. 厚生労働省「外国人労働者の安全衛生対策について」(2026年10月確認)
  25. e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(2026年10月時点)
  26. e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」(2026年10月時点)

最終更新:(2026年10月版)

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