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https://tokutei-noriai.blog/tokutei-ginou-ginjinkoku-chigai/ 印刷日:2026年10月15日

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特定技能と技術・人文知識・国際業務の違い|在留資格の選び方

現場の仕事は特定技能、学んだ専門知識を使う仕事は技人国。迷ったら、資格の名前ではなく任せる仕事から決める

外国人を雇おうとして、「特定技能と技人国(技術・人文知識・国際業務)、うちはどっちなのか」で止まってしまう経営者は少なくありません。2つの違いは、学歴や試験より先に「どんな仕事を任せるか」にあります。仕事内容と在留資格が合っていないと、申請が不許可になるだけでなく、働き始めた後に問題になることもあります。この記事では、仕事内容から在留資格を選ぶ判定表を中心に、特定技能と技人国の違いを比較表で示します。特定活動(46号など)との違い、就労できる在留資格の種類、事務職を雇う場合の考え方も、出入国在留管理庁の資料にもとづいて整理しました。

この記事の結論
  • 違いの核心は任せる仕事:特定技能は人手不足の19分野で現場の仕事も担う在留資格、技人国は大学などで学んだ知識を使う専門的な仕事の在留資格です。技人国では、反復訓練で身につく作業が中心の仕事は認められません。
  • 条件も大きく違う:特定技能1号は分野の技能試験と日本語試験(または技能実習2号の良好な修了)が必要で、会社に10項目の支援の義務があります。技人国は関連する学歴か実務経験(原則10年、国際業務は3年)が必要で、支援の義務はありません。
  • 期間と家族:特定技能1号は通算5年までで家族の帯同は不可。技人国は在留期間が5年・3年・1年・3月で更新の上限がなく、配偶者と子は「家族滞在」で呼べます。
  • 事務職なら技人国が基本:総務・経理・営業事務などは特定技能の業務区分に入りません。日本の大学を卒業し日本語能力試験N1などを持つ人なら、特定活動(46号)という選択肢もあります。

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この記事の目次

特定技能と技人国の違いの結論:現場の仕事か、専門知識の仕事か

特定技能と技人国の違いは、ひとことで言えば「任せる仕事の種類」です。特定技能は人手不足の19分野で、現場の仕事も含めて担ってもらう在留資格。技人国は、大学などで学んだ知識や技術を使う専門的な仕事のための在留資格です。

在留資格は、人の経歴だけでなく、会社が任せる仕事との組み合わせで決まります。同じ人でも、任せる仕事が変われば合う在留資格が変わることがあります。

図1特定技能と技人国を一目で比べる

特定技能(1号)

  1. 人手不足の19分野の業務(介護、製造、建設、外食など)
  2. 分野の技能試験と日本語試験に合格(技能実習2号の良好な修了でも可)
  3. 通算5年まで。1回の許可は3年以内
  4. 会社に10項目の支援の義務

分野ごとに受入れ見込数(上限)があり、協議会への加入も必要です。

技術・人文知識・国際業務(技人国)

  1. 専門知識を使う仕事(技術者、通訳、デザイナー、マーケティングなど)
  2. 関連する学歴、または実務経験(原則10年、国際業務は3年)
  3. 在留期間は5年・3年・1年・3月。更新の上限なし
  4. 支援の義務はなし

反復訓練で身につく作業が中心の仕事は認められません。人数の上限はありません。

どちらも、報酬は日本人が同じ仕事をする場合と同等以上が条件です。出典:出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」(2026年10月確認)、同ガイドライン(令和8年4月改定)、同「特定技能制度」(2026年10月)

「技人国」とは

技人国は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の略称です。理学・工学などの技術や、法律学・経済学・社会学などの知識を使う仕事と、外国の文化にもとづく思考や感受性を使う仕事(通訳や語学指導など)が対象です。出入国在留管理庁は該当例として、機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務の従事者を挙げています。

人数で見ると

厚生労働省の外国人雇用状況(2025年10月末)では、専門的・技術的分野の在留資格で働く人は865,588人で、そのうち特定技能が286,225人でした。全体の数字は外国人労働者数の最新データで確かめられます。

