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https://tokutei-noriai.blog/mensetsu-mismatch/ 印刷日:2026年10月15日

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特定技能の面接でミスマッチを防ぐ|確認すべき10項目と質問例

「この人で大丈夫か」を見る前に、会社と本人の思い込みのずれを面接で消しておくための確認表

特定技能の外国人を採用したのに、入社して数か月で「聞いていた話と違う」と言われて辞められた。こうした失敗の多くは、面接で確かめるべき条件が抜けていたことから起きます。出入国在留管理庁の集計では、2021年から2024年に特定技能1号になった人の22.4%が、2025年8月末までに転職を経験していました。この記事では、特定技能の面接のポイントを「仕事内容・勤務条件・生活」の3分野10項目に整理し、そのまま使える質問の言い方、本音を引き出す聞き方、面接の前後で確認を重ねる手順を紹介します。

この記事の結論
  • 面接は「選ぶ場」より「条件を合わせる場」:仕事内容4項目・勤務条件3項目・生活3項目の計10項目を、候補者が分かる言葉で確かめます。
  • 転職は1年目に集中している:特定技能1号で転職を経験した76,338人のうち、約44%(33,963人)は資格を得てから1年未満で最初の転職をしていました(2025年8月末・暫定値)。
  • 「できますか」と聞かない:「やったことがありますか。何を何回」と経験と数字で答えてもらい、説明は本人の言葉で言い直してもらうと、ずれがその場で見えます。
  • 面接の前と後にも確認する:条件の要約を事前に渡し、内定後は雇用条件書と事前ガイダンス(3時間程度が目安)で同じ内容をもう一度確かめます。

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この記事の目次

特定技能の面接のポイントは「3分野10項目」のすり合わせ

特定技能の面接の目的は、候補者を細かく点数で比べることではありません。仕事内容・勤務条件・生活の3分野で、会社と本人の思い込みのずれを入社前に消しておくことです。技能と日本語の水準は、在留資格の要件である技能試験と日本語試験で、一定のところまで確かめられています。関連する分野の技能実習2号を良好に修了した人は、試験が免除されます。

ずれが生まれやすいのは、「伝えたつもり」の項目です。手取りの金額、残業の量、寮から職場までの距離。求人票に書いてあっても、本人が自分の言葉で説明できなければ、入社後の「聞いていない」につながります。

面接で確かめる10項目の全体像

確かめる内容は、次の10項目に絞りました。仕事内容の4項目は主に候補者に話してもらい、勤務条件と生活の6項目は会社が先に説明してから理解を確かめます。この分担にすると、60分ほどの面接でも抜けが出にくくなります。

図1特定技能の面接で確かめる3分野10項目

  • 仕事内容(4項目)①1日の作業の流れ ②体を使う条件(重さ・温度・姿勢) ③日本語を使う場面 ④これまでの経験と、まだできないこと
  • 勤務条件(3項目)⑤手取りと差し引かれるお金 ⑥勤務時間・シフト・休日 ⑦契約期間と将来の見通し
  • 生活(3項目)⑧住まいと通勤 ⑨地域での暮らし ⑩困ったときの相談先
仕事内容は候補者が話し、勤務条件と生活は会社が先に説明する。この順番が、確認を早く進めるこつです。

面接の前に用意する資料は3つです。仕事の様子が分かる1〜2分の動画、給与明細の見本と1か月分のシフト表、寮の写真と職場までの地図。この3つがあれば、10項目のうち8項目は「見せてから聞く」形にできます。

この記事で扱う範囲

この記事は「何を、どんな言い方で聞けば食い違いを防げるか」に絞ります。隣り合うテーマは、次の記事で詳しく扱っています。

ミスマッチはいつ起きるか:転職データと本人の困りごと

ミスマッチの結果は、入社1年目の転職という形で表に出ます。特定技能1号は、同じ分野の中であれば本人の意思で転職できるためです(出入国在留管理庁)。

転職の経験者は22.4%、最初の転職は1年未満が最多

出入国在留管理庁は、2021年1月から2024年末までに特定技能1号になった341,253人を集計しています。2025年8月末までに転職を経験した人は76,338人(22.4%、暫定値)。最初の転職の時期は「資格を得てから1年未満」が33,963人で最も多く、「1〜2年」の32,123人が続きます。

