この記事でわかること
- 新規開拓が止まる3つの原因(属人化・記録不足・振り返り不足)と、止まるたびに失う立ち上げ直しの週数
- 5つの工程に分けて、代表が持つ工程を商談と月1回の見直しに減らす分担の決め方
- 1件1行・8列の記録の項目と、週30分の振り返りで率の低い工程を見つけて直す手順(試算つき)
- 忙しい月に減らしてよいものと止めないもの、仕組みが回っているかを確かめる4つのサイン
この記事が想定している状況
紹介が途切れた月に代表が電話をかけ始め、数週間で商談が入る。ところが受注して納品が忙しくなると架電は止まり、気づけば次の商談がない。再開しようとしても、前回どこに電話して何と言われたかが残っておらず、リストもトークも作り直しから始まる。このくり返しを何度か経験し、新規開拓がなぜ続かないのか、どうすれば止まらない形にできるのかを知りたいAIO/LLMO支援会社の代表や営業責任者を想定しています。
知りたいこと
- 新規開拓の営業がうまくいかない原因と、改善策を知りたい
- 営業活動の記録を分析して、アポ率を上げる方法を知りたい
あわせて判断したいこと
- 代表がいなくても新規開拓が回る状態を作りたい
- 再開のたびにゼロから始める手間とお金を減らしたい
- 外注するにしても、社内に何を残せばよいかを知っておきたい
読み終えるとできること
読み終えると、自社の新規開拓が止まる原因を属人化・記録不足・振り返り不足に切り分け、工程の分担・記録の項目・週30分の振り返りの型を決められるようになります。1か月の記録から率の低い工程を特定し、翌週に直す1点を決める分析の手順も使えるようになります。
新規開拓が止まるのは、工程が人に紐づいているから
新規開拓が続かない会社の多くは、始めること自体はできています。紹介が途切れた月に代表が電話をかけ、数週間で商談が入る。止まるのはその後で、受注して納品が忙しくなると架電が消え、2〜3か月後に次の商談がない月がやってきます。忙しさは引き金にすぎず、止まる理由は、工程が人に紐づいていることにあります。
営業の工程が人に紐づいていて、仕組みになっていない。だから代表が動けない月は商談がゼロになる。
大橋メソッド代表(代表インタビューより)
止まり方を分けると、原因は3つに整理できます。誰か一人の手が止まると全体が止まる属人化、何をしたかが残らない記録不足、数字を見て直す場がない振り返り不足です。3つは重なって起きることが多く、どれか1つを直しても、残りの2つが同じ止まり方を呼び戻します。
| 原因 | 止まり方 | 再開のときに起きること | 仕組みにする打ち手 |
|---|---|---|---|
| 属人化 | 代表が納品に回った月に架電がゼロになる | 誰に何を話したかを代表しか知らない | 工程を5つに分け、担い手を決める |
| 記録不足 | 結果が頭の中や手帳にしか残らない | 断られた相手に同じ話をしてしまう | 1件1行の記録を共有の場所に残す |
| 振り返り不足 | 数字を見ずに、やるかやめるかだけを決める | 「前もだめだった」で手が止まる | 週30分の振り返りで1点だけ直す |
表の右端の打ち手は、どれも大きな投資を要しません。必要なのは、誰が何をするかの取り決めと、1枚の記録表と、毎週30分の予定です。この3つがそろうと、忙しい月にも開拓が完全には止まらず、再開のたびにゼロから始める手間がなくなります。
検索の変化で、止まったときの落ち込みが深くなっている
止まることの痛みは、ここ2年で大きくなりました。Googleの「AIによる概要」は2024年8月に日本でも提供が始まり、2025年9月には日本語でAIモードも使えるようになっています。Ahrefsが2026年2月に公開した約30万キーワードの調査では、AIによる概要が表示される情報系キーワードで、検索1位のページのクリック率が、2023年12月と比べて2025年12月には約58%低くなっていました。架電が止まった月の穴を検索からの問い合わせが埋めてくれる、という前提は崩れつつあります。
