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https://tokutei-noriai.blog/tokutei-ginou-butsuryu-soko/ 印刷日:2026年10月15日

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物流倉庫の特定技能|2026年追加分野の業務範囲と準備状況

制度の枠組みは決まった。試験と協議会を待つ間に、事業所の要件とフォークリフトの資格を整えておく

物流倉庫が特定技能の対象分野に加わり、「いつから外国人を受け入れられるのか」という問い合わせが増えています。2026年9月18日に運用要領の別冊が公表され、受入れ機関の条件や任せられる業務の範囲は決まりました。一方で、評価試験は準備中で開始時期は未定、受入れ機関が申請前に加入する協議会も設置に向けて調整中です(2026年10月14日時点)。この記事では、特定技能の物流倉庫分野の準備状況と、倉庫業の登録など事業所の要件、フォークリフトなどの扱いを、公的資料にもとづいて整理しました。

この記事の結論
  • 枠組みは決まり、試験と協議会は準備中:要領別冊は2026年9月18日に公表されました。評価試験は開始時期が未定、協議会は設置に向けて調整中で、2026年6月末の1号の在留者は0人です。
  • 受入れ機関は3つの類型に限られる:倉庫業法の登録を受けた倉庫業者、倉庫業者の委託で倉庫作業を行う会社(雇用継続の協定書が必要)、一般・特定貨物自動車運送事業者です。
  • 倉庫管理システムの利用が条件:入庫・在庫・出庫管理の機能があれば製品名は問わず、自社所有でなくても構いません。関連する機器などの利活用は、協議会に加入してから1年以内に報告します。
  • フォークリフトは日本人と同じ資格のルール:要領別冊に特別な定めはなく、最大荷重1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育が必要です(労働安全衛生法令)。

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この記事の目次

結論:特定技能の物流倉庫は、枠組みが決まり「試験と協議会を待つ」段階

物流倉庫分野は、受入れ機関の条件や任せられる業務の範囲が、2026年9月18日公表の要領別冊で決まりました。ただし、評価試験は準備中で開始時期が未定、協議会は設置に向けて調整中です。2026年10月14日時点で、受け入れを始められる状態にはなっていません。

いまできるのは、事業所の要件を満たしているかの確認と、業務やフォークリフトの資格の整理です。試験と協議会の告知が出てから慌てないよう、拠点ごとに準備を進めておきます。

図1数字で見る物流倉庫分野の特定技能

  • 0人1号の在留者数2026年6月末・速報値(7月末の表は「-」)
  • 11,400人1号の受入れ見込数(上限)2029年3月末まで。育成就労と合わせ18,300人
  • 2026.9.18要領別冊の公表受入れ機関の類型・業務の範囲が確定
  • 未定評価試験の開始時期協議会も設置に向けて調整中
上限は1万人を超えますが、在留者はまだいません。受け入れの開始は、試験と協議会の準備しだいです。出典:出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について」(2026年7月末・速報値)、出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末・速報値)、国土交通省「物流倉庫分野」(2026年9月時点の記載)

所管は国土交通省(物流・自動車局 貨物流通事業課 貨物流通経営戦略室)です。同じ2026年1月に追加された3分野のうち、リネンサプライはすでに申請ができます。進み具合の違いはリネンサプライの特定技能と資源循環の特定技能で比べられます。

