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特定技能外国人の労働時間・残業・36協定|適用されるルール
ルールは日本人と同じ。違いが出るのは「伝え方」と「残し方」。36協定の上限から1分単位の記録まで、現場で使える形にする
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
特定技能の外国人に残業をお願いしてよいのか、36協定は別に必要か、残業代の計算は日本人と同じか。初めて受け入れる会社から多い質問です。答えは、労働時間・残業・割増賃金のルールは国籍を問わず同じ、です。そのうえで特定技能には、所定労働時間を通常の社員とそろえるフルタイムの要件があり、毎年の定期届出では時間外労働の月平均なども報告します。この記事では、特定技能の残業と労働時間について、36協定の上限、割増賃金の計算例、本人への説明の仕方、記録の残し方と保存期間を、2026年10月時点の公的資料にもとづいて整理します。
- 残業のルールは日本人と同じ:1日8時間・週40時間を超える残業には36協定と届出が必要で、上限は原則月45時間・年360時間です。国籍を理由に労働時間で差を付けることは労働基準法で禁じられています。
- 残業代の計算も同じ:時間外25%以上、休日35%以上、深夜25%以上、月60時間超の時間外は50%以上です。1日ごとに15分未満を切り捨てるような処理は認められません。
- 違いは説明と記録:36協定の上限や残業代の計算を、本人が分かる言葉と自分の給与明細で説明します。労働時間はタイムカードなどの客観的な記録で残し、定期届出の数字とも合わせます。
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この記事の目次
結論:特定技能の残業と労働時間は、日本人と同じ労働基準法で決まる
特定技能の外国人にも、労働時間・残業・割増賃金のルールは日本人とまったく同じように適用されます。労働基準法3条は、国籍を理由に賃金や労働時間などの労働条件で差別的な扱いをすることを禁じています。
特定技能ならではの点は2つです。1つは、所定労働時間を通常の社員とそろえるフルタイムの要件。もう1つは、毎年の定期届出で、時間外労働の月平均などを出入国在留管理庁に報告することです。ルールに上乗せされるのは「説明」と「記録」の手間だと考えると整理しやすくなります。
図1特定技能の労働時間管理を支える3本の柱
- 日本人と同じルール法定労働時間、休憩・休日、36協定と上限、割増賃金、年次有給休暇。国籍で差を付けることはできません。
- 特定技能の上乗せ所定労働時間は通常の社員と同等のフルタイム。一時帰国を希望したら必要な有給休暇。労働条件の月平均を年1回届け出ます。
- 説明と記録本人が分かる言葉で書面を示し、残業代は自分の明細で説明。労働時間は客観的な方法で記録し、決められた期間保存します。
「外国人だから」の運用が一番危ない
トラブルになりやすいのは、制度の違いではなく社内の運用です。「本人が稼ぎたいと言うから上限を超えても」「日本語で説明したから分かったはず」といった判断が、違反や不信につながります。この記事では、ルールを確かめたうえで、伝え方と残し方を具体的に示します。
労働時間の違反は、特定技能の受入れ基準にも響く
受入れ企業の基準には「労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること」が入っています。1号の人との定期面談は3か月に1回以上あり、労働関係法令の違反が分かれば、支援を行う側は労働基準監督署などへ通報することになっています。残業の上限超えや割増賃金の未払いは、労務の問題にとどまらず、受け入れの継続そのものに関わります。
特定技能の労働時間:法定労働時間・休憩・休日の基本
法定労働時間は、休憩を除いて1日8時間・1週40時間です。これを超えて働かせるには36協定が必要で、日本人と同じく外国人にも適用されます(厚生労働省のリーフレット)。
図2労働時間・休憩・休日の基本の数字
- 8時間1日の法定労働時間休憩を除く(労働基準法32条)
- 40時間1週の法定労働時間休憩を除く(同32条)
- 45分/60分休憩6時間超で45分以上、8時間超で1時間以上(同34条)
- 週1日休日または4週間で4日以上(同35条)
労働時間に入る時間を、本人と同じ物差しで
使用者の指揮命令の下にある時間は、労働時間です。厚生労働省のリーフレットは、始業前の制服への着替え、業務後の清掃、手待ち時間、業務として義務付けた研修を例に挙げています。整備工場なら、作業着への着替えや、終業後の工具の片付けを指示しているかがポイントになります。
「早く来て準備」は、日本人と同じ基準で