止まる直前には、たいてい前触れがあります。架電が週に1日だけになる、記録の更新が3日続けて止まる、週の振り返りが2回続けて流れる、の3つです。どれか1つが出たら、後で述べる忙しい月の取り決めに切り替える合図にします。
工程を5つに分け、代表の手元は商談と月1回の見直しにする
属人化をほどく最初の手は、新規開拓を5つの工程に分け、工程ごとに担い手を決めることです。ターゲット選定、リスト作成、架電、商談、結果分析・改善の5つです。代表が一人で開拓している会社では5つすべてを代表が持っており、どれか1つが止まると全体が止まります。
| 工程 | 今の担い手 | 仕組みにした後 | 引き継ぐもの |
|---|---|---|---|
| ターゲット選定 | 代表 | 代表(月1回の見直し) | 対象の1文と除外の一覧 |
| リスト作成 | 代表 | 事務の担当か外注先 | 抽出の条件と優先順位 |
| 架電 | 代表 | 架電の担当か外注先 | トークと断り理由の分類 |
| 商談 | 代表 | 代表(営業責任者が代わる日あり) | 商談シートの書式 |
| 結果分析・改善 | 誰もいない | 週30分の振り返り(代表と担当) | 記録表と変更の履歴 |
代表の手元に残すのは、商談と、月1回の対象の見直しの2つです。商談は受注に直結し、対象の見直しは粗利や提供の余力を知る人にしかできません。残りの3つは、引き継ぐものが文章と表になっていれば、社内の別の人にも外注先にも渡せます。代表が商談に時間を使える分担の作り方は代表が商談だけに集中できる体制の作り方で詳しく扱っています。
想定ケース(架空の条件):4か月動いて2か月止まる会社の1年
代表が一人で開拓し、4か月動いては納品の忙しさで2か月止まる会社があるとします。再開のたびに、リストの作り直しに1週間、トークの思い出しと手直しに1週間かかり、再開後の2週間は相手がつかまる時間帯や断り理由を手探りで集め直します。1回の再開で約4週間、年2回で約8週間が、前に進まない立ち上げ直しに消えます。工程が分かれていれば、代表が止まってもリストと架電は続き、この8週間はほぼ要らなくなります。
担い手を決めるときは、名前と時間まで書きます。「事務の担当がリストを作る」ではなく、「事務の担当が毎週月曜の午前に、翌週分の100社を抽出して除外の一覧と照合する」のように、いつ・どれだけを決めておくと、忙しい週にも抜けにくくなります。
引き継ぐ順番は、リスト作成、架電、振り返りの進行の順にすると無理がありません。リスト作成は条件が文章になっていれば最も渡しやすく、代表の時間も早く空きます。架電は、トークと断り理由の分類がそろってから渡します。振り返りの進行は最後で、記録が数週間たまり、見る数字が固まってから担当者に任せます。
記録は1件1行・8列で、誰でも続きからかけられる形にする
記録不足を直す目安は、架電の担当が替わっても、翌日から続きをかけられるかどうかです。そのためには架電1件ごとに1行、決まった列に結果を残します。列を増やしすぎると書かれなくなるため、最初は8列で十分です。
| 列 | 書き方の例 |
|---|---|
| 日時 | 11月12日10時20分 |
| 企業名 | リストの番号と社名 |
| つながったか | つながった/不在/番号違い |
| 話せた相手 | 受付・担当者・決裁者 |
| 会話になったか | 用件まで聞いてもらえたか |
| 結果 | 商談承諾・保留・断り |
| 断り理由 | 相手の言葉に近い形で1行 |
| 次の予定 | かけ直す日付か、架電しない |
