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https://tokutei-noriai.blog/tokutei-ginou-kongo/ 印刷日:2026年10月15日

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特定技能の今後|2029年3月までの見通しと企業の備え

2029年3月までの枠と2027年4月の改正は決定済み。その先は未定。分けて考えると、今やることが見えてくる

「特定技能は今後どうなるのか」「2029年で終わるのではないか」。受け入れを考える経営者から、よく聞かれる質問です。結論から言うと、2029年3月末までの受入れ見込数(上限)と、2027年4月1日の育成就労の開始は決まっています。一方で、2029年4月以降の数字や、一部の分野の開始時期はまだ決まっていません。この記事では、特定技能の今後について、決まっていることと未定のことを表で分け、上限の仕組み、分野が広がってきた流れ、将来性の見方、企業が今から備えることを、2026年10月時点の公表資料をもとに整理します。

この記事の結論
  • 決まっていること:1号の受入れ見込数は805,700人、育成就労は426,200人(いずれも2029年3月末まで、上限として運用)。2027年4月1日には育成就労が始まり、登録支援機関の支援体制の新しい基準も適用されます。
  • 未定のこと:2029年4月以降の受入れ見込数、外食業の認定証明書の交付再開の時期、物流倉庫・資源循環の試験の開始時期、2号の日本語B1を変更・更新の申請でいつから確かめるか、などです。
  • 長く働ける方向に動いている:1号の1回の在留期間は3年までに延び、2号は半年で約2.3倍の18,295人(2026年6月末)に。人が定着する前提で採用と育成を組み立てられます。
  • 今から始めても遅くはない:1号全体の上限の消化率は53.6%(2026年7月末)。ただし外食業のように上限に近い分野もあるため、自社の分野の数字から確かめます。

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この記事の目次

特定技能の今後の結論:2029年3月までの枠は決定、その先は未定

特定技能の今後は、次のように整理できます。「2029年3月末までの受入れの枠」と「2027年4月1日の制度改正」は決まっていて、「2029年4月以降」はまだ決まっていません。決まっている部分で計画を立て、未定の部分は複数の場合を想定して備えるのが現実的です。

制度そのものは続きます。2027年4月からは技能実習に代わって育成就労が始まり、育成就労で働いた人が特定技能1号に移る流れが、制度の柱に加わります。仕組みは育成就労制度とは?で解説しています。

図1数字で見る特定技能の現在地(2026年10月時点の公表値)

  • 805,700人1号の受入れ見込数(上限)2029年3月末まで。2026年1月23日の閣議決定
  • 53.6%1号全体の消化率在留者432,016人(2026年7月末・速報)
  • 2027.4.1育成就労の開始支援体制の新しい基準も同じ日に適用
  • 18,295人特定技能2号の在留者2025年12月末の7,955人から約2.3倍(2026年6月末)
枠の半分強が埋まり、2号が急に増えている段階です。出典:出入国在留管理庁「受入れ見込数及び在留者数について」(2026年7月末・速報値)、同「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末)、同「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月確認)

「今後」を3つの時期に分けて考える

見通しは、時期を3つに分けると混乱しません。2027年3月までは今の制度のまま。2027年4月から2029年3月までは、育成就労と新しい支援体制のもとで、決まった枠の中で受け入れます。2029年4月以降は、新しい受入れ見込数が示されるまで分かりません。

数字の推移と今年の変更は別の記事で

分野別・国籍別・都道府県別の推移は特定技能の最新統計で、2026年に起きた変更は2026年の特定技能の主な動きで扱っています。この記事は、その先の見通しに絞ります。

決まっていること・未定のことの一覧(2026年10月時点)

