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介護の特定技能と人員配置基準|算入できる時期と夜勤のルール
配置基準には就労初日から数えてよい。ただし「数える」と「1人で任せる」は別の判断
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
介護の特定技能の人を採用したら、人員配置基準にいつから数えてよいのか。夜勤には一人で入れるのか。シフトを組む管理者が最初に迷う点です。厚生労働省の通知は、介護分野の特定技能1号を就労と同時に職員等とみなしてよいとする一方、一定期間はチームでケアに当たる体制を求めています。この記事では、配置基準への算入と夜勤の考え方を施設の種類ごとに整理し、技能実習との違いと、夜勤に入れるまでの段取りを示します。ルールは2026年10月時点の公的資料にもとづきます。
- 配置基準には就労と同時に算入してよい:厚生労働省の通知は、介護分野の1号を就労と同時に職員等とみなしてよいとしています。訪問系サービスでも同じ扱いです。
- ただし一定期間はチームでケア:同じ通知が、経験のある職員とチームでケアに当たるなど、順応を支え安全を確保する体制を求めています。期間の数字は示されていません。
- 夜勤を制限する定めは特定技能にはない:技能実習のような「実習生以外の職員の同時配置」の定めは、特定技能の告示・通知・要領別冊にありません。一人夜勤の時期は事業所が根拠を残して決めます。
- 人数の上限は事業所ごと:1号は日本人等の常勤介護職員の総数までです。技能実習生・EPA候補者・留学生は「日本人等」に入りません。
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この記事の目次
結論:特定技能の介護職員は人員配置基準に初日から数えてよい。ただし最初はチームで
介護分野の特定技能1号は、人員配置基準に就労と同時に数えてかまいません。厚生労働省の通知がそう定めています。ただし同じ通知は、一定期間、経験のある職員とチームでケアに当たる体制も求めています。「配置に数える」ことと「1人で任せる」ことは、分けて判断します。
介護分野の1号特定技能外国人については、法令に基づく職員等の配置基準において、就労と同時に職員等とみなす取扱いとしても差し支えないものであること。ただし、一定期間、他の一定の経験のある職員とチームでケアに当たる等、受入施設における順応をサポートし、ケアの安全性を確保するための体制をとることを求めることとする。
厚生労働省 通知(平成31年3月29日 社援発0329第18号ほか、2025年4月21日一部改正)第二の1
図1特定技能の介護職員をシフトに入れるときの3つのルール
- 算入:就労と同時に可介護報酬・障害福祉サービス等報酬の配置基準で、初日から職員として数えてよい。病院の看護補助者の配置基準でも員数に含めてよい。
- 体制:一定期間はチームで経験のある職員とチームでケアに当たるなど、順応を支え、安全を確保する体制をとる。期間の数字は通知にない。
- 夜勤:特定技能だけの制限はない告示・通知・要領別冊に夜勤を制限する定めはない。技能実習の「同時配置」のルールとは別物。
現場で混ざりやすい「技能実習のルール」
介護分野の特定技能1号は81,436人で、1年間に24,402人増えました(2026年7月末・速報値、出入国在留管理庁)。初めて受け入れる事業所では、配置とシフトの扱いが最初の関門になります。
「外国人は6か月たたないと配置に数えられない」「夜勤は一人ではだめ」。こうした話の多くは、技能実習のルールです。特定技能は扱いが違います。在留資格ごとの違いを知らないまま、特定技能の人を日勤だけに固定し、戦力化が遅れる例も起こり得ます。この記事では、両者の違いを公的資料の文言で確かめていきます。介護の特定技能の全体像は介護の特定技能|受け入れ要件・試験・費用にまとめています。
特定技能の介護職員の配置基準への算入:通知の中身と「一定期間」
算入のルールは、介護分野の基準についての厚生労働省の通知(第二)に書かれています。対象は介護報酬・障害福祉サービス等報酬の配置基準と、病院・診療所の看護補助者の配置基準の2つです。
