この記事でわかること
- 取引先・同業・地域の3方向が、起点の顧客と共有しているものと、営業で気をつける点の違い
- 起点に向く顧客を継続・合意した指標・決裁者との接点で選ぶ基準と、契約前の状態を1文にする方法
- 「起点の顧客」「広げた方向」の列を持つ周辺リストの作り方と、既存顧客・失注先・競合への配慮で外す範囲
- 同業・別の地域の約300社に延べ540件架電した場合の商談の見込みと、起点ごとに結果を集計して次の方向を選ぶ手順
この記事が想定している状況
AIO/LLMO支援の顧客は十数社あり、多くは紹介か検索経由の問い合わせで受注してきた。契約後の評価は悪くないのに、問い合わせが減ってからは、次の新規を既存顧客の紹介に頼る月が続いている。「今の顧客と似た会社なら話が通じるはず」と考え、周辺の企業へ自分から声をかけたい。ただ、どの顧客を手がかりにするか、同業に営業して顧客との信頼を損なわないか、リストをどこから作るかを決めきれずにいる経営者や営業責任者を想定しています。
知りたいこと
- 既存顧客をもとに、売上拡大に合う営業リストを作る手順を知りたい
- 顧客になりそうな企業を取引先・同業・地域に分けて整理し、それぞれへのアプローチ方法を知りたい
- 周辺のリストから、何件の架電で何件の商談が見込めるかを知りたい
あわせて判断したいこと
- 既存顧客の同業へ営業しても、顧客との信頼関係や守秘の約束を損なわない線引きがほしい
- 紹介を待つ状態から、時期と件数を自社で決められる営業に変えたい
読み終えるとできること
読み終えると、顧客一覧から起点にする顧客を選び、取引先・同業・地域の3方向に分けた周辺リストを、外す範囲まで含めて作れるようになります。方向ごとに最初の接点と伝える事実を決め、架電数から商談の見込みを出したうえで、起点ごとの結果を見て次に広げる方向を選べるようになります。
周辺企業は3方向:取引先・同業・地域で共有するものが違う
既存顧客の周辺企業とは、顧客と何かを共有している企業のことです。共有しているものによって、取引先・同業・地域の3方向に分けられます。取引先は顧客との取引関係を、同業は業種と商習慣を、地域は商圏と地名を含む検索のされ方を共有しています。何を共有しているかで、営業に使い回せるものと気をつける点が変わります。
| 方向 | 共有しているもの | 使い回せるもの | 営業で気をつける点 |
|---|---|---|---|
| 取引先 | 顧客との取引関係 | 顧客の評価と紹介 | 顧客の手間と信用を借りる |
| 同業・別の地域 | 業種・商習慣・質問の型 | 切り口・トーク・断り理由への返し | 顧客名と成果の数字は出さない |
| 同業・同じ地域 | 業種と商圏 | 切り口とトーク | 顧客の競合にあたる場合がある |
| 地域・別の業種 | 地名を含む質問、地域の会合 | 地名を含む質問への回答の確かめ方 | 業種が変われば切り口は作り直す |
周辺から広げる利点は、相手の状態を想像しやすいことです。起点の顧客が契約前に何に困っていたか、どの説明で契約を決めたかが分かっているため、周辺の企業にも同じ状態があるかを架電の前に確かめられます。ただし、周辺だから商談になりやすいとは限りません。顧客の事情がたまたま合っていただけということもあるため、方向ごとに小さく試して率を測ります。
試す順番は、同業・別の地域から始めるのが無難です。候補の数が多く、顧客の競合にもあたりにくく、起点の顧客で確かめた切り口をそのまま試せるからです。取引先の紹介は件数が少ないため並行して頼み、業種の変わる地域・別の業種は切り口を作り直してから、同じ地域の同業は契約上の約束を確かめてから最後に回します。
紹介を待つことと、周辺へ広げることの違い
紹介も周辺へ広げる方法の一つですが、時期と件数を決めるのは顧客の側です。周辺へ広げる営業では、誰に・いつ・何社に声をかけるかを自社で決めます。取引先の紹介も「いつ、何社まで、どんな文面で」頼むかを決めておけば、待つものから計画に入れられるものに変わります。紹介に頼る状態から抜け出す全体の流れは紹介頼みから抜け出す新規顧客開拓の手順で扱っています。
