特定技能のりあい窓口

https://tokutei-noriai.blog/jika-saiyou/ 印刷日:2026年10月15日

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紹介会社を使わず特定技能人材を採用する方法|ハローワーク・求人媒体・直接採用

直接採用で省けるのは「人を探す費用」。支援・届出・確認の手間は残る前提で、手段と比較表を整理

特定技能の人材を、紹介会社を通さず直接採用できないか。紹介料の負担を考えて、そう考える経営者は少なくありません。ただし直接採用で省けるのは主に「人を探す費用」で、在留資格の手続き、1号への支援、届出の責任は変わりません。この記事では、ハローワーク・求人サイト・社員紹介・技能実習からの移行といった直接採用の手段と、紹介会社を使う場合との費用・手間・リスクの比較、職業安定法に触れないための注意点を、2026年10月時点の制度で整理します。

この記事の結論
  • 直接採用で減るのは「探す費用」:協議会への加入、支援計画、事前ガイダンス、届出は自社の責任のままです。支援は登録支援機関に委託することもできます。
  • ハローワークは無料の公的機関:職業安定法8条で無料と定められ、オンラインで求人を出せます。東京外国人雇用サービスセンターは2026年11月17日に特定技能のマッチングイベントを開きます。
  • 条件は国籍ではなく技能で、在留カードは採用決定後に:選考中は口頭や書面の申告で確かめ、採用が決まり次第、在留カードと指定書を確認します。
  • 社外の人に報酬を払って集めてもらうのは要注意:社員以外の者に報酬を与えて募集させるには厚生労働大臣の許可が必要です(職業安定法36条)。

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この記事の目次

結論:特定技能の直接採用は「探す」を自社で担う方法。支援と届出の責任は変わらない

特定技能の人材は、紹介会社を通さずに直接採用できます。ただし省けるのは主に「人を探して引き合わせる部分」で、協議会への加入、支援計画、在留資格の申請、届出は、紹介会社を使う場合と同じく自社の責任です。

直接採用が向くのは、技能実習生や外国人社員がすでにいる会社、求人と面接を回せる担当者がいる会社です。初めての受け入れで社内に担当がいなければ、紹介は外部に任せ、ほかを自社で担う形も選べます。

図1直接採用と紹介会社を使う場合の流れの違い

直接採用

  1. 求人を出す(ハローワーク・求人サイト・社員紹介)
  2. 応募の受付・書類選考・面接
  3. 内定後に在留カード・指定書・試験の合格を確認
  4. 協議会への加入・雇用契約・支援計画・在留資格の申請
  5. 入社・支援の開始・届出

探す費用は抑えられます。応募が集まるまでの期間と、選考・確認の手間は自社が負います。

紹介会社を使う

  1. 分野・人数・時期などの条件を伝える
  2. 候補者の紹介と面接の調整
  3. 内定後に在留カードなどを確認
  4. 協議会への加入・雇用契約・支援計画・在留資格の申請
  5. 入社・支援の開始・届出

紹介手数料がかかります。早期に退職したときの返金規定を、契約の前に確かめます。

4番目と5番目の手続きと責任は、どちらの方法でも受入れ企業に残ります。

直接採用でも省けない5つのこと

  • 分野の協議会への加入(在留資格の申請より前)
  • 1号への義務的支援10項目(自社で行うか、登録支援機関に委託)
  • 事前ガイダンス(3時間程度が目安とされ、1時間に満たないものは不適切)
  • 働く事業所と住居地の市区町村への協力確認書の提出
  • 入管への届出と、ハローワークへの外国人雇用状況の届出

このうち支援は、登録支援機関に全部を委託できます。紹介と支援は別の仕事なので、「紹介は使わず、支援だけ任せる」組み合わせも成り立ちます。

直接採用の6つの手段:費用と向く場面で選ぶ

直接採用の入口は6つです。ほとんど費用のかからない手段もあれば、掲載料がかかる手段もあります。集まる応募者の層も違うので、2〜3の手段を組み合わせると母集団が広がります。