介護・障害福祉の配置基準:就労と同時に職員等とみなせる
通知は、法令に基づく職員等の配置基準で、介護分野の1号を就労と同時に職員等とみなしてよいとしています。特定技能はフルタイムで働くことが求められているため(出入国在留管理庁Q&A)、多くの場合は常勤の職員として数えることになります。
病院の看護補助者として働く場合
介護分野の1号が、病院や診療所で看護師長・看護職員の指導のもと、療養生活上の世話などを行う場合があります。このとき、看護補助者の配置基準で員数に含めて算定してよいとされています。
「一定期間」は何か月か
通知には「一定期間」の具体的な月数は書かれていません。事業所が、本人の経験や日本語、施設の夜間の体制を見て決めます。決めた期間と体制の中身(誰と組むか、何を確認したら外すか)は、書面に残しておくと説明がしやすくなります。
図2配置基準への算入:特定技能と技能実習の違い
| 区分 | 施設・通所など | 訪問系サービス |
|---|---|---|
| 特定技能1号(介護) | 就労と同時に職員等とみなせる。一定期間はチームでケアに当たる体制が必要 | 訪問系以外と同様に、就労と同時に職員等とみなす。一定期間はケアの安全性を確保する体制が必要 |
| 技能実習生(介護) | 実習開始から6か月を経過した後に算入が原則。N1・N2の合格者や、事業者が日本語能力・指導の状況などを勘案して決めた者は6か月未満でも算入できる(チームケア・安全対策体制が必要) | 訪問系での実習開始後の一定期間は介護事業所等の扱いを適用し、その後に算入する |
施設の種類ごとに見る、配置基準と夜勤の整理表
算入のルールは施設の種類を問わず同じです。違いが出るのは、夜勤があるか、訪問系の条件がかかるか、そもそも対象施設かの3点です。
図3施設・サービスの種類別:特定技能の配置と夜勤の整理
| 施設・サービス | 夜間の勤務 | 配置基準への算入 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院 | あり | 就労と同時に可 | 一定期間はチームでケア |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | あり | 就労と同時に可 | 夜間の職員が少なく、一人の時間が長くなりやすい |
| 介護付き有料老人ホームなど(特定施設) | あり | 就労と同時に可 | 有料老人ホームは特定施設入居者生活介護などを行う施設が対象 |
| 短期入所生活介護 | あり | 就労と同時に可 | 利用者が入れ替わるため、申し送りの確認を厚めに |
| 小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護 | 泊まりあり | 就労と同時に可 | 「訪問」への従事は認められない |
| 通所介護・通所リハビリテーション | なし | 就労と同時に可 | 夜勤の論点はない |
| 訪問介護・定期巡回・夜間対応型訪問介護 | 事業所による | 就労と同時に可 | 初任者研修・原則1年以上の実務経験・適合確認書などの条件 |
| 病院・診療所(看護補助者) | あり | 看護補助者の員数に含めてよい | 看護師長・看護職員の指導のもとで行う |
| 障害福祉の施設・事業所 | 種類による | 就労と同時に可 | 対象施設の一覧で種類を確認 |
住宅型の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は要確認
対象施設の一覧では、有料老人ホームは特定施設入居者生活介護などを行う施設が対象とされています。サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームの要件を満たす施設に限られます。併設の訪問介護事業所の職員として働いてもらう形なら、訪問系サービスの条件がかかります。
小規模多機能の「訪問」は対象外
小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護では、通いと泊まりには従事できますが、訪問への従事は除かれています。厚生労働省のQ&Aは、要件を今後検討する必要があるためとしています。泊まりの夜勤は、ほかの入所系と同じ考え方で準備します。