必要な顧客に、こちらからアプローチする。その仕組みを、まずは小さく試してみてください。
大橋メソッド代表(代表インタビューより)
起点にする顧客は、継続・指標・決裁者の3つで選ぶ
顧客一覧の全社を起点にすると、周辺リストに弱い仮説が混ざります。解約が近い顧客や、成果を説明できない顧客の周辺へ広げても、伝えられる事実がないからです。起点には、次の表の4つを満たす顧客を選びます。とくに4つ目の「契約前の状態」は、周辺の企業で探す条件そのものになります。
| 確かめること | 満たす目安 | 満たさないとき |
|---|---|---|
| 継続 | 契約6か月以上、または更新を1回以上 | 次の四半期に見直す |
| 合意した指標 | 月次の報告で推移を示せる | 指標を決めてから起点にする |
| 決裁者との接点 | 契約の決め手を決裁者から聞いている | 担当者から聞いた話は「仮」と記す |
| 契約前の状態 | 困っていたことを1文で書ける | 次の定例で本人に聞く |
契約前の状態は、業種や規模のような属性ではなく、顧客が置かれていた状況を書きます。たとえば「検索から来ていた問い合わせが1年で半分ほどに減っていた」「主力サービスについてAIに尋ねると、競合の名前は出るのに自社の名前が出なかった」のような1文です。周辺の企業でも同じことが起きているかは、サイトの更新状況や、社名・主力サービスでのAI検索の結果から架電の前に確かめられます。
想定ケース(架空の条件):顧客14社から起点を5社に絞る
士業6社、住宅関連5社、その他3社の計14社と契約している会社が、起点を選ぶとします。継続6か月以上は9社、そのうち合意した指標の推移を報告で示せるのは7社、契約の決め手を決裁者から聞けているのは5社で、内訳は士業3社と住宅関連2社でした。士業3社の契約前の状態は「所長が記事を書いているのに、地域名と相談内容で尋ねるとAIの回答に事務所名が出ない」、住宅関連2社は「施工事例は多いが、地名を含む質問への回答に社名が出ない」とまとまり、仮説は2本になります。
大橋メソッドのターゲット選定でも、業種・規模・地域で「AI検索対策に予算を組む企業」の仮説を1〜2本に絞り、想定の断り理由まで書いたターゲット仮説書にしています。起点の顧客から書き出した契約前の状態は、こうした仮説書の材料としてそのまま使えます。
起点が1社しかない仮説は、その顧客の個別の事情である可能性が残ります。同じ契約前の状態を持つ起点が2社以上ある仮説から先に試し、1社だけの仮説は、次に同じ状態の顧客が増えるまで候補として記録しておきます。
周辺リストには「起点の顧客」と「広げた方向」の列を持たせる
周辺リストが一般の営業リストと違うのは、各行がどの顧客から、どの方向に広げた企業かを記録している点です。この2列がないと、架電の結果が出ても、どの起点の周辺が当たったのかを後から追えません。リストは次の5つの手順で作ります。
起点ごとに条件を書き出す
起点の顧客1社につき、業種の細かい分類、従業員規模、地域、契約前の状態、決裁者の役職を1行にまとめます。
方向ごとに候補を集める
同業は業種と規模で企業データベースから抽出し、地域は地名と業種を組み合わせて探します。取引先は顧客のサイトで公開されている提携先や施工事例をもとに、顧客に確認してから候補にします。
契約前の状態で絞る
候補のサイトと、社名・主力サービスでのAI検索の結果を見て、起点の契約前の状態に近い企業を残します。確認した日付も記録します。
外す範囲を決める
既存顧客、直近6か月の失注先、顧客から声をかけないでほしいと言われた企業、契約で競合への提供を控えると約束した範囲を外します。
優先順位を付ける
起点との共通点の数と、契約前の状態の確かさでA・B・Cの3段階に分け、Aから架電します。
| 列 | 書き方の例 | 使い道 |
|---|---|---|
