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中小企業が特定技能を受け入れる進め方|担当者がいなくても回す方法
専任の担当者はいなくても、「担当」は決められる。社長・事務・現場の負担を最小にする分け方
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
求人を出しても日本人の応募が来ない。特定技能を考えたいが、外国人採用の専任を置く余裕はない。中小企業の多くが、ここで止まります。けれど、外国人を雇う事業所の63.1%は従業員30人未満です(2025年10月末)。この記事では、従業員30人前後の中小企業が特定技能を受け入れる進め方を、社長・事務・現場の役割分担と、外部に任せる範囲に分けて示します。入社までの手順、届出の年間予定、費用と助成金、会社選びで聞く質問まで、2026年10月時点の公的資料にもとづいて整理しました。
- 専任はいらないが、担当は決める:社長は「決める」、事務は「届け出る」、現場は「教える」。この3つに分け、支援の実施は登録支援機関に任せると、兼務でも回ります。
- 全部委託すれば支援体制の基準は満たしたとみなされる:自社で支援するには過去2年間の受入れ実績などの基準があるため、初めての中小企業は全部委託から始めるのが現実的です。
- 任せても会社に残る仕事がある:随時届出(14日以内)と定期届出(毎年4月1日〜5月31日)を出すのは会社です。登録支援機関は代わりに届け出られません。
- 会社選びは「小さな会社の受け入れ例」で比べる:同じ分野・同じ規模での例、担当者1人の受け持ち、届出書類の準備の手厚さを、2〜3社に同じ質問で聞きます。
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この記事の目次
結論:中小企業の特定技能は「3つの担当+外部」に分ければ、専任なしで回る
中小企業が特定技能を受け入れるのに、外国人採用の専任は要りません。必要なのは、社長・事務・現場の3つの担当を決め、支援の実施を外部に任せることです。
実際、外国人を雇う事業所の多くは小さな会社です。厚生労働省の集計では、外国人を雇用する371,215事業所のうち63.1%が従業員30人未満でした(2025年10月末)。前年からの増え方も、30人未満が最も大きくなっています。
図1従業員30人前後の会社の役割分担(3つの担当と外部)
- 1社長:決める
受け入れるかどうか、予算、頼む会社を決めます。面談の報告を読み、条件の見直しを判断します。
- 2事務:届け出る
基準の点検、雇用契約、入管とハローワークへの届出を担当します。届出は会社しか出せません。
- 3現場:教える
仕事を教える人を1人決め、別の部署から相談役を1人選びます。日々の声かけはここで行います。
- 4外部:探す・支える・書く
人材紹介会社が人を探し、登録支援機関が支援を行います。在留の申請書類の作成を頼むなら、行政書士です。
中小企業がつまずくのは「手間」より「担当があいまい」なこと
日本政策金融公庫の調査(2025年2月21日公表)は、外国人を雇う企業に困りごとを聞いています。「入管の手続きに時間や手間がかかる」は26.9%でした。ただ、手間そのものより困るのは、誰の仕事か決まっていないことです。担当があいまいだと、届出の期限が過ぎ、本人の相談が宙に浮きます。
この記事は、従業員30人前後で、人事の専任がいない会社を想定しています。1人だけ採用する場合の注意は特定技能を1人だけ採用したい、2〜3人の場合は特定技能を2〜3人採用するもあわせて読むと、計画が立てやすくなります。
中小企業の外国人採用の始め方:特定技能で入社までの8ステップ
始め方は8つのステップに分けると、誰が何をするかがはっきりします。社長が関わるのは最初の判断と面接、事務は点検と契約と届出、現場は配属の準備です。
図2特定技能で入社するまでの8ステップと担当
- 分野と仕事を確かめる(社長)
任せたい仕事が19分野のどれに当たるかを確かめます。分野によっては、海外から新たに呼べない時期があります(外食業は2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付を一時停止)。
- 自社の基準を点検する(事務)
労働・社会保険・租税の法令を守っているか、雇用契約の前1年以内に同じ業務の社員を会社都合で離職させていないかを確かめます。
- 頼む会社を2〜3社比べて決める(社長)
人材紹介会社と登録支援機関に同じ質問をし、3年総額の見積もりを同じ形式で出してもらいます。
- 協議会に入る準備をする(事務)
多くの分野で、在留の申請の前に分野ごとの協議会の構成員になる必要があります。
- 面接し、内定を出す(社長・現場)
現場で教える人も面接に同席し、自社の場面に近いやりとりで日本語と仕事の理解を確かめます。
- 雇用契約を結び、本人の言語で説明する(事務・外部)