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特定技能の介護職員と夜勤:定めの有無と、技能実習との違い
特定技能の介護分野の告示(厚生労働省告示第66号)、通知、要領別冊を確かめても、夜勤を制限する定めはありません(2026年10月確認)。一方、技能実習には夜勤についての明確なルールがあります。
介護の外国人職員は夜勤に一人で入れるか:在留資格で違うルール
技能実習の介護職種では、告示が、夜勤など少人数の状況での業務について、利用者の安全確保のための措置を求めています。運用要領は「技能実習生が業務を行う際には、昼夜を問わず、技能実習生以外の介護職員を指導に必要な範囲で同時に配置することが求められます」としています。深夜労働は合理的な理由がある場合に限られ、その理由を書いた書面の提出が必要です。
特定技能には、この同時配置の定めがありません。制度上は、日本人の職員と同じように夜勤を組めます。ただし、通知の「一定期間はチームで」という求めは夜勤にも及ぶと考え、最初から一人夜勤に入れないのが無難です。
図4夜勤のルールの比較:技能実習生と特定技能1号
技能実習生(介護)
- 夜勤など少人数の業務では安全確保の措置が必要
- 昼夜を問わず、実習生以外の介護職員を同時に配置
- 深夜労働は合理的な理由がある場合に限り、書面を提出
2027年4月1日からは育成就労に移ります。育成就労での扱いは、今後の公表資料で確認が必要です。
特定技能1号(介護)
- 告示・通知・要領別冊に夜勤の制限はない
- 配置基準には就労と同時に数えてよい
- 一定期間は経験のある職員とチームでケア
一人夜勤に入れる時期は、事業所が本人の状況を見て判断し、記録に残します。
2027年4月の育成就労の開始後は、改めて確認を
技能実習は2027年4月1日に育成就労へ移ります。厚生労働省の外国人介護人材のページでは、介護分野の育成就労の案内は「準備中」とされています(2026年10月確認)。育成就労の人の配置基準や夜勤の扱いは、今後の通知で確かめてください。特定技能1号の扱いは、この記事の時点の通知のとおりです。
夜勤の労働条件は日本人と同じに
特定技能の報酬は、日本人が同じ仕事をする場合と同等以上にする必要があり、国籍を理由に差をつけることはできません。夜勤手当の額や回数の決め方も、日本人の職員と同じ規程で扱います。午後10時から午前5時までの深夜労働には、2割5分以上の割増賃金が必要です(労働基準法37条)。給与の支払いと控除の注意は外国人社員の賃金の支払い方法で確かめられます。
一人夜勤に入るまでの段取り(例)
一人夜勤に入れる時期は、月数で決めるより「確認できたこと」で決めるほうが安全です。次の7つの手順は、通知の「一定期間はチームで」を具体化した編集部の例です。
図5特定技能の介護職員を一人夜勤に入れるまでの7つの手順(例)
- 配置に数えるか決め、体制を書面にする
就労初日から算入する場合、誰とチームを組むか、何を確認したら体制を外すかを書いておきます。
- 日勤で経験者と組む
食事・入浴・排せつの介助を、経験者と同じ利用者で重ねます。
- 2人夜勤の日に見習いで入る
見回り、体位変換、記録、朝の申し送りまでの流れを一緒に経験します。
- 緊急時の手順を確かめる
急変・転倒・火災のとき、誰に、何を、どの順で伝えるか。日本語と本人の言語の両方で確認します。
- 確認項目を3者で埋める
管理者・指導役・本人の3人で、下のチェックリストを1つずつ確かめます。
- 初めての一人夜勤は応援を厚くする
連絡を受ける職員と、駆けつける職員を名前で決めておきます。
- 面談で振り返る
3か月に1回以上の定期面談で、夜勤の不安や体調を聞き取ります。
見習いの長さは、本人の経験で変えてかまいません。技能実習や前の職場で夜勤を経験している人は短く、初めての人は長くします。どちらの場合も、確認項目がそろうまでは一人にしない、という線は同じです。
一人夜勤の前に確かめる10項目
- 利用者全員の名前と顔、夜間に注意が要る人が分かる
- 急変時の連絡先と順番を、見ないで言える