図2直接採用の6つの手段の比較

2026年10月時点の制度にもとづく編集部の整理
手段主な費用向いている場面注意すること
ハローワーク無料(職業安定法8条)国内に住む人を地域で探す国籍を条件にしない。求人は正確で最新に
求人サイト・求人広告掲載料(媒体ごとに違う)短い期間で応募を集めたい広告か職業紹介かを確かめる。「無料掲載」後の請求に注意
自社サイト・SNS制作と更新の手間外国人社員の声を発信できる労働条件を明示し、古い募集を残さない
社員・知人の紹介社員への手当は賃金として支払う同じ地域の出身者が社内にいる社外の人に報酬を払って募集させるには許可が必要
自社の技能実習生からの移行申請の実費が中心技能実習生を受け入れている就労開始予定日の2か月以上前に申請
公的なマッチング・ジョブフェア参加無料のものがある一度に複数の候補者と会いたい対象の在留資格と試験の合格状況を確かめる
金額は媒体や申請の内容で変わります。法律上の注意点は下の章で詳しく扱います。出典:e-Gov法令検索「職業安定法」(2026年10月確認)、出入国在留管理庁「技能実習生が「特定技能」に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)

国内の転職希望者も採用の対象になる

同じ分野の中なら、特定技能の外国人は本人の意思で転職できます。出入国在留管理庁の集計(暫定値)では、2021年1月〜2024年末に1号の資格を得た人は341,253人。そのうち76,338人(22.4%)が、2025年8月末までに転職していました。ハローワークや求人サイトで出会う応募者には、こうした国内の転職希望者が含まれます。

国内に住む人を採る流れは、国内在住の外国人を特定技能で採用する方法で詳しく解説しています。

ハローワークで特定技能の求人を出す手順と、求人票の書き方

ハローワークは、職業安定法8条で「無料で公共に奉仕する機関」と定められています。求人の申込みに費用はかからず、オンラインでも出せます。

求人を出すまでの流れ

初めての会社は、ハローワークインターネットサービスの「事業所登録・求人申込み」から、求人者マイページの開設を申請します。マイページを開けば、オンラインで求人を申し込め、ハローワークからのメッセージも受け取れます。以前に窓口で求人を出した会社なら、求人窓口でマイページの利用を申し出る形です。

外国人向けの窓口とイベントを使う

東京労働局の東京外国人雇用サービスセンターは、ハローワーク新宿の出先機関です。2026年11月17日には新宿で合同就職面接会を開き、同時に「特定技能マッチングイベント」を行います。案内では、特定技能の仕事は原則として有資格者が対象で、受験予定の人も一部は応募できるとされています。厚生労働省は、通訳がいるハローワークの一覧も公表しています(2026年8月版)。

「無料で掲載します」という勧誘に注意

ハローワークインターネットサービスで求人を公開している事業主に、民間の求人広告サイトへの掲載を勧める連絡が来る例があります。「費用は無料」と説明しながら、後日請求書が届く悪質なケースもあるとして、ハローワークが注意を呼びかけています。契約の前に、費用と期間を書面で確かめましょう。

求人票は「国籍」ではなく「技能と日本語」で条件を書く

東京労働局のQ&A(2026年6月1日現在)は、外国人だけを対象にした求人も、外国人が応募できない求人も出せないとしています。条件は国籍ではなく、スキルや能力で示すのが原則です。特定技能なら、「分野の技能試験と日本語試験に合格、または関連する技能実習2号を良好に修了」のように、必要な水準を書くと伝わります。

2024年4月からは、業務と就業場所の変更の範囲、有期契約の更新上限も明示事項に加わりました。求人の内容は、正確で最新に保つ義務があります(職業安定法5条の4)。具体的な書き方は特定技能の求人票の書き方にまとめました。

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特定技能の求人サイト・求人媒体を使うときの確認点

求人サイトは、応募を早く集めたい会社に向きます。選ぶときは、そのサービスが「求人広告」なのか「職業紹介」なのかを最初に確かめます。料金のかかり方も、守るルールも変わるからです。