報酬は日本人と同等以上にします。手取りの計算例を示し、事前ガイダンスは委託先と分担します。
- 在留の申請をする(事務・外部)
申請書類の作成を外部に頼むなら、報酬を得て作れるのは行政書士です。会社は登記や納税などの書類をそろえます。
- 配属の準備をして迎える(現場・外部)
教える人と相談役を決め、住まい・口座・役所の手続きは登録支援機関が支援します。
日本にいる人を雇うか、海外から呼ぶか
日本に住んでいる人を雇う場合は、在留資格の変更許可を申請します。海外から呼ぶ場合は、在留資格認定証明書の交付を受けてから、本人が現地で査証(ビザ)を申請します。海外からは国ごとの送出しの手続きも加わるため、日本にいる人を雇うより時間がかかる傾向があります。入社を急ぐなら、日本にいる人から探す方法も候補に入れます。
分野ごとの上乗せを先に確かめる
受け入れ人数は、原則として会社ごとの上限がありません。ただし介護は事業所の常勤介護職員の総数、建設は常勤職員(技能実習生や1号特定技能外国人などを除く)の総数が上限です。分野ごとの手続きは、建設の特定技能、介護の特定技能、自動車整備の特定技能などの分野別の記事で確かめてください。
社長・事務・現場の負担を最小にする役割分担表
負担を最小にするコツは、仕事を「会社にしかできないこと」と「外部に任せられること」に分けることです。会社にしかできないのは、決めること、届け出ること、教えることの3つです。
図3受け入れの仕事の分け方(担当・時期・任せられる部分)
| 仕事 | 社内の担当 | 時期・頻度 | 外部に任せられること |
|---|---|---|---|
| 受け入れの判断・会社選び | 社長 | 最初の1回 | 候補の会社からの提案・見積もり |
| 基準の点検 | 事務 | 内定の前に1回 | 確認項目の案内 |
| 面接・内定 | 社長と教える人 | 採用のたび | 候補者探し、日程調整、通訳 |
| 雇用契約・条件の説明 | 事務 | 内定のとき | 本人の言語での事前ガイダンス |
| 在留の申請書類 | 事務(書類集め) | 採用のたび | 書類の作成(行政書士) |
| 随時届出 | 事務 | 事由が生じてから14日以内 | 書類の案づくり(提出は会社) |
| 定期届出 | 事務 | 毎年4月1日〜5月31日 | 支援の状況の書類の用意 |
| ハローワークへの届出 | 事務 | 雇い入れ・離職のとき | ― |
| 生活の立ち上げ | ― | 入社の前後 | 住まい・口座・役所の手続きの支援 |
| 仕事の指導 | 現場の教える人 | 毎日 | ― |
| 定期面談 | 社長(報告を読む) | 3か月に1回以上 | 面談の実施と記録 |
| 相談・苦情 | 現場の相談役 | その都度 | 本人の言語での対応 |
事務の担当者を守る「届出の一覧表」
事務の担当者が兼務なら、届出の種類・期限・提出先を1枚の一覧にして机に貼っておきます。随時届出は事由が生じてから14日以内です。ハローワークへの届出は、雇用保険の被保険者なら雇い入れが翌月10日まで、離職が翌日から10日以内です。届出を怠ると指導や罰則の対象になるため、委託先には「期限の何日前に書類の案をもらえるか」を決めておきます。
現場は「教える人」と「相談役」を分ける
現場の負担が1人に集まらないよう、教える人と相談役を分けます。相談役は、教える人とは別の部署の人が向いています。上司には言いにくい困りごとを拾えるからです。社長は面談の報告を3か月ごとに読み、判断が要る話だけを引き取ります。
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外部に任せる範囲の決め方:全部委託・一部委託・自社支援
初めて受け入れる中小企業は、支援を登録支援機関に全部委託するのが現実的です。全部委託すると、会社が満たすべき支援体制の基準は満たしたものとみなされます。
自社で支援するための基準
自社で支援するには、省令の基準を満たす必要があります。主な条件は、次のどちらかです。過去2年間に、就労系の在留資格の外国人を適正に受け入れた実績があること。または、過去2年間に外国人の生活相談に従事した役員・職員がいることです。そのうえで、役員・職員の中から支援責任者と支援担当者を選びます。
さらに、外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制が要ります。支援の記録を雇用契約の終了から1年以上保存することや、定期的に面談できる体制も求められます。支援責任者・担当者は、外国人を監督する立場にない中立的な人でなければなりません。少人数の会社で、現場の上司が支援を兼ねることはできないということです。
2027年4月の改正も視野に入れる
2027年4月1日から、支援体制の要件が改正されます。支援責任者・支援担当者は常勤の役員・職員から選び、支援責任者には養成講習の受講が義務付けられます(当分の間は未修了でも差し支えない)。登録支援機関の担当者1人の受け持ちは、受入れ機関10未満・1号外国人50人未満になります。委託先が新しい基準を満たせるかも、選ぶときの確認点です。