- 救急車を呼ぶときに伝える内容(住所・症状)を日本語で言える
- 転倒を見つけたときの対応と記録の仕方を知っている
- 火災のときの通報と避難の手順を知っている
- 夜間の見回りの時間と、見るべき点を知っている
- 服薬や体位変換の時間と方法を確認できる
- 記録システムに入力でき、申し送りを日本語で書ける
- 鍵・ナースコール・設備の扱いを知っている
- 困ったときに電話できる相手を、本人が納得している
人数の上限と、何人目からシフトに入れるか
特定技能の人は、1人目から配置基準に数えてシフトに入れられます。そのうえで、受け入れられる人数には事業所ごとの上限があります。
上限は「日本人等の常勤介護職員の総数」まで
1号の人数は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を超えられません。「日本人等」には、在留資格「介護」の人、国家試験に合格したEPA介護福祉士、永住者や日本人の配偶者などが入ります。技能実習生、EPA候補者、留学生は入りません。数えるのは「介護等を主たる業務として行う常勤職員」で、事務職員や看護業務を行う看護師は含みません。病院では、看護補助者と、その指導を同じ病棟で行う看護師は含みます。
図6事業所ごとの人数枠の計算例
- 常勤の介護職員(日本人)8人、非常勤5人非常勤は数えない → 1号は8人まで
- 常勤の介護職員(日本人)5人、技能実習生2人技能実習生は「日本人等」に入らない → 1号は5人まで
- 常勤の介護職員(日本人)4人、在留資格「介護」1人、永住者1人3者とも「日本人等」 → 1号は6人まで
- 常勤の介護職員(日本人)6人、看護師3人、事務職員2人看護業務の看護師と事務職員は数えない → 1号は6人まで
シフトの組み方:数に入れつつ、組み合わせで守る
最初の一定期間は、配置の人数には数えたうえで、経験者と同じ時間帯に重ねます。勤務表に「組む相手」の欄を設けると、チームの体制が目に見えます。複数の人を同時に迎える場合は、入社の時期を1〜2か月ずらすと、指導役の負担が分散します。人数ごとの計画は2〜3人採用の進め方が参考になります。
配置基準と夜勤でよくある5つの誤解
配置基準と夜勤の誤解は、ほとんどが「在留資格の違い」と「数える・任せるの混同」から生まれます。公的資料の文言で正すと、次のとおりです。
誤解が生まれる2つの理由
1つは、技能実習のルールが、介護の現場で長く使われてきたことです。もう1つは、「配置に数える」と「1人で任せる」が、同じ意味で使われがちなことです。この2つを分けて話すだけで、現場との行き違いは大きく減ります。
公的資料で正す5つの誤解
- 外国人は6か月たたないと配置基準に入らない6か月の区切りは技能実習の原則です。特定技能1号は、通知で就労と同時に職員等とみなしてよいとされています。
- 外国人は夜勤に一人で入れない昼夜を問わない同時配置は技能実習のルールです。特定技能の告示・通知・要領別冊に、夜勤を制限する定めはありません。
- 配置に数えたら、初日から一人で任せてよい通知は、一定期間はチームでケアに当たる体制を求めています。数えることと任せることは別です。
- 人数枠は法人全体で数える人数枠は事業所単位です。日本人等の常勤介護職員が少ない事業所には、その数までしか受け入れられません。
- 訪問介護なら初日から一人で訪問できる配置基準には就労と同時に数えられますが、訪問系に従事するには、初任者研修や原則1年以上の実務経験、適合確認書などが必要です。
現場の職員には、在留資格ごとに「配置に数える時期」と「夜勤のルール」を1枚の表にして配ると、誤解が広がりにくくなります。技能実習生と特定技能の人が同じ職場にいる場合は、特に役立ちます。訪問系の条件の全体は、特定技能で訪問系サービスに従事させる条件でチェックリストにしています。
迷ったときの確認先と、委託先に聞くこと
配置基準の解釈に迷ったら、事業所の指定を受けた自治体の介護保険の担当に確かめます。そのうえで、紹介会社・登録支援機関には「夜勤に入るまでの育成」を具体的に聞きます。
確認先の使い分け
配置基準と報酬の扱いは自治体、在留資格と届出は地方出入国在留管理局、協議会の手続は介護分野の協議会事務局が窓口です。自治体に聞くときは、通知の該当部分(第二の1)を示し、自社で考えたチーム体制の案を持っていくと話が早く進みます。
