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地域密着型と全国型の登録支援機関の違い|距離と対応力で選ぶ
近いか遠いかより「誰が何分で来られるか」。4つの場面で比べ、全国型を選ぶときの確認点も示す
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
登録支援機関を、地域密着の会社にするか全国対応の会社にするかで迷う企業は少なくありません。差が出るのは会社の規模より、定期面談・緊急時の駆けつけ・役所への同行・空港送迎の4つの場面で「誰が何分で来られるか」です。この記事では、面談や相談対応について制度が求めるルールを確かめたうえで、距離による負担の計算例、近くの機関の探し方、全国型を選ぶときの確認点を、2026年10月時点の公表資料で整理します。遠方の会社に頼むときの、緊急時の分担の決め方も示します。
- 違いは「現地に来る回数と時間」:距離が効くのは定期面談・緊急時・役所への同行・空港送迎の4場面です。全国型でも、近くに事務所と常勤の担当者がいれば差は小さくなります。
- オンライン面談には条件がある:定期面談は3か月に1回以上。本人の同意などがあればオンラインでもできますが、運用要領は1年に1回以上の対面を望ましいとしています。
- 全国型は「誰が来るか」を確かめる:2027年4月からは、支援業務に従事できるのが常勤の支援責任者・支援担当者に限られます。「現地の提携先が訪問します」という説明には、その人の立場を聞きましょう。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
この記事の目次
地域密着型と全国型の登録支援機関の違い:決め手は「誰が何分で来られるか」
地域密着型と全国型の差は、会社の大きさではなく「御社の事業所まで、誰が何分で来られるか」で決まります。全国型でも近くに事務所と常勤の担当者がいれば、地域密着型と変わらない動き方ができます。
逆に、地元の会社でも担当者が1人で遠くまで回っていれば、駆けつけは遅れます。看板ではなく、担当者と移動時間を見て比べましょう。
「地域密着型」「全国型」は制度上の区分ではない
登録支援機関の登録に、地域密着型・全国型という区分はありません。法律上、登録簿には名称や住所とともに「支援業務を行う事務所の所在地」が登録されます。本社がどこにあるかより、自社を担当する事務所がどこにあるかを見るのが出発点です。
図1地域密着型と全国型の登録支援機関の一般的な違い
地域密着型(事業所の近くに拠点)
- 担当者が短い時間で来られる
- 地元の役所・病院・不動産会社に慣れている
- 対面の面談や同行を増やしやすい
- 担当者が少なく、休んだときの代わりが課題になりやすい
1年目の同行が多い、初めての受け入れに向きやすい形です。
全国型(複数の地域に事務所)
- 担当者や対応できる言語の層が厚いことが多い
- 拠点が複数の県にある会社でも窓口を1つにできる
- 海外からの受け入れ手続きの経験を積みやすい
- 自社の近くに事務所がないと、訪問が少なくなりやすい
近くの事務所の有無と、そこに常勤の担当者がいるかで評価が変わります。
距離が効くのは4つの場面
電話やメールの相談は、距離にほとんど左右されません。差が出るのは、人がその場に行く必要がある場面です。定期面談、緊急時の駆けつけ、役所などへの同行、空港への送迎の4つがそれに当たります。次の章で、それぞれに制度が何を求めているかを見ていきます。
距離が効く4つの場面:制度が求めることと確認する質問
4つの場面には、運用要領やQ&Aで決まりや目安が示されています。ルールを知っておくと、「遠くても大丈夫です」という説明が本当に大丈夫かを判断できます。
| 場面 | 制度が求めること | 距離の影響 | 確認する質問 |
|---|---|---|---|
| 定期面談 | 3か月に1回以上、外国人本人と、監督する立場の人の両方と面談する。同意などの条件を満たせばオンラインも可。1年に1回以上は対面が望ましい | 対面の回数だけ移動が発生する | 対面は年に何回で、誰が来ますか |