図2特定技能1号の転職と、本人が挙げる仕事の困りごと

  • 22.4%転職を経験した人の割合341,253人中76,338人(2025年8月末・暫定値)
  • 約44%最初の転職が資格取得から1年未満転職経験者76,338人中33,963人
  • 66.0%転職で都道府県をまたいで住まいを移した割合延べ転職者90,029人中59,387人
  • 29.1%仕事の困りごと「給料が低い」在留外国人の回答(n=7,706、在留資格を問わない)
転職は1年目に集中し、延べ転職者の3人に2人は都道府県をまたいで住まいを移しています。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末・暫定値)、出入国在留管理庁「令和7年度 在留外国人に対する基礎調査」(2026年5月公表)

分野によって転職の多さは約3倍違う

転職を経験した人の割合は、農業32.9%に対して建設は10.8%でした。自社の分野が上のほうにあるなら、面接での確認を一段厚くしておく価値があります。

図3分野別:特定技能1号で転職を経験した人の割合

  • 農業32.9%
  • 漁業28.1%
  • 飲食料品製造業27.1%
  • ビルクリーニング23.7%
  • 全分野22.4%
  • 介護20.3%
  • 工業製品製造業19.6%
  • 建設10.8%
2021年1月〜2024年末に特定技能1号になった人のうち、2025年8月末までに転職を経験した人の割合です。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末・暫定値)

本人が挙げる困りごとの1位は給料

出入国在留管理庁の2025年度の基礎調査で、在留外国人が挙げた仕事の困りごとの1位は「給料が低い」29.1%でした。日本政策金融公庫の調査でも、外国人従業員の退職理由は「日本で転職するため」51.0%が最多です(2025年2月公表)。面接で給料の額は変えられませんが、手取りの見込みを本人と確かめ、「思っていた額と違う」を防ぐことはできます。

  • 日本語の力を確かめれば、ミスマッチは防げる本人が挙げる仕事の困りごとの上位は、給料(29.1%)、休みの取りにくさ(7.4%)、労働時間の長さ(6.6%)でした。「職場での日本語やマナーが分からない」は2.8%です(複数回答、在留資格を問わない)。日本語だけでなく、手取り・時間・住まいの理解のずれを面接で確かめる必要があります。
  • 技能実習を終えた人なら、説明は少なくてよい技能実習から特定技能1号になった人でも20.7%が転職を経験しています(試験などから入った人は25.2%、2025年8月末・暫定値)。前の職場と自社の違いは、経験者にも説明が要ります。
  • 面接で辞退されたら失敗条件を見たうえでの辞退は、入社後の早期離職を事前に1件防いだことになります。辞退の理由は、次の面接の説明を直す材料になります。

仕事内容で確かめる4項目と質問の言い方

仕事内容の確認では、「できますか」と聞かないことが基本です。面接の場で「できません」と答える人はほとんどいません。過去の経験を具体的に話してもらい、自社の仕事と重ねて判断します。

①1日の作業の流れ:見せてから聞く

言葉だけで説明すると、候補者は自分の知っている仕事に置き換えて理解します。実際のライン、道具、作業着の写真か、1〜2分の動画を見せます。そのうえで「この中でいちばん大変そうな作業はどれですか」と聞き、具体的な場面を指せるかを見ます。

②体を使う条件:重さ・温度・姿勢を数字で伝える

「力仕事があります」では、人によって思い浮かべる重さが違います。「10kgの箱を1日に約80回持ち上げます」「冷蔵室は5℃前後です」のように、自社の実際の数字で伝えます(ここでの数字は例です)。続けて「前の仕事で運んだいちばん重い物は何kgでしたか。1日に何回でしたか」と聞くと、本人の経験と比べられます。立ち仕事の長さ、休憩の間隔、においや音が強い作業があるかも、同じように数字と事実で伝えます。

③日本語を使う場面:点数より「復唱」で確かめる

特定技能1号の日本語の要件は、国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験N4以上です(介護は介護日本語評価試験も必要)。面接では、現場で使う指示を1つ読み上げ、「いまの順番を、もう一度言ってください」と復唱してもらいます。試験の点数より、仕事で要る力に近いところが見えます。詳しくは特定技能人材の日本語力の見極め方で扱っています。