初めての受け入れ:紹介は人材紹介会社、支援は登録支援機関に全部委託。2年目以降:面談の報告を読みながら、社内で担える部分(生活相談の一次対応など)が増えたら、一部委託や自社支援を検討します。採用から支援まで1社に任せる場合の利点と注意点は特定技能の採用から支援まで一括で任せるで、紹介会社と登録支援機関の違いは人材紹介会社と登録支援機関の違いで整理しています。
中小企業の特定技能の費用:予算の立て方と使える助成金
予算は、給与とは別に「採用の費用」と「支援の費用」を3年分で組みます。報酬は日本人と同等以上が必要なので、給与で費用を下げることはできません。
図4中小企業が特定技能の予算を組むときの式
3年の予算=採用の費用紹介料・渡航費・申請の準備+支援の費用月額の委託費 × 36か月+社内の準備住まい・作業手順書の翻訳など
目安となる公的データもあります。登録支援機関などへの月額委託費は、1人あたり「2万円以上3万円未満」が31.5%で最も多い区分でした。福岡県の令和7年度の調査で、在留資格を問わない数字です。職業紹介を通じた介護職の平均手数料は全国で59.7万円です(厚生労働省、令和6年度実績、特定技能に限らない)。
計算例:2人を受け入れる場合の3年の予算
紹介料を1人60万円、月額の委託費を1人2.5万円と仮定すると、2人で3年の予算は次のようになります。どちらも上の公的データをもとにした仮の値です。
- 紹介料:60万円 × 2人 = 120万円
- 委託費:2.5万円 × 36か月 × 2人 = 180万円
- 合計:300万円(1か月あたり約8.3万円)
この額に、住まいの準備や手順書の翻訳などの社内の準備が加わります。次に触れる助成金が使えれば、その分だけ負担は下がります。社長が予算の枠を先に決めておくと、会社を比べるときの物差しにもなります。
使える助成金と自治体の補助
厚生労働省の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、2026年10月1日に改定されました。支給額は20万円で、一時帰国のための休暇制度の整備などの上乗せを行うと25万円です。要件は、雇用労務責任者の選任と講習の受講、3か月ごとの面談、就業規則・雇用契約書・社内マニュアルの多言語化などです。計画期間の終了後6か月の時点で、離職率が15%以下であることも求められます。
自治体の補助もあります。たとえば鳥取県は、県内の介護・障害福祉サービス事業者を対象に補助を行っています(令和8年度)。紹介料や義務的支援の経費などの初期経費の2分の1を、1人15万円まで(1法人年4人まで)補助するもので、申請期限は2026年12月25日です。地元の県や市の制度も確かめてみてください。
入社後1年の予定表:いつ、誰が、何をするか
入社後の仕事は、時期が決まっているものがほとんどです。予定表を先に作れば、担当者が忙しい月でも抜けません。
図5入社後の主な予定(担当つき)
- 入社の月:生活の立ち上げと届出(外部・事務)生活オリエンテーション、住まい・口座・役所の手続きは登録支援機関が支援します。ハローワークへの届出は事務が行います(雇用保険の被保険者は翌月10日まで)。
- 最初の3か月:週1回の振り返り(現場)教える人が15分ほど、仕事の困りごとを聞きます。相談役は月に1回、声をかけます。
- 3か月ごと:定期面談と報告(外部・社長)面談は3か月に1回以上が義務です。本人の同意や録画の保存などの条件を満たせば、オンラインでも行えます。報告は社長が読みます。
- 変更があったとき:随時届出(事務)雇用契約や支援委託契約を変えたときなどは、事由が生じてから14日以内に届け出ます。
- 毎年4月1日〜5月31日:定期届出(事務)前年度分(4月〜翌3月)を提出します。支援の状況の書類は委託先が用意します。
- 在留期間が満了する前:更新の申請(事務・外部)1号の在留期間は、3年を超えない範囲で個別に決まります。期限を予定表に入れておきます。
- 年1回:条件と将来の見直し(社長)昇給、資格、2号への挑戦の予定を本人と話します。委託先の評価もこのときに行います。
人数を増やすときは、この予定表が人数分に増えます。5人以上を考えるなら、社内体制の組み直しが要ります。目安は特定技能を5人・10人以上採用するで確かめてください。
中小企業の会社選び:紹介会社・登録支援機関に聞く8つの質問
中小企業が会社を選ぶときは、全体の実績より「自社と同じ分野・同じ規模での受け入れ例」で比べます。少人数の受け入れに慣れているかどうかで、届出の手伝い方や報告の細かさが変わるからです。
福岡県の調査(令和7年度)では、介護の事業所が受け入れで相談する先の1位は「登録支援機関」43.4%でした。岡山県の調査(2023年9月1日時点)では、委託先を選んだ理由は「実績がある」51.8%、「サポートが手厚い」50.0%でした。「費用が安い」は9.8%にとどまります。中小企業にとって、委託先は事実上の相談相手になります。