特定技能の今後に関わる項目を、決まっていることと未定のことに分けました。右端は、受入れ企業にとっての意味です。

特定技能の今後に関わる主な項目(2026年10月14日時点の公表資料による)
項目決まっていること未定・検討中会社への意味
受入れ見込数1号805,700人、育成就労426,200人。2029年3月末まで上限として運用2029年4月以降の数字採用計画は2029年3月で一度区切る
対象分野19分野(2026年1月23日の閣議決定)物流倉庫・資源循環の試験と協議会の開始時期新しい分野は所管省庁の告知を待つ
外食業2026年4月13日から認定証明書の交付を一時停止交付再開の時期当面は国内の転職者などが中心
育成就労2027年4月1日に開始。原則3年で1号の水準を目指す本人の意向による転籍の具体的な手続き技能実習の受入れ企業は移行を準備
支援体制2027年4月1日から常勤の支援責任者・担当者、担当者1人あたりの上限—委託先の準備状況を確かめる
2号の日本語B1相当以上。2027年4月1日以降の認定証明書の申請から確認変更・更新の申請でいつから確認するか2号を目指す人の日本語学習を早める
1号の在留期間1回の許可は3年を超えない範囲。条件つきで通算6年の特例(当分の間)—更新の回数と手数料の見込みが変わる
罰則不法就労助長罪の刑の引上げを2027年4月1日に施行予定—在留カードの確認を徹底する

未定は「まだ発表されていない」という意味

未定の欄は、悪い方向に決まったという意味ではありません。たとえば受入れ見込数は5年ごとに示す仕組みですが、2029年4月以降の数字はまだ公表されていません。外食業の交付再開の時期も、2026年10月14日時点で示されていません。分からないことは分からないものとして扱い、決まっている範囲で動くのが安全です。

根拠の資料を確かめる習慣を

決まっていることの多くは、出入国在留管理庁の「特定技能制度」のページ、育成就労制度のQ&A、分野別運用方針で確かめられます。紹介会社や登録支援機関の説明を聞くときも、「それはどの資料に書かれていますか」と一言添えるだけで、決定事項か見込みかを区別できます。

特定技能の上限は2029年3月末まで:受入れ見込数の決まり方

受入れ見込数は、分野ごとに定める受入れの上限です。いまの数字は2026年1月23日の閣議決定によるもので、2029年3月末までが対象です。出入国在留管理庁は、大きな経済情勢の変化が生じない限り、これを受入れ上限として運用するとしています。

図21号の受入れ見込数(5年間の上限)の移り変わり

  • 2024年3月の見直し前約34万5千人
  • 2024年3月29日(16分野)82万人
  • 2026年1月23日(19分野)805,700人
分野が3つ増えても、1号の上限は82万人から805,700人へと少し下がりました。生産性向上と国内人材の確保の取組を織り込んで見直された数字で、育成就労の426,200人は別枠です。出典:出入国在留管理庁(2024年3月29日の閣議決定の記載)(2026年10月確認)、厚生労働省 有識者会議資料(分野別運用方針の報告)(2026年10月確認)

見込数は「人手不足の見込み」から逆算される

受入れ見込数は5年ごとに示し、人手不足の見込数と比べて過大でないことを示す必要がある、とされています。有識者会議の資料には、分野ごとに必要な就業者数、生産性向上、国内人材の確保の見込みが並んでいます。外国人材は、それでも足りない部分を補う位置づけです。

「約123万人」は、これから来る人数ではない

1号と育成就労を合わせた約123万人(1,231,900人)は、分野ごとの見込数の合計です。出入国在留管理庁のQ&Aは、この数を「現在の在留者数に加えて受け入れる数ではありません」と説明しています。2026年7月末の1号の在留者432,016人も、805,700人の枠の中に含まれます。

上限に近い分野で起きること

2026年7月末の消化率は、外食業98.6%、飲食料品製造業76.3%、建設68.9%、介護64.2%、農業61.3%です。外食業では2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時停止され、海外からの新規の受け入れが止まりました。それでも分野内の転職と在留期間の更新は審査が続いています。上限に達しても、働いている人がすぐに帰国を求められるわけではありません。

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特定技能の拡大と見通し:分野と人数はどう広がってきたか

特定技能は、2019年4月に始まってから、分野・人数・期間のそれぞれで広がってきました。分野は2024年3月に12から16へ、2026年1月に19へ。在留者は2026年6月末で444,256人と、過去最高を更新しています。

