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建設分野の受入計画の認定とCCUS登録|手順と注意点
申請前にそろえる3つの登録から、差戻しを防ぐ書類の合わせ方、認定後の報告まで。手引きの要点を順番に
文・構成:特定技能のりあい窓口 編集部最終更新:情報の確認日:(数値ごとに時点を記載)出典:公的機関の公表資料(ページ末尾に一覧)
建設分野で特定技能の外国人を雇うには、入管の申請とは別に、国土交通大臣から建設特定技能受入計画の認定を受けます。申請は外国人就労管理システムで行うオンライン申請です。建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録やJACへの加入が済んでいないと、申請そのものができません。この記事では、建設の特定技能の受入計画について、申請前の準備、画面での手順、添付書類16点、審査で差し戻されやすい点、認定後の報告までを、国交省の手引き(2025年4月4日版)などの公的資料で整理します。
- 申請の前に「許可・CCUS・JAC」を完了させる:建設業許可、CCUSの事業者登録、JACへの加入は、どれも「申請中」の状態では受入計画を出せません。
- 認定までは1か月半〜2か月が目安:補正の期間は含まず、地方によってはさらに数か月かかります。受理前に「引戻し」をすると、審査の順番は再申請の日で並び直します。
- 手引きが注意するのは「数字のずれ」:求人票・雇用契約書・重要事項事前説明書・システムの入力で、月給や労働時間をそろえます。基本賃金は月給制で、固定残業代は含めません。
- 認定後も報告が続く:受け入れたら受入報告書を出し、FITSの受入れ後講習を受けさせます。在留期間を更新するたびに、在留カードの番号も変更します。
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この記事の目次
建設特定技能受入計画の認定とは:入管の前に国土交通省の審査を通る
建設特定技能受入計画は、建設会社が特定技能の外国人をどう受け入れるかを書いた計画です。新たに特定技能の雇用契約を結ぶときは、必ずこの計画について国土交通大臣の認定を受けます(要領別冊)。
認定証は、入管への在留の申請の添付書類になります。受入計画を申請した後なら入管の申請を並行して出せますが、認定が出ないと入管の許可も出ません(国交省)。建設の受け入れの日程は、この認定が出る時期でほぼ決まります。
図1数字で見る建設特定技能受入計画の申請
- 16種類新規申請に添付する書類登記事項証明書から重要事項事前説明書まで
- 1.5〜2か月認定までの目安補正の期間を除く。地方によってはさらに数か月
- 6か月前申請できる時期雇用開始のおおむね6か月前。技能実習から移る人は修了日の6か月前
- 7項目申請の最後に宣誓する項目画面で確かめてから「同意宣誓」
審査で見られるのは「会社」と「一人ひとり」
認定の条件は、会社に関するものと、外国人一人ひとりに関するものに分かれます。会社は、建設業許可、CCUSの事業者登録、JACの会員であること、建設業法の監督処分がないこと、同じ職種の正社員の求人、人数の上限など。外国人ごとには、CCUSの技能者登録、業務区分と試験の対応、日本人と同等額以上の報酬と昇給、重要事項事前説明書での説明などが見られます(手引き)。
申請の前に正しておきたい4つの思い込み
- 認定が出てから、入管に申請する受入計画を申請した後なら、入管への申請は並行して出せます。許可に認定証の写しが要るだけです。順番に待つと、1か月半以上を失います。
- CCUSやJACは「申請中」でも出せるCCUSの事業者登録もJACへの加入も、完了していないと受入計画を申請できません。
- 登録支援機関がJACに入っていれば、会社は入らなくてよい加入が必須なのは受け入れる会社です。登録支援機関の加入は任意です。
- 日給でも、月にまとめて払えば月給制あらかじめ合意した額を、月給制で毎月安定的に払う必要があります。出勤回数に連動する手当は、基本賃金に含められません。
建設の特定技能全体の要件や、会社選びで聞く質問は、建設の特定技能|受け入れ要件・受入計画の認定・会社選びのポイントにまとめています。この記事では、受入計画の申請と審査、認定後の報告に絞って説明します。