同じ質問を2〜3社に聞く
- 自社と同じ分野で、従業員30人前後の会社の受け入れ例はありますか。
- 1〜2人の受け入れでも、担当者は固定されますか。
- 担当者1人が、何社・何人を受け持っていますか。
- 随時届出の書類の案は、期限の何日前にもらえますか。
- 面談の報告は、面談から何日以内に、どんな形で届きますか。
- 本人の言語で相談に乗れる人は、何人いますか。
- 紹介料・月額・追加料金を、3年の合計で出せますか。
- 在留の申請書類は、誰が作りますか。
中小企業が避けたい会社のサイン
- 「御社は何もしなくていい」と言う(届出は会社にしか出せません)
- 費用を「一式」としか示さない
- 許可番号・登録番号を示さない
- 国籍や年齢で人を選ぶよう勧める
日本人の採用が難しい理由から整理したい場合は、日本人が採用できない会社の人手不足対策も参考になります。
中小企業がつまずきやすい3つの場面と、先回りの方法
中小企業のつまずきは、「決める」「伝える」「迎える」の3つの場面に集まります。どれも、担当と期限を先に決めておけば避けられます。
決める:社長の判断待ちで、候補者を逃す
専任がいない会社では、面接の日程や内定の判断が社長の予定待ちになりがちです。その間に、候補者が別の会社に決まることもあります。内定を出す基準(技能・日本語・仕事の理解)と、面接から何日以内に返事をするかを、面接の前に決めておきます。
伝える:日本人の社員に説明しないまま迎える
受け入れの理由や、教える人・相談役の役割を社内に伝えないと、現場に戸惑いが残ります。岡山県の調査でも、受け入れに慎重な事業所が求める支援の上位は2つでした。「他施設での外国人介護人材受入事例の紹介」33.4%と、「外国人介護人材受入れに関する制度説明」31.3%です。社内に説明するときも、同じ規模の会社の受け入れ例と制度の基本の2つを材料にすると、話が具体的になります。
迎える:入社日に住まいや手続きが間に合わない
住まい、銀行口座、携帯電話、役所の手続きは、入社の前後に集中します。いずれも義務的支援の範囲で、登録支援機関が支援します。会社は、寮や社宅を用意するか、家賃のうちいくらを本人が負担するかを、雇用契約の前に決めておきます。家賃を給与から差し引くなら、労働者の過半数代表などとの書面の協定が必要です(労働基準法24条)。
想定ケース:自動車整備業(従業員28人)の専務が、専任を置かずに2人を受け入れた方法
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
整備工場を営む会社の専務(50代)に、専任の担当者を置かずに特定技能の2人を受け入れた1年を聞きました。
- 受け入れに使う社内の時間は、事務担当が月4時間ほど、専務が月1時間ほどに収まった
- 1年間で3件あった随時届出を、すべて14日以内に提出できた
- 整備士の残業が、1人あたり月10時間ほど減った
――1年たって、何が変わりましたか。
車検の繁忙期でも、ベテランが定時で帰れる日が出てきました。残業は1人あたり月10時間ほど減っています。受け入れに使う社内の時間も、思ったより少ない。事務の女性が月4時間ほど、私は面談の報告を読んで判断する1時間ほどです。届出も3件ありましたが、全部期限内に出せました。
――検討を始めた背景は。
整備士の求人を2年出し続けて、採用できたのは1人でした。そのうち2人が60歳を超えています。このままでは5年後に工場が回らない。社長と話して、特定技能を検討することにしました。
――専任を置けないことが、一番の不安でしたか。
そうです。総務は事務の女性1人で、経理も保険も見ています。これ以上は無理だと言われていました。最初に話を聞いた会社は「全部こちらでやります」と言うので、安心しかけました。ところが別の会社には「届出は御社にしか出せません」と言われ、どちらが本当か分からなくなりました。
――どうやって決めたのですか。
出入国在留管理庁のページで確かめたら、後の会社の言うとおりでした。そこからは、その会社の提案で役割を3つに分けました。私が決める、事務が届け出る、現場の班長が教える。届出は、期限の3日前に書類の案が届く約束にしてもらいました。うちと同じくらいの規模の整備工場で受け入れた例を、苦労した点も含めて話してくれたのも決め手です。小さい会社の事情を分かっている、と感じました。
――回してみて、つまずいたことはありますか。
最初は班長が、教えることと相談に乗ることを両方抱えてしまいました。部品の発注担当の社員に相談役を頼んでからは、班長は教えることに集中できています。もう1つは日本語です。整備の専門用語は試験には出ないので、よく使う50語を写真つきの一覧にしました。2人ともいまは、その一覧を後輩に教えられるくらいです。
相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。
よくある質問
中小企業におすすめの特定技能人材紹介会社は?