倉庫の特定技能はいつから?2026年10月時点の準備状況

受け入れの開始日は、まだ公表されていません。要領別冊や告示はそろいましたが、評価試験の開始と協議会の設置という2つの準備が残っています。

図2物流倉庫分野の準備の進み具合

  1. 特定技能・育成就労の対象分野に追加決定済み

    閣議決定により、特定産業分野と育成就労産業分野の両方に加わりました。

  2. 評価試験の試行試験を終了終了

    国土交通省は、試験の適正性について了承を得る手続きを進めているとしています。

  3. 上乗せ基準の告示を公布公布済み

    特定技能は国土交通省告示第787号、育成就労は第788号です。

  4. 育成就労の運用要領別冊を公表公表済み

    2027年4月に始まる育成就労の分野の基準が示されました。

  5. 特定技能の運用要領別冊を公表公表済み

    受入れ機関の類型、業務の範囲、誓約書(分野参考様式第20-1号・第20-2号)が示されました。

  6. 評価試験の開始と協議会の設置調整中

    試験実施要領は調整中で今後公表予定、協議会の加入要件・受付開始日は国土交通省のページで知らせるとされています。

  7. 育成就労の開始決定済み

    育成就労の評価試験(初級)も、2027年4月以降の開始が予定されています。

要領と告示はそろい、残るのは試験と協議会です。出典:国土交通省「物流倉庫分野」(2026年9月時点の記載・2026年10月確認)、出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)

出入国在留管理庁のページにも、まだ載っていない

出入国在留管理庁の分野別情報のページ(2026年6月1日現在の受入れ可能分野)に、物流倉庫は載っていません。試験関係のページにも、物流倉庫の試験は掲載されていません(2026年10月14日確認)。「いつから」を知るには、国土交通省の物流倉庫分野のページと、出入国在留管理庁の新着情報を合わせて見ておくのが確実です。

「すぐ受け入れられる」と言われたら

受入れ機関は、在留の申請の前に協議会に加入する必要があります。協議会がまだ設置されていないため、加入を前提とする在留の申請には進めません。経過的な扱いの案内も、2026年10月14日時点で確認できません。紹介会社などから「すぐ受け入れられる」と言われたら、どの在留資格・どの手続きで可能なのか、根拠を書面で確かめてください。

協議会ができたら何をするのか

国土交通省は、分野別協議会の主な活動を5つ挙げています。制度の趣旨や優良事例の周知、法令順守の啓発、就業構造や地域ごとの人手不足の把握、大都市圏への集中を避ける方策の検討、情報共有です。特定技能と育成就労の両方で協議会が置かれ、受入れ機関には加入が義務づけられます。

物流倉庫の特定技能の要件:受入れ機関の3類型と倉庫管理システム

受入れ機関になれるのは、3つの類型のどれかに当たる会社です。倉庫業の登録を持っていない会社でも、倉庫業者の委託先や貨物自動車運送事業者として対象になる場合があります。

図3物流倉庫分野の受入れ機関になれる3つの類型

受入れ機関の類型と、追加で必要なこと(2026年9月18日公表の要領別冊)
類型当てはまる会社追加で必要なこと
① 倉庫業者倉庫業法の登録を受け、自ら倉庫作業を行う会社—
② 倉庫業者の委託先倉庫業者が営業に使っている倉庫で、その委託を受けて倉庫作業を行う会社倉庫業者と共同で「雇用の継続に係る責任を負う旨の協定書」を作る。協定書には倉庫業者が就労支援を行う旨を書く(直接雇用や賃金の保証までは求められない)
③ 貨物自動車運送事業者一般貨物自動車運送事業か特定貨物自動車運送事業の許可を受けた会社他人の需要に応じて有償で倉庫作業を行う場合は、運賃など輸送の対価とは別に作業料金を受け取っていること
③では、自社の車両か、自社が手配した他社の車両(庸車)が倉庫に反復継続的に出入りしている例が示されています。出典:出入国在留管理庁「運用要領(物流倉庫分野)」(2026年9月18日公表)、国土交通省「物流倉庫分野」(2026年10月確認)

拠点ごとに類型を確かめる

複数の拠点を持つ会社では、拠点ごとに類型が違うことがあります。自社が登録した倉庫なら①、他の倉庫業者の倉庫で作業を請け負っているなら②です。②に当たる拠点では、倉庫業者との協定書が必要になるため、相手先との相談に時間がかかります。早めに話を持ちかけておきます。