比較表:特定技能と技術・人文知識・国際業務の違い

採用の判断で効いてくる違いを、10の項目で並べました。特定技能は1号を中心に、2号との違いも書き添えています。

特定技能と技術・人文知識・国際業務の比較(2026年10月時点)
項目特定技能技術・人文知識・国際業務
任せられる仕事19分野の業務区分の仕事。現場の作業を含む学術的な素養を背景とする専門的な仕事
本人の条件1号は技能試験と日本語試験(日本語能力試験N4以上など)。技能実習2号の良好な修了で免除関連科目を学んだ大学卒業など、または実務経験(原則10年、国際業務は3年)
在留期間1号は3年を超えない範囲で通算5年まで。2号は3年・2年・1年・6月で上限なし5年・3年・1年・3月。更新の上限なし
家族の帯同1号は不可。2号は可可(配偶者と子は「家族滞在」)
会社の支援の義務1号は義務的支援10項目(登録支援機関に委託可)なし
人数の上限分野ごとの受入れ見込数。介護など事業所単位の枠がある分野もなし
入管への届出受入れ機関として定期届出(年1回)と随時届出特定技能のような受入れ機関の定期届出はない
転職同じ業務区分内などで可。会社が変われば在留資格の変更許可が必要技人国に当たる仕事の範囲で可
分野ごとの手続き協議会への加入(申請の前)などなし
報酬日本人と同等以上日本人と同等額以上

賃金の水準にも差がある

令和7年の賃金構造基本統計調査(一般労働者)では、在留資格「特定技能」の賃金は221.4千円、特定技能を除く専門的・技術的分野は313.2千円でした。後者には技人国などが含まれます。仕事の内容と求める経歴が違う以上、給与の水準も違ってくると考えておきましょう。

1号と2号の違いも押さえる

特定技能2号に移ると、更新の上限がなくなり、要件を満たせば家族も呼べます。長く働いてもらう点では、技人国に近い形になります。詳しくは特定技能1号と2号の違いで比べています。

技人国と特定技能、どっちを選ぶか:仕事内容から選ぶ判定表

迷ったときは、在留資格の名前からではなく「任せる仕事」から考えます。下の表で、自社の仕事に近い行を探してください。1つの職場に複数の仕事がある場合は、主に担当する仕事で判断します。

図2仕事内容から在留資格を選ぶ判定表

任せる仕事と、合う在留資格(2026年10月時点)
任せる仕事合う在留資格確かめること
介護施設での入浴・食事・排せつの介助特定技能(介護)、在留資格「介護」介護の試験の合格、または介護福祉士の資格。事業所が対象施設か
工場のライン、建設現場、農作業、飲食店の調理・接客など特定技能(各分野)19分野の業務区分に入るか。分野の上限と、受け入れの停止がないか
総務・経理・人事・営業事務・企画技人国(人文知識)関連科目を学んだ学歴か、10年の実務経験。単純な作業が中心でないか
機械・電気・ITなどの技術職技人国(技術)理工系などの関連する学歴、または10年の実務経験
通訳・翻訳・語学指導・海外取引技人国(国際業務)3年以上の実務経験(大学卒業者の翻訳・通訳・語学指導は不要)。言語能力
日本語での調整が中心の接客や現場の取りまとめ特定活動(46号)日本の大学等の卒業と、日本語能力試験N1などの日本語力。常勤であること
海外の本社・関連会社からの転勤者の仕事企業内転勤海外の事業所からの転勤であること
外国料理の調理師、スポーツの指導者など技能熟練した技能があること
仕事の種類を問わない永住者・日本人の配偶者等など在留カードで身分に基づく在留資格かを確認
短時間のアルバイト資格外活動(留学生など)1週28時間以内等の範囲か
在留資格の例と制限は、出入国在留管理庁と厚生労働省の公表資料によります。最終的に許可されるかは個別の審査で決まります。出典:厚生労働省「日本で就労する外国人のカテゴリー」(2025年10月末)、出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」ガイドライン(令和8年4月改定)、同「特定活動(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン」(令和8年4月改定)

