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特定技能と最低賃金|2026年度の改定と給与の見直し方

最低賃金は下限で、決め手は同じ仕事の日本人との比較。47都道府県の発効日と、月給を時間額に直す確かめ方

2026年度の地域別最低賃金は全国加重平均で1,177円に上がり、10月1日から12月2日にかけて都道府県ごとに発効します。特定技能の外国人の給与は、最低賃金を上回っていれば足りるのでしょうか。答えは「それだけでは足りない」です。特定技能では、同じ仕事をする日本人と同等以上の報酬が要件で、最低賃金はさらにその下にある床にすぎません。この記事では、47都道府県の改定額と発効日の一覧、月給を時間額に直して比べる方法、最低賃金が上がったときに日本人との並びまで含めて給与を見直す手順を、公的資料をもとに整理します。

この記事の結論
  • 最低賃金は下限、要件は「日本人と同等以上」:最低賃金法は国籍を問わず適用され、下回る部分の契約は無効になります。特定技能では、そのうえで同じ仕事の日本人と同等以上の報酬が求められます。
  • 2026年度は全国加重平均1,177円(56円増):最高は東京都1,280円、最低は宮崎県1,085円。発効日は10月1日〜12月2日で、10月14日時点で18県が未発効です。
  • 見直しは「全員の時間額」を1枚の表で:月給から除外する手当を引き、月平均所定労働時間で割って比べます。日本人の若手だけを上げて、同じ仕事の特定技能の人が下回る崩れ方に注意します。

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この記事の目次

特定技能と最低賃金の関係:最低賃金は下限、要件は日本人と同等以上

特定技能の外国人の給与には、2本の線がかかります。1本目は地域別最低賃金で、国籍や雇用形態に関係なく、すべての労働者に適用される下限です。2本目は特定技能の要件で、同じ仕事をする日本人と同等以上の報酬を払うことです。

実際に守るべきなのは、2本のうち高いほうの線です。同じ仕事の日本人の給与が最低賃金より上にあれば、特定技能の給与を決める物差しは日本人との比較になります。最低賃金は「下回ったら違法」という床で、毎年秋に床そのものが上がります。

図1特定技能の給与にかかる3つの線

  • 地域別最低賃金(すべての労働者の下限)都道府県ごとの時間額。2026年度は全国加重平均1,177円。下回る部分の契約は無効になります。
  • 特定最低賃金(一部の産業に上乗せ)特定の産業に設定される最低賃金。2026年4月1日現在223件。地域別と両方がかかるときは高いほうで判断します。
  • 日本人と同等以上(特定技能の要件)同じ仕事をする日本人の報酬と比べます。賃金規程、同じ仕事の日本人、近隣の同業他社の順で判断されます。
3本のうち、いちばん高い線が実際の下限になります。出典:厚生労働省「特定最低賃金について」(2026年4月1日現在)、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q26・Q30(2026年10月)、e-Gov法令検索「最低賃金法」6条(2026年10月確認)

最低賃金を下回る契約は、その部分が無効

最低賃金法4条は、最低賃金額以上の賃金を払うよう使用者に義務づけています。最低賃金に届かない賃金を定めた契約は、その部分が無効になり、最低賃金と同じ定めをしたものとみなされます。地域別最低賃金を下回った場合の罰則は、50万円以下の罰金です(同法40条)。

外国人であること、試用期間中であることは、それだけでは下回る理由になりません。試用期間中の人などについて額を下げるには、都道府県労働局長の許可が必要です。

特定技能では、法令を守ることが受け入れの条件

特定技能の受入れ機関には、労働・社会保険・租税に関する法令を守っていることが基準として求められます(基準省令2条)。最低賃金の不足は未払いの問題にとどまらず、受け入れを続ける条件にも関わります。

図22026年度の地域別最低賃金:4つの数字

  • 1,177円全国加重平均(時間額)前年度1,121円から56円増
  • 54〜65円都道府県ごとの引上げ額47都道府県すべてで引上げ
  • 84.8%最高額に対する最低額の比率東京都1,280円と宮崎県1,085円(前年度83.4%)
  • 18県10月14日時点で未発効発効済みは29都道府県
56円の引上げは、目安制度が始まった1978年度以降で2番目に大きい幅です。出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申」(2026年9月3日公表)、厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和8年度)

