この記事でわかること
- 事例との差を「測り方・条件・実行」の3つに分け、確かめる順番を決める方法
- 定義・分母・期間をそろえて事例の数字を直す方法と、分母の違いだけで差が大きく見える例
- 工程ごとに「自社÷事例」の比を出し、全体の差をどの工程が生んでいるかを読む試算
- 事例の時期を2024年以降の検索の変化で読み替える表と、直せる差・直せない差の扱い方
この記事が想定している状況
成功事例を読んで、同じ業種に同じような切り口で架電を始めた。事例では架電から商談まで順調に進んでいたのに、自社では1か月たっても商談が事例の半分にも届かない。代行会社の進め方が悪いのか、自社の商材が合わないのか、それとも事例の数字がそもそも違う条件のものだったのか、判断がつかない。架電数を増やすべきか、代行会社を替えるべきかで迷っている。そうした状況で、事例との差の原因と直し方を知りたい代表や営業責任者を想定しています。
知りたいこと
- 事例と同じことをしても営業がうまくいかない原因を知りたい
- 営業活動の数字を分析して、アポ率を改善する方法を知りたい
あわせて判断したいこと
- 架電数を増やす・代行会社を替える以外の打ち手を見つけたい
- 事例のどこまでを自社で再現でき、どこからは自社で作るべきかを知りたい
読み終えるとできること
読み終えると、事例との差を測り方・条件・実行に分け、定義・分母・期間をそろえてから、工程ごとの比で差の大きい工程を特定できるようになります。事例の時期を検索の変化で読み替えたうえで、直せる差は1つずつ直して確かめ、直せない差は自社の数字を基準にした計画に切り替えられます。
事例どおりにいかない原因は、測り方・条件・実行の3つに分かれる
事例と同じ代行会社に頼み、同じ業種に似た切り口で架電しても、事例の数字に届かないことは珍しくありません。原因は大きく3つに分かれます。数え方が違うだけで実は差がない「測り方の差」、相手や時期が違うために事例どおりにはならない「条件の差」、同じつもりで進め方がずれている「実行の差」です。
| 原因 | 中身の例 | 直し方の方向 |
|---|---|---|
| 測り方の差 | 1件の定義、率の分母、数えた期間が事例と違う | 数え方をそろえて比べ直す |
| 条件の差 | 相手の規模・業種、商材の説明の要否、事例の時期が違う | 事例から借りるものを進め方だけに絞る |
| 実行の差 | 時間帯、リストの鮮度、トークの運用、結果の戻し方がずれている | 1つずつ直して確かめる |
確かめる順番は、測り方、条件、実行です。測り方がずれたままでは差の大きさそのものが分からず、直す必要のない工程に手を入れてしまいます。条件の差は、自社の工夫では埋まらない部分を先に見分けるために、実行の差より前に確かめます。最後に残った差が、手を入れれば縮められる差です。
測り方の差を先に疑ったほうがよい事例には、次のようなサインがあります。どれか1つでも当てはまれば、自社の数字と並べる前に、事例を書いた側に数え方を確かめます。
- 事例の率が、目安の範囲から大きく外れている
- 率の分母や、1件と数えた条件が書かれていない
- 期間が「最大で」「3か月目に」など一部の月だけになっている
- 同じ名前の率なのに、事例と自社の報告書で桁が違う
3つを分けずに「事例の会社はうまくいったのに、自社の営業が下手なのだ」と受け止めると、架電の量を増やすか、代行会社を替えるかの二択になりがちです。どちらも費用がかかるうえ、原因が条件の差なら、量を増やしても依頼先を替えても差は残ります。
事例を書いた代行会社に、条件を聞き直す
同じ代行会社の事例なら、事例を書いた担当者に条件を聞き直すのが早道です。事例の対象企業の規模と地域、架電した時間帯、1件と数えた条件、件数を数えた期間の4つを聞けば、測り方と条件の差の多くは確かめられます。事例の対象と自社の顧客の違いを確かめる観点は事例の対象企業と自社の顧客を比べる方法で扱っています。
最初に、定義・分母・期間の3つで数え方をそろえる
測り方の差は、事例の数字を自社と同じ形に直すと消えます。直すのは、何を1件と数えたか(定義)、率を何で割ったか(分母)、いつの数字か(期間)の3つです。事例と自社の数字を並べる前に、この3つを1行ずつ書き出します。
| 項目 | 事例でよくある数え方 | そろえ方 |
|---|---|---|
| 定義 | 担当者との情報交換も商談に数える | 自社の成果の定義に合う件数だけを数え直す |
| 分母 | 商談化率を接続数や架電数で割っている | 会話の数で割った率に直す |