8列のうち最も効くのが、断り理由と次の予定です。断り理由は「不要」とまとめず、「制作会社と年間契約中で、更新は来年4月」のように相手の言葉に近い形で書きます。こう残っていれば、再開したときに、来年4月の前に連絡すべき相手を一覧から拾えます。次の予定の列があれば、断られた相手に短い間隔でかけ直してしまう事態も防げます。
想定ケース(架空の条件):断り理由の書き方で、再開の最初のリストが変わる
3か月で断りが150件たまったとします。「不要」とだけ書いた記録からは、次に連絡すべき相手は拾えません。相手の言葉に近い形で書いた記録なら、「制作会社と契約中」と「来期に検討」が合わせて40件あり、そのうち更新や来期が3か月以内に来る相手が15件、という形で、再開したときに最初にかけ直すリストがすぐにそろいます。
週に一度、断り理由を6〜8個の分類に振り分けます。分類は「時期」「既存の依頼先」「必要性を感じない」「決裁者が別」「予算」「対象外」などから始め、どれにも入らないものが増えたら分類を足します。大橋メソッドの架電でも、断り理由はすべて分類して記録し、内訳を週次レポートで共有するとしています。分類の作り方とトークへの生かし方は断り理由の分類でトークを改善するが参考になります。
記録の置き場所も一つに決めます。担当者ごとの表やメモに分かれていると、集計のたびに転記が要り、転記の手間が振り返りを止める原因になります。共有の表を1枚にし、外注先を使う場合も同じ列で書いてもらいます。
記録に担当者の氏名を残すなら、個人情報としての扱い(何のために取得し、誰と共有するか)を先に決めておきます。事業者向けの架電は特定商取引法の電話勧誘販売の規制の多くが適用除外とされていますが、断られた相手へのかけ直しや、相手が個人事業主の場合には配慮が要ります。判断に迷う点は専門家に確認してください。
週30分の振り返りで、率の最も低い工程を1つだけ直す
振り返り不足を直すには、毎週同じ曜日の30分を予定に入れ、見る数字と決めることを固定します。見るのは4つの率(接続率・担当者到達率・会話率・商談化率)と断り理由の上位3つ、決めるのは翌週に変える1点だけです。決める中身が毎回同じなら、代表がいない週も担当者だけで進められます。
率を出す(5分)
記録表から、接続率・担当者到達率・会話率・商談化率の4つを出します。
目安と比べる(5分)
説明が必要な商材の目安(接続率30〜45%、担当者到達率25〜40%、会話率50〜70%、商談化率8〜15%)と比べ、最も離れた率を1つ選びます。
その工程の記録を読む(10分)
選んだ工程の断り理由や、不在の多い時間帯を読み、原因の見立てを1行で書きます。
変える1点を決める(10分)
時間帯・リストの条件・冒頭の一言のうち1つだけを変え、変えない点も書き残します。
下の試算では、ある月の記録が架電880件、接続率27%・担当者到達率34%・会話率56%・商談化率9%だった場合に、各工程の件数と商談・受注の見込みを示します。
試算
架電880件から受注までの件数の見込み
架電880件に対して、接続は約238件、担当者と話せるのは約81件、商談の日程確定は約4.1件、実施は約3.4件、受注の見込みは約0.6件です。
架電全体から見た商談化は0.46%で、説明が必要なBtoB商材の目安(0.5〜1.5%)より低い水準です。接続率・担当者到達率・商談化率のうち、目安から最も離れている率を先に見直します。同じ率のままなら、受注1件あたり約1,354件の架電が必要です。
| 工程 | 率(目安との比較に使う) | 件数 |
|---|---|---|
| 架電 | — | 880件 |
| 接続 | 接続率(27%) | 約238件 |
| 担当者と会話 | 担当者到達率(34%) | 約81件 |
| 話を聞いてもらえた | 会話率(56%) | 約45件 |