最低賃金の2026年度改定はいつから?発効日は10月1日〜12月2日

2026年度(令和8年度)の改定額は、2026年10月1日から12月2日にかけて、都道府県ごとに発効します。発効日の前日までは、前年度の額がそのまま使われます。

決まるまでの流れはこうです。中央最低賃金審議会が7月28日に改定の目安を示し、各地の審議会が答申しました。厚生労働省は9月3日に、全都道府県の答申をまとめて公表しています。その後、都道府県労働局で関係労使の異議申出の手続きを経て、労働局長の決定で発効します。効力は、決定の公示から30日たった日に生じるのが原則です(最低賃金法14条)。決定で別の日を定めることもできます。

図32026年度の最低賃金が決まって発効するまで

  1. 中央最低賃金審議会が目安を示す済み

    各都道府県の審議会は、この目安を参考に改定額を話し合います。

  2. 全都道府県の答申を公表済み

    全国加重平均1,177円。引上げ額は54円〜65円でした。

  3. 15都道府県で発効発効済み

    北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・岐阜・愛知・三重・大阪・兵庫・香川。

  4. 29都道府県が発効済みに集計

    秋田県がこの日に発効。残る18県は10月15日以降です。

  5. 山梨・徳島・愛媛・大分で発効予定

    11月は、このほか長崎(2日)、佐賀(15日)、京都(16日)が続きます。

  6. 沖縄で発効(最も遅い)予定

    岩手・熊本は12月1日。これで47都道府県の改定がそろいます。

発効予定日は、答申後の異議申出の状況で変わることがあります。出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申」(2026年9月3日公表)、厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(令和8年度)

発効前の18県は、前日まで前年度の額

10月14日時点で発効していないのは、青森・岩手・山形・福島・茨城・山梨・静岡・京都・徳島・愛媛・高知・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄の18府県です。発効日の前日までは令和7年度の額が適用され、発効日以後の労働は新しい額を下回れません。

最終的な額と日付は、労働局で確かめる

給与の改定日を決める前に、事業場がある都道府県の労働局で、決定した額と発効日を確かめます。地域別最低賃金は、その都道府県内の事業場で働く人に適用されます。本社と工場が別の県にあるなら、工場の県の額で判断します。

地域別最低賃金の一覧(2026年度・47都道府県)

2026年度の地域別最低賃金を、前年度の額と引上げ額とあわせて一覧にします。自社の事業場がある都道府県の行と、発効日を確かめてください。

図42026年度(令和8年度)の地域別最低賃金と発効日

地域別最低賃金(時間額)の都道府県別一覧。発効日はいずれも2026年
都道府県2026年度発効日2025年度引上げ額
北海道1,131円10月1日1,075円+56円
青森県1,090円10月29日※1,029円+61円
岩手県1,090円12月1日※1,031円+59円
宮城県1,098円10月1日1,038円+60円
秋田県1,090円10月14日1,031円+59円
山形県1,092円10月30日※1,032円+60円
福島県1,094円10月16日※1,033円+61円
茨城県1,136円10月18日※1,074円+62円
栃木県1,125円10月1日1,068円+57円
群馬県1,120円10月3日1,063円+57円
埼玉県1,196円10月1日1,141円+55円
千葉県1,195円10月1日1,140円+55円
東京都1,280円10月1日1,226円+54円
神奈川県1,279円10月1日1,225円+54円
新潟県1,108円10月1日1,050円+58円
富山県1,119円10月1日1,062円+57円
石川県1,113円10月3日1,054円+59円
福井県1,112円10月4日1,053円+59円
山梨県1,113円11月1日※1,052円+61円
長野県1,117円10月2日1,061円+56円
岐阜県1,121円10月1日1,065円+56円
静岡県1,154円10月15日※1,097円+57円
愛知県1,195円10月1日1,140円+55円
三重県1,143円10月1日1,087円+56円
滋賀県1,136円10月3日1,080円+56円
京都府1,180円11月16日※1,122円+58円
大阪府1,231円10月1日1,177円+54円
兵庫県1,172円10月1日1,116円+56円
奈良県1,107円10月4日1,051円+56円
和歌山県1,101円10月3日1,045円+56円
鳥取県1,090円10月3日1,030円+60円
島根県1,092円10月10日1,033円+59円
岡山県1,104円10月2日1,047円+57円
広島県1,141円10月11日1,085円+56円
山口県1,101円10月8日1,043円+58円
徳島県1,103円11月1日※1,046円+57円
香川県1,092円10月1日1,036円+56円
愛媛県1,093円11月1日※1,033円+60円
高知県1,086円10月29日※1,023円+63円
福岡県1,114円10月4日1,057円+57円
佐賀県1,095円11月15日※1,030円+65円
長崎県1,087円11月2日※1,031円+56円
熊本県1,092円12月1日※1,034円+58円
大分県1,096円11月1日※1,035円+61円
宮崎県1,085円10月24日※1,023円+62円
鹿児島県1,090円10月25日※1,026円+64円
沖縄県1,086円12月2日※1,023円+63円
※は2026年10月14日時点で未発効で、発効日の前日までは2025年度の額が適用されます。最終的な決定額と発効日は各都道府県労働局で確かめてください。出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(令和8年度)