| 期間 | いちばん件数の多かった月を載せている | 平均の月と立ち上がりの月に分けて聞く |
想定ケース(架空の条件):6分の1に見えた商談化率の差
事例に「商談化率14%」とあり、自社の週次報告では2.2%だったとします。報告書を確かめると、自社の2.2%は接続数を分母にした率でした。担当者到達率30%・会話率60%の条件で会話を分母に直すと、2.2%÷(0.3×0.6)で約12%になります。事例の14%との差は2ポイントほどで、6分の1ほどに見えた差の大半は分母の違いでした。この段階で架電数を増やしたり代行会社を替えたりしていれば、ほとんどない差のために費用をかけていたことになります。
分母の違いは、逆向きにも働きます。自社だけが会話を分母にしていれば、自社の率は事例より高く見え、本当は弱い工程を見逃します。どちらの向きでも、比べる前に分母を1つにそろえれば防げます。
期間も同じように直します。事例の件数が立ち上がって3か月目の数字なら、自社の1か月目と比べても意味がありません。比べるのは同じ月数の数字どうしです。定義・分母・期間をそろえ直したあとに残る差だけが、条件か実行の違いから来ている差です。
ここでは、接続率=接続÷架電、担当者到達率=担当者と話せた数÷接続、会話率=会話が成立した数÷担当者と話せた数、商談化率=商談の承諾÷会話として扱います。事例や報告書の率が同じ分母で書かれているかを、比べる前に確かめてください。
工程ごとに「自社÷事例」を出し、差の大きい工程を探す
数え方をそろえたら、工程ごとに自社の率を事例の率で割ります。1を下回る工程が事例より弱い工程で、値が小さいほど差が大きい工程です。4つの比を掛け合わせると、架電全体から見た商談化の差になるため、どの工程が全体の差をどれだけ生んでいるかも分かります。下の試算では、事例と同じ業種に架電750件をかけた自社の率(接続率33%、担当者到達率24%、会話率55%、商談化率10%)で、受注までの件数の見込みを示します。
試算
架電750件から受注までの件数の見込み
架電750件に対して、接続は約248件、担当者と話せるのは約59件、商談の日程確定は約3.3件、実施は約2.6件、受注の見込みは約0.4件です。
架電全体から見た商談化は0.44%で、説明が必要なBtoB商材の目安(0.5〜1.5%)より低い水準です。接続率・担当者到達率・商談化率のうち、目安から最も離れている率を先に見直します。同じ率のままなら、受注1件あたり約1,794件の架電が必要です。
| 工程 | 率(目安との比較に使う) | 件数 |
|---|---|---|
| 架電 | — | 750件 |
| 接続 | 接続率(33%) | 約248件 |
| 担当者と会話 | 担当者到達率(24%) | 約59件 |
| 話を聞いてもらえた | 会話率(55%) | 約33件 |
| 商談の日程確定 | 商談化率(10%) | 約3.3件 |
| 商談の実施 | 商談実施率(80%) | 約2.6件 |
| 受注 | 受注率(16%) | 約0.4件 |
件数は各工程の率を順に掛けた見込みです。会話30件以上のデータがそろうまでは、率の小さな差で結論を出さないようにします。
架電全体から見た商談化は0.44%で、目安の0.5〜1.5%を下回ります。事例の率(接続率38%、担当者到達率34%、会話率60%、商談化率12%)なら、同じ750件で日程確定は約7件となり、自社の約3.3件は半分に届きません。それでも会話は約33件あり、率を比べるのに必要な量には届いています。
| 工程 | 事例 | 自社 | 比 |
|---|---|---|---|
| 接続率 | 38% | 33% | 0.87 |
| 担当者到達率 | 34% | 24% | 0.71 |
| 会話率 | 60% | 55% | 0.92 |
| 商談化率 | 12% | 10% | 0.83 |
| 架電全体から見た商談化 | 0.93% | 0.44% | 0.47 |
比が最も小さいのは担当者到達率の0.71で、自社の24%は目安の25〜40%も下回っています。4つの比を掛けた0.47が全体の差で、到達率の工程だけで事例の3割近くを失っている計算です。最初に原因を探すのはこの工程です。会話率の0.92は、会話33件の段階ではぶれの範囲と見て、いまは手を付けません。
比と一緒に、目安の範囲とも比べておきます。事例の率が目安の上限を超えている工程は、事例のほうが特別な条件だった可能性があります。たとえば事例の担当者到達率が45%なら、目安の25〜40%を上回っており、既存の接点がある先や、代表が直接電話に出る規模の企業が多かったと考えられます。そうした工程は事例の率に近づけることを目標にせず、目安の範囲に入ることを目標にします。