図3特定技能の主な節目と、これからの予定

  1. 特定技能制度が始まる施行済み

    人手不足の分野で、一定の技能と日本語力を持つ外国人を受け入れる制度として始まりました。

  2. 12分野から16分野へ決定済み

    1号の5年間の受入れ見込数を、約34万5千人から82万人に再設定しました。

  3. 1号の在留期間を3年以内に施行済み

    1回の許可が「3年を超えない範囲」に。条件つきで通算6年まで在留できる特例もできました。

  4. 19分野と新しい見込数決定済み

    リネンサプライ・物流倉庫・資源循環を追加。1号805,700人、育成就労426,200人(2029年3月末まで)。

  5. 外食業の認定証明書の交付を一時停止実施中

    上限に近づいたためです。分野内の転職と更新の審査は続いています。

  6. 育成就労の開始・支援体制の新基準決定済み

    2号の日本語B1相当の確認も、この日以降の認定証明書の申請から始まります。

  7. 現在の受入れ見込数の期間が終わる予定

    その後の数字は、2026年10月時点で公表されていません。

2026年10月14日時点で確認できた公表資料にもとづきます。出典:出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)、同「運用要領の一部改正について」(2025年9月30日)、同「分野別運用方針」(2026年1月23日)、同「外食業分野の審査状況」(2026年9月10日掲載)、同「B1相当以上の確認開始時期」(2026年9月30日掲載)

伸び率は下がっても、増える人数は続いている

在留者数の伸び率は、半年ごとに18.2%、16.1%、13.8%と3回続けて下がりました(2024年12月末〜2026年6月末)。ただ、半年あたりの増加数は5万人台が続いています(伸び率からの計算)。母数が大きくなった分、率が下がって見えている面があります。

2号が急に増えている

2号は2025年12月末の7,955人から、2026年6月末には18,295人へと約2.3倍になりました。分野別では建設5,329人、飲食料品製造業4,703人が多く、1号から2号へ移る人がまとまって出始めています。2号には更新の上限がなく、要件を満たせば家族の帯同もできます。

「拡大」は人数だけではない

1号の在留期間は、2025年9月30日付の運用要領の改正で、1回の許可が「3年を超えない範囲」になりました(以前は1年まで)。2号の試験で合格基準点の8割以上を取った人などは、当分の間、通算6年まで在留できます。働ける期間の面でも、制度は長く働く方向に広がっています。

特定技能の将来性:企業から見た3つの変化

企業から見た特定技能の将来性は、「長く働いてもらえる道が増えた」「育成就労から人が移ってくる」「支援の水準が上がる」の3点で考えると見通しやすくなります。いずれも2026年10月時点で決まっている事実です。

図4特定技能の将来性を支える3つの変化

  • 長く働ける道1号の1回の許可は3年まで、2号は更新の上限なし。介護は介護福祉士を取って在留資格「介護」へ。通算5年からは産前産後休業・育児休業などの期間を除けます。
  • 育成就労からの移行2027年4月からは、育成就労で原則3年働き、1号の水準の技能と日本語を身につけた人が特定技能へ移る流れが加わります。
  • 支援の水準の引上げ2027年4月から、登録支援機関は常勤の支援責任者・担当者を置き、担当者1人あたり受入れ機関10未満・1号50人未満が求められます。
通算5年から休業期間を除くには、休業の際に会社が遅滞なく受入れ困難の届出をしておき、満了の3か月前から満了までに申立書と資料を出して申し出ます。出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年10月確認)、同「育成就労制度に関するQ&A」、同「支援体制に係る要件の改正」(2026年7月28日掲載)

企業が感じている「在留年数の短さ」

日本政策金融公庫の調査(2025年2月公表)で、外国人を雇用する企業のうち困りごとが「ある」と答えたのは654社です。その24.2%が「在留できる年数が短い」を挙げました。「採用費用(渡航費や手数料など)が想定よりも高い」27.8%、「入管の手続きに時間や手間がかかる」26.9%に次ぐ3番目です。1号の在留期間の延長や2号の増加は、この悩みに直接かかわる変化といえます。