判定の3つの問い

表で迷ったら、次の順に問いかけます。①その仕事は19分野の業務区分に入るか。入るなら特定技能が候補です。②大学などで学んだ知識を使い、作業の繰り返しが中心ではない仕事か。そうなら技人国が候補です。③本人がすでに永住者などの在留資格を持っていないか。持っていれば、仕事の種類を問わず雇えます。

介護の現場で技人国は使えるか

入浴・食事・排せつの介助などの介護の仕事は、技人国の該当例に当たりません。介護の仕事には、特定技能(介護)や、介護福祉士の資格を持つ人の在留資格「介護」があります。介護分野の特定技能は2号がないため、長く働くなら介護福祉士を取って在留資格「介護」に移る道があります。

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技人国で雇うときの条件と、不許可になりやすい例

技人国で雇うには、本人の学歴か実務経験と、任せる仕事の専門性の両方がそろう必要があります。出入国在留管理庁のガイドラインは、仕事に「学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力」が必要だとし、反復訓練で従事できる業務は該当しないとしています。

学歴と実務経験の条件

技術・人文知識の仕事では、従事する仕事に関連する科目を専攻して大学を卒業しているか(同等以上の教育を含む)、日本の専修学校の専門課程を修了していることが基本です。学歴がなければ、10年以上の実務経験が必要です。国際業務では、関連する仕事の3年以上の実務経験が必要ですが、大学を卒業した人が翻訳・通訳・語学の指導をする場合は不要です。専攻と仕事の関連性は、大学なら柔軟に、専修学校なら相当程度の関連性が求められます。

通訳など言語を使う仕事の言語能力

翻訳・通訳など言語能力を使う対人業務では、その言語でCEFR B2相当の能力があることが前提とされています。日本語なら、日本語能力試験N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上などで示します。日本語以外なら、母国語や公用語であるか、試験でB2以上を証明します。

入社後の研修で現場の作業をさせる場合

日本人の社員も同じように受ける研修の一環なら、現場の作業が認められることがあります。ただし、在留期間の大半を研修が占める場合は認められず、採用から1年を超えて研修に従事する申請には研修計画の提出が求められます。外国人社員だけの研修は、相当性が認められにくくなります。

ガイドラインに載っている不許可の例

  • ホテルで、採用後の最初の2年間、レストランの配膳や客室清掃を中心とする研修を予定していた
  • 研修として配膳や清掃をした後も、技人国に当たらない仕事が続いていた
  • 工場で、弁当の箱詰め作業に従事させる予定だった
  • 駐車誘導や、レストランでの配膳・片付けが主な仕事だった

特定技能で雇うときの条件:試験・分野・支援

特定技能1号で雇うには、本人が分野の技能試験と日本語の試験に合格しているか、関連する技能実習2号を良好に修了している必要があります。日本語は、国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験N4以上で、介護は介護日本語評価試験も必要です。

会社に求められること

受入れ企業は、雇用契約の基準を守り、1号の外国人に10項目の義務的支援を行います。支援は登録支援機関に全部委託できますが、費用を本人に負担させてはいけません。在留資格の申請の前には、分野ごとの協議会への加入が必要です。受け入れた後は、年1回の定期届出と、事由が生じてから14日以内の随時届出があります。

分野の上限と人数の枠

特定技能には分野ごとに受入れ見込数(上限)があり、2026年7月末時点で1号全体の53.6%が埋まっています。外食業は98.6%に達し、2026年4月13日から海外からの認定証明書の交付が一時停止されています。介護では、1号の人数が事業所の日本人等の常勤介護職員の総数を超えてはいけません。建設は受入計画の認定など、分野ごとの手続きもあります(建設の特定技能)。技能実習との違いは特定技能と技能実習の違いで整理しています。

特定技能の外国人に事務作業を頼めるか

日本人が通常行う関連業務に付随的に従事することはできますが、関連業務だけに従事させることは認められません。一方で、宿泊分野のフロントや企画・広報、外食業分野の店舗管理のように、分野の業務として定められた仕事なら特定技能で担えます。