| 起点の顧客 | 顧客ID(社名は社内だけで扱う) | 起点ごとの商談化率を出す |
| 広げた方向 | 取引先/同業・別の地域など | 方向ごとに結果を比べる |
| 共通する条件 | 業種・規模・状態のどれが同じか | 当たりの条件を絞り込む |
| 違う条件 | 地域・規模など | 外れたときの原因を探す |
| AI検索で見た事実 | 確認日と回答の要約 | 最初の30秒で伝える |
| 外した理由 | 既存顧客・失注・約束の範囲 | 誤って架電しない |
最初に作る件数は、1方向あたり100〜300社程度が扱いやすい規模です。大橋メソッドでも初回のリストは優先順位を付けた100〜300社とし、接続率・担当者到達率・断り理由に応じて毎週入れ替えています。同業・別の地域は候補が数百社集まりやすい一方、取引先は顧客に確認できる範囲に限られるため、起点1社あたり数社を個別に扱う形になります。
顧客から取引先の担当者名や連絡先を一覧で受け取り、そのまま架電に使うと、個人情報保護法の第三者提供や利用目的の扱いが問題になる場合があります。会社の代表番号など公開情報から当たるのか、顧客の紹介を経るのかを先に決め、判断に迷う場合は弁護士などの専門家に確認してください。リストをどこから手に入れるかで変わる注意点は、営業リストの入手方法と個人情報の注意点で確かめられます。
方向ごとに、最初の接点と伝える事実を変える
同じトークを3方向に使い回すと、どこかで無理が出ます。取引先には顧客を介した紹介、同業には相手自身の検索結果、地域には地名を含む質問への回答というように、最初の接点と最初に伝える事実を方向ごとに変えます。
| 方向 | 最初の接点 | 最初に伝える事実 | 避けること |
|---|---|---|---|
| 取引先 | 顧客からの紹介メール | 顧客が話してよいと言った範囲の評価 | 顧客の費用や契約内容に触れる |
| 同業・別の地域 | 架電 | 相手の社名や主力サービスでの検索結果 | 「同業の〇〇社でも」と社名を出す |
| 同業・同じ地域 | 約束の範囲を確かめた後の架電 | 同上 | 顧客と比べる言い方 |
| 地域・別の業種 | 架電、地域の会合 | 地名と業種で尋ねたときのAIの回答 | 起点の業種の切り口をそのまま使う |
取引先には、時期と社数を区切って紹介を頼む
紹介を頼む時期は、合意した指標の改善を月次の報告で示した直後か、契約の更新が決まった直後が向いています。頼み方は具体的にし、「取引先のうち、サイトからの問い合わせを受けている会社を2社まで教えていただけますか」のように社数を区切ります。顧客がそのまま転送できる3〜4行の紹介文を用意しておくと、顧客の手間が減ります。頼む頻度は四半期に1回程度にとどめます。
同業には顧客名を出さず、相手自身の検索結果で話す
同業への架電では、起点の顧客の社名や成果の数字は出しません。顧客との守秘の約束に触れるうえ、聞いた側も自社の情報が同じように外で話されると受け取ります。伝えるのは、相手の社名や主力サービスで事前にAI検索した結果を「今はこう表示されています」と示す事実と、検索からの問い合わせが減っている背景の一言で、詳しい説明は商談に回します。
同じ業種を支援してきた経験は、顧客の名前ではなく、どの質問で名前が出るかを確かめる観点として生かします。地域・別の業種では業種が変わるため、起点の顧客で使った切り口はそのままでは通じません。地名と業種を組み合わせた質問でAIの回答を確かめ、相手の業種の言葉で事実を伝えます。業種ごとの質問の型と例文は業種別LLMO営業トークの切り口と例文が参考になります。
同業・別の地域の約300社で、商談は何件見込めるか
周辺リストのなかで件数が最も集まりやすいのは、同業・別の地域です。先の想定ケースで士業3社を起点に、規模と契約前の状態が近い事務所を別の地域から約300社集めたとします。1回の架電でつながらない先へのかけ直しを含め、1社あたり平均1.8回、延べ540件の架電になります。