人が動くことも前提にする

特定技能は同じ分野の中で転職できる制度です。将来性を考えるときは、人が増える面だけでなく、会社を移る面も見ておく必要があります。転職の実態は特定技能外国人の転職の状況で、データをもとに解説しています。2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円に上がりました。給与の見直し方は特定技能と最低賃金で扱っています。

2029年4月以降に備える:分野の状況別の考え方

未定の部分への備え方は、自社の分野が上限に対してどこにいるかで変わります。3つの状況に分けて、今からできることを整理しました。

図5上限との距離で変わる、企業の備え方

  • 1上限に近い分野

    外食業98.6%、飲食料品製造業76.3%。海外からの新規の受け入れが止まる可能性を前提に、国内にいる人の採用、在職者の定着、2号への移行を優先します。

  • 2上限に余裕のある分野

    工業製品製造業31.6%、ビルクリーニング32.7%、宿泊18.7%。採用を急ぐ必要は小さく、受け入れ体制づくりに時間をかけられます。

  • 3新しい分野

    物流倉庫は試験が準備中、資源循環は試験と協議会の加入方法が「詳細決まり次第」。所管省庁の告知を待ちながら、業務と住居の準備を進めます。

消化率は2026年7月末の速報値です。分野の数字は公表のたびに変わります。出典:出入国在留管理庁「受入れ見込数及び在留者数について」(2026年7月末・速報値)、国土交通省「物流倉庫分野」(2026年9月時点)、環境省「資源循環分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)

採用計画は「2029年3月」で一度区切る

2029年3月末までは、上限の枠が決まっています。3年ほどの採用計画を立てるなら、2029年3月までを一つの区切りにし、その先は新しい見込数が出た時点で見直す二段構えが無理のない形です。準備にかかる期間は特定技能の受け入れの流れで確認できます。

他の在留資格も視野に入れる

専門的な知識を使う仕事なら、受入れ見込数の枠がない技術・人文知識・国際業務(技人国)も選択肢になります。仕事内容による選び方は特定技能と技術・人文知識・国際業務の違いで整理しています。

企業の備え:2029年3月までに進めておく6つのこと

決まっていることを前提に、受入れ企業が今から進められることを手順にしました。半年に1回ほど、上から順に見直すと抜けが出にくくなります。

  1. 自社の分野の上限と消化率を確かめる

    出入国在留管理庁が公表する受入れ見込数と在留者数の速報で、自社の分野の位置を確認します。1号全体は53.6%、外食業は98.6%です(2026年7月末)。

  2. 採用の時期と人数を2029年3月までで組む

    何年に何人を迎えるかを決めます。上限に近い分野なら、時期の前倒しや国内にいる人の採用も検討します。

  3. 長く働ける道を本人に示す

    2号の試験や、介護なら介護福祉士の受験など、キャリアの道筋を入社時に説明します。2号の日本語はB1相当以上が求められます。

  4. 委託先の2027年4月の準備を確かめる

    常勤の支援責任者・担当者の配置と、担当者1人あたりの受け持ち数を、数字で答えてもらいます。

  5. 技能実習・育成就労との組み合わせを考える

    技能実習生がいる会社は、育成就労への移行と、修了者の特定技能への切り替えを計画します。育成就労計画の認定は2026年9月1日から施行日前の申請ができます。

  6. 更新・手数料・賃金の予算を見直す

    在留手続の手数料は2026年10月1日から許可期間に応じた額になりました。最低賃金の改定と合わせて、毎年の費用を見積もり直します。

委託先の見極めも「今後」への備え

2027年4月の新基準に対応できない登録支援機関は、登録の更新に影響が出ます。見分け方は2027年4月の新基準に対応できる登録支援機関の見分け方にまとめました。日本人の採用と比べて特定技能を選ぶかどうかは、日本人が採用できない会社の人手不足対策の判断基準が参考になります。