早めに出社して準備を始めているのに、記録していない。こうした例は、日本人・外国人を問わず少なくありません。会社の指示や、指示がなくても事実上やらざるを得ない準備なら、労働時間として扱います。始業時刻より前に作業を始めないよう伝えるか、記録して賃金を払うかのどちらかに決めます。
漁業・養殖業などは一部の規定が別扱い
漁業分野の運用要領は、漁業・養殖業には労働基準法の労働時間・休憩・休日の規定が適用されないとしています。それでも受入れ企業は、過重な長時間労働にならないよう管理し、休憩と休日を適切に決めなければなりません。この記事では、労働時間の規定がそのまま適用される職場を前提に説明します。
特定技能のフルタイム要件と所定労働時間
特定技能の外国人には、フルタイムで働くことが求められます(出入国在留管理庁Q&A)。林野庁の受入れの手引きは、その目安を「原則、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上、かつ労働時間が週30時間以上」と説明しています。
そのうえで基準省令は、外国人の所定労働時間が「通常の労働者の所定労働時間と同等であること」を求めています。日本人の整備士が1日8時間・週5日なら、特定技能の人も同じです。外国人だけ短い時間にして、足りない分を残業で埋める組み方は認められません。
交代制・変形労働時間制は「型」をそろえる
シフトや1年単位の変形労働時間制を使う場合も、日本人と同じ型を当てはめます。対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制では、36協定の限度時間が月42時間・年320時間になる点も同じです。入社後に始業・終業時刻や所定労働時間を変えるときは、雇用契約の変更として届出が要るかを、入管の随時届出Q&Aで確かめます。必要なら、事由が生じた日から14日以内に出します。雇用形態と所定労働時間の決め方は、特定技能の雇用形態|直接雇用・フルタイムの要件と例外で詳しく整理しています。
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外国人と36協定:残業させる前に必要な協定と上限
1日8時間・週40時間を超えて働かせたり、法定休日に働かせたりするには、36協定を結んで所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。外国人用に別の協定を結ぶ必要はなく、事業場の協定が国籍を問わず全員に適用されます。
図3時間外労働の上限(36協定の早見表)
| 区分 | 上限 | 休日労働 |
|---|---|---|
| 原則(限度時間) | 月45時間・年360時間 | 含まない |
| 1年単位の変形労働時間制(3か月超) | 月42時間・年320時間 | 含まない |
| 特別条項:年間 | 時間外労働は年720時間以内 | 含まない |
| 特別条項:月45時間超の回数 | 年6か月まで | 含まない |
| 毎月の上限 | 時間外+休日労働で月100時間未満 | 含む |
| 複数月の平均 | 2〜6か月の平均がすべて月80時間以内 | 含む |
届出と特別条項の中身
協定届は、通常は様式第9号、限度時間を超える特別条項を付けるなら様式第9号の2を使い、e-Govでの電子申請もできます。特別条項には、限度時間を超えて働く人の健康・福祉を守る措置を選んで定めます。選択肢には、医師による面接指導、勤務間インターバル、代償休日の付与、心とからだの相談窓口の設置などがあります。
過半数代表者の選出にも外国人社員が加わる
協定の相手は、過半数で組織する労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者です。外国人社員も「労働者」に含まれるため、代表者を選ぶ案内は本人が分かる言葉でも出しておきます。選び方が分からないまま署名だけ集めると、後から協定の効力を問われる原因になります。
繁忙期は「月45時間を超える6回」の配り方を先に決める
特別条項で月45時間を超えられるのは年6か月までです。繁忙期が読める業種なら、年度の初めに配り方を決めておくと、月末に慌てずに済みます。たとえば整備工場で、車検が集中する3月と、冬用タイヤの交換が重なる11月・12月に3回を使い、残りの3回を予備にする、といった組み方です(架空の例)。どの月に何回使ったかは、1人ずつ数えます。予備を早く使い切った人は、後半の繁忙期に応援に回れなくなります。
外国人の残業代の計算:割増率と計算例
残業代の計算方法は日本人と同じです。割増率の最低は、時間外労働25%、法定休日の労働35%、深夜(午後10時〜午前5時)25%で、月60時間を超える時間外労働は50%以上になります。
図4残業代の計算例(架空の整備士・月給216,000円)