最高と最低の差は195円

最も高いのは東京都の1,280円で、神奈川県の1,279円が続きます。最も低いのは宮崎県の1,085円で、高知県と沖縄県が1,086円です。差は195円(計算)ですが、最高額に対する最低額の比率は84.8%で、前年度の83.4%から縮まりました。比率の改善は12年連続です。引上げ額が最も大きいのは佐賀県の65円でした。

隣の県の額も見ておく

特定技能1号の人は、同じ分野の中なら本人の意思で転職できます。近くの県との差は、本人の目にも入ります。関東の1都6県の状況は関東の特定技能ガイドにまとめています。

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月給を時間額に直して最低賃金と比べる方法

最低賃金は時間額で決まっています。月給制の人は、月給を時間額に直してから比べます。計算に入れない賃金があるため、「支給額の合計÷時間」では正しく比べられません。

図5月給制の人の時間額の出し方

時間額=月給の支給額基本給と毎月決まって払う手当−計算に入れない賃金下の6種類÷月平均所定労働時間年間の所定労働時間÷12

月ごとに所定労働時間が違う場合は、1年間の1か月平均を使います。日給は1日の所定労働時間で割ります。出典:e-Gov法令検索「最低賃金法施行規則」2条(2026年10月確認)、厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」(2026年10月確認)

計算に入れない6つの賃金

厚生労働省は、最低賃金の対象を「毎月支払われる基本的な賃金」とし、次の6種類を除くとしています。

  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超えた労働の賃金(時間外の割増賃金など)
  • 所定労働日以外の労働の賃金(休日の割増賃金など)
  • 午後10時〜午前5時の労働の賃金のうち、通常の賃金を超える部分(深夜の割増賃金)
  • 精皆勤手当、通勤手当、家族手当

職務手当や資格手当のように、毎月決まって払う手当は計算に含めます。固定残業代は時間外労働の対価なので、名前にかかわらず含めません。

図6岡山県の事業場で月給制の人を確かめる例(金額は架空)

給与明細の項目金額計算に
基本給176,000円入れる
職務手当12,000円入れる
皆勤手当8,000円入れない
通勤手当6,000円入れない
時間外手当20,000円入れない
計算に入れる額188,000円—
月平均所定労働時間173.3時間年260日×8時間÷12
時間額約1,084.6円2025年度1,047円は上回るが、10月2日からの1,104円を下回る
支給額の合計222,000円で見ると余裕がありそうですが、計算に入れる額は1,104円×(260日×8時間)÷12で191,360円以上が必要です。この例では基本給などを月3,360円以上上げます(試算)。出典:厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」(2026年10月確認)、厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(令和8年度)をもとに編集部が作成した架空の例

派遣と特定最低賃金の場合

農業と漁業では、特定技能の人を派遣で受け入れられます。派遣労働者には派遣先の事業場の最低賃金が適用されるため、派遣元は派遣先の都道府県の額を確かめます。また、2つ以上の最低賃金がかかる場合は、最も高い額で判断します(最低賃金法6条)。自社の業種に特定最低賃金があるかは、労働局で確かめられます。