下の試算では、延べ540件の架電に対し、接続率36%、担当者到達率34%、会話率64%、商談化率13%、商談実施率88%、受注率21%と置いた場合の件数を示します。率はいずれも説明が必要なBtoB商材の目安の範囲で置いた仮の値です。周辺の企業だから率が高くなるとは決めつけず、テストの実測に置き換えて使います。
試算
架電540件から受注までの件数の見込み
架電540件に対して、接続は約194件、担当者と話せるのは約66件、商談の日程確定は約5.5件、実施は約4.8件、受注の見込みは約1件です。
架電全体から見た商談化は1%で、説明が必要なBtoB商材の目安(0.5〜1.5%)の範囲内です。同じ率のままなら、受注1件あたり約531件の架電が必要です。
| 工程 | 率(目安との比較に使う) | 件数 |
|---|---|---|
| 架電 | — | 540件 |
| 接続 | 接続率(36%) | 約194件 |
| 担当者と会話 | 担当者到達率(34%) | 約66件 |
| 話を聞いてもらえた | 会話率(64%) | 約42件 |
| 商談の日程確定 | 商談化率(13%) | 約5.5件 |
| 商談の実施 | 商談実施率(88%) | 約4.8件 |
| 受注 | 受注率(21%) | 約1件 |
件数は各工程の率を順に掛けた見込みです。会話30件以上のデータがそろうまでは、率の小さな差で結論を出さないようにします。
この条件では、商談の日程確定は約5.5件、実施は約4.8件、受注の見込みは約1件です。会話は約42件たまるため、商談化率を判断に使う目安の会話30件以上に届きます。約300社を1巡して受注1件という見込みは小さく見えますが、同時に約42件の会話から断り理由と反応のあった切り口が集まり、次に広げる方向を選ぶ精度が上がります。
| 方向 | 候補の集まり方 | 試し方の単位 | 判断に使う数字 |
|---|---|---|---|
| 取引先 | 起点1社あたり数社 | 紹介の依頼1回ごと | 紹介から商談になった割合 |
| 同業・別の地域 | 業種と規模しだいで数百社 | 300社・延べ500件前後 | 会話30件以上での商談化率 |
| 同業・同じ地域 | 約束の範囲内で数十社 | 50〜100社をまとめて | 断り理由に既存の依頼先が多いか |
| 地域・別の業種 | 地域の広さと業種しだい | 業種ごとに100〜300社 | 業種ごとの担当者到達率 |
1巡した約300社のうち、「時期が早い」「来期に検討する」と答えた先は、答えた内容と日付を記録し、数か月後に改めて連絡する候補として残します。一方、はっきり断られた相手への再架電は、BtoBの取引でも相手の受け止め方や法令への配慮が要るため、再び連絡しない先として外した理由の列に記録します。判断に迷う場合は専門家に確認してください。
周辺から毎月受注を生み続けるには、1つの方向を1巡したあとに、次の方向か次の起点を用意しておく必要があります。周辺だけで新規のすべてをまかなうのではなく、周辺で確かめた条件を一般のリストに戻す使い方が現実的です。当たった条件を保ったまま対象を広げる手順は営業先リストを広げて新規顧客を増やす方法で詳しく扱っています。
結果は起点ごとに集計し、次に広げる方向を選び直す
周辺リストの結果は、合計だけでなく、起点の顧客ごと・方向ごとに分けて毎週集計します。合計では平均的に見えても、ある起点の周辺だけ商談化率が高く、別の起点の周辺ではほとんど会話にならない、という差が隠れていることがあるからです。差が出たら、次の表のように読み替えます。
| 結果 | 読み方 | 次の手 |
|---|---|---|
| 特定の起点の周辺だけ商談化率が高い | その起点の契約前の状態が業種に共通している | 同じ状態の企業を別の地域で増やす |
| 同業・別の地域で担当者に届かない | 規模が大きく窓口が分かれている | 規模を起点に近い帯へ戻す |
| 「付き合いのある制作会社がいる」が多い | 地域に既存の依頼先がある | その地域は協業の検討に回す |