| 働いた時間 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 平日の時間外20時間 | 1,350円×1.25×20時間 | 33,750円 |
| 時間外のうち深夜2時間(上乗せ分) | 1,350円×0.25×2時間 | 675円 |
| 法定休日の労働8時間 | 1,350円×1.35×8時間 | 14,580円 |
| 合計 | — | 49,005円 |
割増が重なるときは足し算で考える
時間外労働が深夜に及んだ時間は、時間外の25%に深夜の25%を加えて50%以上です。法定休日の労働が深夜に及べば、休日の35%と深夜の25%で60%以上になります。上の計算例で深夜の2時間を「上乗せ分」として別の行にしたのは、明細でも同じように分けて見せると、本人が自分で検算できるからです。
月60時間を超えたら5割以上、代替休暇も選べる
月60時間を超える時間外労働の割増は5割以上です。労使協定を結べば、60時間を超えた部分の割増の一部に代えて、有給の代替休暇を与えることもできます。年次有給休暇とは別の休暇です。帰国の前にまとめて休みたい人には、選択肢として説明できます。
端数の切り捨ては1日単位ではしない
1日ごとに15分未満や30分未満の残業を一律に切り捨てて払わないことは違反です。認められているのは、1か月の時間外・休日・深夜の各合計について、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる処理です。給与の決め方そのものは特定技能の給料の決め方、未払いを防ぐ説明は外国人社員の給与トラブルの防ぎ方で扱っています。
説明の仕方:入社時・36協定・給与明細で伝えること
労働基準法15条は、労働契約を結ぶときに賃金や労働時間などの条件を明示するよう求めています。外国人雇用管理指針は、さらに母国語など本人が理解できる言語や平易な日本語を使うよう努め、賃金や控除の内容を説明するよう求めています。
図5説明する3つの場面と、伝える内容
- 入社前:雇用条件書で始業・終業時刻、休憩、休日、残業の有無、割増率を説明します。雇用条件書の参考様式には英語など10言語の版があります。
- 入社時:36協定の1枚資料で月45時間・年360時間の上限、特別条項の有無と回数、残業を命じる手順、断りたいときの相談先を伝えます。
- 毎月:本人の給与明細でその月の時間外・休日・深夜の時間数と金額を、計算式のとおりに示します。質問がなくても、最初の3か月は一緒に確かめます。
やさしい日本語での説明文の例
「会社は、残業のルールを決めて、労働基準監督署に出しています。残業は1か月45時間まで、1年360時間までです。忙しい月は、もっと長くなることがあります。でも、1年に6回までです。残業をした時間は、1分も消しません。給料の紙に、残業の時間とお金を書きます。分からないときは、〇〇さんに聞いてください。」
数字は会社の協定に合わせて置き換えます。最後に、本人に自分の言葉で言い直してもらうと、理解できたかが確かめられます。翻訳する場合も、元の日本語を短い文にしておくと誤訳が減ります。
説明で避けたい言い方
- 「みんなやっているから、残業は当たり前」と、協定の上限を伝えない
- 「日本では、少しの残業はお金にならない」と、切り捨てを当然のように話す
- 「休憩中も、電話が鳴ったら出て」と、自由に使えない休憩を指示する
- 「分かりましたか」とだけ聞き、うなずいたことで理解したとみなす
現場のリーダーが善意で言った一言が、本人には「会社のルール」として残ります。説明の担当者だけでなく、毎日指示を出す班長や先輩にも、同じ1枚資料を渡しておくと食い違いが減ります。
記録の残し方:労働時間・残業の記録と保存期間
労働時間は、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録など客観的な記録を基礎に確認し、記録します。自己申告にせざるを得ない場合は、適正な申告を妨げない措置をとることが条件です。
図6残しておく記録と保存期間
| 記録 | 保存の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 労働者名簿・賃金台帳・労働関係の重要書類 | 5年(当分の間は3年) | 労働基準法109条 |
| 労働時間の状況の記録 | 3年 | 労働安全衛生法の関係規定 |
| 年次有給休暇管理簿 | 労働者ごとに作成して保存 | 労働基準法施行規則 |
| 外国人の活動内容に関する文書 | 雇用契約の終了の日から1年以上 | 基準省令(特定技能) |
毎月の締めで行う確認
- 打刻と実際の作業を突き合わせる
打刻漏れや、始業前・終業後の作業がないかを現場の責任者と確かめます。
- 時間外・休日・深夜を分けて集計する