申請の前にそろえるもの:許可・CCUS・JACと社内の規程
受入計画は、準備が済んでいないと申請できません。建設業許可、CCUSの事業者登録、JACの会員であることの3つは、どれも「申請中」の状態では認められません(手引き)。国交省も、CCUSの登録とJACへの加入には時間がかかるため、認定申請の前に確かめて計画的に進めるよう求めています。
図2申請の前にそろえる6つの準備と、添付する書類
| 準備 | 条件 | 添付する書類 |
|---|---|---|
| 建設業許可 | 有効期限内。更新申請中なら旧許可証と更新申請書の写しで代えられる | 建設業許可証 |
| CCUSの事業者登録 | 登録の完了(申請中は不可) | 事業者IDのハガキ・メールの写し |
| JACの会員 | 正会員団体を通じてか、賛助会員(加盟申請中は不可) | 会員証明書(団体が届け出た様式に限る) |
| 監督処分がない | 申請前5年間と認定日以後に、建設業法の指示・営業停止・取消がない | なし(国交省のネガティブ情報等検索サイトで確認) |
| 国内での求人 | 同じ職種の正社員(無期雇用・フルタイム)を募集している | ハローワーク求人票(申請日から1年以内) |
| 社内の規程 | 就業規則・賃金規程・退職金規程、36協定 | 常時10人以上の会社は労基署の受付印のあるもの |
人数の上限も、申請の時点で確かめる
1号の総数は、常勤職員の総数を超えられません。常勤職員の数からは、1号、技能実習生、特定技能への移行を予定する特定活動の人などを除きます。申請では、厚生年金の標準報酬決定通知書など直近の書類で常勤職員の数を示します(手引き)。何人まで受け入れられるかの考え方は、特定技能は会社ごとに何人まで受け入れられる?でも整理しています。
求人の条件は2027年4月に変わる可能性がある
現行の手引きでは、同じ職種の正社員をハローワークで募集していることが条件で、求人票を添付します。一方、2026年6月23日公布の告示改正で、2027年4月1日から受入計画の記載事項から「国内人材確保の取組」が削除されます。求人の扱いがどうなるかは、改正後の手引きで確認が必要です。
特定技能の建設分野でのCCUS登録:会社と本人の2つ
建設分野の特定技能では、受け入れる会社も、1号の外国人本人も、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録する必要があります(要領別冊)。CCUSは、技能者の資格や現場での就業の履歴を記録する仕組みです。受入計画では、会社の登録が「申請の前提」、本人の登録が「一人ひとりの条件」として見られます。
図3CCUSの2つの登録と、受入計画での扱い
会社の登録(事業者登録)
- 受入計画の申請前に登録を完了する
- 事業者IDを確かめる書類(ハガキ・メールの写し)を添付する
- 初期パスワードは隠して提出する
「登録申請中」では、受入計画を申請できません。
本人の登録(技能者登録)
- 国内にいる人は、申請時に登録を済ませ、カードの写しを添付する
- 海外から来る人は、入国後すみやかに登録する
- 技能者IDを示す書類を、原則として入国後1か月以内に出す
海外から来る人の書類は、受入報告とあわせて出します。
海外から呼ぶ人は「入国後1か月以内」が期限
海外から新しく入国する人は、入国後すみやかに技能者登録をし、技能者IDを示す書類を原則として入国後1か月以内に出します(国交省)。入国日、在留カードの受け取り、CCUSの申込みの順番を、迎える前に決めておくと期限に追われません。
CCUSの記録は、2号への準備になる
2号には、班長としての経験が要ります。目安は、CCUSの能力評価基準がある職種ならレベル3相当の就業日数(職長+班長)です。ない職種では、就業日数3年(勤務日数645日)以上とされています(入管庁・要領別冊)。国交省は、CCUSへの蓄積の状況に応じて、実務経験の申告書の記載例を3種類載せています。日々の就業履歴を正しく入れておくことが、そのまま2号の準備になります。
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JACへの加入と費用:団体経由か賛助会員か