| 相談・緊急時 | 勤務日に週3日以上、休日に1日以上対応し、夜間など就業時間外にも対応する。緊急時の連絡先を設け、いつでも連絡を受けられる体制が望ましい | 電話は距離に関係ないが、病院や警察などへの同行には移動が要る | 夜間・休日の連絡先と、駆けつけるまでの目安時間は |
| 公的手続等への同行 | 必要に応じて役所の窓口などに同行し、書類の作成を補助する。国民健康保険・国民年金は本人の手続きのため同行が望ましい | 平日の日中に、役所や銀行に出向く | 入社直後の同行は何回で、誰が来ますか |
| 出入国時の送迎 | 入国時は空港などと事業所・住居の間を送迎。出国時は保安検査場の前まで同行する | 空港までの距離と時間 | 利用する空港と、交通費の扱いは |
出典は、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)と「特定技能制度に関するQ&A」です。
「必要に応じて」の同行が、地方では増えやすい
同行は「必要に応じて」とされています。ただ、入社直後は住民登録、健康保険、年金、銀行口座、携帯電話の契約と、窓口に出向く用事が重なります。役所の窓口が多言語に対応していない地域では、同行の必要が高くなりがちです。
送迎の交通費は会社の負担
空港送迎の交通費は受入れ機関が負担します。遠方の空港を使うと送迎の負担が大きくなるため、Q&Aでは、送迎できる空港を事前に案内して決めておくことが考えられるとしています。担当事務所が遠いと、担当者の移動費も請求に上乗せされることがあります。見積もりの段階で、交通費と出張費の扱いを確かめましょう。
登録支援機関の訪問と距離の関係:1年目に現地へ行く回数を数える
距離の差がいちばん出るのは、入社から1年目です。2年目以降は定期面談が中心になり、訪問の回数は落ち着きます。
図21年目に支援の担当者が現地へ行く主な場面
- 入国時の送迎空港などから事業所や住居まで。日本に住む人を採用する場合は、入国時の送迎は義務的支援の対象外です。
- 住居・生活に必要な契約と、役所への同行住民登録、健康保険・年金、銀行口座、携帯電話など。入社から数週間に集中します。
- 生活オリエンテーション運用要領では、少なくとも8時間以上行うことが必要と考えられるとされています。
- 定期面談(3か月に1回以上)年4回以上。オンラインも使えますが、1年に1回以上は対面が望ましいとされています。
- 相談・緊急時の対応回数は読めません。病院や警察などへの同行が必要になることがあります。
移動時間の計算例
現地へ行く回数を仮に年8回として計算してみます(送迎1回、役所などへの同行2回、生活オリエンテーション1回、対面の定期面談4回)。
図31年目の移動時間の計算例(編集部の試算)
1年間の移動時間=片道の時間担当事務所から事業所まで×2往復×現地へ行く回数例:年8回
片道2時間30分の担当者にとって、1回の訪問はほぼ半日仕事です。夕方の相談に「今日中に行きます」とは言いにくくなります。片道の時間ごとに並べると、差は次のとおりです。
| 担当事務所から片道 | 年5回(面談の多くをオンライン) | 年8回(面談も対面) |
|---|---|---|
| 30分 | 5時間 | 8時間 |
| 1時間 | 10時間 | 16時間 |
| 2時間 | 20時間 | 32時間 |
| 3時間 | 30時間 | 48時間 |
年5回は、送迎・同行・生活オリエンテーションに年1回の対面面談を加えた想定です。移動に年30時間以上かかる距離なら、訪問の回数や交通費の扱いを、契約前に具体的な数字で確かめておきましょう。
オンライン面談で減らせるもの、減らせないもの
2025年4月から、定期面談は本人の同意などの条件を満たせばオンラインでも行えます。録画して保存することなども条件で、本人が対面を望めば対面で行います。運用要領は、オンラインを使う場合も1年に1回以上は対面で面談することを望ましいとしています。
一方、役所への同行や空港送迎は、性質上オンラインに置き換えられません。オンラインで減らせるのは主に面談の移動で、生活の立ち上げに伴う訪問は残ります。
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緊急時の駆けつけ:相談のルールと「最初の1時間」の分担