特定活動と特定技能の違い:46号・移行準備・就労継続支援

特定活動は、法務大臣が一人ひとりに活動を指定する在留資格です。働けるかどうかは、指定された活動の内容で決まります。名前は似ていますが、特定技能とは別の在留資格です。

図3企業の採用に関わる主な「特定活動」

  • ① 本邦大学等卒業者(46号)日本の大学等を卒業し、日本語能力試験N1またはBJT480点以上の人。日本語での円滑な意思疎通が必要な仕事に、常勤で就けます。派遣は不可です。
  • ② 特定技能1号への移行準備在留期間内に1号への変更申請が難しい合理的な理由があるとき、予定の会社で同じ業務に就けます。在留期間は6月で、この期間は1号の通算5年に含まれます。
  • ③ 就労継続支援やむを得ない事情で働き続けられなくなり、特定技能を目指す人のうち、まだ試験に合格していない人が対象です。在留期間は1年で、一定の条件で2回まで更新できます。
  • ④ EPA候補者・ワーキングホリデーなどEPAの看護師・介護福祉士候補者や、ワーキングホリデーも特定活動です。働ける範囲は指定の内容で決まります。
在留カードの「特定活動」だけでは仕事の範囲が分からないため、指定書を必ず確認します。出典:出入国在留管理庁「特定活動(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン」(令和8年4月改定)、同「特定技能関係の特定活動」、同「特定活動(就労継続支援)」、厚生労働省「日本で就労する外国人のカテゴリー」(2025年10月末)

46号で認められる仕事の例

46号のガイドラインは、認められる仕事の例をいくつも挙げています。飲食店での店舗管理や通訳を兼ねた接客、工場で外国語の指示を伝えながらラインで働く仕事、介護施設で日本語を使って他の職員を指導しながら介護をする仕事などです。皿洗いや清掃だけ、ラインの指示に従うだけといった仕事は認められません。在留期間は5年・3年・1年・6月・3月で、会社を変えるときは在留資格の変更許可が必要です。

移行準備の特定活動の注意点

移行準備の特定活動は、2024年1月9日以降の申請で在留期間が6月になり、更新はやむを得ない事情がある場合に1回限りです。報酬は特定技能での予定額と同じにし、在留中に受入れ機関を変えることは原則できません。国内にいる人を特定技能に切り替える手順は在留資格変更許可申請の手順で解説しています。

外国人の就労ビザの種類:働ける在留資格の全体像

「就労ビザ」は通称で、正式には就労できる在留資格を指します。ビザ(査証)は在外公館が出す入国のための書類で、日本で働く根拠になるのは在留資格です。在留資格は全部で29種類あり、働ける範囲によって大きく4つに分けて考えると整理しやすくなります。

図4働ける範囲で分けた在留資格の4つのグループ

  • 1決められた仕事で働ける

    技術・人文知識・国際業務、特定技能、技能、介護、企業内転勤、経営・管理、高度専門職など。在留資格ごとに認められた仕事に限られます。

  • 2仕事の制限がない

    永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者。どの業種・職種でも働けます。

  • 3指定の内容しだい

    特定活動。46号やEPA候補者、ワーキングホリデーなど、指定書に書かれた範囲で働けます。

  • 4許可を受けて短時間だけ

    留学・家族滞在など。資格外活動の許可を受け、1週28時間以内等の範囲で働けます。

技能実習も就労できる在留資格で、2027年4月1日からは育成就労制度が始まります。出典:出入国在留管理庁「在留資格一覧表」(2026年10月確認)、厚生労働省「日本で就労する外国人のカテゴリー」(2025年10月末)

どの在留資格で働く人が多いか

2025年10月末の外国人雇用状況では、専門的・技術的分野の在留資格で働く人が865,588人で最も多くなっています。続いて身分に基づく在留資格645,590人、技能実習499,394人、資格外活動449,324人、特定活動111,074人です。日本政策金融公庫の調査(2025年2月公表)では、外国人正社員の在留資格は、身分に基づく在留資格42.1%、技人国41.5%、特定技能1号29.1%の順でした(複数回答)。在留者数の推移は特定技能の最新統計で確認できます。