④これまでの経験と、まだできないこと

「経験はありますか」と聞けば、多くの人が「あります」と答えます。そこで質問を2つに分けます。1つは「前の会社でいちばん長くやった作業の手順を教えてください」。もう1つは「この中で、まだやったことがない作業はどれですか」です。できることとできないことの境目が見えます。できないことが分かれば、入社後の教え方を先に決めておけます。試験の合格や職歴を書類で確かめる方法は特定技能の候補者の確認方法をご覧ください。

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勤務条件で確かめる3項目:手取り・時間・将来

勤務条件は、会社が先に説明し、そのあと本人の言葉で言い直してもらう順番にします。報酬は日本人が同じ仕事をする場合と同等以上にする必要があり(出入国在留管理庁)、金額を決める責任は会社にあります。面接で確かめるのは、その中身を本人が正しく理解しているかどうかです。

⑤手取りと差し引かれるお金

総支給額だけを伝えると、税金・社会保険料・寮費などを引いた後の金額との差に、入社後に驚かれます。給与明細の見本を使い、本人に毎月の手取りを計算してもらうのが確実です。寮費や食費のように定期的に負担してもらう費用には、出入国在留管理庁の参考様式「徴収費用の説明書」(第1-9号)があります。費目ごとの金額と、それが実費に相当する適正な額であることを説明する書式です。面接の段階でこの内容を見せておくと、内定後の説明と食い違いません。

図4面接で一緒に計算する「毎月の手取り」の考え方

毎月の手取り=総支給額基本給+手当+残業代−税金・社会保険料所得税・住民税・健康保険・厚生年金など−寮費・食費など本人が内容を理解して合意した額

会社が借り上げた住居の家賃として本人から受け取れるのは、借り上げ費用を入居人数で割った額以内です。敷金・礼金・仲介手数料などは含めません。出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日改正)、出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年10月確認)

⑥勤務時間・シフト・休日

実際のシフト表を1か月分見せ、早番・遅番・休日の並びを確かめます。残業は「できますか」ではなく「月に何時間くらいがいいですか」と聞きます。手取りを増やしたくて多めを望む人もいれば、日本語の勉強の時間を取りたい人もいます。繁忙期と閑散期で差があるなら、その幅も数字で伝えます。先の基礎調査では「毎月の給料の変動が大きい」を挙げた人も4.7%いました。残業の多い月と少ない月の手取りを、両方見せておくと安心です。

⑦契約期間と将来の見通し

特定技能1号は通算5年までです。2号に移れば更新の上限はなくなります。介護分野には2号がなく、介護福祉士を取って在留資格「介護」に移る道があります(出入国在留管理庁)。また、本人が一時帰国を希望したときに必要な有給休暇を取れるようにすることが、雇用契約の基準として省令で定められています。面接では「5年後、どんな仕事をしていたいですか」「一時帰国はいつごろ、何日くらいを考えていますか」と聞きます。答えが、会社の示せる道と重なるかを確かめます。

生活で確かめる3項目:住まい・地域・相談先

生活の3項目は、聞く前に見せることから始めます。会社の出す情報が具体的なほど、本人は暮らしを想像でき、合わないと感じた人は面接の段階で辞退できます。その辞退は、入社後の早期離職を1件減らしたのと同じです。

⑧住まいと通勤

部屋の写真、広さ、家賃、同居する人数、職場までの道と時間を伝えます。会社が住居を用意する場合、居室は1人あたり7.5㎡以上が求められます(技能実習から移る人が既存の社宅を希望する場合などの例外あり)。自転車通勤なら「雨の日や冬は、どうやって来ますか」と聞き、手段まで一緒に考えます。

⑨地域での暮らし

最寄りのスーパー・病院・駅までの距離やバスの本数など、会社が知っている事実を伝えます。転職者の住まいの動きでは、東京都・神奈川県・大阪府などの大都市圏がいずれも転入超過でした。一方で北海道は2,337人の転出超過です(2025年8月末・暫定値)。地方の会社ほど、暮らしの情報を先に出す意味があります。宗教や食事について会社から尋ねるのではなく、「暮らしや仕事で、会社に相談しておきたいことはありますか」と開いた形で聞きます。