緊急時の電話は、遠くの会社でも受けられます。問題は、病院や警察、住居のトラブルの現場に誰が行くかです。最初に駆けつけるのは多くの場合、近くにいる受け入れ企業の社員になります。
だからこそ、委託先とは「誰が受けて、誰が行き、誰が訳すか」を先に決めておきます。距離が遠い委託先ほど、この分担表が支えになります。
相談対応に求められる日数と時間帯
運用要領は、相談・苦情への対応について、外国人の勤務形態に合わせて1週間あたり勤務日に3日以上、休日に1日以上対応することを求めています。夜間など、相談しやすい就業時間外の対応も必要です。事故などの緊急時の連絡先を設け、基本的にいつでも連絡を受けられる体制も望ましいとされています。
図4緊急時の役割分担の決め方(例)
- ① 最初の連絡を受ける夜間・休日は誰の電話に入るか。外国人本人の携帯に、委託先と自社の両方の連絡先を登録しておく。
- ② 現場に行く病院・警察・住居へは、近い人が行く。委託先が遠い場合は、自社の誰が行くかを決めておく。
- ③ 通訳する現場に着いた人と委託先をビデオ通話でつなぎ、本人が分かる言語で説明する。
- ④ 手続きと記録労災や保険の手続き、届出の要否の確認、出来事の記録は委託先と自社で分担する。
距離が問われやすい緊急時の場面
現場に人が要るかどうかで、距離の効き方は変わります。よくある場面を3つに分けておきます。
- けがや急病:病院で医師の説明を本人に伝える人が要ります。現場に行くのは近い人、説明はビデオ通話の通訳でも補えます。
- 交通事故や警察からの連絡:本人の不安が大きく、状況の聞き取りに時間がかかります。本人が分かる言語で話せる人を早くつなぐことが先です。
- 住まいのトラブル:近所からの苦情や設備の故障は、翌日以降の訪問で間に合うことも多い場面です。ただし放置すると、本人の孤立につながります。
契約前に決めておく3つのこと
- 夜間・休日の連絡先(電話番号と、出られないときの折り返しの目安)
- 担当者が現場に着くまでの目安時間と、来られないときの代わりの人
- 自社側の窓口(誰が最初に駆けつけ、誰が委託先に連絡するか)
近くの登録支援機関を探す方法:登録簿の「事務所の所在地」で絞る
近くの登録支援機関は、出入国在留管理庁の登録簿で探せます。絞り込みに使うのは本社の住所ではなく、「支援業務を行う事務所の所在地」です。
登録簿はExcelで公開され、2026年10月8日時点で11,660件が載っています。登録の後に抹消された機関は載っていません。
- 登録簿をダウンロードする
出入国在留管理庁の「登録支援機関登録簿」のページからExcelを開きます。英語版もあります。
- 事務所の所在地で絞り込む
自社の事業所と同じ都道府県、隣の市町村まで広げて候補を拾います。本社の住所だけで判断しないようにします。
- 移動時間を地図で測る
候補の事務所から自社の事業所まで、車や電車で片道何分かを調べます。冬の道路事情など、季節の差も考えます。
- 支援の実績を問い合わせる
登録していても、実際に支援を受託しているとは限りません。2023年4月末の集計では、登録8,137機関のうち支援委託契約を持つのは約50%でした。
- 2〜3社に同じ質問をする
前の章までの質問(対面の回数、緊急時の連絡先、駆けつけの時間、交通費)を同じ形で送り、答えを並べて比べます。
登録簿以外の探し方
同じ地域で受け入れている同業者に、委託先と困った点を聞くのも有効です。分野の協議会や業界団体の集まりで情報を得られることもあります。比べる項目の全体は登録支援機関の選び方|比べる15項目と契約前の確認手順にまとめています。
地域の在留者数や窓口の情報は、地域別のガイドが参考になります。たとえば東海の特定技能ガイドでは、愛知・静岡・岐阜・三重の状況を整理しています。
全国対応の登録支援機関を選ぶときの確認点
全国対応の会社を選ぶなら、確かめることは3つです。自社の近くに事務所があるか、その事務所に常勤の支援担当者がいるか、そして実際に訪問するのは誰か、です。
2027年4月からの体制の基準と「誰が来るか」
2027年4月1日から、登録支援機関は支援業務を行う事務所ごとに、常勤の役員・職員から支援責任者と支援担当者を1人以上選ぶ必要があります。支援業務に従事できる人も、支援責任者等に限られます。「現地の提携先が訪問します」という説明を受けたら、その人が支援担当者に当たるのかを聞きましょう。