受け入れる会社は、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)に加入しなければなりません。入り方は、JACの正会員である建設業者団体の会員になるか、賛助会員として直接加入するかの2つです(要領別冊・国交省)。登録支援機関の加入は任意です。
図4JACの入り方と費用の比べ方
| 項目 | 正会員団体を通じて | 賛助会員として直接 |
|---|---|---|
| JACへの年会費 | なし(所属する団体の会費を払う) | 年24万円 |
| 受入負担金 | 1号1人につき月12,500円(年15万円) | 同じ |
| 受入計画に出す書類 | 会員証明書(団体が届け出た様式) | 同じ |
| 比べるところ | 団体の会費の額と、団体から受けられる支援 | 年会費が定額で、団体に入っていない会社の選択肢 |
団体経由なら「会員証明書の様式」を先に確かめる
受入計画に添付するJACの会員証明書は、「団体が届け出た様式」に限られます(手引き)。正会員団体を通じて入る場合は、団体がその様式を届け出ているか、証明書の発行にどれくらいかかるかを、加入の相談の段階で聞いておきます。証明書が届かないと、ほかの書類がそろっていても申請できません。
試算:受入負担金は「人数×月数」で増える
受入負担金だけを試算すると、2人を1年で30万円、5人を1年で75万円、5人を3年で225万円です。賛助会員なら、ここに年24万円の年会費が加わります。紹介料や登録支援機関の委託費とは別の費用なので、見積もりでは行を分けてもらいます。
JACが受け入れる会社に案内していること
JACは評価試験の実施のほか、受け入れる会社と外国人に向けた講座も案内しています。2026年10月時点では、無料の技能講習・オンライン特別教育(10〜12月実施分)と、日本語講座(11月開講分)の申込みが案内されていました(JAC)。特定技能制度のヘルプデスクもJACにあり、電話は0120-220-353(平日9:00〜17:30)です(国交省)。
外国人就労管理システムでの申請手順:仮登録から宣誓まで
受入計画の申請は、国交省の「外国人就労管理システム」で行います。様式に入力し、書類はスキャンしたPDFか、写真をJPEGにしてアップロードします(国交省)。画面の流れは次の7段階です。
図5外国人就労管理システムで受入計画を申請する7段階
- 利用者を仮登録する
ログインIDとメールアドレスを登録します。会社の代表・共有アドレスが勧められ、携帯キャリアのアドレスは使えません。このアドレスは原則として認定まで変えられません。
- 本登録をする
届いた仮パスワードでログインし、パスワードを設定します。
- 新規申請を開き、法人番号を入れる
個人事業主は「0」を13桁入れます。
- 項目を入力し、書類をアップロードする
ファイルを選んだら、必ず「アップロード」を押します。手引きが添付漏れの多い箇所として注意している操作です。途中で一時保存もできます。
- 外国人リストを人数分登録する
「追加」で一人ずつ入力し、「登録」します。業務区分は契約書や試験と一致させます。
- 確認して申請する
「確認」→「申請」の順に進みます。
- 7項目を確かめて宣誓する
「宣誓」→「同意宣誓」で申請が完了し、完了メールが届きます。
「申請中」「引戻し」「差戻し」の違い
「申請中」は、届いたものの担当者がまだ受理していない状態です。受理前なら「引戻し・再編集」で直せますが、引き戻している間は審査が止まり、順番は再申請の日付で並び直します。差戻しになったら、差し戻された項目だけを直して「再申請」します(手引き)。急いで出して後から引き戻すより、出す前に読み合わせるほうが早く終わります。
代理申請は行政書士か弁護士
代理で申請できるのは行政書士か弁護士で、申請ごとに委任状と証票の写しが要ります(手引き)。会社が自分で申請することもできます。紹介会社や登録支援機関が窓口になる場合は、実際に申請するのは誰かを確かめます。比べ方は登録支援機関の選び方も参考になります。
添付書類16点の一覧と、そろえるときの注意
新規申請で添付する書類は16種類です。ファイルは書類ごとに1つにし、ファイル名は書類名に合わせます。雇用契約書と雇用条件書は、1ファイルにまとめても構いません(手引き)。
| 書類 | 注意 |
|---|---|
| 1 登記事項証明書 | 申請日から3か月以内。個人事業主は住民票 |
| 2 建設業許可証 | 有効期限内 |