差の大きい工程ごとに、事例と違う条件を疑う
差の大きい工程が分かったら、その工程で事例と違いやすい条件を確かめます。工程ごとに疑う条件は、おおよそ決まっています。表の右の列は、違いを確かめるために記録から出す数字です。
| 差の大きい工程 | 事例と違いやすい条件 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 接続率 | 架電の時間帯、電話番号の鮮度 | 時間帯別の接続率を出す |
| 担当者到達率 | 相手の規模、受付での名乗り方 | 規模別の到達率と受付の断り文句を見る |
| 会話率 | 商材の説明の要否、冒頭の30秒 | 会話が切れた時点の記録を見る |
| 商談化率 | 事例の時期、相手の理解度、商談の誘い方 | 断り理由の内訳を事例と比べる |
| 実施率・受注率 | 商談に出る人、商談前の情報共有 | 失注理由と商談前に渡した情報を見る |
試算の例なら、担当者到達率の差は、相手の規模の違いを最初に疑います。事例の対象が従業員10〜30名で代表が電話に出やすい企業だったのに、自社が50〜200名の企業に架電していれば、受付を通る回数が増え、到達率は下がります。この場合は規模の条件を事例に近づけるか、受付での名乗りと用件の伝え方を直すかのどちらかです。受付で止まる原因の見分け方は受付で断られるテレアポの原因と改善策で扱っています。
会話率と商談化率の差は、商材の違いから生まれやすい工程です。事例の商材がSEOのように相手がすでに知っている言葉なら、電話の冒頭で名前を出すだけで話が進みます。LLMOは同じようにはいきません。
LLMOは、まだ相手に概念の説明が必要な商材です。誰にでも電話する総合型の営業代行だと、説明の途中で切られてしまう。
大橋メソッド代表(代表インタビューより)
事例のトークを一字一句なぞると、LLMOの説明から入る形になりやすく、会話の途中で切られます。冒頭は、相手の社名や主力サービスで事前にAI検索した結果を「今はこう表示されています」と事実として示し、検索からの問い合わせが減っている背景を一言添えて、詳しい話は商談でと伝える形に、自社の商材で作り直します。トークが通じない原因の分け方はLLMOのトークが通じない原因と直し方にまとめています。
事例の時期は、2024年以降の検索の変化で読み替える
見落とされやすいのが、事例の時期という条件です。AIO/LLMO支援の相手企業が置かれた状況は、ここ2年余りで大きく変わりました。事例がどの時期の取り組みかによって、相手が電話を受けたときの受け止め方も違います。
| 事例の時期 | 検索で起きていたこと | 読み替えのしかた |
|---|---|---|
| 2024年7月以前 | AIによる概要は日本でまだ提供前 | 切り口と商談化率は参考程度にとどめる |
| 2024年8月〜2025年8月 | AIによる概要が日本で提供開始 | 表示の事実を伝える切り口なら参考になる |
| 2025年9月以降 | AIモードが日本語で利用可能に | 今の切り口と率の比較に使いやすい |
2024年7月以前の事例は、相手がまだAIの回答を検索結果で目にしていない時期の数字です。その頃の切り口が検索順位の話だったなら、いまはAIの回答に何が表示されているかを伝える形に置き換えます。Ahrefsが2026年2月に公開した調査でも、AIによる概要が出る情報系の検索語では、1位のページのクリック率が約58%低いという結果でした(約30万キーワード、2023年12月と2025年12月の比較)。相手の困りごとの中身そのものが動いています。
2026年に入ってからの事例は、期間が検索のアップデートと重なっていないかも確かめます。3月のコアアップデート(3月27日〜4月8日)と5月のコアアップデート(5月21日〜6月2日)は、相手のサイトの順位が動くことのある時期でした。8月にはスパムアップデート(8月18日〜21日、全言語・全地域)がありましたが、こちらはコアアップデートではありません。事例の期間がコアアップデートの前後に重なっていれば、相手が話を聞く理由がその時期だけ強かった可能性も考えて読みます。
時期の違いは、事例の側を直せない条件の差です。読み替えたうえで、切り口と率は自社のいまの数字を優先します。事例から借りるのは、対象の選び方や断り理由の記録の取り方のように、時期が変わっても通用する部分にとどめます。
直せる差は1つずつ直し、直せない差は事例から離れる