最低賃金が上がったら行う給与の見直し:7つの手順

見直しは、発効日の1か月前には始めます。答申は9月上旬に出るので、9月中に計算を終えれば、10月1日発効の地域でも間に合います。

  1. 事業場ごとに改定額と発効日を確かめる

    本社ではなく、実際に働く事業場の都道府県で確かめます。派遣なら派遣先です。決定額と発効日は都道府県労働局のページで最終確認します。

  2. 全員の時間額を1枚の表に並べる

    日本人と特定技能の人を分けずに、時給・日給・月給をすべて時間額に直します。計算に入れない6種類の賃金は除きます。

  3. 下回る人と、余裕の小さい人に印をつける

    新しい額を下回る人に加え、上回っていても差が小さい人にも印をつけます。翌年の改定でまた下回るからです。

  4. 同じ仕事の日本人との並びを確かめる

    賃金規程があれば規程の表で、なければ同じ仕事の日本人と比べます。日本人だけを上げると、同等以上が崩れます。

  5. 改定額と改定日を決め、規程と雇用条件書を直す

    改定日は発効日より前にします。賃金規程と雇用条件書(参考様式第1-6号)を書き換え、雇用契約書の内容とも食い違わないようにします。

  6. 本人が分かる言語で説明する

    雇用条件書には10言語の版があります。「いつから・いくら・なぜ」を給与明細の見本で示します。外国人雇用管理指針も、母国語や平易な日本語で賃金を説明するよう求めています。

  7. 社会保険と入管の手続きを確かめる

    固定的賃金が変わり、3か月の平均で標準報酬月額が2等級以上変わるなら随時改定の対象です。昇給で基本賃金が上がるだけなら、入管への随時届出は要りません。

発効日が給与の締め日の途中にあるとき

最低賃金は、発効日から効力が生じます。給与の計算期間の途中に発効日がある月は、発効日以後に働いた分が新しい額を下回っていないかを確かめます。月給制で計算の仕方に迷うときは、事業場を管轄する労働基準監督署に相談すると確実です。

額面と手取りの両方を見せる

月給が上がると、源泉徴収される所得税や社会保険料も変わり、手取りの増え方は額面より小さくなります。額面と手取りの両方を並べて説明すると、「上がったはずなのに少ない」という誤解を防げます。税金の仕組みは特定技能外国人の税金で、控除の示し方は賃金の支払い方法と控除のルールで解説しています。

同等以上の要件と最低賃金:見直しで崩れやすい3つの場面

最低賃金の改定は、特定技能で求められる「日本人と同等以上」の並びを崩すきっかけになります。崩れやすいのは次の3つの場面です。

場面1:日本人の若手だけを引き上げる

最低賃金に近いのは、経験の浅い日本人と特定技能の人であることが多いものです。日本人の若手だけを改定し、同じ仕事の特定技能の人を据え置くと、同等以上の説明がつかなくなります。賃金表ごと改定するか、同じ表の上で一緒に上げます。

場面2:不足分を手当で埋める

足りない分を皆勤手当で埋めても、皆勤手当は最低賃金の計算に入りません。通勤手当や家族手当も同じです。不足は、基本給か、毎月決まって払う職務手当などで埋めます。手当の支給条件を国籍で分けないことも、同等以上の前提です。

場面3:技能実習から移った人

出入国在留管理庁のQ&A(Q46)は、1号の人は技能実習2号を修了した人と同程度の技能水準だとし、少なくとも技能実習2号の給与水準を上回ることが想定されるとしています。実習中に最低賃金ぎりぎりだった時間額のまま移すと、改定のたびに不足が出ます。