2025年4月からは、全部の委託を受けた支援を再委託すること(受けることも含む)が、登録を拒む事由に加わりました。通訳人を履行補助者として使うことは認められていますが、支援そのものを別の会社に任せる形は認められません。
全国対応の会社に聞くチェックリスト
- 当社を担当する事務所はどこで、事業所まで片道何分ですか
- その事務所の常勤の支援担当者は何人ですか
- 対面の面談・同行・送迎に来るのは誰ですか(社員か、社外の人か)
- 夜間・休日の緊急連絡は、どこの誰が受けますか
- 担当者の交通費・出張費は、月額に含まれますか、別に請求されますか
- オンライン面談の録画と保存は、誰がどのように行いますか
- 事業所が複数ある場合、拠点ごとに担当事務所は変わりますか
- 担当者が替わるとき、何日前に知らせてもらえますか
費用の内訳を比べるときは登録支援機関の支援費の内訳、相場は登録支援機関の月額委託費の相場が参考になります。登録支援機関は、契約の際に料金の額と内訳を示す必要があります。
全国型が力を発揮する場面
事業所が複数の県にある会社は、窓口を1つにまとめられる利点があります。海外から呼ぶ場合の手続きや、話者の少ない言語への対応も、担当者の層が厚い会社のほうが有利なことがあります。言語の体制の確かめ方は母国語で相談できる登録支援機関の選び方で詳しく扱っています。
地方の会社ほど距離が効く理由:転職による地域の移動
特定技能1号の転職では、住む都道府県が変わる移動が多く、大都市圏が人を集めています。地方の会社にとって、悩みに早く気づける距離で支援してもらうことは、定着のための備えの一つです。
図5数字で見る特定技能1号の地域分布と転職による移動
- 425,961人特定技能1号の在留者2026年6月末・速報値
- 44.3%上位10都道府県以外の37府県で在留188,795人(2026年6月末、計算)
- 22.4%転職を経験した人の割合2021〜2024年に資格を得た341,253人のうち
- 66.0%転職で都道府県をまたいで移った割合延べ転職者90,029人のうち59,387人
同じ資料では、東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・京都・兵庫の大都市圏がすべて転入超過でした。転出超過が大きかったのは、次の道県です。
図6転職に伴う転出超過が大きかった道県(人)
- 北海道2,337人
- 熊本県1,112人
- 鹿児島県976人
- 広島県709人
- 宮城県700人
- 愛媛県695人
- 沖縄県695人
距離だけで定着が決まるわけではない
このデータは、近い支援機関なら転職が減ることまでは示していません。給与や仕事の内容、住まいなど、理由はさまざまに重なります。ただ、面談の回数と質を落とさないこと、困りごとに早く気づくことは、会社が自分で手を打てる部分です。距離はその手の打ちやすさに関わります。
どちらを選ぶか:会社の状況別の判断表
迷ったら、「1年目にどれだけ現地の支援が要るか」で考えます。同行や対面が多くなる会社ほど、近さの価値が上がります。
| 会社の状況 | 向きやすい形 | 理由 | 必ず確かめること |
|---|---|---|---|
| 初めての受け入れ・1〜2人 | 近い会社(地域密着型か、近くに事務所のある全国型) | 1年目の同行と相談が多い | 片道の時間、同行の回数 |
| 事業所が複数の県にある | 各拠点の近くに事務所がある全国型 | 窓口を1つにまとめられる | 拠点ごとの担当事務所と常勤の担当者 |
| 海外から呼ぶ | 送出し国の手続きに慣れた会社 | 入国前の手続きと空港送迎がある | 利用する空港、送迎の交通費 |
| 話者の少ない言語の人を採用 | 言語の体制を優先して選ぶ | 距離より通訳の確保が課題 | 母語のスタッフは常勤か外注か |
| 都市部で、公共交通が便利 | どちらでもよい | 移動の差が小さい | 担当者1人あたりの担当数 |
いまの委託先が遠すぎるサイン
- 対面の面談が1年に1回もない
- 夜間・休日の連絡が、翌営業日まで返ってこない
- 入社直後の役所への同行を、距離を理由に断られた