生活の確認で踏み込みすぎない

生活の3項目で確かめるのは、会社が用意する住まいや職場の周りの暮らしを、本人が理解しているかどうかです。家族の状況、実家の様子、宗教は、本人の適性や能力と関係がなく、就職差別につながるおそれがある事項として厚生労働省が挙げています。会社の条件を示して反応を聞く形を守ります。

⑩困ったときの相談先

1号の外国人には、相談・苦情への対応や、3か月に1回以上の定期面談などの支援が義務づけられています。相談は、本人が十分に理解できる言語で受けることになっています(出入国在留管理庁)。それでも、2025年度の基礎調査で困りごとの相談相手に「勤め先・上司・同僚」を挙げた人は36.1%でした。支援担当者の名前と連絡方法を伝え、「困ったとき、最初に誰に、どうやって連絡しますか」と聞いて、言えるかを確かめます。

外国人の面接で使える質問例と、本音を引き出す聞き方

10項目を、そのまま使える質問の形にまとめました。共通するのは、「はい・いいえ」で終わらせず、経験・数字・本人の言葉で答えてもらうことです。

10項目の質問例:伝わりにくい聞き方と伝わる聞き方(編集部作成)
項目伝わりにくい聞き方伝わる聞き方(質問例)答えで見るところ
①作業の流れ仕事は分かりましたかこの動画で、いちばん大変そうな作業はどれですか具体的な場面を指せるか
②体を使う条件力仕事は大丈夫ですか前の仕事で運んだいちばん重い物は何kgでしたか。1日に何回でしたか重さと回数を数字で言えるか
③日本語の場面日本語は話せますか(手順を読み上げて)いまの順番を、もう一度言ってください順番と数字を正しく言えるか
④経験経験はありますかまだやったことがない作業はどれですかできないことも言えるか
⑤手取り給料はこれでいいですかこの表で、毎月あなたの口座に入る金額を計算してください寮費などを引いた額を理解しているか
⑥時間・休日残業できますか残業は月に何時間くらいがいいですか希望の幅と職場の実態が合うか
⑦将来長く働けますか5年後、どんな仕事をしていたいですか会社が示せる道と重なるか
⑧住まい・通勤寮でいいですか部屋の写真と通勤の道を見て、心配なことを1つ教えてください具体的な心配を言えるか
⑨地域の暮らし田舎でも平気ですかスーパーまで自転車で20分です。買い物はどうしますか暮らし方を想像できているか
⑩相談先困ったら言ってください困ったとき、最初に誰に、どうやって連絡しますか名前と連絡方法を言えるか

本音が出やすくなる4つの工夫

  • 最初に「分からないと言ってよい」と伝える:冒頭で「分からない言葉は、何度でも聞いてください」と言い、聞き返されたらお礼を言います。
  • 経験を過去形で聞く:「できますか」より「やったことがありますか。そのとき何を何回」のほうが、事実に近い答えが返ります。
  • 本人の言葉で言い直してもらう:「友だちにこの仕事を説明するなら、どう言いますか」と聞くと、理解のずれがその場で分かります。
  • 面接官は2人にし、1人は記録に回る:答えの言葉をそのまま残せるので、後で評価がぶれにくくなります。

通訳を入れるときの頼み方

通訳が答えを短くまとめると、本人が迷った様子や言い直しが伝わりません。事前に「1文ずつ、言ったとおりに訳してください」「答えに説明を足さないでください」と頼んでおきます。オンラインでの通訳の手配や通信トラブルへの備えは、オンライン面接の進め方の記事で扱っています。

面接の前と後にも確認を重ねる手順と、よくある失敗

10項目は、面接1回で完結させなくてかまいません。面接の前に条件を渡し、面接で理解を確かめ、内定後に書面でもう一度確かめる。この重ね方で、ずれはかなり小さくできます。

  1. 面接の1週間前:条件の要約を本人が読める言葉で送る

    仕事内容・手取りの見込み・勤務時間・住まいをA4用紙1枚にまとめ、本人の母語か、やさしい日本語で届けます。面接は「読んで分からなかったところ」から始められます。

  2. 面接当日:10項目を確かめ、言い直してもらう

    会社の説明20分、質問25分、本人からの質問10分、次の連絡5分が目安です。手取りと相談先は、本人の言葉で言い直してもらいます。

  3. 内定後:雇用条件書と事前ガイダンスで再確認する

    雇用条件書の参考様式は、英語・ベトナム語・インドネシア語など10言語で用意されています。事前ガイダンスは本人が十分に理解できる言語で在留資格の申請前に行い、3時間程度が目安とされています。