委託先に聞く5つの質問
- 特定技能の配置基準上の扱いを、通知の文言で説明できますか
- 夜勤に入るまでの育成の例を、似た施設の種類で示せますか
- 緊急時の手順を、本人の言語の資料にできますか
- 夜間や休日の相談に、どの時間帯まで母語で対応できますか
- 定期面談で夜勤の負担を聞き取り、結果を共有してもらえますか
記録に残しておく5つの書類
- 配置に数えた日と、最初のチーム体制を書いた書面
- 組む相手が分かる勤務表(見習いの夜勤を含む)
- 一人夜勤の前の確認項目のチェック表(管理者・指導役・本人の確認つき)
- 緊急時の手順書(日本語と本人の言語の2種類)
- 定期面談の報告書(3か月に1回以上)
相談対応は、勤務日に週3日以上、休日に1日以上できる体制が求められています。夜勤明けの人が相談しやすい時間帯かも確かめます。受け入れる会社側の基準は特定技能の受入れ機関の基準で整理しています。
想定ケース:訪問介護事業所(従業員130人)の工場長が「初日から数える」と「1人で任せる」を分けた理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護を営み、配食用の調理工場も持つ法人で、外国人採用を任されている工場長(50代男性)に聞きました。
- 特定技能の3人を就労初日から配置に数え、急な欠勤の穴埋めで出ていた残業が月40時間ほどから15時間ほどに減った
- 夜間の随時訪問は、最初の3か月は経験者と2人で回り、4か月目から3人とも1人で担当している
- 夜間を想定した緊急連絡の訓練を月1回、半年で6回行った
――半年で何が変わりましたか。
残業です。採用した3人は、介護施設で1年以上働き、初任者研修も修了している人たちでした。初日から常勤として配置に数えられたので、急な欠勤の穴埋めで出ていた残業が月40時間ほどから15時間ほどに減りました。夜間の随時訪問も、4か月目から3人が1人で担当しています。
――工場長が、なぜ介護の採用を担当しているのですか。
法人の配食工場で、飲食料品製造業の特定技能の人を受け入れてきたからです。外国人採用の段取りが分かる人間が、法人に私しかいませんでした。介護は門外漢なので、最初は工場と同じ感覚でいました。
――どこで迷いましたか。
現場から「外国人は6か月たたないと配置に数えられない」「夜は一人ではだめ」と言われたことです。調べると、どちらも技能実習のルールでした。特定技能は通知で就労と同時に数えてよいとされ、夜勤を制限する定めもない。ただ同じ通知に、一定期間はチームでケアに当たる体制と書いてある。数えてよいことと、1人で任せてよいことは別なんだと、そこで腹に落ちました。
――決め手は何でしたか。
工場でも、新人をいきなり夜勤の一人作業には入れません。だから、配置には初日から数える。ただし最初の3か月は、夜間の訪問を経験者と2人で回る。この2本立てにしました。支援をお願いした登録支援機関は、緊急連絡の手順を母語の資料にしてくれました。「何か月で1人にするかは事業所が決めることです」と、はっきり言ってくれたのも信頼できました。工場でも、新人が一人で夜のラインに立つまで、作業ごとの確認表で合否をつけます。介護でも同じ考え方が使えると分かって、気が楽になりました。
――登録支援機関とは、どう分担しましたか。
配置や夜勤の判断は事業所、本人の言語での説明や相談は登録支援機関、と分けました。夜勤明けに相談しやすいよう、母語の相談窓口を朝の時間帯にも使えるようにしてもらっています。
――運用して、工夫した点は。
1人で任せる前に、管理者と指導役と本人の3人で確認項目を一つずつ埋めたことです。急変時の電話のかけ方、利用者宅の鍵の扱い、記録の入力。確認表には本人の言語の訳を横に付け、本人が自分で印をつけられるようにしました。月1回、夜間を想定した連絡の訓練もしています。記録が残っているので、自治体の運営指導で聞かれても説明できます。
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よくある質問
介護の特定技能は何人目からシフトに入れる?