- 訪問のたびに、契約にない交通費や出張費を請求される
2つ以上当てはまるなら、近くに事務所のある会社と比べてみる時期です。
小さな会社・1人目の受け入れの場合
1人だけの採用や小規模の会社は、委託先との距離が近いほど社長や事務担当の負担が減ります。進め方は特定技能を1人だけ採用したいと小規模事業者の特定技能で詳しく説明しています。
頼む先の役割も分けて考える
人材紹介と入社後の支援は、別の会社が担うこともあります。役割の違いは人材紹介会社と登録支援機関の違い、申請書類を誰に頼むかは行政書士・社労士・登録支援機関の違いで整理しています。今の委託先から近くの会社に移るときは、登録支援機関の変更手順で届出と引き継ぎの流れを確認できます。
特定技能のりあい窓口では、事業所の場所や人数を伺い、条件に合う登録支援機関を最大3社まで無料でご紹介しています。会社に順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。
想定ケース:東北の水産加工会社(従業員60人)の総務課長が、近くに事務所のある全国型を選んだ理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
- 担当者の移動が片道2時間30分から40分に短くなった
- 対面の定期面談が年1回から年4回に(本人の希望に合わせて)
- 夜間のけがの通院で、本人の言語の通訳につながるまでが「翌朝」から「電話から15分ほど」に
――委託先を見直して、何が変わりましたか。
担当の方が「近い人」になりました。前の委託先は県外の事務所から来ていて、片道2時間30分。いまは同じ全国型でも、隣の市の事務所に常勤の担当者がいて40分です。対面の面談も、希望する社員には3か月ごとにできています。冬の路面が悪い日でも、来てもらえる距離になりました。
――見直すきっかけは何でしたか。
冬の夜に、特定技能の社員が手をけがして病院に行ったことです。私が付き添いましたが、医師の説明を本人に訳せる人がいない。委託先に電話すると「明日の朝に連絡します」でした。通院のあと、本人から「夜はどこに電話すればいいのか」と聞かれて、答えに詰まりました。遠いのは分かっていましたが、正直、あの夜は心細かったですね。
――それまで、どんなことに困っていましたか。
定期面談は3か月ごとに来てもらう約束でしたが、移動に半日かかるので、実際は対面が年1回で、残りはオンラインでした。役所の手続きも、入社直後の1回以外は私が付き添っていました。総務は私を入れて2人なので、繁忙期は手が回らなかったのが本音です。
――地元の会社と全国型、どちらで迷いましたか。
最初は地元の小さな会社が第一候補でした。ただ、担当者が1人で、うちの社員の言語を話せる人は外部の通訳さんだけ。一方で全国型の会社は、隣の市の事務所に常勤の担当者が2人いて、ビデオ通話で母語のスタッフにつなげると言われました。月額は地元の会社のほうが少し安かったので、社長は最後まで地元の会社を推していました。
――決め手は何でしたか。
「夜間に最初に現場へ行けるのは御社の方です。私たちも40分ほどで向かいますが、着くまでの間はビデオ通話で通訳をつなぎます」と、できないことを先に言ってくれた点です。分担表を作ろうと言ったのも先方で、その日のうちに下書きまで送ってくれました。できることだけを並べる会社より、話が具体的でした。
――実際に運用してみて、つまずいた点は。
分担表を作っても、社員が委託先の番号を携帯に登録していなかったんです。いまは入社日に、委託先と私の番号を本人の携帯に入れてもらい、母語の説明を添えて渡しています。交通費が月額に含まれるかも、最初に確かめてよかった点です。契約書に「担当事務所からの交通費は月額に含む」と書いてもらいました。
――これから委託先を選ぶ会社に伝えたいことは。
地元か全国かより先に、担当する事務所の住所と担当者の名前を聞くことです。うちの場合、同じ全国型の会社でも、担当の事務所が変わるだけで駆けつけの時間がまるで違いました。地図で片道の時間を測るのは5分でできます。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
遠方の登録支援機関に頼んでも大丈夫?