「広告」と「職業紹介」を見分ける

掲載料を払って求人を載せ、応募は自社が直接受けるのが求人広告型です。事業者が会社と求職者の間に入り、採用をあっせんするなら職業紹介に当たります。料金の形だけでは見分けにくいので、迷ったら事業者に許可の有無を聞きましょう。有料の職業紹介には厚生労働大臣の許可が必要で(職業安定法30条)、許可の有無は厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で確かめられます。

求人情報を集めて提供する事業者のうち一定のものは、2022年10月1日から厚生労働大臣への届出が必要になりました(特定募集情報等提供事業)。届出の有無も、相手を見極める材料になります。

図3求人サイトを選ぶ前の4つの確認

  • ① 料金のかかり方掲載料か成功報酬か。契約期間、自動更新の有無、途中で止めたときの扱い。
  • ② 事業の種類求人広告か職業紹介か。職業紹介なら許可番号、求人広告なら届出の状況。
  • ③ 掲載内容の管理募集を終えたらすぐ掲載を止められるか。給与や勤務地を更新しやすいか。
  • ④ 応募者への対応応募者から登録料などを取らないか。応募者が読める言語で案内しているか。
求人を出す会社にも、正確で最新の表示を保つ義務があります。出典:e-Gov法令検索「職業安定法」第5条の4・第30条(2026年10月確認)、厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」(2022年10月1日施行)

求人を出す会社にも表示のルールがある

職業安定法5条の4は、求人情報について虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じています。募集を行う会社には、内容を正確かつ最新に保つことも求めています。採用が決まった求人を載せたままにする、実際と違う給与を載せる、といった状態は避けましょう。

応募者から費用を取るサービスにも注意が必要です。職業紹介で求職者から手数料を取ることは原則禁止です。外国人雇用管理指針も、保証金や違約金の契約を結ぶなど職業安定法に違反する者から紹介を受けないよう求めています。

紹介会社を使わない外国人採用:費用・手間・リスクの比較

紹介会社を使わない最大の利点は、紹介手数料がかからないことです。そのかわり、応募が集まるまでの時間、選考と確認の手間、採用がうまくいかなかったときの損失は、すべて自社が引き受けます。

図4直接採用と紹介会社を使う場合の比較

申請・支援・届出の責任は、どちらでも受入れ企業にあります
比べる点直接採用紹介会社を使う
人を探す費用ハローワークは無料。求人サイトは掲載料紹介手数料(特定技能に限った公的な平均は未公表)
採用までの期間応募の集まり方しだいで読みにくい候補者を紹介できる時期は会社による
選考と確認書類選考・面接・在留カードや合格証明の確認を自社で一次確認を任せられる。最終確認は自社
申請書類自社で作るか、行政書士に依頼同じ(報酬を得て作れるのは行政書士)
1号の支援自社支援か、登録支援機関に委託同じ(紹介と支援を同じ会社に頼む例もある)
うまくいかなかったとき再募集の費用と時間は自社持ち返金規定の範囲で一部が戻る場合がある
紹介会社を使っても、受入れ企業としての手続きと責任は移りません。出典:e-Gov法令検索「職業安定法」(2026年10月確認)、e-Gov法令検索「行政書士法」(2026年1月1日施行の改正を含む)

公的な調査に見る「採用費用」の重さ

日本政策金融公庫の調査(2025年2月21日公表)で、外国人を雇う企業のうち困りごとが「ある」と答えたのは654社。その27.8%が「採用費用(渡航費や手数料など)が想定よりも高い」を挙げました。福岡県の介護事業所の調査(令和7年度)では、受入れ準備段階の課題の1位が「採用費用(人材紹介の手数料等)が高額」で、65.5%にのぼります。

紹介手数料の公的な平均は、特定技能に限ったものが公表されていません。参考までに、厚生労働省の集計では、職業紹介を通じた介護職の平均手数料は全国で59.7万円でした(令和6年度実績、特定技能に限らない数字)。