1日単位で切り捨てず、1分単位で積み上げます。
- 上限に近い人を洗い出す
月45時間、月100時間未満、2〜6か月平均80時間の3つを毎月見ます。
- 明細に時間数と金額を載せて渡す
本人が自分の記録と照らし合わせられるよう、時間数を必ず書きます。
- 年1回の定期届出の数字に使う
実労働日数、所定労働時間、時間外労働時間などの月平均を、毎月の集計から出せるようにしておきます。
定期届出は毎年4月1日〜5月31日に、前年度(4月〜3月)分を出します。報告する労働条件の月平均には、きまって支給する現金給与額や控除額も含まれます。毎月の作業をまとめた表は特定技能の労務管理チェックリストにあります。
年次有給休暇と一時帰国の休み、よくある失敗
年次有給休暇も日本人と同じです。雇い入れから6か月続けて勤務し、全労働日の8割以上出勤すれば10日が付与され、勤続に応じて増えます。年10日以上付与される人には、そのうち5日を会社が時季を指定してでも取らせる義務があります。
図7勤続年数ごとの年次有給休暇の日数(一般の労働者)
- 6か月10日
- 1年6か月11日
- 2年6か月12日
- 3年6か月14日
- 4年6か月16日
- 5年6か月18日
- 6年6か月以上20日
一時帰国の希望には、有給休暇で応える
基準省令は、外国人が一時帰国を希望した場合に、必要な有給休暇を取得させることを雇用契約の基準にしています。繁忙期と重なるときは、時期をずらす相談はできても、帰国そのものを認めない運用はできません。年末年始などに希望が集中するなら、前年のうちに順番を決めておきます。
よくある失敗
- 「本人が希望したから」と、36協定の上限を超えて残業させる
- 外国人だけ所定労働時間を短くし、残業で穴埋めする
- 15分未満の残業を毎日切り捨てる慣行が残っている
- 36協定の内容を日本語の掲示だけで済ませている
- 一時帰国を、欠勤や無給の休みとして扱う
解雇や雇止めに関わる労働時間の問題は特定技能外国人の試用期間・解雇・雇止め、給与の振込や控除のルールは外国人社員の賃金の支払い方法で確認できます。
想定ケース:自動車整備工場(従業員85人)の事務長が、残業の説明と記録を1枚にまとめた理由
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
認証工場を2か所持つ自動車整備会社(従業員85人)の事務長(60代男性)に、特定技能の整備士4人の労働時間の管理を見直した経緯を聞きました。
- 残業代についての外国人社員からの質問が、月6件から月1件に減った
- 手書きの出勤簿をICカードに切り替え、打刻漏れが月15件から月2件になった
- 繁忙期の時間外労働を、4人とも月45時間以内に収めた
――見直しの後、何が変わりましたか。
給料日のたびに来ていた「残業代が合わない」という質問が、ほとんどなくなりました。前は月に6件ほどあって、そのたびに出勤簿をめくって説明していました。いまは本人が明細と自分の打刻を見比べて、納得してくれます。
――見直しのきっかけは何でしたか。
3月の車検が集中する時期に、1人が「もっと残業したい」と言ってきたことです。国の家族に送金したいという事情でした。気持ちは分かります。でも、うちの36協定の上限を超えるわけにはいきません。そこで初めて、協定の中身を本人たちにきちんと伝えていなかったと気づきました。
――ほかに困っていたことはありますか。
正直に言うと、残業を15分単位で切り捨てる昔からの扱いが残っていました。日本人の社員も含めて、です。労働局のリーフレットを読んで、1日ごとの切り捨ては違反だと知りました。1分単位に直したので、残業代は増えました。ただ、これで説明に後ろめたさがなくなりました。
――何から手を付けましたか。
36協定の上限と残業代の計算式を、A4の1枚にまとめました。やさしい日本語で書き、登録支援機関に母国語の訳を付けてもらいました。過半数代表者を選び直すときの案内も、同じように2言語で出しています。
――運用してみて、つまずいた点は。
ICカードにした最初の月は、着替えてから打刻する人と、打刻してから着替える人が混ざりました。作業着への着替えは会社の指示なので、着替える前に打刻する、と全員にそろえました。毎月の集計表がそのまま定期届出の月平均にも使えるので、5月の届出の準備はずいぶん楽になりました。
――次に取り組みたいことは。
一時帰国の休みの順番決めです。4人のうち3人が年末年始に帰りたいと言っていて、12月は冬用タイヤの交換で一番忙しい時期と重なります。前の年の秋までに希望を聞いて、2人ずつ時期を分ける案を、本人たちと相談しているところです。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
外国人の残業代の計算は日本人と同じ?