図7最低賃金と特定技能の給与でよくある思い込み

  • 最低賃金を上回れば、特定技能の給与として問題ない特定技能の要件は、同じ仕事をする日本人と同等以上です。最低賃金はその下の床です。
  • 総支給額で比べればよい精皆勤手当・通勤手当・家族手当、残業代、賞与などは計算に入れません。
  • 試用期間中は最低賃金より低くできる減額には都道府県労働局長の許可が必要です。特定技能では、日本人の扱いと同等以上であることも求められます。
  • 昇給したら入管に届け出る昇給で基本賃金が上がる場合、随時届出は不要です。予定していた昇給をやめる場合は届出が必要です。
  • 発効日は全国一斉2026年度は10月1日〜12月2日の間で、都道府県ごとに違います。
迷ったら「同じ仕事の日本人と同じ表で比べて説明できるか」に戻ります。出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)、出入国在留管理庁「随時届出Q&A」(令和7年6月)、厚生労働省「最低賃金の適用される労働者の範囲」(2026年10月確認)

毎年4月1日〜5月31日の定期届出では、前年度の給与の月平均(きまって支給する現金給与額など)を報告します。2年以上続けて受け入れている人は、昇給率も報告します。改定に合わせた昇給も、この数字に表れます。

見直しの負担を減らす:助成金・相談先・チェックリスト

最低賃金の改定は毎年あります。仕組みを1度作れば、翌年からは確認の作業で済みます。使える支援と相談先も押さえておきます。

業務改善助成金は「発効日の前日」が期限

厚生労働省の業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金を引き上げ、あわせて設備投資などを行う中小企業・小規模事業者を支援する制度です。2026年度は9月1日に受付が始まりました。申請期限は、事業場がある都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日か、2026年11月30日のいずれか早い日です。引上げと設備投資は、これから行うものが対象とされています。発効前の18県は、期限内か確かめる価値があります。ほかの制度の探し方は特定技能で使える補助金・助成金で整理しています。

最低賃金の見直しで、誰に何を聞くか
相談先聞くこと
都道府県労働局・労働基準監督署決定した額と発効日、時間額の計算、特定最低賃金の有無、減額特例
年金事務所昇給後の随時改定(標準報酬月額)の要否
地方出入国在留管理局雇用条件の変更に届出が要るか
登録支援機関本人の言語での説明、定期面談での手取りの変化の聞き取り

改定前のチェックリスト

  • 事業場ごとの改定額と発効日を、労働局のページで確かめた
  • 全員の時間額を、計算に入れない6種類の賃金を除いて出した
  • 月平均所定労働時間を、年間の所定労働日数と1日の時間から出し直した
  • 同じ仕事の日本人と特定技能の人を、同じ表で同じだけ上げた
  • 改定日を発効日より前にし、賃金規程と雇用条件書を直した
  • 本人が分かる言語で、額面と手取りの変化を説明した
  • 随時改定の要否を確かめ、翌年度の定期届出に使う記録を残した

説明の言語や書面の示し方は、外国人雇用管理指針でも求められています(外国人雇用管理指針のポイント)。給与の説明まで手伝う委託先を探すなら、特定技能のりあい窓口が条件に合う人材紹介会社・登録支援機関を最大3社まで無料でご紹介します。順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

想定ケース:製材所(従業員15人)の代表取締役が、最低賃金の改定を「全員の時間額表」で乗り切った理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

製材所(従業員15人)を営む代表取締役(60代女性)を想定したインタビューです。木材産業の特定技能1号の社員2人を含む全員の給与を、2026年度の改定に合わせて見直した場面を描いています。

  • 発効日の3週間前に15人全員の時間額を1枚の表にし、新しい額を下回る4人(うち特定技能1人)を見つけた
  • 同じ仕事をする特定技能の2人と日本人3人の基本給を、同じ月4,000円ずつ上げた
  • 母語の雇用条件書と給与明細の見本で説明し、改定後の給与への質問は2件で済んだ

――何が変わりましたか。

秋の作業が、1枚の表で済むようになりました。名前、基本給、毎月の手当、所定労働時間、時間額。この5列を全員分並べるだけです。今年は答申が出た翌週に作り始めて、半日で終わりました。

――以前は、どう確かめていたのですか。

時給のパートさんしか見ていませんでした。月給の人は大丈夫だと思い込んでいたんです。表を作ってみたら、皆勤手当を含めて計算していたことが分かりました。皆勤手当は最低賃金の計算に入らない。それを外すと、4人が新しい額を下回っていました。正直、血の気が引きました。