条件がそろえば大丈夫です。定期面談・緊急時・役所への同行・空港送迎の4つの場面で、誰がどれくらいの時間で来られるかを確かめてください。来られない場面は、自社の誰が代わりに動くかを決め、契約書か別紙に書いておきます。
定期面談はオンラインだけで済ませられますか?
本人の同意などの条件を満たせばオンラインで行えます。ただし本人が対面を望めば対面で行い、運用要領は1年に1回以上の対面を望ましいとしています。3か月に1回以上という頻度は、オンラインでも変わりません。
登録支援機関の事務所までの距離に決まりはありますか?
距離そのものの上限は、確認できた公表資料(運用要領・Q&A)には定められていません。求められているのは、面談・相談・同行などを実際に行える体制です。遠い場合は、その体制をどう確保するかを具体的に聞いてください。
空港への送迎の交通費は誰が払いますか?
受入れ機関(会社)が負担します。義務的支援の費用を外国人本人に負担させることはできません。遠方の空港を使うと負担が増えるため、利用する空港を事前に決めておきましょう。
全国型の会社の「現地スタッフ」が訪問するのは問題ありませんか?
その人が委託先の支援担当者かどうかで変わります。2027年4月からは、支援業務に従事できる人が常勤の支援責任者・支援担当者に限られます。全部の委託を受けた支援の再委託も認められないため、訪問する人の立場を聞いておきましょう。
地域密着型の小さな会社だと、担当者が休んだときが心配です。
代わりに対応する人を、契約前に名前で確かめておけば備えられます。支援責任者が支援担当者を兼ねる1人体制もありうるため、休暇や病気のときの代わりと連絡方法を聞きましょう。代わりの人も支援担当者として選ばれているかがポイントです。
近くに登録支援機関が見つからないときはどうすればいいですか?
登録簿で隣の市町村や隣県まで範囲を広げ、移動時間で比べます。それでも遠い場合は、オンライン面談と年1回以上の対面を組み合わせ、緊急時は自社が最初に動く分担を決めておきます。入社直後の同行を何回してもらえるかは、とくに具体的に聞いておくと安心です。
事業所が複数の県にある場合、登録支援機関は1社にまとめるべきですか?
必ずしもまとめる必要はありません。1社にまとめると窓口と書類の形式がそろう一方、拠点によっては担当事務所が遠くなります。拠点ごとに担当事務所までの時間を出し、遠い拠点だけ別の会社に頼む方法も比べてみてください。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」(2026年10月8日)
- 出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における運用改善について」(2025年4月1日施行)
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末現在)第1表〜第3表(特定技能1号)」(2026年6月末・速報値)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(有識者会議資料)(2025年8月末・暫定値)
- 出入国在留管理庁 有識者会議資料(登録支援機関の委託状況)(2023年4月末)
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年10月確認)
最終更新:(2026年10月版)
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