在留手続の手数料

2026年10月1日から、在留資格の変更・更新の手数料は、許可される在留期間に応じた額になりました。窓口では10,000円から75,000円までの7区分で、オンライン申請は別の額です。海外から呼ぶときの在留資格認定証明書の交付申請は無料です。

在留資格選びでよくある誤解と、採用前のチェックリスト

在留資格の選び違いは、不許可だけでなく、働き始めてからの資格外活動につながるおそれがあります。よくある誤解を確かめてから、採用前のチェックリストで確認しましょう。

  • 大学を出ている人なら、技人国でどんな仕事も任せられる技人国は、学んだ知識を使う専門的な仕事が対象です。配膳や清掃、箱詰めが中心の仕事は、学歴があっても認められません。
  • 特定技能より技人国のほうが格上で、手続きも楽対象の仕事が違うだけで、上下はありません。現場の仕事なら特定技能が正しい選択です。
  • 特定活動なら何でもできる特定活動は、指定された活動の範囲でしか働けません。指定書の確認が欠かせません。
  • 技人国で採用して、人手が足りない日は現場に入ってもらえばよい技人国に当たらない仕事を続けさせると、本人の在留に影響し、会社も責任を問われかねません。

採用前のチェックリスト

  • 任せる仕事の内容を、1日の時間の配分まで書き出した
  • その仕事が、特定技能の業務区分か、技人国の専門的な仕事かを判定表で確かめた
  • 本人の在留カードの在留資格と、特定活動なら指定書の内容を確認した
  • 技人国なら、学歴(専攻)や実務経験と仕事の関連を説明できる
  • 特定技能なら、試験の合格、協議会への加入、支援の体制を準備した
  • 給与が、同じ仕事をする日本人と同等以上になっている

在留資格によって、相談する先も変わります。人材紹介会社と登録支援機関の役割の違いは人材紹介会社と登録支援機関の違い、特定技能の先行きは特定技能の今後で解説しています。

想定ケース:グループホーム(従業員15人)の専務取締役が、技人国ではなく特定技能を選んだ理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 介護分野の特定技能1号を2人採用し、日中の介助の人員を1人増やせた
  • 技人国での「介護兼事務」の採用案を見送り、不許可のおそれのある申請を避けられた
  • 社内用の判定表を作り、次の採用から在留資格の検討にかかる時間が約2週間から2日に縮んだ

――特定技能で採用して、何が変わりましたか。

認知症対応のグループホームで、入居者は9人です。介護の試験と日本語の試験に合格した1号の人を2人迎えて、日中の介助に1人多く入れるようになりました。採用の前に社内の判定表を作ったので、次に誰かを雇うときも、在留資格で迷う時間はほとんどなくなりました。

――最初は技人国での採用を考えていたそうですね。

ある紹介会社から、海外の大学を出た人を「介護と事務の兼務」で技人国で雇う案をもらったんです。学歴があるなら手続きも楽だろう、と正直思いました。介護記録の入力や請求の事務も人手が足りなかったので、両方できるならありがたいと。

――なぜ見送ったのですか。

出入国在留管理庁のガイドラインを読んだら、反復訓練でできる仕事は技人国に当たらないと書いてありました。うちで実際に任せたいのは、ほとんどが入浴や食事の介助です。事務はせいぜい1日1時間。これでは仕事の中心が介護で、技人国の説明はつきません。登録支援機関にも相談すると、担当者は「その仕事内容なら技人国は勧められません。特定技能の介護で考えましょう」とはっきり言いました。都合のいい話をしないところに、信頼が置けました。

――特定技能で、手間取ったことはありますか。

うちの事業所が受け入れの対象施設に入るかを、厚生労働省の一覧で確かめるところから始めました。協議会への加入も申請の前に必要です。1号の人数は、日本人などの常勤の介護職員の数を超えられません。小さな事業所なので、この枠も最初に確認しました。

――事務の人手はどうしましたか。

記録の入力は、介護の合間に職員全員で分担する形に見直しました。将来、事務の仕事がまとまった量になれば、そのときは技人国で専門の人を探すつもりです。仕事から在留資格を決める、という順番が身についたのがいちばんの収穫でした。

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よくある質問

事務職で外国人を雇うならどの在留資格?