| 紹介が商談にならない | 紹介の範囲や文面があいまい | 紹介文と頼む範囲を直す |
表の3行目のように、地域に既存の依頼先が多いと分かった場合は、架電を増やすより、その依頼先と組む形のほうが早いこともあります。制作会社や広告代理店と組む場合の形の違いはWeb制作会社・広告代理店との協業の比較で比べています。
想定ケース(架空の条件):起点別に集計して、住宅関連の広げ方を変える
3週間で、士業3社を起点にした同業・別の地域(延べ540件)から商談が5件、住宅関連2社を起点にした地域・別の業種(延べ260件)から商談が1件でした。住宅関連の周辺では断り理由の上位が「地域の制作会社に頼んでいる」で、担当者到達率も目安の下限を下回っていました。そこで住宅関連は地域へ広げるのをやめ、同業・別の地域に切り替えます。起点の2社のうち、周辺の反応が弱かった1社は次の四半期に入れ替えの候補とします。
大橋メソッドの週次レポートも、接続率・担当者到達率・商談化率・断り理由・次週の変更点を項目にしており、リスト・架電ログ・断り理由は依頼側に帰属します。周辺へ広げる営業では、どの起点のどの方向が当たったかという記録そのものが、次の起点を選ぶ材料になります。周辺から受注した企業が新しい起点になれば、広げる範囲は少しずつ外へ伸びていきます。
起点の入れ替えは、毎週ではなく四半期に1回程度にとどめます。週ごとに変えるのはリストの順番とトークの言い回しまでにしておくと、起点ごとの率を同じ条件で比べられます。新しく受注した顧客は、半年ほど続いて指標の推移が見えてから起点の候補に加えます。
手順のまとめ:既存顧客の周辺企業へ広げる営業リストを作る
- 起点の顧客を選ぶ:継続・合意した指標・決裁者との接点の3つを満たす顧客を選びます。
- 契約前の状態を書く:起点ごとに、契約前に困っていたことを1文で書き出します。
- 3方向に候補を集める:取引先・同業・地域の方向ごとに候補を集め、契約前の状態が近い企業を残します。
- 外す範囲と優先順位を決める:既存顧客・失注先・約束の範囲を外し、共通点の数でA・B・Cに分けます。
- 方向ごとに接点を変えて試す:取引先は紹介、同業と地域は事実を伝える架電で始め、1方向300〜500件程度で反応を測ります。
- 起点別に集計して選び直す:起点ごと・方向ごとに商談化率と断り理由を毎週集計し、次の起点と方向を決めます。
よくある失敗と対策
| よくある失敗 | 対策 |
|---|---|
| 同業への架電で、起点の顧客の社名や成果の数字を例に出す | 同業には相手自身の検索結果と業種に共通する観点だけを伝え、顧客名を出すのは顧客から書面で了承を得た場合に限る |
| 解約が近い顧客や、成果を説明できない顧客まで起点にする | 継続・合意した指標・決裁者との接点・契約前の状態の4点で起点を選び、満たさない顧客は次の四半期に見直す |
| 起点の顧客と広げた方向を記録せずに架電し、どこが当たったのか分からなくなる | リストに2列を必ず設け、週ごとに起点別・方向別の担当者到達率と商談化率を出す |
| 取引先の紹介を毎月のように頼み、顧客の負担になる | 指標の改善を報告した直後や更新時に、社数を2社までに区切り、転送できる紹介文を添えて頼む |
| 同じ地域の同業へ、契約上の約束を確かめずに架電する | 競合への提供を控える約束の有無と範囲を契約書で確かめ、当てはまる企業を外した理由の列に記録する |
チェックリスト
- 起点の顧客を、継続・合意した指標・決裁者との接点で選んだ
- 起点ごとに契約前の状態を1文で書いた
- 周辺リストに「起点の顧客」と「広げた方向」の列がある
- 既存顧客・直近の失注先・約束で控える範囲を外した
- 同業への架電で顧客名や成果の数字を出さないことを、トークの初稿で確かめた
- 取引先に紹介を頼む時期と、1回に頼む社数を決めた
- 起点別・方向別の商談化率と断り理由を毎週集計する表を用意した
よくある質問
既存顧客をもとに、売上拡大に合う営業リストを作るにはどうすればよいですか?