| 3 常勤職員数を示す文書 | 厚生年金の標準報酬決定通知書など直近のもの |
| 4 CCUSの事業者IDを確かめる書類 | 初期パスワードは隠す |
| 5 JACなどの会員証明書 | 団体が届け出た様式に限る |
| 6 委任状・証票 | 代理申請のときだけ |
| 7 ハローワーク求人票 | 申請日から1年以内、フルタイム |
| 8 就業規則・賃金規程・退職金規程 | 常時10人以上なら労基署の受付印 |
| 9 36協定届 | ― |
| 10 変形労働時間制の協定書・年間カレンダー | 採用している場合だけ |
| 11 CCUSの技能者IDを確かめる書類 | カードの写し |
| 12 同等額以上の報酬であることの説明書 | 国交省の様式 |
| 13 同等の技能の日本人の賃金台帳 | 直近1年分 |
| 14 同等の技能の日本人の実務経験を示す書類 | 経歴書など |
| 15 特定技能雇用契約書・雇用条件書 | 全員分 |
| 16 雇用契約に係る重要事項事前説明書 | 告示様式第2、全員分 |
建設業許可の「実務経験証明書」は代わりにならない
14の書類に、建設業許可の申請で使う「実務経験証明書」は使えません。受入計画に必要な記載事項を満たさないためです(国交省)。比べる日本人の経歴書などを、別に用意します。
重要事項事前説明書は、本人が分かる言語で
国交省は、重要事項事前説明書の日本語版(令和4年10月改訂)と記載例を載せています。あわせて、インドネシア語、カンボジア語、タイ語、タガログ語、ネパール語、ベトナム語、ミャンマー語、モンゴル語、英語、中国語の参考例もあります。雇用契約の前に、本人が理解できる言語で説明します。契約書の作り方は特定技能雇用契約書・雇用条件書の作り方で確かめられます。
審査でつまずく点:差戻しを防ぐ12のチェック
手引きには、差戻しにつながる注意点が具体的に書かれています。大きく分けると、報酬の書き方と、書類どうしの数字のずれです。提出前に、次の12項目を2人で読み合わせると漏れが減ります。
図6提出前に読み合わせる12項目(手引きの注意点から)
- 外国人の基本給が、求人票の月給を下回っていない(25万円の求人で23万円は不可の例)
- 基本賃金は月給制で、固定残業代・みなし残業代を含めていない
- 出勤回数や評価に連動する手当を、基本賃金に含めていない
- 昇給の下限額を、毎年確実に守れる額で書いている
- 控除が「無」なら、社会保険料・税金以外を引いていない(引くなら「有」と労使協定)
- 月給は口座振込で、理由を説明して本人の同意を得ている
- 契約書・条件書・事前説明書・システム入力・求人票の賃金と労働時間が一致している
- 年間の所定労働日と休日の合計が365日(閏年は366日)で、カレンダーとも一致している
- 有期契約は最長3年で、契約開始日を申請日から半年以上先にしていない
- 業務内容を「土木」「建築」の一語で済ませていない
- 外国人リスト・契約書・システム・試験の業務区分が一致している
- 本人の署名はアルファベット(母国語の併記は可)で、書類に作成日がある
「同等の技能を持つ日本人」との比べ方
比べる日本人が時給や日給なら、月給に換算して比べます(小数点以下は切り捨て)。差があるときは、合理的な理由を具体的に書きます。同等の技能の日本人がいなければ同じ職種の日本人、それもいなければ就業規則・賃金規程、周辺地域の平均賃金や設計労務単価を根拠にします。平均賃金は、賃金構造基本統計調査(令和7年)の都道府県別表「D建設業」を使います(国交省)。
健康診断と安全衛生教育の書き方
雇入れ時の健康診断は、入社前3か月以内か入社後1か月程度で行い、その予定を書きます。安全衛生教育や技能習得の欄は、技能実習のときの内容ではなく、特定技能になった後の内容を書きます(手引き)。
認定された後の手続き:受入報告・講習・変更の届出
認定で終わりではありません。受け入れを始めてからも、国交省への報告と講習が続きます。期限が別々なので、認定が出た日に予定表へ書き込みます。
図7認定後に続く国交省関係の手続き
- 受け入れ開始後すみやかに:受入報告書「1号特定技能外国人受入報告書」をオンラインで出します。「建設特定技能開始年月日」は、在留カードに特定技能1号が交付された日です。