倉庫管理システムは「機能」で判断される

働く倉庫では、入庫管理・在庫管理・出庫管理の機能を持つ情報システムを使っている必要があります。国土交通省のQ&Aは、製品として「倉庫管理システム」と名乗っていなくても、機能を満たせばよいとしています。受入れ機関が所有している必要もなく、外国人が働く事業所で使える状態であれば足ります。

機器・システムの利活用と、1年以内の報告

さらに、倉庫管理システムと連携して機能を広げる機器や情報システムを続けて使い、その状況を報告します。報告は、協議会に加入した日から1年以内に行う必要があります。告示は、こうした機器・システムを「生産性及び労働安全衛生の向上に資する」ものとして位置づけています。

受け入れた後も続く義務

受入れ機関は、外国人から求められたときに実務経験を証明する書面を交付し、国土交通大臣などが行う調査や指導に協力します。誓約書は、受入れ機関が分野参考様式第20-1号、登録支援機関が第20-2号です。報告や調査への対応を誰が担うかも、拠点ごとに決めておきます。

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任せられる業務の範囲:流通加工・食品・関連業務の線引き

業務区分は「物流倉庫」の1つで、倉庫内で行われる貨物の入出庫、保管その他の倉庫内の各種作業を行う業務です。倉庫の外での配送や運転は、この区分の業務ではありません。

図4物流倉庫分野で任せられる主な業務

  • 1入出庫・検品

    入出庫する貨物の受渡しと検品を行います。

  • 2移動・格納・保管

    倉庫内での貨物の移動と、保管庫への格納、保管を担います。

  • 3ピッキング

    出荷の指示に合わせて、保管している貨物を取り出します。

  • 4流通加工

    小分け再包装、タグ付け、ラベル貼り、セット組みなど。製品の機能を完成させる加工は含まれません。

関連業務だけに従事させることはできず、包装されていない食品に直接触れる業務も認められません。出典:国土交通省「物流倉庫分野」(2026年10月確認)、出入国在留管理庁「運用要領(物流倉庫分野)」(2026年9月18日公表)

流通加工と「製造」の境目

国土交通省のQ&Aは、商品の機能を完成させたり性能を上げたりする加工は製造の工程で、流通加工に含まれないとしています。部品を組み付けて製品を完成させる作業などを倉庫で請け負っている場合、その作業は物流倉庫分野の業務として任せられません。

包装されていない食品に直接触れる作業はできない

要領別冊は「包装されていない食品に直接触れる業務に従事することはできません」と明記しています。青果の小分けや、包装前の食品を扱うラインがある倉庫では、担当する作業をあらかじめ分けておく必要があります。

関連業務は付随的に

関連業務の例は4つ挙げられています。事務所への連絡・報告、作業場所の整理整頓・清掃、台風などに備えた貨物の移動や雨水の侵入防止、安全衛生や教育訓練などの会議への参加です。こうした業務は付随的に行えますが、それだけに従事させることはできません。

フォークリフトなどの扱い:資格は日本人と同じルール

要領別冊と国土交通省のページには、フォークリフトについての特別な定めはありません。倉庫内の貨物の移動などで運転させる場合は、日本人と同じく労働安全衛生法令の資格や教育が必要です。

図5フォークリフトの運転に必要な資格・教育

倉庫内でフォークリフトを運転させる場合(道路上を走行させる運転を除く)
フォークリフトの最大荷重必要な資格・教育根拠
1トン以上技能講習の修了など(資格のない人を就かせてはならない業務)労働安全衛生法61条1項、同法施行令20条11号
1トン未満特別教育労働安全衛生法59条3項、労働安全衛生規則36条5号
国籍による違いはなく、特定技能の外国人にも同じ基準が当てはまります。最大荷重1トン未満のショベルローダー・フォークローダーの運転も、特別教育の対象です(同規則36条5号の2)。出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(2026年10月確認)、e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」(2026年10月確認)、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(2026年10月確認)