継続して成果が出ている顧客を起点に選び、契約前に困っていたことを1文で書き出します。そのうえで取引先・同業・地域の3方向に候補を集め、契約前の状態が近い企業を残し、既存顧客・失注先・約束で控える範囲を外します。各行に起点の顧客と広げた方向を残すと、どの周辺が当たったかを後から比べられます。
AIO/LLMO支援の顧客になりそうな企業は、既存顧客の周りでどう整理し、どう声をかければよいですか?
取引先・同業・地域の3方向に分け、方向ごとに最初の接点を変えます。取引先は顧客からの紹介、同業は相手の社名や主力サービスでAI検索した結果を伝える架電、地域は地名と業種を含む質問へのAIの回答を示す架電が基本です。同業には顧客名や成果の数字を出さないことを、トークの初稿で確かめておきます。
既存顧客の同業に営業すると、顧客との関係が悪くなりませんか?
顧客の社名や成果を出さないこと、契約で競合への提供を控えると約束した範囲を外すことの2点を守れば、関係を損ないにくくなります。同じ地域の同業は顧客の競合にあたる場合があるため、まず別の地域の同業から始め、同じ地域へ広げる前に契約書の約束を確かめるのが無難です。
既存顧客に取引先を紹介してもらうときは、いつ、どう頼めばよいですか?
合意した指標の改善を月次の報告で示した直後や、更新が決まった直後が頼みやすい時期です。「サイトからの問い合わせを受けている取引先を2社まで」のように範囲と社数を区切り、顧客がそのまま転送できる短い紹介文を添えます。頼む頻度は四半期に1回程度にとどめます。
周辺企業のリストは、何社くらいから試せば判断できますか?
1方向あたり100〜300社程度から始め、判断には延べ300〜500件程度の架電と会話30件以上を目安にします。同業・別の地域の約300社に延べ540件架電し、率を目安の範囲で置くと、会話は約42件、商談の日程確定は約5.5件、受注は約1件の見込みです。取引先は件数が少ないため、紹介の依頼1回ごとに結果を記録します。
この記事の前提と根拠
- 架電の率の目安(接続率30〜45%、担当者到達率25〜40%、会話率50〜70%、商談化率8〜15%、商談実施率80〜90%、受注率15〜25%)は、説明が必要なBtoB商材での一般的な水準です。試算の率はこの範囲で置いた仮の値で、周辺企業だから率が上がるという前提は置いていません。
- テストの判断に使う件数(1パターンあたり架電300〜500件程度、会話30件以上)は一般的な目安です。
- 個人情報保護法や、顧客との守秘・競合に関する約束の扱いは一般論です。個別の判断は弁護士などの専門家に確認してください。
- 大橋メソッドの進め方:ターゲット選定で仮説を1〜2本に絞って文章にし、初回100〜300社のリストを架電結果に応じて毎週入れ替えます。リスト・架電ログ・断り理由は依頼側に帰属します。
参照した資料
数字の目安は一般的な水準を整理したもので、商材・対象・条件によって変わります(2026年11月時点)。
次の一歩
このページ下の相談フォームに、既存顧客の業種ごとの社数、紹介で受注した割合、月に何件の商談があれば目標に届くかを書いて送ってください。1営業日以内にメールで連絡があり、30分のオンライン無料相談で、今のリストと断り理由を整理しながら、起点にできそうな顧客の条件を確かめられます。希望すれば、対象業界・期間・報告項目・費用を書いた初期テストの提案書も受け取れます。営業電話はかかってきません。