| 商談の日程確定 | 商談化率(9%) | 約4.1件 |
| 商談の実施 | 商談実施率(84%) | 約3.4件 |
| 受注 | 受注率(19%) | 約0.6件 |
件数は各工程の率を順に掛けた見込みです。会話30件以上のデータがそろうまでは、率の小さな差で結論を出さないようにします。
この月は架電全体から見た商談化が0.46%で、目安の0.5〜1.5%を下回りました。4つの率のうち目安から最も離れているのは接続率で、27%は下限の30%に届いていません。直すのはトークではなく、リストの電話番号と架電の時間帯です。接続率が30%まで戻れば、ほかの率が同じでも商談の日程確定は約4.5件になります。
翌週は、変えた1点の効果を同じくらいの件数で確かめます。件数が少ない週の率は1〜2件の差で大きく動くため、会話が30件に届くまでは、率の小さな上下で結論を出しません。率から直す工程を決める手順をさらに詳しく知りたい場合はKPIからアポ率の低い工程を特定する方法を参照してください。
振り返りで決めたことは、日付・変える1点・理由・確かめる数字の4つを、変更の履歴として1行で残します。出席するのは代表と架電の担当で、外注先を使っている場合は外注先の担当者も加えます。履歴が10行、20行とたまるころには、どの変更が効き、どれが効かなかったかが、自社の型として読めるようになります。
忙しい月に減らすのは架電の量、止めないのは記録と振り返り
納品が重なる月に、架電を予定どおり続けるのが難しいこともあります。そのとき欠かせないのは、何を減らし、何を止めないかを先に決めておくことです。減らしてよいのは架電の量で、止めないのは記録と週の振り返り、そして商談の結果を戻すことです。
| 項目 | 平常の月 | 忙しい月 |
|---|---|---|
| 架電の量 | 週150件 | 週60件まで減らしてよい |
| 記録 | 1件1行・8列 | 変えない |
| 週の振り返り | 30分 | 15分でも開く |
| 対象の見直し | 月1回 | 翌月に回してよい |
| 商談の結果の戻し | 翌営業日まで | 変えない |
量を減らしても記録と振り返りが続いていれば、忙しい月が明けたときに、前月の断り理由と保留の相手から再開できます。止めてよいものと止めないものを分けておかないと、忙しさに合わせてすべてが止まり、再開はまたゼロからになります。
架電を減らすときは、減らす相手も決めておきます。優先順位の低い企業から減らし、保留や時期の断りで次の予定が入っている相手へのかけ直しは残します。量を半分にしても、次の予定が入った相手を落とさなければ、明けた月の最初の商談の芽は残ります。
週60件という下限には、商談を増やす役目より、リストと記録とトークを使える状態に保つ役目があります。かけ続けている限り、電話番号の誤りや相手の時間帯の変化に気づけ、トークの言い回しも手から離れません。
忙しい月の架電を外注先に任せる選択もあります。その場合も、記録の列と断り理由の分類、週の振り返りの型を外注先とそろえておけば、社内で架電する月と外注する月の数字をそのまま並べて比べられます。社内で持つか外に出すかの判断は新規開拓の体制:採用・外注・兼任の選び方で扱っています。
忙しい月の扱いは、忙しくなってからでは決められません。受注が決まり、納品の開始日が見えた時点で、その期間の架電の量と担当を決めておきます。忙しい月が明けた最初の週は、量を戻す前に、保留と時期の断りの相手から先にかけ直します。前月の記録が生きているうちに連絡できれば、再開の最初の週から会話が生まれます。
仕組みが回っているかは、月1回4つのサインで確かめる
仕組みにしたつもりでも、運用は少しずつ崩れます。月に一度、次の4つのサインで確かめると、崩れ始めを早めに見つけられます。点検は、月初の振り返りの30分を少し延ばして行えば足ります。別の会議を立てると、それ自体が忙しい月に流れやすくなるからです。