特定技能の今後についてのよくある思い込み

先行きが見えない話題ほど、うわさが広がりやすくなります。経営者の相談でよく聞く思い込みを、公表資料で確かめました。

  • 2029年で特定技能の制度が終わる2029年3月末で区切りを迎えるのは、現在の受入れ見込数の対象期間です。見込数は5年ごとに示す仕組みで、制度の廃止は決まっていません。
  • 約123万人が、これから新しく入ってくる約123万人は見込数の合計で、いま在留している人を含みます。「現在の在留者数に加えて受け入れる数ではない」と説明されています。
  • 育成就労が始まると、特定技能はなくなる育成就労が代わるのは技能実習です。特定技能は続き、育成就労を終えた人が1号に移る流れになります。
  • 上限に達したら、働いている人も帰国しなければならない外食業で止まったのは、海外からの新規の受け入れ(認定証明書の交付)です。分野内の転職と更新の審査は続いています。
  • 上限があるなら、どの分野も急いだほうがよい1号全体の消化率は53.6%で、工業製品製造業は31.6%です。分野によって状況は大きく違います。

他社の受け止めも参考に

受け入れている企業が何に困り、何を評価しているかは、外国人材の受け入れに関する自治体調査まとめで、県の調査結果を横に並べて紹介しています。先行きの判断には、制度の数字と現場の声の両方が役立ちます。

想定ケース:グループホーム(従業員24人)の管理部長が、2029年までの計画を立てて特定技能を始めた理由

想定ケース(利用イメージ)について:この章は、特定技能の会社選びでよく寄せられる相談をもとに、編集部が場面を再構成した想定インタビューです。実在の企業・人物の発言ではありません。数値は公的資料にもとづく目安です。

  • 2026年4月に介護分野の1号を2人迎え、入浴と食事介助の時間帯に常時1人多く配置できるようになった
  • 2029年3月までの3年間で、毎年1人ずつ計3人を迎える計画を立て、法人の承認を得た
  • 2人とも介護福祉士の受験を目標にし、週1回60分の学習時間を勤務時間内に設けた

――特定技能を始めて、何が変わりましたか。

日中の介助に、常に1人多く入れるようになりました。2ユニット18人の入居者に対して、入浴と食事の時間帯が一番手薄だったんです。夜勤明けの職員が残って入浴介助を手伝う、ということがほとんどなくなりました。

――検討を始めたきっかけは何でしたか。

2025年の秋に出した介護職の求人に、半年間応募がなかったことです。職員の平均年齢も50代後半になり、5年先の勤務表が描けなくなりました。ただ、「特定技能は2029年まで」という話を耳にしていて、今から始めても間に合わないと思い込んでいました。

――その思い込みは、どう解けましたか。

2029年3月末というのは受入れ見込数の期間で、制度の終わりではないと知りました。介護の上限は126,900人で、2026年7月末の在留者は81,436人。まだ枠があると分かったのが大きかったです。登録支援機関の担当者は「2029年4月以降の数字は決まっていません。だから3年で区切った計画にしましょう」と言いました。分からないことを分からないと言ってくれたので、かえって話を信用できました。

――受け入れまでに、どこで迷いましたか。

2027年4月に始まる育成就労を待つかどうかです。育成就労は原則3年かけて育てる制度で、うちのような小さな事業所では指導役が足りません。試験に合格した人を1号で迎えるほうが合っていると判断しました。事業所が受入れの対象施設に入るかは、厚生労働省の一覧で先に確かめています。

――受け入れてから、工夫していることは。

将来の道筋を最初に話すことです。介護には2号がないので、長く働くなら介護福祉士を取って在留資格「介護」に移る道になります。2人とも受験を目標にしていて、週1回60分の学習時間を勤務時間内に取っています。正直、手間は日本人の採用より多くかかります。それでも、5年先の職員の顔ぶれを考えられるようになったのは大きな変化です。

相談は無料です。条件に合う会社を最大3社までご紹介します。最終的に選ぶのは御社です。

よくある質問

今から特定技能を始めても遅くない?

遅くはありません。1号全体の消化率は53.6%(2026年7月末)で、2029年3月末までの枠が残っています。ただし外食業(98.6%)のように海外からの新規の受け入れが止まった分野もあるため、自社の分野の数字を先に確かめてください。

特定技能は2029年で終わりますか?