- 入国後1か月以内:CCUSの技能者ID海外から来た人は、技能者IDを示す書類を出します。
- おおむね3〜6か月の間:受入れ後講習FITSの講習を受けさせます。受講は義務で、案内は会社のメールアドレスに届きます。
- 受け入れ中:巡回訪問FITSが会社を訪問します。会社向けのセルフチェック・リストもあります。
- 在留期間の更新のたび:番号の変更在留カードの番号が変わるため、受入報告書で変更します。
- 計画を変えるとき:変更申請・変更届出根幹に関わる事項は変更申請、それ以外は変更届出で、どちらもオンラインです。
2027年4月1日からは協力義務と認定取消しの規定
2026年6月23日公布の告示改正で、国土交通大臣と適正就労監理機関の調査・指導への協力義務が明記されます。指導に従わない場合は勧告・公表、勧告に従わない場合は認定の取消しがあり得ます。すでに受けた認定は、改正後の認定とみなされます。
入管への届出は別に出す
国交省への報告とは別に、入管への定期届出(毎年4月1日〜5月31日に前年度分)と随時届出(事由が生じてから14日以内)があります。社会保険の手続きは特定技能の社会保険・労働保険の手続きで確かめられます。
想定ケース:鉄筋工事会社(従業員260人)の店舗運営部長が、受入計画の差戻しを2回から0回に減らした方法
想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。
鉄筋工事会社で受入計画の申請を担当した店舗運営部長(40代)に、1回目と2回目の申請で何を変えたかを聞きました。
- 1回目(2人分)は差戻し2回で認定まで約3か月、2回目(4人分)は差戻し0回・約6週間で認定
- 読み合わせ表を作り、1人分の書類づくりが約10時間から約5時間に減った
- 提出前の読み合わせで、毎回2〜3か所の数字のずれを見つけて直している
――2回目の申請は、何が違いましたか。
一度も差し戻されず、申請から6週間ほどで認定が出ました。1回目は2回差し戻されて、3か月近くかかったんです。現場の職長には「春の現場に間に合わない」と何度も言われました。2回目は4人分なのに、かかった手間は1回目の半分くらいです。書類の作り方を変えたというより、出す前の確かめ方を変えました。
――店舗運営の部長が担当になったのはなぜですか。
うちは鉄筋の加工場と資材の販売店舗も持っていて、私はそちらの責任者です。人事の専任がいないので、書類に強いという理由で社長から任されました。建設の書類は初めてで、正直、手引きの厚さに驚きました。
――1回目は、どこで差し戻されたのですか。
1回目は、皆勤手当を基本給に入れていたこと。2回目は、年間カレンダーの労働日と休日を足すと365日にならなかったことです。業務内容を「鉄筋」の一語で書いて、直すよう言われたこともありました。どれも、手引きを読めば書いてあることでした。焦って「引戻し」をしたら審査の順番が後ろに回ると知ったのも、このときです。急ぐほど、出す前に確かめるべきだと身にしみました。
――頼む先は、どう選びましたか。
登録支援機関を2社比べました。1社は「書類は全部うちで作ります」。もう1社は「受入計画と在留の書類は提携の行政書士が作ります。うちは支援と数字の照合を手伝います」と、最初に線を引きました。手引きにも、代理申請は行政書士か弁護士とある。できないことを先に言う会社のほうが、話を信じられました。
――日本人の職人との比較は、どうしましたか。
そこが一番悩みました。うちの日本人の職人は日給の人が多いんです。賃金台帳の直近1年分を月給に換算して、外国人の月給がそれを下回らないことを説明書に書きました。換算の式は手引きで確かめています。計算してみると、雨の多い月に日本人の手取りが下がることも数字で見えました。これをきっかけに、日本人の若手にも月給制を選べるようにするか、社内で話し合いを始めています。
――いまは、どう回していますか。
提出前に、契約書・条件書・事前説明書・システムの入力・求人票の5つを、私と行政書士さんで読み合わせます。毎回2〜3か所はずれが見つかります。受け入れ後はFITSの講習の案内がメールで来るので、仮登録のアドレスを部署の共有アドレスにしておいてよかったと思っています。
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よくある質問
建設の特定技能は月給制が必須?