1人目から入れられます。厚生労働省の通知は、介護分野の1号を就労と同時に配置基準上の職員等とみなしてよいとしています。ただし一定期間は、経験のある職員とチームでケアに当たる体制が必要です。受け入れる人数は、事業所ごとに日本人等の常勤介護職員の総数までです。
特定技能の介護職員は、入社初日から人員配置基準に数えてよいですか?
数えてかまいません。通知は「就労と同時に職員等とみなす取扱いとしても差し支えない」としています。技能実習のような6か月の区切りはありません。数える場合も、最初の体制をどう組んだかを記録しておきます。
「一定期間」は何か月と考えればよいですか?
通知に具体的な月数はありません。本人の経験、日本語、施設の夜間の体制を見て、事業所が決めます。月数よりも、緊急時の手順や記録などの確認項目を満たしたかで判断し、その根拠を残すのが安全です。
特定技能の人に一人夜勤を任せてもよいですか?
特定技能の告示・通知・要領別冊に、夜勤を制限する定めはありません。技能実習の「実習生以外の職員の同時配置」は特定技能には当てはまりません。ただし、一定期間はチームでケアに当たる体制が求められるため、見習いと確認を経てから一人夜勤に入れるのが無難です。
技能実習から特定技能に移った人も、就労と同時に数えられますか?
特定技能1号として働く以上、通知の扱いは同じです。技能実習の間に同じ施設で夜勤に近い経験を積んでいれば、チームで組む期間を短くする判断もしやすくなります。在留資格が変わった日付と、その後の体制を記録しておきます。
訪問介護でも配置基準に数えられますか?
数えられます。社会保障審議会の資料は、訪問系でも訪問系以外と同様に就労と同時に職員等とみなすとしています。ただし訪問系に従事するには、初任者研修などの修了、原則1年以上の実務経験、適合確認書などの条件を満たす必要があります。
病院で看護補助者として働く場合も、配置に数えられますか?
数えられます。通知は、介護分野の1号が病院・診療所で働く場合についても定めています。看護師長や看護職員の指導のもとで療養生活上の世話などを行うなら、看護補助者の配置基準で員数に含めて算定してよいとされています。人数枠の計算では、看護補助者と、その指導を同じ病棟で行う看護師も含みます。
夜勤手当は日本人と同じにする必要がありますか?
同じ規程で扱います。特定技能の報酬は日本人と同等以上が必要で、国籍を理由に差をつけることはできません。午後10時から午前5時の深夜労働には、2割5分以上の割増賃金も必要です。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 厚生労働省 通知「介護分野について特定の産業上の分野に特有の事情に鑑みて当該分野を所管する関係行政機関の長が定める基準について」(平成31年3月29日 社援発0329第18号ほか)(2025年4月21日一部改正)
- 厚生労働省告示第66号(介護分野の基準)(2026年10月確認)
- 社会保障審議会 介護給付費分科会(第245回)資料3「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」(2025年3月24日)
- 法務省・厚生労働省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(介護分野の基準について)」(2025年4月21日一部改正)
- 出入国在留管理庁・厚生労働省「技能実習制度運用要領(介護職種の基準について)」(2025年4月1日一部改正)
- 厚生労働省「介護分野の対象施設」一覧(2026年10月確認)
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点に関するQ&A」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月時点)
- 出入国在留管理庁「受入れ見込数と在留者数(2026年7月末速報)」(2026年7月末)
最終更新:(2026年10月版)
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