- 代表が1週間不在でも、架電とリストの入れ替えが予定どおり進んだ
- 記録表から、先月の断り理由の上位3つを5分以内に言える
- 毎週の振り返りで変えた1点と、その翌週の数字が履歴に残っている
- 架電の量が下限を割った週が、2週続いていない
4つのうち2つ以上が崩れていたら、崩れたサインに関わる工程の担い手と時間を見直します。人を増やす前に、決めた曜日と時間が守られているか、記録の列が増えすぎて書かれなくなっていないかを確かめると、多くは手当てできます。
| 崩れたサイン | 見直す場所 |
|---|---|
| 代表の不在で止まった | 引き継ぐ文章や表が足りない工程 |
| 断り理由をすぐに言えない | 分類のしかたと、振り返りの開催 |
| 変更の履歴が残っていない | 振り返りで決めた1点の書き残し |
| 下限を割る週が続く | 忙しい月の取り決めと担い手 |
外注先を使う場合は、仕組みの一部を外に出すことになります。大橋メソッドでは、週次レポートに接続率・担当者到達率・商談化率・断り理由・次週の変更点を載せ、商談後の結果を依頼側から戻してもらって、ターゲット・トーク・商談条件を更新する進め方をとっています。リスト・架電ログ・断り理由は契約者に帰属するため、契約を終えても、どの業種にどの切り口が効いたかが依頼側に残ります。
外に出すのは作業までにとどめ、記録と判断の材料は社内に残す、という線を引いておくと、相手が替わっても、社内で架電を再開しても、続きから始められます。
手順のまとめ:止まらない新規開拓の仕組みを作る
- 止まる原因を切り分ける:過去に止まった月を振り返り、属人化・記録不足・振り返り不足のどれが当てはまるかを確かめます。
- 工程を5つに分けて担い手を決める:ターゲット選定・リスト作成・架電・商談・結果分析の担い手と、曜日・時間を書きます。
- 記録表を作る:1件1行・8列の記録表を共有の場所に置き、断り理由の分類を6〜8個決めます。
- 週30分の振り返りを始める:4つの率と断り理由の上位3つを見て、翌週に変える1点を決めます。
- 忙しい月の扱いを決める:減らしてよいものと止めないものを表にし、関わる全員で共有します。
- 月1回、4つのサインで点検する:代表不在の週、断り理由の把握、変更の履歴、下限の割れ方を確かめ、崩れた工程を直します。
よくある失敗と対策
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| 忙しくなったら新規開拓をすべて止め、落ち着いてから再開する | 架電の量は減らしても、記録・週の振り返り・商談の結果の戻しは止めない取り決めを先に作る |
| 架電の結果を、担当者の手帳や頭の中に残す | 1件1行・8列の記録表を共有の場所に置き、断り理由は相手の言葉に近い形で書く |
| 数字が悪い週に、トーク・リスト・時間帯を一度に変える | 4つの率を目安と比べ、最も離れた工程に関わる1点だけを変えて、翌週に同じくらいの件数で確かめる |
| 仕組み化を、人を増やすことだと考える | 先に工程を5つに分けて担い手と時間を決め、記録表と振り返りの型を整えてから、人や外注を足す |
チェックリスト
- 5つの工程それぞれに、担い手の名前と曜日・時間を書いた
- 代表が持つ工程を、商談と月1回の対象の見直しに絞った
- 架電の記録表を1件1行・8列で作り、共有の場所に置いた
- 断り理由の分類を6〜8個決めた
- 週30分の振り返りの曜日と時間を、予定表に繰り返しで入れた
- 忙しい月に減らしてよいものと止めないものを決めた
- 月に一度、4つのサインで仕組みを点検する日を決めた
よくある質問
新規開拓が数か月で止まってしまうのは、何が原因ですか?