評価試験でも「機器の取扱い」が問われる

物流倉庫分野の評価試験は、保管・荷役、流通加工、安全衛生について、実践的な知識、機器の取扱いの理解、作業場面に応じた判断を確かめるものとされています。試験に合格しても、フォークリフトの運転資格を得たことにはなりません。入社後の資格取得の段取りを、採用計画に組み込んでおきます。

安全教育は本人が理解できる方法で

外国人雇用管理指針は、安全衛生教育を母国語や視聴覚教材などを使い、外国人が内容を理解できる方法で行うよう求めています。労働災害を防ぐための日本語や、基本的な合図・標識の教育も含まれます。倉庫内の通路の色分けや合図を、写真つきで一覧にしておくと教えやすくなります。

講習の費用を補助する自治体もある

講習の費用を支える制度を設けている自治体もあります。たとえば長崎県の「外国人材スキルアップ支援補助金」は、県内企業が行う日本語教育や、フォークリフト・玉掛けなどの技能講習の経費を対象にしています。補助率は3分の2、上限は10万円です(令和8年度、随時受付)。拠点のある自治体の制度を確かめてみてください。

物流倉庫の特定技能の試験と日本語:技能実習からの移行は見込めるか

技能試験は「物流倉庫分野特定技能1号評価試験」で、日本語は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上です。日本語は国際交流基金日本語基礎テストのA2.2相当以上か、日本語能力試験N4以上で示します。

図6本人の要件と、2026年10月時点の状況

  • 技能:評価試験範囲は保管・荷役、流通加工、安全衛生。試行試験は2026年2月末までに終わり、開始時期は未定です。
  • 技能:技能実習2号からの免除要領別冊の本文に考え方はありますが、免除の対象を定める別表の欄は「ー」で、具体的な職種・作業は載っていません。
  • 日本語:A2.2相当以上JFT-BasicのA2.2相当以上かN4以上。技能実習2号を良好に修了した人は、当面の間、職種を問わず日本語能力を証明したものとして扱われます。
  • 在留期間:1号の通算5年まで物流倉庫分野に2号はなく、国土交通省も「現時点で特定技能2号の受け入れはありません」としています。
技能の証明は、当面は評価試験の開始を待つことになります。出典:出入国在留管理庁「運用要領(物流倉庫分野)」(2026年9月18日公表)、国土交通省「運用要領別冊 別表」(2026年9月18日公表)、国土交通省「物流倉庫分野」(2026年10月確認)

技能実習の修了者を移す計画は、まだ立てにくい

別表に免除の対象となる職種・作業が載っていないため、技能実習2号の修了者でも、技能は評価試験で示す前提で考えるのが安全です。日本語の免除だけでは要件はそろいません。自社や取引先に技能実習生がいる場合も、試験の開始時期が見えてから移行の計画を立てます。扱いに迷う場合は、国土交通省(貨物流通経営戦略室)に確認してください。

育成就労は2027年4月から

物流倉庫は、2027年4月1日に始まる育成就労の対象分野でもあります。受入れ見込数は育成就労が6,900人で、特定技能1号の11,400人と合わせて18,300人です。育成就労では、就労開始までにA1相当以上(日本語能力試験N5など)の試験に合格するか、相当する日本語講習を受けます。1年目には評価試験(初級)があります。制度の全体像は育成就労制度とは?で解説しています。