直接採用の「見えない費用」も足して比べる

図5直接採用の実質的な費用の考え方

実質の費用=求人の費用掲載料・広告の制作など+社内の作業時間応募対応・面接・確認・申請準備を人件費に換算+やり直しの費用ミスマッチによる再募集

紹介手数料と比べるときは、社内の時間も人件費に置き換えて足し合わせます。

国内在住者を採る場合の費用の内訳は国内在住の特定技能人材を採用する費用、紹介会社を使うと決めた場合の比べ方は人材紹介会社の選び方で解説しています。

直接採用の進め方:求人から入社まで8つの手順

国内に住む人を直接採用する場合の手順です。申請の審査には時間がかかるため、入社日から逆算して動き始めます。

  1. 分野・業務区分と人数を決める

    農業なら耕種農業全般か畜産農業全般か。農業で直接雇用するには、過去5年以内に同じ労働者(技能実習生を含む)を6か月以上続けて雇った経験などが求められます。

  2. 求人を出す

    ハローワークと求人サイトを組み合わせ、条件は技能と日本語の水準で書きます。仕事内容・勤務時間・住まいの写真を用意しておくと、面接の説明が早くなります。

  3. 選考する

    面接で確かめるのは、仕事内容・勤務条件・生活の3点です。在留資格の見込みは、口頭や書面での申告で確認します。質問の例は面接でミスマッチを防ぐ確認項目が参考になります。

  4. 内定後に書類で確かめる

    在留カードの就労制限の欄と資格外活動許可欄、特定技能の指定書、試験の合格証明を確認します。番号が失効していないかは「在留カード等番号失効情報照会」でも調べられます。

  5. 協議会に加入する

    在留資格の申請前に、分野の協議会の構成員になる必要があります。農業特定技能協議会はWEB申請で、入会金・年会費はなく、加入通知まで通常2週間程度です。

  6. 雇用契約と支援計画を作る

    報酬は日本人と同等以上にします。支援を自社で行うか、登録支援機関に全部委託するかもここで決めます。

  7. 事前ガイダンス・健康診断・協力確認書

    申請の前に、本人が理解できる言語で事前ガイダンスを行い、健康診断を受けてもらいます。働く事業所と住居地の市区町村には協力確認書を出します。

  8. 在留資格の変更を申請し、許可後に入社する

    標準処理期間は1か月〜2か月です。許可を受けてから就労を始め、ハローワークへの外国人雇用状況の届出も行います。

技能実習から移る人は、実習を終えた後、変更申請の結果を待つ間(特例期間中)も技能実習生としては働けません。出入国在留管理庁は、特定技能での就労開始予定日の2か月以上前の申請を求めています。手数料は2026年10月1日に改定され、許可される在留期間に応じて窓口10,000円〜75,000円の7区分になりました。1年の許可なら33,000円(オンラインは27,000円)です。

直接採用で守るルール:仲介への報酬・在留カード・本人の負担

直接採用でつまずきやすいのは、仲介する人への報酬、在留カードを確認するタイミング、本人への費用負担の3つです。どれも知らずに踏み込みやすいので、採用を始める前に社内で共有しておきます。

社外の人に報酬を払って人を集めてもらわない

職業安定法36条は、社員以外の者に報酬を与えて労働者の募集に従事させるときは、厚生労働大臣の許可が必要で、報酬の額にも認可が要るとしています。報酬なしで頼む場合も届出が必要です。「1人紹介するごとに謝礼を」と持ちかける個人の仲介者を使うと、法令違反に巻き込まれるおそれがあります。有料で職業紹介を行うこと自体にも許可が必要です(30条)。

社員紹介の謝礼は「賃金」として払う

同じ法律の40条は、募集を行う会社が募集に従事する社員へ報酬を与えることを、賃金・給料その他これらに準ずるものとして払う場合などを除いて禁じています。社員紹介の制度を作るなら、手当として就業規則や賃金規程に位置づける形を、労働局などに確かめてから運用しましょう。

在留カードは「採用が決まってから」確認する

東京労働局のQ&Aは、選考中は口頭や書面での申告で確認し、採用が決まり次第、在留カード等の提示を求めるよう案内しています。採用決定前に提示を求めると、応募の機会を不当に閉じるおそれがあるためです。そのうえで、採用を決めたら在留カードと指定書は必ず確かめます。確認を怠った過失があれば、不法就労と知らなかったとしても処罰を免れません。