  4. 入社後3か月:「聞いていた話との違い」を聞く

    最初の定期面談で、面接で伝えた10項目と実際の違いを本人に聞き、次の採用の説明に反映します。

よくある失敗

  • 求人票を渡しただけで、条件を説明したつもりになる
  • 「大丈夫です」「分かりました」の返事を、理解した証拠として扱う
  • 面接官ごとに、給与や寮費の説明が少しずつ違う
  • 内定後に変わった条件を、口頭だけで伝える
  • 家族や宗教の質問を、雑談のつもりでしてしまう

紹介会社・登録支援機関に頼んでおくこと

面接前の母語での条件説明、面接への通訳の同席、辞退した人の理由の共有を頼めるか、契約前に確認しておきます。紹介と支援を別の会社に頼むなら、面接で伝えた条件をどちらが記録して引き継ぐかも決めておきます。詳しくは紹介会社と登録支援機関を別々に選ぶときの注意点をご覧ください。支援を任せる先の比べ方は登録支援機関の選び方、入社後の定着の打ち手は定着率を上げる方法にまとめています。

想定ケース:惣菜工場(従業員60人)の工場長が面接の順番を変えた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 2回目の採用で入社した特定技能の4人が、1年たった今も全員在籍している(1回目は入社した2人のうち1人が半年で転職)
  • 面接を30分から60分に延ばし、最初の20分を会社からの説明にあてた
  • 入社後3か月の面談で出た給与・寮費についての質問が、1回目の6件から2回目は1件に減った

――採用の結果は、どう変わりましたか。

2回目に入った4人は、1年たったいまも全員います。1回目は2人入って、1人が半年で他県の工場へ移りました。数字だけ見れば小さな差ですが、60人の工場で1人抜けると、シフトの組み直しに毎回半日かかる。それがなくなったのが一番大きいですね。

――特定技能の採用を始めたきっかけは。

パートの求人に、2年間ほとんど応募がなかったんです。惣菜は朝が早く、冷蔵室の作業もあります。それで飲食料品製造業の特定技能を使うことにしました。

――1回目の採用では、何に困りましたか。

面接は30分で、ほとんど日本語の質問でした。「冷たい部屋でも大丈夫ですか」と聞けば「大丈夫です」。寮費の説明は紹介会社に任せきりでした。半年で辞めた人には、最後に「手取りが思っていたより少なかった」と言われました。こちらは説明したつもりでいたので、正直こたえました。

――やり方を変えるとき、迷いはありませんでしたか。

ありました。冷蔵室の動画や寮費の内訳まで先に見せたら、辞退が増えるんじゃないかと。実際、2回目は5人と面接して1人が辞退しました。ただ、支援を頼んでいる登録支援機関の担当者に言われたんです。「入社後に辞めるより、面接で辞退してもらうほうが本人のためにもなる」と。それで腹に落ちました。決め手は、給与明細の見本で候補者に手取りを計算してもらった場面でした。ある人が途中で手を止めて、寮費の行を指して質問してきた。1回目は、この質問が出る前に内定を出していたんだと気づきました。

――実際にやってみて、つまずいたことは。

通訳です。最初は通訳の方が答えを要約してしまい、本人が迷った様子が分からなかった。いまは「1文ずつ、言ったとおりに訳してください」と事前にお願いしています。動画の撮影にも半日かかりましたが、一度作れば使い回せます。面接官は私と班長の2人で、班長は記録に専念しています。

――10項目の表は、どう使っていますか。

面接官2人が同じ表を持って、聞いた項目に丸を付けています。丸が付かなかった項目は、最後の5分で必ず聞く。入社後3か月の面談では、同じ表を見ながら「面接で聞いた話と違ったことは」と本人に聞きます。2回目の4人からは、給与や寮費の話はほとんど出ませんでした。代わりに出たのが、寮から工場までの坂がきついという声です。次の募集の説明には、その坂の写真を足しています。

――これから面接をする会社に伝えたいことは。

面接は「選ぶ場」だと思っていましたが、いまは「お互いに確かめる場」だと考えています。10項目の表を印刷して、聞いたら丸を付けるだけでも、聞き忘れはなくなりますよ。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

特定技能でミスマッチが少ない人材紹介会社は?