試験開始までに進める準備と、委託先に確かめる質問

試験と協議会の開始を待つ間にも、拠点ごとに進められる準備があります。告知が出てから動くと、協定書の調整や業務の切り分けに時間を取られます。

図7物流倉庫会社が試験開始までに進める6つの準備

  1. 拠点ごとに類型を確かめる

    倉庫業の登録、委託契約、貨物自動車運送事業の許可のどれで当てはまるかを、拠点ごとに整理します。

  2. 委託先の倉庫では協定書の相談を始める

    ②に当たる拠点は、倉庫業者と雇用継続の協定書を作る必要があります。

  3. 倉庫管理システムの機能を確かめる

    入庫・在庫・出庫の管理ができるか。表計算だけで管理している拠点は見直します。

  4. 任せる作業と任せない作業を分ける

    包装されていない食品に触れる作業、製造にあたる加工、倉庫外の業務を切り分けます。

  5. フォークリフトの資格と安全教育の段取りを組む

    技能講習・特別教育の受講時期と、母国語や動画を使った教材を準備します。

  6. 公的機関の告知を定期的に確かめる

    国土交通省の物流倉庫分野のページで、試験と協議会の受付開始を確認します。

1と2は相手先との調整が要るため、最も時間がかかります。

よくある誤解

  • 物流倉庫はもう受け入れが始まっている試験は準備中、協議会は設置に向けて調整中です。在留の申請の前提となる協議会への加入ができません(2026年10月14日時点)。
  • 技能実習の修了者なら、試験なしで移れる免除の対象を定める別表に職種・作業の記載はありません。日本語だけでは要件はそろいません。
  • 倉庫の作業なら、食品の小分けも任せられる包装されていない食品に直接触れる業務には従事できません。
  • 派遣会社を通せば早く受け入れられる派遣での受け入れはできず、違反すると以後5年間受け入れられなくなります。

委託先に確かめる5つの質問

  • 物流倉庫分野の試験と協議会の状況を、どの公的な案内で把握していますか
  • 受け入れの開始時期を示す場合、その根拠となる資料は何ですか
  • 拠点ごとの類型の判断と、協定書の作成を手伝えますか
  • フォークリフトの講習や安全教育を、本人の言語で支える体制はありますか
  • 試験が始まった後の手順と、費用の内訳を先に示せますか

報酬は日本人と同等以上が条件です。2026年度の最低賃金の改定を踏まえた考え方は特定技能と最低賃金、制度の基本は特定技能とは?で確認できます。

想定ケース:物流倉庫会社(3拠点・従業員180人)の総務部長が「すぐ」の提案を見送った理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

3つの拠点を持つ物流倉庫会社で総務部長を務める60代の男性に、受け入れの準備の進め方を聞きました。

  • 3拠点の作業を洗い出し、外国人に任せられる作業と任せられない作業を38工程に仕分けた
  • 表計算で在庫を管理していた1拠点に倉庫管理システムを入れ、3拠点とも条件を満たした
  • 試験と協議会の開始から在留の申請までの手順表を作り、告知が出た日から動ける体制にした

――準備を始めて半年。何が変わりましたか。

受け入れの「待ち方」が決まったことです。試験と協議会の告知が出たら、翌週には委託先と動ける手順表ができています。作業も38工程に分けて、任せられるもの、任せられないものを拠点長と一緒に決めました。表計算で在庫を見ていた拠点には倉庫管理システムを入れ、出荷のミスが減るという副産物もありました。

――検討を始めたきっかけは。

夜間の入出庫の人手です。フォークリフトに乗れる社員の半分が60歳を超え、求人を出しても応募は月に数件でした。物流倉庫が特定技能の分野に加わると聞いて、すぐに社長から検討を指示されました。

――最初に戸惑ったことは。

ある会社から「すぐ受け入れられます」と提案されたことです。国土交通省のページを見たら、試験は準備中、協議会は調整中と書いてある。どちらを信じればいいのか、正直分からなくなりました。協議会がないと申請に進めない仕組みだと分かって、その提案は見送りました。

――拠点ごとの違いで、困ったことは。

3つ目の拠点は、取引先の倉庫会社の倉庫で作業を請け負っています。そこは「倉庫業者の委託先」に当たるので、相手と協定書を作らなければなりません。取引先の担当者も初めての話で、説明の資料を作って2回足を運びました。2つ目の拠点には青果の小分けのラインがあり、そこは包装されていない食品に触れるので任せられません。持ち場の組み方を変えました。

――委託先は、どう選びましたか。

3社に同じ質問をしました。決め手は、「いつから」と聞いたときに、分からないことは分からないと答え、国土交通省のページを一緒に確かめてくれた会社です。試験が始まったらすぐ連絡をもらう約束で、それまでは拠点ごとの類型の整理と協定書の相談を手伝ってもらっています。急がせない姿勢に、かえって安心しました。

――フォークリフトは、どう考えていますか。

特定技能だから乗れる、というものではないと分かりました。1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育です。入社後すぐに受講できるよう、講習機関の日程と、母国語の補助教材を調べ始めています。2027年4月からの育成就労も、選択肢として委託先と話しています。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

倉庫で外国人を受け入れるには?