測り方をそろえ、条件の差を見分けたあとに残るのが、直せる実行の差です。直すときは次の手順で1つずつ進めます。複数を同時に変えると、どれが効いたのかが分からなくなり、事例との差の理由も説明できなくなります。
直す工程を1つ選ぶ
事例との比が最も小さく、目安の範囲も下回っている工程を選びます。
事例との違いを1つに絞る
その工程で事例と違う条件のうち、自社で変えられるものを1つだけ選びます。
変える前の数字を残す
変える前の週の率と件数を、そろえた定義と分母のまま記録しておきます。
会話30件で比べる
変えたあと会話が30件以上たまった時点で、同じ工程の率を前と比べます。
効いたら次の工程へ移る
率が動けば次に比の小さい工程へ移り、動かなければ別の違いを1つ試します。
想定ケース(架空の条件):到達率の差を、名乗りと規模の順に確かめる
試算の会社が、担当者到達率24%(事例は34%)の差を直すとします。1週目は受付での名乗りだけを変え、社名のあとに「御社の名前でAI検索したときの表示についてのご連絡です」と用件を一言で伝える形にしました。会話が30件たまった時点の到達率は26%で、ほとんど動いていません。2〜3週目は名乗りを元に戻し、対象を従業員10〜49名に絞ったところ、到達率は33%まで上がりました。差の大部分は相手の規模という条件の差だったと分かり、以降は規模の条件を事例に寄せ、名乗りの見直しは別の工程のあとに回すことにします。
違いを変えても率が動かない工程は、条件の差だった可能性が高いと考えます。その工程は事例に近づける努力をやめ、自社の数字を基準に計画を作り直します。規模を変えずに到達率を上げられないなら、規模の条件を事例側に寄せるか、到達率が低い前提で必要な架電数を計算し直します。事例は、どこまでが借りられて、どこからが自社の工夫になるかを示す地図として使います。
外注している場合は、週次の報告で比と変更点を確かめると、直す作業が止まりません。大橋メソッドでは、週次レポートで接続率・担当者到達率・商談化率・断り理由に加えて次週の変更点を報告し、商談後の結果を依頼側から戻してもらってターゲット・トーク・商談条件を更新する形をとっています。工程ごとの率を目安と比べて直す場所を決める方法はKPIからアポ率の低い工程を特定する方法で詳しく扱っています。
手順のまとめ:事例どおりにいかない原因を切り分けて直す
- 数え方をそろえる:1件の定義・率の分母・期間を事例と自社でそろえ、比べ直します。
- 工程ごとの比を出す:接続率・担当者到達率・会話率・商談化率を、自社÷事例で比べます。
- 条件の差を見分ける:比の小さい工程で、規模・商材・時期など自社で変えられない違いを書き出します。
- 実行の差を1つ直す:変えられる違いを1つだけ選び、変える前の数字を残してから直します。
- 会話30件で確かめる:同じ工程の率を前後で比べ、動けば次の工程へ、動かなければ別の違いを試します。
- 直せない差から離れる:動かない工程は自社の実測を基準にし、架電数や対象の条件を計算し直します。
よくある失敗と対策
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| 事例と件数だけを比べ、定義と分母の違いを確かめない | 1件の数え方・率の分母・数えた期間をそろえてから、事例と自社の数字を並べる |
| 差の原因を確かめないまま、架電数を増やして事例の件数に近づけようとする | 工程ごとに自社÷事例の比を出し、最も小さい工程から原因を探す |
| 事例のトークを一字一句まねて、LLMOの説明から電話を始める | 相手の社名でAI検索した結果を事実として伝える冒頭に、自社の商材で作り直す |
| 対象・切り口・時間帯を一度に変えて、どれが効いたか分からなくなる | 1回に1つだけ変え、会話30件以上たまった時点で同じ工程の率を前後で比べる |
| 条件の違いで再現できない部分まで、事例どおりにしようと粘り続ける | 動かない工程は条件の差と見て事例から借りるのをやめ、自社の実測で計画を作り直す |
チェックリスト
- 事例の「1件」の数え方を確かめ、自社の成果の定義とそろえた
- 事例の率の分母と期間を確かめ、自社の数字を同じ形に直した
- 工程ごとに自社÷事例の比を出し、4つの比を掛けて全体の差を確かめた
- 比が最も小さい工程について、事例と違う条件を書き出した
- 事例の時期が、AI検索の変化やコアアップデートの前か後かを確かめた
- 直すことを1つに絞り、会話30件で前後を比べる計画にした
- 変えても動かない工程は、事例から借りるのをやめると決めた
よくある質問
成功事例と同じやり方なのに商談が増えないのは、なぜですか?