――特定技能の2人について、迷ったことは。

最初は、下回った人だけを上げるつもりでした。特定技能の1人は下回り、もう1人はぎりぎり上回っていたので、1人だけ上げればいいと。支援をお願いしている登録支援機関の担当者に表を見せると、「同じ仕事の日本人3人と、同じ表の上で比べてください」と言われました。結局、同じ仕事の5人を同じ額だけ上げました。そのほうが説明も簡単でした。

――本人たちへの説明は。

雇用条件書は、本人の母語の版を使いました。給与明細の見本も作って、額面がいくら上がり、保険料と税金でいくら引かれるかを見せました。手取りの増え方が小さいことを先に伝えたので、質問は2件だけ。1件は「いつの給料から?」でした。

――やり残したことは。

業務改善助成金です。製材機の更新を考えていたのに、申請の期限が発効日の前日までだと知ったのは、発効の後でした。来年は、9月の答申の時点で設備の計画も一緒に考えます。入管への届出は、昇給だけなら要らないと確認できたので、そこは安心しました。

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よくある質問

特定技能外国人の給与は最低賃金でよい?

最低賃金を下回らないことは前提ですが、それだけでは足りません。特定技能では、同じ仕事をする日本人と同等以上の報酬が要件です。また、技能実習2号の給与水準を上回ることが想定されているため、最低賃金ちょうどの設定は改定のたびに見直しが必要になります。

2026年度の最低賃金は、いつから適用されますか?

都道府県ごとに、2026年10月1日から12月2日の間に発効します。東京都・大阪府・愛知県などは10月1日、最も遅い沖縄県は12月2日です。発効日の前日までは前年度の額が適用されます。

月給制でも、最低賃金を確かめる必要がありますか?

必要です。月給から精皆勤手当・通勤手当・家族手当、残業代などを除き、月平均所定労働時間で割った時間額を最低賃金と比べます。総支給額では上回っていても、時間額では下回ることがあります。

固定残業代を含めた月給で最低賃金を満たしていれば、問題ありませんか?

問題があります。所定労働時間を超える労働に払う賃金は、最低賃金の計算に入れません。固定残業代を除いた基本給などで、時間額が最低賃金以上になっている必要があります。

試用期間中なら、最低賃金より低くできますか?

使用者が勝手に下げることはできません。試用期間中の人などの減額には、都道府県労働局長の許可が必要です。特定技能では、同じ仕事の日本人と同等以上という要件もかかります。

最低賃金の改定で給与を上げたら、入管への届出は必要ですか?

昇給で基本賃金が上がる場合、随時届出は要りません。一方、予定していた昇給をやめる場合などは、14日以内の届出が必要です。給与の月平均は、翌年度の定期届出(4月1日〜5月31日)で報告します。

最低賃金を下回っていたら、どうなりますか?

下回る部分の契約は無効になり、最低賃金と同じ額を定めたものとみなされます。差額は支払う必要があり、地域別最低賃金の違反には50万円以下の罰金があります。特定技能では、法令を守ることが受入れ機関の基準でもあります。

派遣で受け入れている場合は、どこの最低賃金が適用されますか?

派遣先の事業場に適用される最低賃金です。特定技能で派遣が認められるのは農業と漁業だけで、派遣元は派遣先の都道府県の額と発効日を確かめておく必要があります。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
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出典

  1. 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申(全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました)」(2026年9月3日公表)
  2. 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和8年度)
  3. 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」(令和8年度)
  4. 厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」(2026年10月確認)
  5. 厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」(2026年10月確認)
  6. 厚生労働省「最低賃金の適用される労働者の範囲」(2026年10月確認)
  7. 厚生労働省「派遣労働者への最低賃金の適用」(2026年10月確認)
  8. 厚生労働省「特定最低賃金について」(2026年4月1日現在)
  9. e-Gov法令検索「最低賃金法」(2026年10月確認)
  10. e-Gov法令検索「最低賃金法施行規則」(2026年10月確認)
  11. 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
  12. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月確認)
  13. 出入国在留管理庁「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領」(2026年1月26日掲載)
  14. 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)
  15. 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年8月20日更新)
  16. 厚生労働省「業務改善助成金」(令和8年度)
  17. 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」(2026年9月30日更新)
  18. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(令和8年5月29日告示による改正を反映)

最終更新:(2026年10月版)

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