必須です。建設分野では、あらかじめ合意した額を月給制で毎月安定的に払う必要があります(要領別冊)。出勤回数や評価に連動する手当、固定残業代は基本賃金に含められません。同等の技能を持つ日本人と同等額以上とし、技能の習熟に応じた昇給も契約に書きます。
受入計画の認定には、どのくらいかかりますか?
申請から1か月半〜2か月程度が目安です(補正の期間を除く)。地方によっては、さらに数か月かかることがあります。受理前に引き戻すと、審査の順番は再申請の日で並び直します。
認定が出る前に、入管へ申請できますか?
受入計画の申請後なら、並行して申請できます。ただし入管の許可には認定証の写しが要るため、認定が先に出る必要があります。入管への申請は、就労開始希望日の2〜3か月前が目安とされています。
受入計画の申請を、紹介会社や登録支援機関に任せられますか?
代理で申請できるのは行政書士か弁護士で、申請ごとに委任状が要ります。会社が自分で申請することもできます。窓口が紹介会社や登録支援機関でも、実際に申請するのは誰かを確かめてください。
登録支援機関もJACに加入する必要がありますか?
任意です(国交省)。加入が必須なのは受け入れる会社で、正会員団体を通じてか、賛助会員として加入します。
技能実習から移る人の受入計画は、いつから申請できますか?
技能実習計画の修了日の6か月前から申請できます。それ以外の人は、雇用開始日のおおむね6か月前からです。技能実習の修了後は、特定技能への変更を申請している間も技能実習生として働けないため、入管への申請も早めに準備します。
海外から呼ぶ人は、CCUSにいつ登録しますか?
入国後すみやかに技能者登録をし、技能者IDを示す書類を、原則として入国後1か月以内に出します。受入報告書とあわせて出すため、入国日と登録の段取りを先に決めておきます。
認定を受けた後に、計画の内容を変えるときはどうしますか?
計画の根幹に関わる事項は変更申請、それ以外は変更届出で、どちらも外国人就労管理システムで行います。どちらに当たるかは、国交省の「変更申請・変更届出」の手引きで確かめます。在留期間を更新したときの在留カード番号の変更は、受入報告書で行います。
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この記事の編集方針と出典
- 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
- 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
- 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
- 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
- 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。
出典
- 国土交通省「建設特定技能受入計画 申請の手引き(新規申請)」(2025年4月4日)
- 国土交通省「特定技能申請手引(建設分野)」(2026年10月確認)
- 国土交通省「特定技能概要(建設分野)」(2026年10月確認)
- 国土交通省「建設分野での外国人受入れ関係」(2026年10月確認)
- 法務省・国土交通省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領(建設分野の基準について)」(2025年1月31日一部改正)
- 出入国在留管理庁「建設分野」(2024年4月1日現在の表記)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度の建設分野に特有の事情に鑑みて定める基準の改正について」(2026年6月23日公布・2027年4月1日施行)
- 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)「年会費と受入負担金」(2026年10月確認)
- 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)(2026年10月確認)
- 一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)「特定技能」(2026年10月確認)
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
最終更新:(2026年10月版)
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