原因は、数え方が違うだけの「測り方の差」、相手の規模や商材、事例の時期が違う「条件の差」、時間帯やトークの運用がずれている「実行の差」の3つに分かれます。測り方、条件、実行の順に確かめると、直せる差と直せない差を分けられます。差の原因を確かめないまま架電数を増やしても、条件の差は残ります。
事例との差の原因が測り方・条件・実行のどれかは、どう見分ければよいですか?
まず事例の1件の定義、率の分母、期間を自社とそろえ、残った差を工程ごとの比(自社÷事例)で見ます。比が最も小さい工程に、相手の規模や商材の説明の要否、事例の時期など自社では変えられない違いがあれば条件の差、時間帯やリストの鮮度など変えられる違いなら実行の差です。
架電の記録を事例と比べて、アポ率を改善するにはどうすればよいですか?
接続率・担当者到達率・会話率・商談化率を同じ分母でそろえ、工程ごとに自社の率を事例の率で割ります。比が最も小さく、目安の範囲も下回る工程で、事例と違う条件を1つだけ変え、会話30件以上たまった時点で前と比べます。4つの比を掛けると全体の差になるため、どの工程が差を生んでいるかも分かります。
参考にした事例がAI検索の広がる前のものだった場合、どう読み替えればよいですか?
2024年8月にAIによる概要が日本で始まる前の事例なら、切り口と商談化率は参考程度にとどめます。検索順位の話で入っていた切り口は、相手の社名でAI検索した結果を伝える形に置き換えます。対象の選び方や断り理由の記録の取り方のように、時期が変わっても通用する部分だけを借ります。
事例の再現をあきらめて、自社のやり方に切り替えるのはどんなときですか?
同じ工程で違いを1つずつ変えても、会話30件ごとの比較で率が動かないときです。その工程の差は、相手の規模や商材の性質といった条件の差だった可能性が高く、事例に近づける努力を続けても費用が増えるだけです。その工程は自社の実測を基準にし、必要な架電数や対象の条件を計算し直します。
この記事の前提と根拠
- 率の目安(接続率30〜45%、担当者到達率25〜40%、会話率50〜70%、商談化率8〜15%、架電全体から見た商談化0.5〜1.5%程度)は、説明が必要なBtoB商材の架電で一般的に用いられる水準です。
- 日本では2024年8月にAIによる概要、2025年9月にAIモードの日本語での利用が始まりました。2026年の検索の更新は、3月コアアップデート(3月27日〜4月8日)、5月コアアップデート(5月21日〜6月2日)、8月スパムアップデート(8月18日〜21日、全言語・全地域)で、8月はコアアップデートではありません。
- 検索結果1位のクリック率が約58%低いという数字は、Ahrefsの調査(2026年2月公開、約30万キーワード、2023年12月と2025年12月の比較)によるもので、AIによる概要が表示される情報系キーワードが対象です。
- 試算・比の表・事例の率は、考え方を示すための仮の数字で、特定の事例ではありません。
- 大橋メソッドの週次レポートの項目は、接続率・担当者到達率・商談化率・断り理由・次週の変更点とされています。
参照した資料
- Ahrefs「Update: AI Overviews Reduce Clicks by 58%」(2026年2月4日)
- Google 日本版ブログ「AI による概要」
- Google 日本版ブログ「AI モード」日本語版の提供開始(2025年9月9日)
- Google Search Status Dashboard(ランキング更新の履歴)
数字の目安は一般的な水準を整理したもので、商材・対象・条件によって変わります(2026年11月時点)。
次の一歩
事例どおりに進めても数字が動かず、どの工程で差が出ているのか分からない場合は、このページ下の相談フォームに、参考にした事例の数字と、自社の架電数・接続・担当者到達・商談の件数、過去に試した営業とうまくいかなかった理由を書いて送ってください。送信後1営業日以内にメールで連絡が届き、30分のオンライン無料相談では、使っているリストとトーク、記録された断り理由を並べて、先に見直す工程を絞り込めます。営業電話はかかってきません。