多くは、工程が代表など特定の人に紐づき、記録と振り返りがないまま回していることが原因です。納品が忙しくなると架電が止まり、再開しようとしても誰に何を話したかが残っていないため、リストもトークも作り直しになります。工程を分けて担い手を決め、記録と週30分の振り返りを止めない形にすると、止まりにくくなります。
新規開拓の営業がうまくいかないとき、改善策はどこから手をつければよいですか?
先に、原因が仕組みにあるのか、率にあるのかを分けます。架電が続かない、記録がない、振り返りの場がないなら、工程の分担・記録表・週30分の振り返りの順に整えます。架電は続いているのに商談にならないなら、4つの率を目安と比べ、最も離れた工程に関わる1点だけを変えて翌週に確かめます。
新規開拓の記録を分析してアポ率を上げるには、毎週何を見ればよいですか?
接続率・担当者到達率・会話率・商談化率の4つと、断り理由の上位3つです。率は説明が必要な商材の目安と比べ、最も離れたものを1つ選びます。接続率が低ければ番号と時間帯、担当者到達率なら受付での名乗りと用件、商談化率なら冒頭の事実と切り口を疑い、変える1点を決めて翌週に同じくらいの件数で比べます。
代表しか営業できない会社でも、新規開拓を仕組みにできますか?
できます。代表の手元には商談と月1回の対象の見直しだけを残し、リスト作成と架電は事務の担当か外注先に、結果分析は週30分の振り返りに移します。前提は、対象の1文、除外の一覧、トーク、断り理由の分類、記録表を文章と表にしておくことです。渡せる形になっていれば、代表が商談に出ている間も開拓は止まりません。
架電の記録が続きません。最低限、何を残せばよいですか?
日時、企業名、つながったか、話せた相手、会話になったか、結果、断り理由、次の予定の8列で足ります。続かない記録の多くは、列が多すぎるか、書く場所が担当者ごとに分かれています。共有の表に1件1行で書き、断り理由だけは相手の言葉に近い形で残すと、再開したときにすぐ使える記録になります。
納品が忙しい月は、新規開拓を止めてもよいですか?
架電の量を減らすのはかまいませんが、記録・週の振り返り・商談の結果の戻しは止めないほうが安全です。この3つが続いていれば、忙しい月が明けたときに、前月の断り理由や保留の相手から再開できます。すべてを止めると再開はゼロからになり、リストとトークの作り直しに数週間かかります。
この記事の前提と根拠
- 3つの原因と5つの工程は、新規開拓が止まる典型的な形を、工程と担い手の観点で整理したものです。特定の会社の事例ではありません。
- 試算の架電880件・接続率27%・担当者到達率34%・会話率56%・商談化率9%・実施率84%・受注率19%は、分析の手順を示すための仮の値です。
- KPIの目安(説明が必要なBtoB商材の架電):接続率30〜45%、担当者到達率25〜40%、会話率50〜70%、商談化率8〜15%、架電全体から見た商談化0.5〜1.5%。判断には会話30件以上が一つの目安です。
- 大橋メソッドの進め方:週次レポートの項目は接続率・担当者到達率・商談化率・断り理由・次週の変更点。リスト・架電ログ・断り理由は契約者に帰属する。
参照した資料
- Ahrefs「Update: AI Overviews Reduce Clicks by 58%」(2026年2月4日)
- Google 日本版ブログ「AI による概要」
- Google 日本版ブログ「AI モード」日本語版の提供開始(2025年9月9日)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド」
数字の目安は一般的な水準を整理したもので、商材・対象・条件によって変わります(2026年11月時点)。
次の一歩
自社の新規開拓が止まる原因を整理したい場合は、このページ下の相談フォームに、過去に試した営業とうまくいかなかった理由、今の主な受注経路、手元にある架電の記録の有無を書いて送ってください。連絡は1営業日以内にメールで届き、30分のオンライン無料相談では、今のリストとトーク、集まっている断り理由を順に整理します。整理した内容は、どの工程から仕組みにするかを決める材料になります。