総務・経理・人事・営業事務などの事務職なら、技人国(技術・人文知識・国際業務)が基本です。仕事に関連する科目を学んだ大学卒業などの学歴か、10年以上の実務経験が必要で、単純な作業が中心の仕事は認められません。永住者などの身分に基づく在留資格の人なら、仕事の種類を問わず雇えます。日本の大学を卒業し日本語能力試験N1などを持つ人なら、特定活動(46号)も選択肢です。

特定技能と技人国、どちらが採用しやすいですか?

任せる仕事で決まるため、一概には言えません。現場の仕事なら特定技能しか選べず、試験の合格が必要です。専門的な仕事なら技人国で、試験はありませんが関連する学歴か実務経験が求められます。特定技能には分野ごとの上限や支援の義務がある点も、計画に入れておきます。

技人国の社員に、忙しいときだけ現場の作業を手伝ってもらえますか?

技人国に当たらない仕事が中心になることは認められません。入社直後の研修として、日本人の社員と同じように現場の作業をすることは認められる場合がありますが、在留期間の大半を研修が占めるような場合は不可です。採用から1年を超えて研修に就く申請では、研修計画の提出が求められます。

特定技能から技人国に変更できますか?

本人が学歴や実務経験の要件を満たし、新しく任せる仕事が技人国に当たれば、在留資格の変更許可を申請できます。許可されるかは審査で判断されます。仕事が変わらないまま在留資格だけを変えることはできません。

技人国の外国人は、家族を呼べますか?

呼べます。技人国で在留する人の扶養を受ける配偶者と子は、在留資格「家族滞在」の対象です。特定技能は2号なら家族滞在の対象ですが、1号は対象になりません。

特定活動の46号とは何ですか?

日本の大学などを卒業し、日本語能力試験N1またはBJT480点以上の日本語力がある人が、日本語での円滑な意思疎通を要する仕事に常勤で就くための特定活動です。現場の仕事を含む幅広い職場で働けますが、皿洗いや清掃だけといった仕事は認められず、派遣も不可です。

特定技能の外国人に、事務作業を任せてもよいですか?

日本人が通常行う関連業務に付随して従事することはできますが、事務などの関連業務だけに従事させることは認められません。宿泊分野のフロントや企画・広報、外食業分野の店舗管理のように、分野の業務として定められた仕事は担当できます。

在留資格の変更や更新の手数料はいくらですか?

2026年10月1日から、許可される在留期間に応じた額になりました。窓口では10,000円から75,000円までの7区分で、たとえば1年なら33,000円です。オンライン申請は別の額で、在留資格認定証明書の交付申請は無料です。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」(2026年10月確認)
  2. 出入国在留管理庁「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」(2026年4月15日一部改正)
  3. 出入国在留管理庁「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について(ガイドライン本文・別紙)」(令和8年4月改定)
  4. 出入国在留管理庁「在留資格「特定活動」(本邦大学等卒業者及びその配偶者等)」(2026年10月確認)
  5. 出入国在留管理庁「「特定活動」(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン」(令和8年4月改定)
  6. 出入国在留管理庁「在留資格「家族滞在」」(2026年10月確認)
  7. 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」(2026年10月確認)
  8. 厚生労働省「日本で就労する外国人のカテゴリー」(2025年10月末)
  9. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  10. 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
  11. 出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)」(2024年1月9日改正分を反映)
  12. 出入国在留管理庁「やむを得ない事情により活動継続が困難な場合(「特定活動」(就労継続支援))」(2026年10月確認)
  13. 出入国在留管理庁「「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正について」(2025年9月30日)
  14. 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年10月確認)
  15. 厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」(2026年1月30日公表)
  16. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況(在留資格区分別)」(令和7年調査)
  17. 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(2026年10月確認)

最終更新:(2026年10月版)

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