やってはいけないこと

  • 求人に「外国人のみ」「日本人のみ」と国籍の条件を付ける
  • 理由なく年齢の上限を設ける(労働施策総合推進法9条で原則禁止)
  • 許可のない仲介者に、紹介の謝礼を払う
  • 本人から保証金を取る、違約金を定める
  • 義務的支援の費用を、本人に直接・間接に負担させる
  • 旅券や在留カードを会社で預かる

支援は外部に任せてもよい:紹介と支援を分けて考える

直接採用を選んでも、1号への支援まで自社で抱える必要はありません。支援は登録支援機関に全部を委託でき、紹介会社とは別に契約できます。

自社支援か、委託か

自社で支援するには、支援責任者と支援担当者を選び、過去2年間に中長期在留者を適正に受け入れた実績などの基準を満たす必要があります。2027年4月1日からは、常勤の役員・職員から選ぶことや、担当者1人あたり特定技能外国人50人未満といった基準も加わります。

委託する場合の費用の目安として、福岡県の介護事業所の調査があります。1人あたりの月額は「2万円以上3万円未満」が最も多い結果でした。農業など分野によっては、協議会に協力する登録支援機関を選ぶことが求められます。

図6登録支援機関・監理団体への1人あたり月額委託費(福岡県の介護事業所)

  • 2万円以上3万円未満31.5%
  • 1万円以上2万円未満13.0%
  • 3万円以上4万円未満13.0%
  • 委託していない26.8%
外国人介護人材を受け入れている(予定を含む)県内362事業所の回答で、在留資格を問わない数字です。出典:福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)

担当者が少ない会社の進め方は中小企業が特定技能を受け入れる進め方で扱っています。特定技能のりあい窓口では、「紹介は不要で支援だけ」といった条件も含めてうかがい、合う登録支援機関・人材紹介会社を最大3社まで無料でご紹介します。会社に順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

想定ケース:施設園芸の農業法人(従業員260人)の専務取締役が、紹介会社を使わない採用に切り替えた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 技能実習を修了した6人のうち4人が、そのまま特定技能1号に移った(紹介手数料はかかっていない)
  • ハローワークと求人サイトから応募11人、面接6人を経て、国内の転職者2人を採用した
  • 支援は登録支援機関に委託し、社内の担当は採用と労務の2人に絞った

――直接採用に切り替えて、何が変わりましたか。

1年で6人の特定技能1号を迎え、紹介手数料はかかりませんでした。4人はうちで技能実習を終えた人です。残る2人はほかの農場から移ってきた人で、ハローワークと求人サイトから応募がありました。浮いた費用は、寮の改修と日本語の教材に回しています。

――検討を始めた背景は。

いちごとパプリカのハウスで、260人のうち外国人が40人ほどいます。技能実習生は毎年受け入れてきましたが、2027年4月に育成就労が始まると聞いて、採用の仕組みごと見直すことにしました。紹介会社の見積もりも取ったんです。人数が多いぶん総額が大きくなる。探す部分は自社でできないか、と考えたのが始まりです。

――最初につまずいたのは。

2つあります。1つは、応募の時点で在留カードの写しを出してもらおうとしたことです。労働局のQ&Aで、採用が決まる前の提示は適切でないと知り、申告書に切り替えました。もう1つは、知人に「1人10万円で紹介できる人がいる」と言われたこと。社員以外に報酬を払って募集させるには許可が要ると分かり、お断りしました。

――直接採用でいけると判断した決め手は。

技能実習の修了者がいて、通訳ができる社員もいたことです。ただ、支援まで自社でやる自信はありませんでした。相談した登録支援機関が、最初に「紹介を使わなくても、支援だけの契約で大丈夫です」と言ってくれたんです。売り込まれると身構えていたので、正直拍子抜けしました。結局、支援はそこに任せています。

――実際に回してみて、どうですか。

技能実習から移る人は、実習が終わってから許可が出るまで働けません。それを知らずに申請が遅れ、1人は3週間ほど仕事に就けない期間ができました。いまは修了日から逆算して、就労開始の2か月以上前に申請する表を作っています。面接は私と農場長の2人で行い、仕事内容・勤務時間・寮の3点は必ず写真で見せるようにしました。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

特定技能人材を自社で直接採用するときの注意は?