特定技能の物流倉庫分野で受け入れるには、自社が受入れ機関の3類型のどれかに当たり、倉庫管理システムを使っていることが前提です。そのうえで、評価試験に合格し日本語の要件を満たした人を直接雇用し、協議会に加入してから在留の申請をします。2026年10月14日時点では試験と協議会が準備中のため、まだ申請には進めません。

物流倉庫の評価試験はいつ始まりますか?

2026年10月14日時点で開始時期は未定です。国土交通省は、試行試験を2026年2月末までに終え、試験の適正性について了承を得る手続きを進めているとしています。試験実施要領は調整中で、今後公表される予定です。

倉庫業の登録がない運送会社でも受け入れられますか?

一般貨物自動車運送事業か特定貨物自動車運送事業の許可を受けていれば、受入れ機関になれる場合があります。他人の需要に応じて有償で倉庫作業を行う場合は、運賃とは別に作業料金を受け取っている必要があります。

ほかの倉庫業者の倉庫で作業を請け負う会社も対象ですか?

対象になります。倉庫業者が営業に使っている倉庫で、その委託を受けて倉庫作業を行う会社は、受入れ機関の類型の1つです。ただし、倉庫業者と共同で、特定技能外国人の雇用の継続に係る責任を負う旨の協定書を作る必要があります。協定書には、倉庫業者が就労支援を行う旨を書きます。

特定技能の外国人にフォークリフトを運転させられますか?

倉庫内の貨物の移動などで運転させることはできますが、日本人と同じ資格が要ります。最大荷重1トン以上は技能講習の修了など、1トン未満は特別教育が必要です。評価試験の合格だけでは、運転の資格にはなりません。

物流倉庫分野の協議会には、いつ加入できますか?

2026年10月14日時点で、協議会は設置に向けて調整中です。加入の要件・必要書類・受付開始日は、国土交通省の物流倉庫分野のページで知らせるとされています。会費や手続きの期間も、まだ公表されていません。

物流倉庫分野に2号はありますか?

ありません。要領別冊は「物流倉庫分野においては、特定技能2号での受入れを行うことはできません」と定めています。在留は1号の通算5年までです。

派遣で外国人を受け入れることはできますか?

できません。派遣することも、派遣された人を受け入れることも認められず、違反すると以後5年間は特定技能外国人を受け入れられなくなります。派遣で受け入れられるのは農業と漁業だけです。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 国土交通省「物流倉庫分野」(2026年9月時点の記載・2026年10月確認)
  2. 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(物流倉庫分野)」(2026年9月18日公表)
  3. 国土交通省「特定技能運用要領別冊(物流倉庫分野)別表」(2026年9月18日公表)
  4. 出入国在留管理庁「分野別運用方針の主要な記載事項」(2026年1月23日閣議決定)
  5. 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
  6. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末・速報値)
  7. 出入国在留管理庁「試験関係」(2026年10月14日確認)
  8. 出入国在留管理庁「分野別情報」(2026年6月1日現在の受入れ可能分野)
  9. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  10. e-Gov法令検索「労働安全衛生法」(2026年10月確認)
  11. e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」(2026年10月確認)
  12. e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(2026年10月確認)
  13. 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(2026年5月29日告示による改正を反映)
  14. 長崎県「産業支援制度説明資料 令和8年度」(2026年8月)

最終更新:(2026年10月版)

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