終わることは決まっていません。2029年3月末は、現在の受入れ見込数の対象期間の区切りです。見込数は5年ごとに示す仕組みで、2029年4月以降の数字は2026年10月時点で公表されていません。

受入れ見込数の約123万人は、これから入ってくる人数ですか?

いいえ。1号805,700人と育成就労426,200人の合計で、いま在留している人を含んだ上限です。出入国在留管理庁も「現在の在留者数に加えて受け入れる数ではありません」と説明しています。

育成就労が始まると、特定技能はどうなりますか?

特定技能は続きます。育成就労は2027年4月1日に技能実習に代わって始まる制度で、原則3年の就労を通じて特定技能1号の水準の人材を育てることが目的です。育成就労を終えた人が1号に移る流れが加わります。

上限に達した分野では、いま働いている人はどうなりますか?

外食業の例では、止まったのは在留資格認定証明書の交付、つまり海外からの新規の受け入れです。分野内の転職と在留期間の更新は審査が続いており、働いている人がすぐに帰国を求められるわけではありません。

2029年4月以降の受入れ見込数は、いつ決まりますか?

時期は公表されていません。現在の数字は2026年1月23日の閣議決定で示されたもので、見込数は5年ごとに示す仕組みです。新しい閣議決定は、出入国在留管理庁の「特定技能制度」のページで確かめられます。

特定技能の外国人に長く働いてもらう方法はありますか?

2号がある分野なら、試験などの要件を満たして2号に移れば、更新の上限がなくなります。介護には2号がないため、介護福祉士を取って在留資格「介護」に移る道があります。1号の1回の在留期間は3年を超えない範囲で指定されます。

今後の制度変更は、どこで確認すればよいですか?

出入国在留管理庁の「特定技能制度」のページの更新情報が基本です。分野ごとの変更は所管省庁のページ、育成就労は「育成就労制度に関するQ&A」で確認できます。受入れ見込数と在留者数の速報も、同庁が定期的に掲載しています。

この記事の編集方針と出典

  • 制度・数値は、出入国在留管理庁・厚生労働省・所管省庁・自治体などの公表資料で確認し、時点を書いています(確認日:2026年10月14日)。
  • 制度は改正されることがあります。申請の前に、必ず最新の公表資料で確認してください。
  • 「想定ケース」は、よくある相談をもとに編集部が再構成したもので、実在の企業・人物の発言ではありません。
  • 特定技能のりあい窓口は、掲載している人材紹介会社・登録支援機関から紹介手数料を受け取る場合があります。手数料の有無で、ご提案の順番や内容は変えません。
  • 誤りにお気づきの場合は、下のフォームからお知らせください。確認のうえ修正します。

出典

  1. 出入国在留管理庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」(2026年7月末)
  2. 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)のポイント」(2026年6月末・速報値)
  3. 厚生労働省 有識者会議資料「特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用方針について(報告)」(2026年10月確認)
  4. 出入国在留管理庁「育成就労制度に関するQ&A」(2026年10月確認)
  5. 出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2024年3月29日の閣議決定の記載)(2026年10月確認)
  6. 出入国在留管理庁「分野別運用方針」(2026年1月23日閣議決定)(2026年1月23日)
  7. 出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の審査状況」(2026年9月10日掲載)
  8. 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」(2026年7月28日掲載)
  9. 出入国在留管理庁「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」(2026年9月30日掲載)
  10. 出入国在留管理庁「「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正について」(2025年9月30日)
  11. 出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年10月確認)
  12. 出入国在留管理庁「特定技能制度」(2026年10月)
  13. 国土交通省「物流倉庫分野」(2026年9月時点の記載)
  14. 環境省「資源循環分野における外国人材の受入れ」(2026年10月確認)
  15. 日本政策金融公庫総合研究所「中小企業等における外国人雇用に関するアンケート」(2025年2月21日公表)
  16. 厚生労働省「令和8年度最低賃金額答申」(2026年9月3日公表)

最終更新:(2026年10月版)

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