大きく3つです。1つ目は、社外の人に報酬を払って募集させないこと(職業安定法36条の許可が必要)。2つ目は、在留カードを採用が決まってから確認すること。3つ目は、本人に保証金や支援の費用を負担させないことです。協議会への加入や支援計画など、受入れ企業としての手続きは直接採用でも省けません。

ハローワークに特定技能の求人を出すのに、費用はかかりますか?

かかりません。ハローワークは職業安定法8条で無料で公共に奉仕する機関とされ、求人者マイページからオンラインでも申し込めます。ただし、民間の求人広告サイトから掲載を勧める連絡が来ることがあり、「無料」と言われたのに後日請求が届く例も報告されています。

求人票に「外国人のみ」と書いてもよいですか?

書けません。外国人だけを対象にする求人も、外国人が応募できない求人も出せないとされています。国籍ではなく、分野の試験の合格や日本語の水準など、仕事に必要な技能と能力で条件を示してください。

応募の段階で、在留カードのコピーを出してもらってよいですか?

適切ではありません。東京労働局のQ&Aは、選考中は口頭や書面での申告で確かめ、採用が決まり次第、在留カード等の提示を求めるよう案内しています。採用を決めた後は、在留カードと指定書を必ず確認します。

社員の紹介で採用できたら、謝礼を払ってもよいですか?

社員に払う場合は、賃金として払う形にします。職業安定法40条は、募集に従事する社員へ賃金・給料などとして払う場合を除き、報酬を与えることを禁じています。社外の人に報酬を払って募集させるには、36条の許可が必要です。

海外に住む人も、紹介会社を通さずに採用できますか?

国によって違います。フィリピンは送出機関を介さない直接の雇用契約は認められないとされ、ベトナム・ミャンマー・カンボジアも認定送出機関を通じる手続きが求められます。一方、インドネシアやネパールは、直接採用の方法が示されている国です。

直接採用でも、支援は登録支援機関に頼めますか?

頼めます。1号への支援は登録支援機関に全部を委託でき、紹介会社とは別に契約できます。分野によっては、協議会に協力する登録支援機関を選ぶ必要があるので、契約前に確かめてください。

自社の技能実習生を特定技能に切り替えるときの注意は?

申請の時期です。実習を終えた後は、変更の許可が出るまで働けないため、就労開始予定日の2か月以上前に申請します。農業では、施設園芸などの技能実習2号を良好に修了した人は、技能試験と日本語試験が免除されます。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. e-Gov法令検索「職業安定法」(第5条の4・第8条・第30条・第36条・第40条)(2026年10月確認)
  2. ハローワークインターネットサービス(求人者マイページ・事業所登録・求人申込み)(2026年10月確認)
  3. ハローワークインターネットサービス「求人広告掲載時のトラブルについて」(2026年10月確認)
  4. 東京労働局「外国人の雇用に関するQ&A」(令和8年6月1日現在)
  5. 東京労働局 東京外国人雇用サービスセンター「合同就職面接会・特定技能マッチングイベント」(2026年11月17日開催分)
  6. 厚生労働省「通訳がいるハローワークのご紹介」(2026年8月)
  7. 厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」(2022年10月1日施行)
  8. 厚生労働省「人材サービス総合サイト」(随時)
  9. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末・暫定値)
  10. 出入国在留管理庁「技能実習生が「特定技能」に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)
  11. 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月確認)
  12. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(令和7年4月1日一部改正)
  13. 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2026年3月23日様式改訂)
  14. 出入国在留管理庁「外国人の適正な雇用における注意点」(2026年10月確認)
  15. 出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」(2026年10月14日閲覧)
  16. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」(2026年7月28日掲載)
  17. 農林水産省「在留資格「特定技能」について(農業分野)」(2026年10月14日確認)
  18. 農林水産省掲載「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(農業分野)」(令和7年6月6日一部改正)
  19. 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
  20. 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)
  21. 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
  22. 厚生労働省「「外国人雇用状況の届出」について」(2026年10月確認)

最終更新:(2026年10月版)

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