公的に決まった順位はないため、確かめ方で選びます。聞くのは次の3点です。①面接の前に、本人の母語で仕事内容と手取りを説明しているか。②面接で、通訳が言ったとおりに訳すか。③辞退や早期離職の理由を、会社に伝えてくれるか。また有料職業紹介事業者には、情報の公開が義務づけられています(職業安定法32条の16)。紹介で無期雇用に就いた人のうち、6か月以内に離職した人の数もその1つです。公開先は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」です。有期契約での就職はこの数に入らないため、特定技能での実績は直接聞いて確かめましょう。

特定技能で自社に合う外国人を紹介してくれる会社は?

合う人が紹介されるかどうかは、会社が「必須の条件」と「面接で確かめる10項目」を言葉にして渡せるかで大きく変わります。同じ依頼書を2〜3社に渡し、どんな候補者を、どんな説明をつけて紹介してくるかを比べると違いが見えます。特定技能のりあい窓口では、分野・人数・国内か海外か・任せたい範囲をうかがいます。そのうえで、条件に合う人材紹介会社・登録支援機関を最大3社まで無料でご紹介しています。会社に順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。

外国人の面接で本音を引き出すには?

「はい・いいえ」で答えられる質問を減らし、経験・数字・本人の言葉で答えてもらうことです。最初に「分からないと言ってよい」と伝える、「できますか」ではなく「やったことがありますか。何を何回」と聞く、説明した内容を本人の言葉で言い直してもらう、の3つが効きます。通訳には、答えを要約せず1文ずつ訳すよう事前に頼んでおきます。

面接の時間は、どれくらい必要ですか?

10項目を確かめるなら、60分が目安です。会社からの説明20分、質問25分、本人からの質問10分、次の連絡5分の配分にします。通訳を入れると時間が延びるため、その場合は75〜90分を見込んでおくと慌てません。

技能実習を修了した人なら、面接の確認は減らしてもいいですか?

減らさないほうが安全です。出入国在留管理庁の集計では、技能実習から特定技能1号になった人の20.7%が転職を経験していました。試験などから入った人は25.2%です(2025年8月末・暫定値)。同じ分野の経験があっても、職場ごとに作業の手順、シフト、寮の条件は違います。仕事内容の確認は短くできても、勤務条件と生活の6項目はほかの候補者と同じように確かめてください。

面接で家族や宗教のことを聞いてもいいですか?

聞かないでください。厚生労働省は、家族の状況や宗教を、本人の適性・能力と関係がなく就職差別につながるおそれのある事項として挙げています。会社からは、勤務時間・作業内容・食堂のメニューなどの条件を示します。そのうえで「この条件で働けますか」「会社に相談しておきたいことはありますか」と聞けば足ります。線引きの詳しい表は聞いてはいけない質問の記事にあります。

内定後に条件が変わったときは、どうすればいいですか?

変わった内容を書面で示し、本人が理解したかを確かめてください。職業安定法は、求人で示した労働条件を変えて契約する場合に、変更後の内容を明示することを求めています。在留資格の許可後に雇用契約の内容を変えたときは、出入国在留管理庁への随時届出(事由が生じてから14日以内)が必要になることがあります。

国内に住む候補者と海外の候補者で、確認する項目は変わりますか?

10項目は同じです。海外の候補者には、渡航費用をどちらが負担するか、入国後の住まいをどう用意するかの説明を加えます。外国人雇用管理指針も、国外に住む外国人を募集するときの考え方を示しています。渡航費用の負担や住居の確保などの条件を、あらかじめ明確にするよう努めることとしています。国内在住者の採用の流れは国内在住の外国人を特定技能で採用する方法をご覧ください。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人の転職状況」(2025年8月末時点・暫定値)
  2. 出入国在留管理庁「令和7年度 在留外国人に対する基礎調査(概要版)」(2026年5月公表)
  3. 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
  4. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  5. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日改正)
  6. 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年10月確認)
  7. e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月確認)
  8. e-Gov法令検索「職業安定法」(2026年10月確認)
  9. 厚生労働省・都道府県労働局「職業紹介事業者の皆様へ(職業安定法の改正)」(2018年1月1日施行)
  10. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(抄)」(2026年10月確認)

最終更新:(2026年10月版)

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