同じです。時間外25%以上、法定休日35%以上、深夜25%以上、月60時間を超える時間外は50%以上の割増賃金を払います。労働基準法3条は、国籍を理由に賃金などで差別的な扱いをすることを禁じています。
特定技能の外国人に残業をさせてもよいですか?
36協定を結び、労働基準監督署長に届け出ていれば、日本人と同じ範囲でさせられます。上限は原則月45時間・年360時間で、特別条項を付けても、時間外と休日労働の合計は月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内です。
本人が「もっと残業したい」と言ったら、上限を超えてもよいですか?
超えてはいけません。上限は本人の同意があっても変わりません。収入を増やしたい事情があるなら、上限の範囲での働き方や、昇給の基準を説明します。
36協定は外国人用に別に結ぶ必要がありますか?
必要ありません。事業場の36協定が、国籍を問わず全員に適用されます。外国人社員も過半数を数えるときの労働者に含まれるので、代表者の選出の案内と協定の内容を、本人が分かる言葉で伝えます。
特定技能の人の所定労働時間を、日本人より短くできますか?
できません。基準省令は、所定労働時間が通常の労働者と同等であることを求めています。フルタイムの目安は、原則として週5日以上かつ年間217日以上、週30時間以上です。
一時帰国のための休みは、どう扱えばよいですか?
本人が一時帰国を希望した場合は、必要な有給休暇を取得させることが雇用契約の基準です。年次有給休暇の残りや時期を本人と相談し、繁忙期と重なるなら時期をずらす提案をします。帰国そのものを認めない運用はできません。
休憩時間に電話番をさせてもよいですか?
休憩時間は、本人が自由に使えるものでなければなりません。電話や来客に対応するために待機させている時間は手待ち時間にあたり、労働時間として扱います。電話番が必要なら、休憩の時間帯を交代でずらします。
変形労働時間制の会社でも、特定技能の人を受け入れられますか?
受け入れられます。日本人の社員と同じ型の変形労働時間制を当てはめ、所定労働時間を通常の社員と同等にします。対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制では、36協定の限度時間は月42時間・年320時間です。
労働時間の記録は何年保存すればよいですか?
賃金台帳や労働関係の重要な書類は5年(当分の間は3年)、労働時間の状況の記録は3年です。特定技能では、外国人の活動内容に関する文書を雇用契約の終了の日から1年以上備えておくことも基準になっています。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- e-Gov法令検索「労働基準法」(第3条・第15条・第32条・第34条〜第37条)(2026年10月14日確認)
- 厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(2023年2月版)
- 厚生労働省・都道府県労働局「労働時間の適正な把握と賃金計算」リーフレット(2024年9月)
- 厚生労働省「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」(2020年4月1日施行分)
- 厚生労働省「労働条件・職場環境に関するルール」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「年次有給休暇の時季指定義務」(2018年9月)
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月14日確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月確認)
- 林野庁「林業分野における外国人材受入れの手引き」(2026年8月)
- 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(2026年5月29日改正を反映)
- 出入国在留管理庁「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出(定期届出)作成要領」(2026年1月26日掲載)
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年8月20日更新)
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく!」(LL250318)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(漁業分野)」(2024年2月15日一部改正)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(2025年6月)
最終更新:(2026年10月版)
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