どの中小企業にも合う1社はなく、自社の分野・人数・国内在住者か海外からか・任せたい範囲で、向く会社は変わります。比べるときは、同じ分野で30人前後の会社の紹介例があるか、返金の規定、許可番号を確かめます。特定技能のりあい窓口では、条件に合う会社を最大3社まで無料で紹介し、順位は付けず、選ぶのは御社です。掲載している会社から紹介手数料を受け取る場合がありますが、手数料の有無で提案の順番や内容は変えません。
初めて外国人を採用する中小企業ならどの会社がおすすめ?
初めての会社には、届出の書類の準備と、面談の報告が手厚い会社が向いています。随時届出は会社しか出せないため、期限の前に書類の案を用意してくれるかが負担を左右します。同じ分野・同じ規模での受け入れ例を、苦労した点も含めて説明できるかも確かめてください。
専任の担当者がいなくても特定技能は受け入れられる?
受け入れられます。支援を登録支援機関に全部委託すれば、会社が満たすべき支援体制の基準は満たしたものとみなされます。ただし、届出、雇用契約、報酬の支払い、仕事の指導は会社に残るため、社長・事務・現場の担当は決めておきます。
社長や現場の上司が、支援の責任者を兼ねてもよいですか?
自社で支援する場合、支援責任者と支援担当者は、外国人を監督する立場にない中立的な人でなければなりません。直接の上司が兼ねることはできません。少人数の会社で中立的な人を立てにくいなら、全部委託を選ぶのが現実的です。
中小企業でも使える助成金はありますか?
あります。厚生労働省の人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)です。2026年10月1日の改定後の支給額は20万円で、上乗せの措置を行うと25万円です。自治体の補助金もあるので、県や市の制度もあわせて確かめてください。
最初は何人から受け入れるのがよいですか?
教える人と相談役を何人分用意できるかで決めます。1人なら本人が孤立しない工夫が、2〜3人なら同時に迎えるか時期をずらすかの判断が要ります。人数ごとの進め方は、1人だけ採用する場合と2〜3人採用する場合の記事で比べられます。
拠点が複数ある場合も、同じ進め方でよいですか?
基本は同じですが、届出や面談を拠点ごとに管理する仕組みが要ります。本社で統一する範囲と、拠点に任せる範囲を先に決めておきます。詳しくは大企業・複数拠点の特定技能で整理しています。
あわせて読みたい記事
この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」本文(2025年10月末)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人に対する支援・登録支援機関」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の審査状況」(2026年9月10日掲載)
- 出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「登録支援機関の支援体制要件の改正(令和9年4月1日施行)」(2027年4月1日施行)
- e-Gov法令検索「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(2026年10月時点)
- e-Gov法令検索「労働基準法」(2026年10月時点)
- e-Gov法令検索「行政書士法」(2026年1月1日施行の改正を含む)
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(2026年10月)
- 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」(2026年10月1日改定)
- 鳥取県「特定技能外国人材受入支援事業補助金」(令和8年度)
- 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
- 福岡県「令和7年度 外国人介護人材の受入れ状況等に関するアンケート調査結果報告書」(令和7年度)
- 岡山県「令和5年度 外国人介護人材の受入状況等に関するアンケート調査」(2023年9月1日時点)
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料額・分布について」(令和6年度実績)
最終更新:(2026年10月版)
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